【2日目】

●悪天候の一日


一瞬「アホ。」に見えてあせりました。
 真っ赤に燃えるモルゲンロート(朝焼け)を期待して起床。しかし・・・。朝からガスってモルゲンロートはお預けとなった。空を見上げても一面雲。果たして奥穂に登って景色が見られるかどうか、不安に思いながら朝食準備開始。メニューはクロワッサンとポタージュスープ。

 涸沢ヒュッテで天気予報を聞く。すると、午後には晴れるだろうとのことで、下山を思いとどまって奥穂挑戦を決断。急いでテントに戻って準備をして、8:00に出発。

 午後にならないと晴れないということで、ゆっくりペースでパノラマコースのガレ場を登っていく。ここは夏には一面お花畑になるというスポット。足元を見ると、なるほど枯れて茶色くなった草が沢山生えていた。出発してまもなく、小雨が降ったり止んだりの天気に。上を見上げると、穂高は常に雲の中。本当に晴れるのかと不安になってくる。

●ザイテングラート

 パノラマ分岐にたどり着く。少しガレ場を登っていくと、急な岸壁の続くザイテングラートに差し掛かる。雨でつるつる滑る岩をよじ登りながら、穂高岳小屋を目指す。

 クサリ場もあって、なかなかスリル満点。中年男女のパーティーが上から降りてきたが、その中の高所恐怖症の人が下山にてこずっていた。高所恐怖症でなくても、段差が激しく下りにくい道だと感じる。

ザイテングラートを下山する
登山客(紫)

●穂高小屋

 霧に包まれながら登っていくと、急に目の前に穂高岳小屋が出現した。小屋の前のテラスから涸沢を見下ろしてみると、ガスっていて何も見えない。それでもしぶとく晴れ間を待っていると、一瞬ガスが途切れる瞬間があり、淡い光に包まれた涸沢がとても幻想的に見えた。しかし、右手の奥穂高は相変わらずガスの中。


穂高岳小屋

一瞬除いた晴れ間(涸沢) 

ガスの中の奥穂

あったか〜いうどん

 ひとまず小屋に入って晴れ間を待つことに。昼食に名物のうどんを食べる。冷え切ったからだの中に、天国のように暖かさが染み渡った。目の前で、ぶるぶる震えながら山荘で購入してきたお弁当を食べている人を見て、幸せをかみ締めながらうどんをすする。

●奥穂登頂決行

ハシゴ
 天気は一向に回復する兆しを見せなかったが、ここまで来たのだからと奥穂を目指して穂高岳小屋を出発。

 ジグザグ道を登っていくと、すぐにハシゴに差し掛かる。雨でぬれているので、踏み外さないように注意しながら慎重に登っていく。ストックは使わずに、両手を広げてバランスをとりながら、雨にぬれた岩場をひたすら登っていく。

 思ったほど危険なこともなく、疲れ果てもせず奥穂頂上に到着。しかし、一般に山頂で見かける標識のようなものは何もなく、展望図があるだけ。本当にここが最高峰、日本第3位の標高地点なのか?といぶかりつつ、先に登頂していた男性2人組パーティーが記念撮影をしているのを見て、ここが頂上らしいと判断する。奇跡が起きて一瞬ガスが晴れないものかと、山頂で待ち構えるが、一向にガスが晴れる様子は見えない。おとなしく下山を開始した。

母娘で記念撮影

奥穂高岳展望図

●初対面

 穂高小屋で、体を温めるためにホットカルピスを注文。コップから顔を離さずに、猫舌なのでちびちびとすするように飲んでいく。飲み干したら、顔がカルピスの湯気でべたついた上に、まるで酒を飲んだかのように、ほっぺはもとより耳まで真っ赤になってしまった。

 涸沢を目指して下山開始。ザイテングラートでは、「本当にこんなところを登ってきたのか?」とビックリするような急峻な岩場を慎重に下っていく。常に下を見ながらの移動なので、頭に血が上り、カルピスでほてった顔が余計に熱くなってくる。

 途中で2羽の雷鳥と遭遇。今まで晴天での登山ばかりだったので、今回が初対面となった(※雷鳥は、曇りや雨の日にしかお目にかかれないそうです。)。腹からお尻にかけて、羽が真っ白になっていた。

雷鳥発見!

●一番の難所
 帰りはパノラマコースではなく、涸沢小屋ルートを選択。しかし、これが大きな間違いだった。この日の行程で一番急な道となっていた。ごろごろした岩場で、浮石も多く、大変歩きづらかった。次回はこの道は選んではいけない、と肝に銘じる。母から「保険に入ってないんだからこんなところで転んで骨折しないでよ」との忠告を受け、へっぴり腰になりながらゆっくりと下る。

 涸沢小屋に到着。売店でソフトクリームを注文。ひとつ500円とはボッタクリではないかと思ったが、ゴアテックスではない合羽を着ながらの運動で汗をかいていた体には、アイスの冷たさが天国のように思われた。ミルク味で、なかなか美味。

●雨にも負けず、風にも負けず。


テント場へ向かう登山者
 テント場に到着。真っ先に着替えをする。少しして、また雨が降り始めた。この日は一日中雨と霧の中にいた。昨日に引き続き、ヒュッテでおでんを購入。しかし売れ行きが好調すぎて、ほとんどのタネが売り切れとなっていた。ジャガイモとちくわのみ注文。

 テントに戻って夕食第二弾の準備。メニューは野菜チキンがゆ、お魚ソーセージ、みかん。夕食後、荷物の整理をして、明朝こそモルゲンロートを撮ってやろうと企みながら、早めに就寝。断続的に雨が降り続き、更に夜中になって風が強まりだして、寝ながらテントに押されているような感覚を覚えた。

3日目