月のウサギ伝説
 古来より月にはウサギがいて餅をついていると言われています。なるほど月の明暗をよく見ると、ウサギの餅つきに見えないこともありません。
 この話はインドの神話にさかのぼります。自分のために自ら火の中に飛び込んで食料となったウサギを帝釈天(梵名インドラ)が哀れんで月にまつったという話がルーツになっているようです。
 世界各地には月にまつわる多くの神話や伝説があります。そして月の表面の模様も民族や国民性によってずいぶんいろいろな見方があるものです。
 実際の月の表面は右の写真の通りで、上が北、下が南になります。ほぼ南中したときの模様です。白っぽい部分はクレーターの多い高地、黒っぽい部分は「海」とよばれる低地です。巨大な隕石がぶつかったあとのクレーターで、地下から玄武岩質のマグマが吹き出してクレーター内部を埋めてしまったと考えられています。「海」の形は丸くなっていて巨大クレーターであることがわかります。
  望遠鏡のない時代、肉眼で月のクレータを見分けることはできません。暗いところと明るいところがぼんやりわかる程度です。(火星を望遠鏡で眺めたら高倍率でも肉眼で見た月程度にしか見えません) 豊かの海と神酒の海をウサギの耳、カニのハサミ、人の二本の足とみたりしているところがおもしろいですね。
 さすがにアラビア人は目がよかったのでしょう、危機の海をライオンの尾として見ています。他の民族には危機の海を見分けているものはありません。
日本  餅をつくウサギ

カナダインディアン  バケツを運ぶ少女

北ヨーロッパ  本を読むおばあさん

南ヨーロッパ  大きなはさみのカニ

東ヨーロッパ  横向きの女性

バイキング(北ヨーロッパ)  水をかつぐ男女

アラビア  ほえているライオン

ドイツ  薪をかつぐ男

参考文献
太陽と月の星ものがたり 藤井旭 誠文堂新光社


2003.8.11

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