床ずれは、ラップで治るぜよ。

 

はじめに

サイトの作者: 鳥谷部俊一 TORIYABE, Shunichi M.D

  • 内科医.
  • 1979 東北大学医学部医学科卒業.
  • 1982 東北大学第二内科.
  • 1996 自治体病院に勤務中,褥創のラップ療法を考案.
  • 1997 第36回全国自治体病院学会(山形市)で発表.
  • 2001 ウェブサイト「褥創のラップ療法」を開設.
  • 2004-2009 相澤病院(長野県)褥創治療センター.
  • 2005 開放性湿潤療法OpWTを提唱.
  • 2010 たかせクリニック 顧問
  • 2011 大崎市民病院鹿島台分院 
  • 関心領域: 創傷ケア,慢性期医療.
  • 論文・著書:
  • 齋藤ひろみ,櫻井和子,小関友子,鳥谷部俊一:私たちの褥瘡ケア−食品包装用フィルムを用いたODT療法.全国自治体協議会雑誌,21-23,1998.
  • Toriyabe S. Saito H, Sakurai K.: Letter: Use of a food wrap as a dressing material. Advances in Wound Care, October:405-406,1999.
  • 鳥谷部俊一,末丸修三:食品包装用フィルムを用いるV〜W度褥瘡の治療の試み.日医雑誌,123(10):1605-1611,2000.
  • 褥創治療の常識非常識―ラップ療法から開放性ウエットドレッシングまで―.三輪書店,東京,340p,2005.
  • これでわかった!褥創のラップ療法―部位別処置事例集.三輪書店,東京,240p,2007.
  • 鳥谷部俊一:褥瘡のラップ療法(開放性ウエットドレッシング療法).在宅医学(日本在宅医学会テキスト編集委員会).p211-212,メディカルレビュー社,東京,2008.
  • Dr.鳥谷部の超ラップ療法 ケアネットDVD.ケアネットTV,東京,2007.

  • 超高齢社会を迎え,病院,施設,在宅を問わず褥瘡対策が大きな課題となっております.この十数年間に多くの知見が集積され,褥瘡の予防治療は飛躍的に進歩しました.1996年に講師が発案した“ラップ療法”は,だれでも簡単にできる処置法(開放性湿潤療法)に進化しました.2008年には医療用ドレッシング(モイスキンパッド)が発売され、ラップ療法の可能性を広げました.
  • 第11回日本褥瘡学会学術総会(2009年)のラップ療法シンポジウムでは,大会場の参加者を前に白熱した議論が展開されました.学会はラップ療法検討委員会を設置し,ガイドラインにおけるラップ療法の位置づけの検討に着手しました.
  • ラップ療法に対する関心が全国的に高まる一方で,不確実な知識でラップ療法を行うことに不安を感ずる方々も多いと思われます.このサイトでは,私の褥瘡治療経験(1500例)をもとに,ラップ療法の歴史,理論,手技,治療例などについて詳しく解説しております.読了後は「褥瘡診療・治療が楽しみになる」こと間違いありません.多くの医療関係者の手により,ラップ療法の正しい知識を褥瘡でお悩みの患者家族のもとにお届けできれば幸甚です.

「ラップ療法」から開放性湿潤療法OpWTに呼称を改めました.

  • 「ラップ療法」という呼称は,食品用ラップを創に貼って治療することに由来します.その後多くの方々により改良が積み重ねられ,いろいろな「ラップ療法・変法」が生まれました.そのためもあってか,ラップ療法にはさまざまな誤解が生じているようです.

  • ラップ療法の本質は開放性湿潤療法OpWTという新しい創傷治療理論にあります.名称を変更する目的のひとつは,この理論を正しく理解していただくことにあります.
  • 従来,閉鎖療法(ODT)と湿潤療法は同義語として用いられてきました.
  • ラップ療法は,開放性湿潤療法という新しい治療概念を提唱するものです.
  • ラップ療法は創を閉鎖しません.
  • 英文名としてOpen Wet-dressing Therapy (OpWT)を採用しました.
  • 創を閉鎖しないことにより,感染,壊死組織,ポケットのある創も容易に治療できるようになりました.
  • ちなみに,ラップ(wrap)とは「包む」という意味で,創面をやさしく包んで治療する方法(ラップ法)と理解してもよいでしょう.
(10/01/01 加筆)