Sunny
Summer Breeze/2001年

WordsBobby Hebb


サニー、昨日までのぼくの人生は雨に降り込められていた
サニー、あなたが微笑むと、ほんとうに痛みがやわらいだ
今暗い日々は過ぎ去り、明るい日々がやってくる
サニー、純粋で 輝けるひと
サニー、誠実なひと  
愛してる


サニー、ありがとう あなたがもたらしてくれた太陽の光
サニー、ありがとう ぼくの行く道を導いてくれた愛
あなたはすべてを与えてくれたんだね
そしてぼくは10フィートも成長した
サニー、誠実なひと  
愛してる


サニー、ありがとう あなたが見せてくれた真実
サニー、ありがとう AからZまでこの世界のすべてのこと
ぼくの人生は引きちぎられて  風に吹かれる砂粒のようだった
でもあなたの手を握りしめるとき、揺るぎない大きな岩となった
サニー、誠実なひと  
愛してる


サニー、ありがとう いのちの炎に投げかけられた微笑み
サニー、ありがとう やさしく射し込む ほのかな光
あなたは 燃えるいのちのきらめき
あなたは すべての望みのよろこび
サニー、誠実なひと  
ぼくはあなたを愛してる





作者ボビー・ヘブは、ナッシュビル生まれ。
父も母も兄もミュージシャンという音楽一家に生まれ、3歳でボードヴィルのステージに立ったといいます。
3歳でステージなんて、そういえば3歳でバレエのステージに立った日本の女性シンガーもいましたね。
彼をステージに誘ったのが、当時、タップダンスを習っていた6歳年上の兄、ハル・ヘブでした。
その後、親子4人でステージを踏んだりしながら、やがて兄のハルはミュージシャンとして、ソウルグループ「MARIGOLDS」のメンバーに。
一方、ボビーも、12歳で本場ナッシュビルのカントリー&ウェスタンの舞台で注目されたり、チェット・アトキンスにギターを習ったり、16歳でシカゴへ出て、その後ニューヨークへと音楽活動を広げていく。
そしてボビー25歳のとき、兄ハルは強盗に襲われ、突然、凶弾に命を奪われます。
それは1963年11月22日、ケネディ大統領暗殺の日の翌日のことでした。

「サニー」は、そんな兄を失った哀しみの渦中に作られた曲なのだそうです。
サニー(太陽のような人)は、兄ハルのこと。
あなたがすべてを与えてくれた、そして「now I feel ten feet tall」。――「今、10フィート(=約3メートル)も背が伸びたと感じる」だなんてモンスター級ですが、こうした誇張的な言い回しが英語にあるのでしょうか。
しかしこれは、幼い頃から音楽の先輩であり、人生の先輩でもあった兄のおかげで精神的にもこれだけ成長できたんだという実感なのかもしれません。

この曲は多くの人がカバーしています。
ボニーMのディスコティックな感じのアレンジ(1977年)もそのひとつ。
3歳でバレエのステージに立った日本の少女は、小学生のときにそのバレエ教室でボニーMの「サニー」に出会い、この曲を踊っています。
ボニーMもそうですが、この詞は、兄への追悼の想いというより、一般的な恋愛の歌としてカバリストたちに歌われているのではないでしょうか。
そんなふうに解釈できるのも詞の魅力だと思います。
サニーを恋愛の相手として見たとき、それが男性であったとしても女性であったとしても、彼(彼女)は精神的にも人間的にも大きな存在として、なんともステキに思えてきます。
詞の底に、固く深い絆や感謝の想いが流れているからでしょう。
そして、やはりどこか哀しみのにおいがする。

3歳でステージに立ち、小学生でこの曲を踊った少女は、後年シンガーとしてゴンチチのボサノヴァ風なアレンジでこの曲を歌います。
彼女の歌う「サニー」がどんな人物かは、それぞれリスナーの想像に任せられているのだと思いますが、やっぱりなんともステキな人物であるように思います。

ちなみにおれは、サニーはずっと女性だと思っていました。