当コーナーは「魔女っ子アニメ列伝」と題して、魔法少女が活躍する様々なアニメをご紹介していこうと思っています。 一応、題名は「魔女っ子アニメ列伝」となっていますが、主人公の少女が魔法を使う作品だけではなく少女が変身して戦う アニメも含まれますし、また(筆者の好みによって)単なる少女アニメが登場することもあります。そのあたりは臨機応変(?) ということで、ご容赦願います…。
 それでは、「魔女っ子アニメ列伝」第2回目のはじまりはじまり〜。



魔女っ子メグちゃん
(1974年4月1日〜1975年9月29日・全72話 / TV放送)

〜二つの胸のふくらみは、心に忍び込んだか?〜
 東映動画は1966年に放送された「魔法使いサリー」に始まり数多くの少女向けアニメの 傑作を輩出した、いわば魔女っ子アニメ製作の元祖的存在であります。その東映動画が生み出した魔女っ子アニメの歴史の中で 一つのターニングポイントとなったのは、第7作目にあたる「魔女っ子メグちゃん」(以下、「メグ」)ではないでしょうか。
 「メグ」は凄まじく不調に終わった「ミラクル少女リミットちゃん」の後番組として登場した作品で、前作品を企画した ひろみプロ(他に特撮番組「サンダーマスク」などを製作)がそのまま原作を担当しており、キャラクターデザインには「リミット ちゃん」と同時期に放送していた「キューティーハニー」の作画監督である荒木伸吾氏が起用されています。 (そのせいで「キューティーハニー」の最終26話が未完に終わったとか…)

 それはともかく、本作とそれ以前の魔女っ子アニメとを画し、「メグ」を魔女っ子アニメの歴史に残るヒット作へ押し上げる 起爆剤となった要素、それは本作が男性視聴者をターゲットの入れているような作り方をされていたことでしょう。
 それまでの東映魔女っ子アニメは(「魔法のマコちゃん」という例外はあるにせよ)基本的に主人公が幼児体型の女の子として 描かれてきたのに対し、メグはスラリとした体型の大人びた美少女 ― そう、まさに”美少女”となって いるのです(これは、直前まで放送されていた「キューティハニー」の影響を受けてのものだと思われます。実際、製作 スタッフは「ハニー」を意識していたといわれていますし、荒木氏を起用していることもその流れによるものでしょう)。
 そして、作中においては主人公メグがパンチラは言うに及ばず、あられもない下着姿を毎回のように披露していますし(さらに 言うなら、あのノンまでもがパンチラを炸裂させているのです!)、そもそもOP主題歌から して、”二つの胸のふくらみは、何でもできる証拠なの”だの”男の子なんてイチコロよ”だの扇情的な言葉が並んでいるのです。
 ゆえに、ある一定年齢以上の男性は間違いなく本作の洗礼を受けているはずであり、そういう方々は同世代の女性よりも本作に ついて熱く語れるはずです。いや、語れなければいけないのです!

 ここで話が横道にそれますが、先ほどOPの話が出たのでそのアニメーション部分について少しばかり触れておきましょう。
 (1) トランプのジョーカーが仮面を脱ぐとメグになる。
 (2) トランプの陰から裸のメグが現れ、コスプレを披露する。
 (3) 左端から黒猫が出現。猫の目にズームすると、そこから
   ノンが登場してメグと魔法バトルを繰り広げる。
 (4) 男を引き連れ、傘を手に歩くメグ。振り向いてウインクを
   すると、男達はたまらずダウン。










 …このOP冒頭における展開は主題歌とのシンクロが素晴らしく、間違いなくアニメ史上に残る名シーンと断言できる出来栄えで、 実際、様々なアニメでパロディ化されています。もし、これを見たことが無いというのであれば、絶対に人生損しています。 死ぬ前に必ず、一度は目にするべし!です。




〜「魔女っ子メグちゃん」 あらすじ紹介〜
 閑話休題。やや私的発言が続いてしまいましたので、ここらでクールダウンということで「メグ」のストーリーについて 簡単に紹介しておきましょう。

 魔界の次期女王を選抜するための試験として、候補の一人であるメグは人間界で生活することを 命じられます。メグは人間界に住む先輩魔女”神崎マミ”の家に居候することになり、マミは魔法で 皆の記憶を操作してメグを家族の一員として迎えます。
 こうして神崎家の長女としての生活を始めたメグでしたが、その前にもう一人の女王候補”郷ノン”が 現れ、そしてまた魔界の調査官である”チョーサン”が事あるごとにメグにちょっかいを出すのでした。
 果たして、メグは無事に魔界の女王となれるのでしょうか?

