私の嘆き−これで良いのか「英語教育」:

1)英語が読めない
2)発音指導がされていない
3)筆記体を知らない子供たち
4)会話・会話というけれど
5)翻訳ソフトの功罪について
6)英語上達への秘訣

ゆとりの教育が、もたらしたものは、何かについては、各人各様であり、一概にこれはこうと決めつける
ことは、どうかと思うが、これまでの公立学校における、月に二回の週5日制度に起因すると思われる
学力の低下には、唖然とするものがあるのである。これは、算数において、円周率は、3としてしまったり
低学年において、2ケタのカケ算を教えないなど、学習内容のソギ落としの程度については、驚くような
内容である。

すでに、週5日制によって現れてきた「英語教育」の分野においての顕著な現象は、枚挙にいとわないが
次のような事項である。

1 英語が読めない−−小学校の5年生で、昔は、少なくとも5−6時間は、ロ−マ字を学習していた。
  その為、中学校に進級しても、英語をロ−マ字読みして、何とか「おぼろげ」ながらでも、英単語の読み方
  を推測することが出来たのだが、今の中学1年生においては、小学校において、ロ−マ字学習に当てられて
  いる時間は、たったの1時間、しかも担当の先生によっては、「時間がないので、省略します」と言って、
  まったくロ−マ字を教えない先生もいるという。 そんな先生に当たった生徒は、中学校においてどれだけの
  苦労をしなければならないかは、実に明白である。

2 発音指導がされていない−−国際化する日本の国、小学校においてもゲ−ムや遊びを通じて
  英語に親しみ、外国人の先生も指導して行くらしい。誠に結構です。 しかし、外国語教育法も知らない
  英米・オ−ストラリア・ニュ−ジランドの青少年に、20才の年齢でボ−ナス込みで、月収30数万円の
  報酬を与えて、どれだけの効果があるのだろうか?もう少し日本人の先生に、よりよい報酬を与えて
  もっと命がけの教育をしてもらう事の方がよいのではないだろうか?
  むかし、私と同じ勤務高校で、神戸の外大出身の方で、中津遼子氏が「母子分離」による「英語発音方法」
  を提唱するずっと前から、「母子分離」のは発音指導をしておられる先生がいましたが、彼の指導は
  日本人が、国際的な発音を身につける最善の方法であると思います。
  かれの指導方法は: 
  1)日本語の「ロ−マ字」を黒板に書く。
    A I U E O / KA KI KU KE KO / SA SI SU SE SO / TA TI TU TE TO / NA NI NU NE NO/ HA HI HU HE HO/
    MA MI MU ME MO/ YA YI YU YE YO/ RA RI RU RE RO / WA I YU YE YO/ N/ -----

  2)このロ−マ字を生徒に読ませて、日本語においては、すべての字に「あいうえお」の母音、つまり
    KA には、A(あ) KI には I(い)、KUには U(う)、KEにはE(え)、KOには、O(お)というように、
    すべての文字には、母音が含まれているのが、日本語ということばの特徴であり、英語や他の
    外国語の正しい発音が出来るようになるには、母音と子音を切り離して、発音できる技能が
    必要されるとする「指導法」です。
    例えば、英語の発音を日本語の「発声法」で代用すると、どういうことになるかというと:

    It is a pencil. は、Ito isu a pensilu.=イット イズ ア ペンシル となります。
    
    この原理を指導すると、どんなに、発音の仕方を知らない人でも、呼吸の仕方を覚えたら
    K+Aは、「か」 K+I が 「き」、Kだけ「発音」しなさい。 S+Uは「す」、では、Sだけ
    発音しなさいという指図で、段々と英語らしい、子音と母音の切り離しができるようになります。

    つまり、It の後ろに、不要な o や、is の後ろに u を入れたり、l の後ろに u を入れる
    ことが、なくなり、かなり英語らしい英語を発音できるようになります。

    中津遼子氏の指導は、以上の「母子分離」の指導の他に、体操服を生徒や中学校の先生に
    着用させて、いかに「呼吸するか」を教える事でした。そのとうり、日本語という言葉は、
    大量の「空気」を吸い込んで、外に出すという発音は有りません。口先だけ動かせば
    ほとんどの単語を発音出来ますが、英語や他の国の言葉が、意味の判別を行うために
    用いる音の違いは、大量に吐き出す息の音や、大きく動かす唇や喉の動きなどがあります。
    従って、正しい発音の基本は、

    1)母子分離法
    2)呼吸方法
    3)実際の英語なり、学習することばの「発音」の実地練習
    4)英語の文章のリズムや、抑揚を覚えること
    5)単語や熟語の発音やアクセント(どの音節を強く読むのか)の学習

    になります。

3   筆記体を知らない子供たち
    どういうことか、文部省で、画策されているのかは、分かりませんが、現在の中学生や高校生においては
    英語の筆記体の習得が、必修とされなくなってしまった。美しい筆記体で書かれた英語を読みとることには
    一種独特の「ロマン」が昔はありました。
    しかし、現在の中学校では、生徒の負担を軽くするようになったのでしょうか? 筆記体を書けるということは
    要求しなくなったようです。楽な方へ楽な方へと流されて行きます。
    だから、学校や塾で、指導者が筆記体で英語を書くと読めないという生徒が現在過半数を占めるように
    なって来ました。
    国際化する日本の国で、こういう事がまかり通ってよいのでしょうか?

