2000ユニセフ・スタディー・ツアー報告
ベトナムからこんにちは




2000.2.19-27
山形大学 みきさんレポート(ツアー時4年)




はじめに


 ユニセフベトナムスタディーツアーを行う目的は、ユニセフ協力活動を進める生協の組合員を対象とし、現地でのユニセフ事業を視察し、今後の地域での活動の発展に活かすことです。

 このツアーに参加した動機はいろいろあるのですが、私は将来海外で働きたいなという夢があって、青年海外協力隊のテストを受けたりしていました。海外に行きたいなと思ったのは高校生の頃で、テレビで「海の向こうでくらしてみれば」をよく見ていました。その中でアメリカの保育園で働く日本人女性が「青年海外協力隊に行きたいと思う」と言っているのを聞いたとき、青年海外協力隊ってなんだろうととても興味を持ちました。私の見ていた限り保育園の先生として子どもと楽しく過ごしていたし、他の保母さんとも打ち解けていました。はじめの頃言語の壁にぶつかりすごく努力してこの仕事に就いたのに、青年海外協力隊はそこから出て行くほどの値打ちのあるものなのかと思い、行ってみたいなあと思ったのでした。その女性がとても魅力的であったことも理由にあります。そんな風に私も生きたいなと思っていました。

 このような夢があったり、大学生協での学生委員活動の中でもインド・ビハール州へのユニセフ指定募金を行うときに、インドの様子を見たり聞いたり学習したり、古本市やユニセフ絵画展、芋煮まつりを行ってきたり、またインド・ビハール州を視察に行った人の報告を聞いたりして、現地の様子を伝えることの重要さも感じていました。

 ベトナムは今年異常気象で、滞在中はずっと曇りか雨か霧でした。
 ベトナムは日本の50年前ぐらいらしく(そのころ生きてないからわかんないけど)、村に至っては明治の初期状態だそうです。

 私は、このツアー中、本当にたくさんの経験をすることができました。いろんなものを見、聞き、味わい、独特の香りが立ちこめ、価値観や感性の違いに戸惑い(たのしみ)ながら、感動したり悲しんだり悔しかったり嬉しかったりして過ごしてきました。ベトナムを単なる募金の対象としてではなく、その文化や人間味なんかも感じてもらえたら嬉しいです。




〜CONTENTS〜

1ベトナムへ
2援助は地域住民や国がこどもの問題を解決していくきっかけづくり
3ベトナムの女性たち
4募金の意味
5考える場面に直面したとき
6今後の活動展開



1. ベトナムへ


 2000年2月19日(土)〜2月27日(日)の9日間、私はベトナム・ユニセフ・スタディー・ツアーに参加してきました。このツアーはユニセフ協会が主催しており、募金が現地でどのように活かされているのかを視察し、報告することで、たくさんの人たちに感謝の気持ちと募金の重要性を伝えるために行っています。

 行く前はすごくドキドキしていました。それはむしろベトナムに行くということよりも、帰ってきてから報告するということに対してでした。知識もないし、今までユニセフ活動だけに燃えていたわけでもない。でも、将来、海外で仕事がしたいという夢や希望はありました。その気持ちが強くあって、ベトナムに行きました。

 ベトナムの面積は約33万km2で日本の北海道+本州+四国ぐらいです。人口は7.654万人。1986年に始まったドイモイ政策(経済開放政策)により、都市部はめざましく発展していましたが、依然として山岳地帯や農村の人々は貧しい生活をしていました。視察地はベトナム中部トゥア・ティエン・フエ省。その中のフエ市とトゥイ・フォン県内の4つの村とそれぞれの幼稚園や小学校、ヘルスセンターなどを視察してきました。今回はトゥアン・タン・コープも見学させていただきました。



2. 援助は地域住民や国が
こどもの問題を解決していくきっかけづくり

 このような現状の中で、ユニセフが実施しているプロジェクトは、農村の貧しい女性がグループで「生存の知識」を学習し、女性や子どもの病気・栄養・教育を改善したり、女性が融資を受けて収入向上のための活動をし、貯蓄をしたり子どもの健康や栄養改善・教育費に充てたりできるようにしようというものです。

 ベトナムには「女性連盟」という組織があり、ユニセフがベトナムでの活動を実施するにあたって、予防接種の完全実施から女性対象の活動まで、女性の地位向上のために共に活動を展開しています。その成果もあり、現在、子どもの予防摂取率は90%、識字率は93%、小学校入学率は90%になっています。






3. ベトナムの女性たち

 私が会ったのはベトナムの中のほんの一部でほとんどが女性でしたが、彼女らはとても明るく、親切でした。都市と比べて村の人はとても貧しい暮らしですが、その中でも人々が助け合い、明るく前向きに生きている姿はとても感動し、私たちにも大きなエネルギーを与えてくれました。「つらいことはたくさんある。でもわらってすごすの」彼女たちはそう言ってました。

 ある村のグループミーティングでは、村の女性が14〜15名輪になって集まり、AIDSについて学習していました。「AIDSを予防する方法は?」という問いに対して、「不特定多数としないこと」「リングを使用すること」「母子感染を防ぐこと」などが挙げられていましたが、「コンドームを使用する」ということは一度も話されませんでした。