 簡単に作品の導入部を紹介すると、以上のようになります。ただ、メグとノンは魔界の女王になるための試験として人間界に 降り立ったということになっているのですが、全72話の中でそれを感じさせるのは、ほんの一部だけ。大半は、人情劇と ドタバタコメディをメインとしたシナリオに仕上がっています。


 ところで先に男性向けという要素が本作をヒットに導いたと書きましたが、実はこの導入部の文章に本作がヒットした もう一つの重要なファクターが存在しています。それはノンという強烈なライバルの存在と、チョーサンというコメディ リリーフ的な悪役の存在。

 まずはノンについてですが、基本的にそれまでの魔女っ子アニメでは主人公のライバルとなる存在は無く(これまた「マコちゃん」 が例外になりますが)、おっちょこちょいなメグと明確に対比されたノンの、そのクールな魅力に取り付かれた人も多かったはずです。 少しばかり大げさな表現かもしれませんが、主人公のメグが引き立つのもノンの存在あってのこと。その存在は作品にとって必要 不可欠なものだったのです(この点に関しては、また後ほど取り上げます)。
 そして作品を盛り上げたもう一人の存在がチョーサン。簡単に言えば主人公の邪魔をする悪役として存在しているキャラクター なのですが、そのスケベ心丸出しの言動は単なる脇役と呼ぶにはあまりにも個性的であり、見事に作品を彩っています(もちろん チョーサンを演じた、はせさん治氏の演技に負うところも大きいわけですが)

 これら個性溢れるキャラクターの存在によって「メグ」は強力な魅力を放ち、初期の東映魔女っ子アニメを代表する作品と なったわけです。




〜「魔女っ子メグちゃん」 登場キャラクター紹介〜
 それでは「メグ」の大まかな内容紹介が終わりましたので、主な登場人物の紹介に移りたいと思います。あれもこれもと 入れるとキリがないので、一部の脇役陣をバッサリ切り捨てています。その点はご容赦くださいませ。

神崎メグ
 魔界の次期女王候補の一人で、修行のために神崎家に居候する15歳の少女。陽気で明るく人の輪に溶け込む のが上手い反面、短気でヒステリックで短絡的な思考の持ち主でもある。怒ると粗暴な口調となってしまう。男性アイドルの ブロマイドを持っていたり、毎夜エアロビ体操に励んでいるなど魔女にしては思春期の女の子らしい部分も見せている。
 魔法を使うときは 「テクニク テクニカ シャランラ!」 (※1)と唱え、投げキッスのような 動作を行うことが多い。なお、首から下げているハート型のペンダントを奪われると魔力が半減してしまう。
郷ノン
 メグと同じく魔界の次期女王候補の一人で、修行のために郷家に居候する15歳の少女。いわゆるクール&ビューティという タイプで読書やピアノの演奏を趣味としているが、バイクを愛用するというアグレッシブな面も(ということは、物語の舞台となる 国は15歳で自動二輪免許を取得できるのだと思われる)。
 スペード型のペンダントを取られると魔力が半減するのはメグと同様。人間は下等な存在とみなしている(ただし、 脚本家の問題からか物語によって性格がコロコロと変わる)。
 ちなみに、郷家での母親はキーランという名前の元魔女、父親の名前は不明だが職業はイラストレーターと思われる。
神崎ラビ&アポ
 神崎家におけるメグの弟と妹。
 ラビは典型的な悪ガキといった少年。いつもメグに(大抵はスケベな内容の)イタズラしては怒られているが、時折姉思いの 一面を見せることもある。
 アポはおしゃまで天真爛漫、だけど怖がりやという性格の女の子で、メグのことを姉として慕っている。夜中に起き出して トイレに行こうとするも、寝惚けたまま見当違いの場所に足を運ぶことが多い。意外と暴力的だったりする。
神崎&マミ
 神崎家におけるメグの父と母。
 神埼(名前は不明)は隣町で”神崎プロモーション”という名前の会社を経営しており、様々なイベントを企画している。 羽振りの良い生活をしているので、なかなかの資産家なのだろう。通勤には自家用車を使用。
 マミはかつて魔女で、神崎と結婚したことで人間界に住むことになったようだ。既に現役を引退しているとはいえ、その魔法の 腕前は今でもメグを凌駕するほどである。恰幅の良い体格は、さすが二児の母ならではといったところか。
チョーサン
 魔界の女王から遣わされた調査官(チョーさんではなく、チョーサンが本名のようだ)。フルフル(猫)とクロー(カラス) という二匹の使い魔(?)と引き連れている。ドジでスケベで性悪と良い部分が一つも見られない、けれどもどこか憎めない 三枚目の悪役。
 人間界では町を見下ろす高台の家に住んでおり、常にメグやノンにちょっかいを出しては失敗して痛い目を見ている。ただ、それが 魔界からの命令によるものなのか、彼が私的にやっていたことなのか、いまいち判別出来ない。
ゴンベエ
 正式な名前はバリーフォン・セント・ベルナンデス・ストロハイム・ハインリッヒ・カーリフォール・ステイト・エトセトラ (長すぎだよ…)。初登場は12話「わんわん騒動」、52話「帰ってきたゴンベエ」から神崎家で飼われてレギュラー化し犬。 普段はノンビリ屋。
 ちなみに魔女は犬が苦手なのでマミやノンですら嫌がっているのだが、なぜかメグは平気な顔で接している(そういえば、EDでも メグは子犬を抱きかかえている)。

(※1)作中では「テクニク テクニカ シャランラ!」と言っているように聞こえるが、コミック版「魔女っ子メグちゃん」 (著・池原しげと)では「テクニク テクニク…」となっている。




 ページが縦に長くなってしまいましたので、続きは次項にて。



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