河野差別図書弾劾上告棄却判決・弾劾声明

  アイヌ民族の人権と名誉を踏みにじった最高裁判所の差別決定(上告棄却)を弾劾する

アイヌ民族原告団
山本 一昭・北川しま子・川村シンリツ・エオリパック・アイヌ・アシリ・レラ(山道 康子)
 「北方領土の日」反対!「アイヌ新法」実現!全国実行委員会
  日本キリスト教団北海教区アイヌ民族情報センター

 

(1) さる4月12日、最高裁第一小法廷(裁判長涌井紀夫)は上告を棄却し、札幌地裁、札幌高裁の差別不当判決を追認しアイヌ民族の人権と名誉、尊厳を踏みにじった。最高裁判所を開かず、事実審理も行わず、アイヌ民族の意見に耳を傾けようともしなかった。私たちは日本の司法のこの現状に怒りをもって弾劾する。被告・河野本道が謝罪し、差別図書=『アイヌ史資料集』(医療・衛生編)を回収するまで追撃戦にとりくむことを改めて確認するとともに、全国の仲間の皆さんに支援と連帯をよびかける。

(2) 私たちアイヌ民族原告団は、人類学者と自称する河野本道が編集・出版した差別図書を弾劾し、回収と謝罪を求めて闘ってきた。1997年12月26日に札幌地方裁判所に提訴して以来はや9年の歳月が経過した。

 その間、私たち原告団は集会や学習会に出席したり、また裁判所に差別図書抗議の民衆の声を届けるために署名をよびかけてきた。故・萱野茂さんをはじめウタリ協会平取支部、同 札幌支部、旭川アイヌ協議会などに所属する100名をこえるアイヌ民族、部落解放同盟大阪府連浅香支部、同 泉佐野支部、長野県連御代田町協議会の皆さん、反戦・反基地を闘う沖縄の皆さん、そして北海道から九州の労働者、市民の署名が寄せられ、地裁・高裁・最高裁にその都度提出してきたが裁判所は無視し続けた。
 「アイヌ民族の人権の回復を」との思いをこめた自筆の「上申書」も全国の仲間から寄せられ、最高裁に提出したがそれも一考だにされていない。原告の川村や関東の仲間を中心に3度にわたって最高裁と面談し、「アイヌ民族の主張を直接聞くように」と要請したが実現しなかった。歴史的にみて最高裁の裁判官はアイヌ民族の声を直接聞いたことはこれまで一回もないのだ!札幌地裁、札幌高裁、最高裁をつらぬいて司法権力はアイヌ民族を無視し、抑圧し、差別しつづけてきたのである。

 (3) 私たちは河野本道にたいする追撃戦を継続する。9年余の闘いはアイヌ民族の人権の確立をめざす運動として全国に確実に広がり、この活動はアイヌモシリ侵略、略奪、支配を弾劾する取り組みと一体であることが鮮明になってきた。「アイヌは民族として存在しない」などと主張してきた河野本道たち人類学者をさらに追い詰め、その影響力を断ち、学会などから一掃されるまで闘おう。 

(4) 22名の弁護団の皆さんの努力にも感謝します。裁判への傍聴、署名活動、ハガキによる抗議、集会、デモ、さらには裁判闘争へのカンパなどに協力してくださった全国の仲間の皆さんに心から感謝と連帯を表明します。「裁判には負けたかたちとなっているが、運動では勝ってきた」と述べていた山本一昭原告団長の意見を踏まえ、引き続き闘い続けましょう。

 

(2007年5月21日)

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