本木ミッドタウンの地に登場
ラグジュアリーは「隠しの美学」

ザ・リッツカールトン東京(東京・六本木)
2007/8


写真集はこちら

ホテル好きなPockieにとって、リッツカールトンの東京進出計画が耳に入ったときから、楽しみにしていたホテルでした。2007年3月のオープンを心待ちにしてきたのですが・・・。まずは直前の予約で断念。オープンの日にオフ会を計画し、当日利用をもくろんだのですが、全く予約の取れる状況ではありませんでした。さらには、レストランも、オープン当初約1ヶ月は宿泊客のみ予約を受け付けるというシステムになり、アフタヌーンティを狙っていたPockieにとって、こちらも撃沈でありました。そしてオープン当初の宿泊体験記をネットで見かけるにつれ、サービスが不安定との声があちこちから聞こえてきて、しばらく利用を躊躇してきたのでありました。

前置きが長くなりました。ようやく宿泊に至ったのはオープンから約5ヶ月経った8月半ば。仕事でなんとか平日に休みがとれた日に、ある筋からお得なプランが利用できることがわかり宿泊することにしました。午前中の所用のあと、急いでホテルに到着。ランチにまず「ひのきざか」にはいりました。お盆の時期とも重なっていたせいか、平日でしかもかなりいい御値段にもかかわらずお昼時でかなりの混雑の模様。ランチのミニ懐石風のセットをいただきました。同じはきちっとした和食ですが、印象的というほどのメニューには逢えませんでした。忙しいので、サービスも少々忙しなげは否めませんでしたね。

ランチ後、すぐにチェックイン・・・と思いきや、2時台でもうロビーは列ができていました。ああ、やっぱり並ぶのか。。。クラブフロアではなかったので、ラウンジでゆったりチェックインともいかず、立ったまま並ぶしかありませんでした。そのときです。なぜか、ある外国人スタッフが私に英語で声をかけてきたのです。クリアな英語でわかりやすかったせいもあり、たまたま何とか答えられたので、ちょっとした会話となりました。話の流れから、そのスタッフはシンガポールのリッツカールトンからの転勤(または応援?)ということがわかりました。シンガポーリアンかあ、と思いつつ「私はシンガポールのリッツには2度行きましたよ。クラブラウンジがすばらしかったです。」との感想を漏らすと、随分と話にノッてきたのです。そうしたら、急に別のチェアに案内され、そちらで座って待つようにと言われました。チェックインの手続きはその後、座って行われました。もちろんこのようなもてなしを受けたことはうれしいのですが、他のお客様の手前ナンだかちょっと落ち着かない気分・・・VIP対応というのはこのように、何かのきっかけで差別化されるのかなあ、と思った次第でした。

チェックインして案内されたのは、48階4820号室のデラックスダブル客室です。52平米と十分に広さをもつ部屋が標準客室というのですから、さすがリッツカールトン。家具の質感、眺め、広いバスルームなど、申し分ありません。「ラグジュアリー」を入った瞬間に体感できる部屋だなと思いました。

なんと言っても、インパクトは、「隠しの美学」でしょうか。ラグジュアリーなアメニティや演出が外から見えないのです。引き出し、扉、蓋をあけると・・・・そこにはリッツカールトンのおもてなしの様々な「玉手箱」がでてくるというもの。たとえば、デスクにあるディレクトリーは質感のよい木箱に納められている。このハコはいったい何だろう、とあけてびっくり!バスルームの上には何も置かれていない。でも、引き出しをあけるとリッツカールトンのパッケージをまとったアメニティたちが目に飛び込み、端正な並べ方で顔を出してくれます。バスアメニティはご存知ブルガリ。今までのホテルでおかれていたブルガリは、香り高いグリーンのパッケージでご存知オパフメのオーテベールのシリーズ。一方、リッツカールトン東京では香りがやさしいオパフメのオーテ・ブラン(ホワイトティー)を置いています。ここにも気品を感じさせます。壁の扉をあけるとTVやクローゼットが出てきて、質感のよいバスローブやアメニティはすべてこの中に。ミニバーも、カトラリーやボトルはすべて棚の扉の向こうにひっそりと。おそらく、部屋に入った瞬間、ステキな演出は皆見せてしまいたい・・・たいていどのホテルもそんなことを考えるでしょう。ここは家具や眺めだけで十分なラグジュアリー感、質感を実感できる実力があるのです。でも隠れたところにも手抜きはない。そして感動を与える。演出はこれ見よがしに見せなくていいんだ、そんな余裕さえ感じさせるみごとな客室でした。

