Pipeline surfboards

新たなる波を求めて! Vol. 1     

それは、2006年、八 丈島の絶景

の丘の上に、自ら生涯の作品と

語る宿泊施設バンガロー「COO

完成させたその数ヶ月後、1本の

電話が私に入った。

 

「10月位から、フィリピンのクラウ

ド9が、いいみたいだから旅に行

って来る。

2 〜 3ヶ月は帰る事は無い。

ここ2年ほど前までは冬のノース

に滞在していたが、まだ、行った

事の無い所をゆっくりと旅がした

い」

そう、坂本氏は新たなる波を求

め、再び究極の旅へ向った。

 

    

 

  フィリピンのクラウド9が世界に紹介されたのは、1993年の米SURFER誌。

  ミンダナオ島の近くにある未探検の島と言う以外は何も情報が無かった。

  CLUOD 9ここはアジアン・パラダイスの再来である。

  しかし、ここの波はブレイクが非常に速い。

  サーフしようとする者は、極端なレイトテイクオフが強いられる。

  しかも、水深は極めてシャロー

 

 

   

 

   坂本氏は9月から、驚異的なパワーを持つフィリピン沖で連発的に発達する台風

   の発生を待ち望んだ。

   しかし、なかなか噂で聞いたパーフェクトの波が立たない。

   ここに訪れたサーファーの折れたサーフボードの数は絶えないほど。

   そんな極上のTUBEを求め、氏は、朝日が昇り、沈む大自然の地で、ゆっくりとその

   時を待ったのである。

 

 

 

 

 

 私は、坂本氏がその旅を出発する1ヶ月

 前を思い出す。

 突然、八丈島の坂本氏から、6’8”と7’4”

 セミガンの入るハードケースを依頼され

 た。しかも、オンフィンでもあった。

 

 普通は誰でも、長旅に行くとなれば、大

 切なサーフボードの事を考えて肉厚な

 パットの入っているトラベル用ハードケー

 スを必要とすると?

 私は、すべての業者のカタログを調べ、

 価格共にしっかりとした物を、責任を持ち

 注文した

 

  

  そして、ケースが届き、新しいリーシュ・コードと共に八丈島に送った。

  数日後、坂本氏から、荷が届いた連絡が入る。

  「貴方はこんな重いボードケースを持って旅に行くの? 

  私の行く旅は、2 〜 3ヶ月間、例え、物価の安い東南アジアを周るとしても宿

  泊費・生活費は、観光旅行とは桁が違う。

 

  まして、その地に求めていた波が立たなければ、国内線の旅客機、船、バス

  を乗り継ぎ、次の波のある地まで向わなければならない。

  3ヶ月分のサーフボード以外の荷物、そしてサーボードを3本を抱え、いかにし

  てリーズナブルな旅のコースを辿るかを考えて行動するんだ。小船や、飛行機、

  バス、ワンボックス、トラックの荷台・・・・

 

  どこの誰もが日本人と分かれば荷物の大きさ、重さを理由にチャージを加算し、

  とんでもない金額をけし掛けて来る。

  まして、目的地に辿り着くまで、荷物の重さで、サーフィンをする気力まで耐え

  てしまうほどの長旅。

  いいかい、サーフボードの梱包や扱い方は、経験上、誰よりも上手であり、40

  年以上前から、旅はいかにフットワークを軽くする事が、サーフトリップの条件

  なんだよ!」 と、教えられた。

  ただちにそのハードケースはキャンセル。 

  その氏の言葉を思い浮かべると、私は、返事を返す言葉が見つからなかった

  のを思い出します。

 

                                  つづく