4   会話・会話というけれど
    外国人と話しが出来ることは、一見すばらしいことのように思えます。幼い頃から、外国人と話がしてみたい
    と思って、小学校高学年から、VOAやRADIO AUSTRALIA、BBCの英語放送を聞いたり、そして中学生の
    頃から、外国に憧れて、英語は人一倍勉強して来ました。大学は勿論、外国語大学、そして大学卒業後
    英語教師になりました。そして、バプテイスト教会に通う男子生徒に、勧められて、宣教師夫人のもとで
    雨であろう風であろうと、毎週水曜日、彼女の指導で「聖書」の勉強をしたのが7年間の長きに
    渡りました。和歌山の御坊市という田舎の町でしたが、海岸に近いところにあるBaptist Missionaryの家には
    私たちの持っていない、自動洗濯機、大きな石油スト−ブなど、そして今なら日本の婦人も普通にやれる
    ホ−ムメイド・クッキ−などが、昭和35年ころでも、平気でやられており、為替差益が日米で大きかったので
    初任給が、日本人で1万円、うどんが50円位の時代に、日本人の20−30倍くらいの月収を彼らは米国の
    団体から受け取っていたようで、とても豊かな生活を送っていました。近くに結核療養所があり、時々、軽症の
    患者が、この宣教師のところに遊びに来ていましたが、沖縄から来ていた人たちの流暢な英語には感心した
    事でした。
    彼女の家を出て、帰るときに、Well, I must be going now. Thank you for everything. Good-bye for now. Good-bye.
    という常用表現は、7年間のうちに何千回と使いましたが、沖縄の人が使っていたのを、聞き覚えたものです。
    いま、巷で、英会話学校が氾濫しています。その効果を否定するものではありませんが、1年や2年で会話が
    身に付くと思ったら大違いです。
    ただ、「会話」というものが、どの程度を「会話」というのかで、話が違って来ますが、
    1) Good morning/See you later! と言える程度。
    2) アメリカや、イギリスへ1人で観光旅行ができる程度
    3) Native-speakerの話す内容が分かって一応、受け答えがすべて出来る程度
    4) 自分の仕事で必要な程度の読み書きを含めて、何でも分かり話せる程度
    5) 文化、政治、経済など、どんな内容でも、自分の頭で考えられることは
       自国語にほぼ近い状態で、なんでも聞いて分かりまた、話せる程度

    わたしは、その人の必要程度によって、その勉強するべき程度や所要時間が違ってくると
    思います。
    外国語が正確に、書けるというには、英語で読んで、書かれている英語が正しい英語かどうか
    が、わかるのでないと、自分でも正しい英語は書けません。
    また、英会話学校に100万円払ったら、英語が話せるようになるのではありません。
    これは、機会を与えてくれるだけなのです。ヒントを与えてくれるにすぎないのです。
    語学は、東京外大の昔の学長、小川芳夫氏が、言われたように、
    3つのき、「暗記」「根気」そして「年期」なのです。 30代の時に、夜も寝ないで英語を勉強しましたが
    40−50代の先輩には、どうしても単語力や語法の知識では負けました。でも「人」は無駄に飯は
    食っていいない、年期が入ったプロには、若輩は勝てるハズはないと、開き直ったところから
    私の英語学習観の第2ペ−ジが始まり現在に到っています。勿論、勉強はコンスタントに根気よく
    続けなければなりませんが。

5)  翻訳ソフトの功罪について

    日本のホ−ムペ−ジを見ていると、これでもかこれでもかと、外国の人に見せようとするのだろうか、
    英語のホ−ムペ−ジが、見られる。
    英語を話せるようになるのが、目的の人は、まず:
    1)朝起床してから、夜寝るまで何をしたかを、日記のように英語で書いてみて欲しい。
    2)3−7日間の間に起こった事を英語で書いてみて欲しい。
    3)自分や家族、友達の事を書いて欲しい。
    3)日本で何が起こっているか書いて欲しい。
    4)世界で何が起こっているかを書いて欲しい。
    5)日本の文化について書いて欲しい。
    6)人生や宗教について書いて欲しい。
    7)21世紀について書いて欲しい。
    8)政治や経済について書いて欲しい。