その中でも、やはり広いバスルームは出色です。シンクはシャワーブースを挟んで振り分けられたダブルベーシンに、トイレも独立タイプ。ジャグジーつきにバスタブは余裕のサイズで、液晶のTVも備えられており、バスルームも立派な「お部屋」というぐらいのしつらえです。ここにゆったり過ごしたくなってしまうほどでしょう。直角の位置に配されたシンクのミラーとトイレやシャワーが見えない程度に程よいすりガラスを使っているので、圧迫感なく、さらに広さを感じさせる演出です。

スパ好きのPockieは、短い時間ですがプールも利用しました。客室からはバスローブで行くことができます。着替えをスパで行う場合hあ、ロッカーのみで1000円、スパエリア(ジャグジーなど)と一緒に利用すると4000円とかなり値段がかわります。私の場合、値段より、そのあと友人との予定がはいっていたため、プールにいられる時間が短く、ロッカーにいる時間も惜しかったので、プールだけ利用しに行ったというのがホンネです。ゆっくり時間があるなら、着替えロッカーだけより、思い切ってスパ施設のあるほうを利用していたかもしれません。プール自体は十分に魅力的なハードですが、事前情報や写真を見ているとナンだか行った気になってしまっていたのは、少々悲しい性かもしれません。

プールでは運悪く残念な体験を。まずプールにはいったとき、かなりデッキチェアが混んでいました。係員に案内されたのは一番プールから不便な端の場所。まあいいかなと思ってそのデッキチェアでくつろいぎました。そのあと、外国人のカップルがはいってくると、そそくさと係員は歩み寄り、一番いい位置のデッキチェアーへ案内されました。その後、何人かはいってきていれかわりを見ていると・・・あらら、私のところにだけミネラルウォーターがサーブされていない。自分からいいだすのも、と思っていましたが、さすがに泳いでちょっとのどを潤したくなったので自ら係員にお願いすることになってしまいました。その後タオルを頼んだときもタイミングが悪く、遅れてしまい、サービスについては、不運なタイミングのプールタイムとなってしまいました。

夜は食事から帰ってきたあと客室でマッサージを予約したいと思い、コンシェルジェに連絡しました。実はその時間はすでにコンシェルジェ常駐タイムを過ぎていたらしいのですが、そのことが電話オペレータの方が理解しておらず、何度もコンシェルジェデスクとコンタクトを取っていたらしく、部屋で折り返しの連絡をしばらく待ちました。30分もたったでしょうか。実は希望の時間の予約は無理とのことで、あきらめることになりました。この顛末を終えるのにかなり長い時間を要し、残念でした。

翌朝は朝食をフォーティファイブでいただきました。ビュッフェで、たまご料理のみ別注文でオーダーになっています。バラエティのラインナップと新鮮な野菜やフルーツは見た目も食べてもすばらしかったです。ここでも不運が。卵料理・・・頼んだはいいけど、2度催促にもかからわず、とうとう出てきませんでした。2度催促後は出かける時間になり、そのまま出てくることになってしまいました。朝食代がパックになっているわけでなく、4000円近い料金を払ってのことでしたので少々後味の悪いものになってしまいました。

このような不運な体験の連続、体験記に書こうかどうか、正直、とても迷いました。
開業からすでに半年近くたったこの頃で、しかも土日でない日でのできこと。サービスがこなれるまでに相当時間がかかるのだろうか、まだスタッフが十分に育っていないのだろうかと、この日は、「リッツカールトン」というブランドに対する不安を少し感じてしまいました。ひとつはっきりいえるのは、ホテルもお客様を選んでいるのだと思ったことです。ホテルのポリシーが「上位1%の顧客へのサービス」というのはそれにふさわしいお客様然としていることが必要なんだなと。お得になにかを得ようとする気持ちが伝わると、このホテルでは楽しく過ごせないののだという印象でした。その意味ではホテル側の質問に対する答えも毅然としていましたし。対価とサービスが、すべてホテルの中で生きている。ホテルで心地よく過ごすには、それを心得て振る舞い、楽しむことだなと思いました。このあたりは、利用した方によって意見が分かれるところかもしれません。

リッツカールトンは様々な場所で利用し、とても好きなホテルの1つです。特に、ホスピタリティでは大阪が群を抜いていました。今回は運が悪かったのかもしれない。きっとまた「リッツカールトン東京」のよさに逢えると信じています。残念な体験も、次のすばらしい体験への序曲であってほしい。そんな気持ちをこめて。


たっぷりの写真集はこちら

ホテル一覧へ

Homepageへ

1