後に通訳のガーさんに話を聞くと、男性が女性のために何かをするということ事態が考えられないことなのだと行っていました。コンドームが政府から無料で配られているにも関わらずです。しかし、ここ3〜4年で男性の意識も少しずつ変わってきているとも言いました。女性の地位はまだ低くて、漁をしたり農業をしたり重労働です。

そのため、ベトナムでは男性よりも女性の方が寿命は短いのです。私は、今は生きることに必死だけれども、生存の知識を学ぶだけでなく、自分たちのよりよい生活を考える場として、グループミーティングが続いたらいいなと思いました。男の人も参加したり、ジェンダーについて考えたり、子どもの教育について考えたり。これは日本でもできるんじゃないだろうか。



 
4. 募金の意味

 このような取り組みをユニセフは展開しているわけですが、最初、私のユニセフに対するイメージは「あなたの100円で……」や「子どもだけを守ろうとしている巨大な組織」でした。けれど、ユニセフのことを学習していく中で知ったことがあって、それは援助は「地域住民や国がこどもの問題を解決していくきっかけづくり」「貧しい地域社会が受け入れられ、維持し、自ら広げ自立につながる方法」「住民参加、主体は地域住民、住民のエンパワーメント」であることでした。

ユニセフのプロジェクトによる4回の融資を受け、自分の力で家や家畜を大きくしていった女性に会ったのですが、彼女はとても輝いていました。もし物質やお金によるものだけが援助だとしたら、そんなふうに輝くことはできないのではないか思います。自分の力でできることをする。そのための援助に意味があるんじゃないかと思いました。

ある人が「(募金をするぐらいなのだから)悲惨な状況を期待していると思うのよね」と言っていました。悲惨から発生する心理としては「悲惨→かわいそう→募金」と「悲惨→何とかしたい、応援したい→募金」というのがあると思っていて、かわいそう募金は何か相手にとても失礼な気がするんだけど、何とかしたい協力したい募金はしたいような気がする。もちろん何とかするための方法、その原因を知ることも重要だと思います。今回見ていく中で、村のグループリーダーや女性連盟の方たち、現地ユニセフスタッフのがんばりや村の住民との信頼感の強さを知りました。とても真剣だし、ときどきつらそうだったし、でも笑顔を向けてくれたり固い握手をかわしてくれたり。私は子どもを生むつらさとか育てる苦労はまだ分からないけど、そういう風に頑張る人の気持ちは何となく分かる。ベトナム政府からの援助は建物代ぐらいで、予算もとても低い。その中でやりくりし、みんなの心を一つにする努力は並ではないと思います。私はそのがんばりも募金してくれる人に伝えたいと思ったし、それぞれのパワーにもして欲しいと思いました。



5. 考える場面に直面したとき

 ユニセフのプロジェクトが実施されていない村を訪問したときのことです。4畳半ぐらいの家に家族4人で住んでいて、生後1カ月の赤ちゃんは、オムツではなくボロ切れでくるまれていて、その母親も義祖母もぼろぼろの服を着ていました。でも彼女らの顔はとてもいい顔をしていました。嫁姑もお互いに助け合っているからか、とても仲が良かったです。何が幸せかは本人次第だし、そういうものを持てる生活がいいなと思う。たとえ都市の生活を知っても、この助け合ったりすることで生まれる幸福感みたいなものは失いたくないなと思いました。

 市場に行ったとき、とても戸惑ったことがあって、それはストリートチルドレンに会ったときでした。子どもの顔で目で、でも同情を誘う術を心得ていて「ワンダラー、ワンダラー($1)」とついてくる。絵はがきや絵を手にして売ってるんですね。ある人は「この子たちからものを買うことが募金になるかもね」と言っていました。確かに、今日の売り上げがなかったら今日明日生きられないかもしれないし親にぶたれるかもしれない、それはストリートチルドレンの多くは都市に憧れて出てきた子どもだったり、親に働かされている子どもだったりするからです。でも彼らにお金を与えても、一次的なものであっても何も変わらないような気がしたのです。だから私は同情で彼らから物は買わなかった。私は商人として彼らを見、気に入ったときは買ったし、気に入らないときは買わなかった。それが正しいのか分からないけど、ホテルで一晩悩んで考えたことでした。

 募金だけじゃ解決しない問題はたくさんあって、それは私たち一人一人がこれからの未来を考えたり模索しながら生きる中で見つけて行動したいなと思っています。学生だからこそ考えたいのかもしれない。ストリートチルドレンが生まれない、こどもたちがその権利を全うできる環境、男性、女性差別なく生きることができる環境、それをどんな人でも願うことができ、実現することができる環境。それはベトナムに限ったことではないし、日本にも言える場面はたくさんあるのではないかと思います。私は私のいきる場、大学生協や教育の場面で、それを見つけて実現していきたいと思います。



6. 今後の活動展開

・ ベトナムスタディツアーのまとめ、報告集の作成【すでにできています】
・ その後報告(おいしい報告会づくりをするじょ〜)【すでに各地で報告をしていました☆】



おまけ

 市場にも行って来ましたよ。価格が全然安定していなくて、店によって値段が全然違うのにびっくり!
 鳥のまるやきとか調味料だけとかブラだけとかが店の中にぶわーと売っていて、すごいおもしろかった。値段交渉のやりとりが楽しくて、仲良くなったおじさんにお茶をただでもらっちゃったよ。ベトナムの文化に触れる機会が何度か会ったのだけれど、すごく楽しかったし、ベトナムがとても好きになりました・





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2001.12.2
★ pico ★