輸入食品の安全チェックは大丈夫?

■輪入食品の現状と問題点

 日本の食料自給率(1996年度、供給熱量自給率)は42%と低く、58%は輸入に依存している現状です。世界180ヵ国から、穀類、野菜、果物をはじめ肉類、魚介類に至るまで、原材料から半加工品、完成品と、あらゆる種類の食品がさまざまな形で輸入されています。
 これらの食品は、食品衛生法の規定により規格基準が定められており、適合しないものは販売、輸入などが禁止されています。一方、食料の多くを外国に依存することは、日本と輸出国(生産国)の食品衛生規制の相違、気候風土や衛生事情の相違、生産状況、製造加工の実態、輸送、保管の状態などが分かりにくいといった問題が出されています。
輸入食品

■輸入食品の監視体制

 輸入食品の検査は、全国31ヵ所の海・空港検疫所で264人(97年4月1日現在)の食品衛生監視員によって行われています。さらに、国内に流通した輸入食品については、都道府県に所属している約7000人の食品衛生監視員が、店頭から食品をサンプリングして検査を行っています。

■検疫所の検査

 検査の方法に「モニタリング検査」と 「命令検査」の二通りがあります。まず、食品等を輸入しようとする輸入者は、検疫所に届出書を提出します。届出書に添付された分析データや食品の製造工程、原材料、使用添加物等が食品衛生法の規格や基準に適合しているかについて審査されます。この審査で安全性に問題がなく検査の必要がないと判断されれば輸入許可がおり、国内に流通していきます。このとき、継続的な情報収集を行う目的で、計画的に一定数量を抜き取り検査します。これを 「モニタリング検査」といいます。
 「命令検査」は、95年に食品衛生法が改正された時に導入された制度です。輸入届出書を審査した結果、過去に類似食品で違反となった食品、また、事前に厚生省が収集した生産国の衛生状態などの情報から疑問が持たれる食品などは、検査命令の対象品目として政令で定められます。これらについて、厚生大臣は輸入者に村し、その食品の検査を命じることができます。命令検査の結果が出るまでは貨物は留め置かれます。輸入食品の安全性は、この二本立てで継続的に監視されています。
輸入手続

■輸入手続きの簡素化と迅速化

 輸入の増加が見込まれている折(九六年、届出件数112万件、輸入重量2600万トン)、厚生省は食品衛生法を改正し、これまでの書類による届け出を、96年2月からコンピューター化しました。それとともに97年2月からは税関システムとの相互接続が行われ、輸入手続き全体がコンピューター化され簡素化、迅速化が図られています。
 輸入食品の検査体制については、モニタリング検査率の向上、食品衛生監視員の増員(209名から264名)、届け出窓口などの充実(30ヵ所から31ヵ所)などが強化されてきています。
 しかし、今、消費者が一番求めているものは、適切な情報の開示です。海外での食品の生産、加工の実態や、主要国の農薬、食品添加物の規制の実態、輸入食品の国内流通の実態、また、コーデツクス委員会(FAO/WHO合同食品規格委員会) の動向など、正しい情報を分かりやすく、迅速に提供してほしいものです。それが安全イコール安心へつなげる最良の方法のようです。   

国民生活センター 『くらしの豆知識99』より