ここが変だよ!床ずれの常識
■10.ラップ療法なら,感染と壊死組織のある褥創も治療できる(2)

スライドはこちらです
■スライド1
  • 発症後1週経過後の仙骨部W度褥創.
  • 老人ホーム長期入所中の70代男性.脳梗塞後遺症のため,寝たきりの状態です.経口摂取可能です.
  • 1週間前に仙骨部に発赤を生じ(炎症期),V度褥創としてラップ処置をしておりましたが、高熱を生じ,救急センターに搬送されました.
  • 黒色壊死組織の下に波動を伴う膿瘍を生じております.
  • 周辺皮膚は発赤腫脹が著明で,2時から4時方向に表皮剥離を認めます.
■スライド2
  • 壊死組織の中心部をデブリドマンします.
■スライド3
  • 膿汁が排出されました.壊死組織の周辺は10mmほど残しておきます.深さ方向も控えめに切除し,出血を最小限にします.
  • ポケット形成がありますが,鈍的に剥離するにとどめます.
  • デブリドマンは,ドレナージが目的です.
■スライド4
  • 発赤腫脹のある部分より大きめにラップを貼ります.小さく貼ると,バンソウコのために表皮が剥離してしまいます.
  • 経口摂取可能なので,入院しないで治療することにしました.
  • ホームでは,皮下注射により抗生物質(パンスポリン1g・生食100ml・ソリタT1 200ml を混合)×2回・日を7日間投与しました.
■スライド5
  • 発症3週経過
  • 抗生剤投与後3日で平熱になりました.感染はコントロールされました.
  • 壊死組織は柔らかい黄色壊死組織(スラフ)に変化して融解しました.創底も明らかになっております.創の周縁の表皮の浸軟,びらんは,わずかです.
■スライド6
  • 発症4週経過
  • 創底に肉芽が形成されてきました.スラフの融解が進んでいます.
■スライド7
  • 発症5週経過
  • 創底の肉芽形成が進みます。
■スライド8
(発症6週目)
創底の肉芽形成が,さらに進みます.
■スライド9
  • 発症11週経過
  • 創が平坦になりました。創の周辺から表皮化が進んでいます。
■スライド10
  • 撮影は,表皮化完成するまで続きます.
  • このように,感染合併した褥創症例の入院治療は必須ではありません.
  • 適切な時期にデブリドマンして抗生物質を投与すれば、外来で治療できます.
  • 必要条件は,医師と看護師が的確に創と全身状態の判断ができるということです.
  • 1週間に1度しか見ることができないのでラップ療法はできませんとかラップ療法は毎日交換しなければならないのでむずかしいとかいわれることがあります.
  • だからといって,入院患者で1週間に1度しか見ることができないのでラップ療法はできませんとかラップ療法は毎日交換しなければならないのでむずかしいいうのも変な話です.
  • 結局のところ,的確な判断と処置ができなければ,外来・入院を問わず褥瘡は治らないということにつきます.

NEXT
11.ラップ療法なら,感染と壊死組織のある褥創も治療できる(3)
目次