    以上のいくつかの段階で、何にも書けない、しかも冠詞や動詞の変化、5文型や時制の変化、主語と動詞の
    並べ方を知らない人が、英語でホ−ムペ−ジを書いているのでは、ないかと思えるふしがあります。
    機械翻訳による、いともおかしな訳の分からぬ英語を乗せて、英語ペ−ジとしている「にせ英語」のペ−ジに
    嘆くことが多くなったこのごろです。

    英語を正しく、何でも書ければ、あとは慣れればなんでも英米の人と語り合えることになります。
    よく、「文法など」どうでも良いのだ、という人がありますが、「初心者−中級」までの期間はと
    条件が付きます。何故かというと、文法を間違えると、思わぬ誤解や、商談だと直接、成功するかどうか
    の命がけの局面ががあるからです。
    
    ですから、「英語が話せる」という、ごくごく初歩的な段階でしたら、40−50万払って、400−500の英文
    を外国人から口移しに教えて貰ったら、1週間アメリカへ旅行することが出来るようになるでしょう。
    しかし、そのような、そこの浅い語学で満足できる人は、それで良いとして、教えてもらう事以外にも
    なんでも聞いて、分かってまた、話せるようになるには、数十年の学習が必要ですと申し上げておきたいと
    思います。                                        2001.11.11 記す。
     
6) 英語上達への秘訣

     前述の「数十年」というのは、英米なり、英語圏内で朝から晩まで英語で生活する
     場合は、短縮できます。5−8年でほぼその国の人と普通に、何でも話し合えるようになります。
     ただし、1−2年という短い間であっても、年齢が若い人であれば、留学するとかなり良くなりますが
     それらの人が「ホ−ムペ−ジ」で書いている英語を読んでご覧なさい−流暢な英語で書いてはいるものの
     たいして立派な英語とは言えず、やはり年期をかけて「真面目に」勉強した人の英語の方が良い英語で
     書かれています。
     また、数年でも、アメリカなどで暮らしたことのある、生活したことのある人は、「英語」とは何か?ということを
     知っていますから、帰国後の「進歩」は大きいと思われます。
     易しい「表現」の中にも、頻出する「難しい」単語、また、例えば−−Chances are that they have left earlier.
     (彼らは、はやく出発したのだろう)なんて英語がさっと出てきたり、日本の「英語教科書」にある、
     「あなたのお名前は?」という言い方を、日本人に聞くと、What is your name?だという答えですが、
     そんな、「警察官」が犯人を尋問するような英語表現は、使われていないで、May I ask your name?
     May I have your name, please? というのが、本当の英語というのは、帰国子女に聞いてご覧なさい
     スグに分かりますよ。

     ●大阪外語大学の倉石教授が経験した話:
     よく、外国へ子供を連れていったら、その国の言葉が上手になりますという「話」があるが
     なるほど、アメリカへつれて行ったら、アメリカのことばはうまくなった。しかし、その反面、「お父さん、友達を
     持って来たよ」と変な日本語を使うようになってしまった。「お父さん、バッテリが死んだよ」と英語を直訳した
     日本語を話すようになって、日本語で苦労したそうです。
     1 Father, I brought my friend here.  英語では、物を持ってくる、人を連れてくるの区別はない。
     2 The battery is dead. で、日本語のように、「バッテリ−があがった」とは言わない。

     ●英語を話すということは、日本語を「翻訳して話す」のではない。話すことを英語で考えるのである。

       往年の英語界の大家、松本亮先生の「ことば」ではないが、Thinking in Englishで行かないと
       英語で話せるようにはならない。自分の一日の「生活」を英語で書いてみる、そして一週間のこと
       自分の考え、人生観を英語で書いてみる、自信がなければ、英語を話す英米人に添削して貰う。
       そうすれば目からうろこ、なるほどとわかるはずです。

     ●その気になれば、ビデオあり、CDあり、テ−プあり、海外放送あり、ケ−ブル・テレビありで
       なんでもありの日本であるから、日本にいても、上手に英語を読み書き話すことは出来るように
       なるし、英米の人と、emailで手紙の交換を毎日したらいやでも英語は上手になります。

     ●集中的に、英語を聞くことが、最大限に短い期間で英語力を高めます。
       NHKで、「英語会話」講師を務める、マ−シャ・クラッカワさんの話では、たとえば「高校2年生」の
       女の子が、英語のビデオ映画のセリフの1−2分の部分を2−3時間かかって、書き取るという
       勉強をしているという、実例を話していましたが、映画の英語、どんなに早いことばでも聞き取れたら
       これは、もう一人前ですよね。日本語においても、我々は、すべてを聞いて「話」を理解しているのでは
       なく、聞き取れない部分は、脳が補っているのであるが、外国語においては、補ってくれないので
       わからないのですが、集中的に英語を聞いて、英語が聞き取れる「聴解力」を完成することが
       英語会話の秘密です。

     ●ウオ−クマンに英語を入れて、一日3時間以上英語を聞きましょう、5−6ヶ月で英語が分かるようになります。

     以下は、つづく......