其の12 [クーラー復活の巻]

PFがたとえオトコのクルマだとしても、普段の足として使うからには、快適装備は欠かせない。みちのくとは言え盆地である盛岡の夏は意外と蒸し暑い。それでも若い頃KPに乗っていた頃は、エアコンレスでも平気だったが、老化現象だけはどうにもならない。ましてや高速道移動のウエイトが高い現在としては、やはり無くてはならないアイテムであった。

ジェミニを購入してすぐ、クーラーが稼動しないことに気が付いた。
余り期待は出来なかったが、取りあえず購入店に預けて見てはもらったが、やはり判らないというこで、やっぱり電装屋じゃなければダメかなと、さっさと引き取った。
このままクーラー効かなかったらキツイな〜と、思っていたある日の作業のことであった。ラジオを外した時、内気外気切替えレバーの奥から伸びる青と黒の配線を発見した。
ん?何このスイッチ・・・・もしや・・・・という訳で、早速取説を開いて見ると、クーラー稼動時は内気にしろと書いてあった。これは知らなかった・・・・。というとは、レバーの奥のスイッチが入らない限り、永遠にコンプレッサーは稼動しないということらしい。早速、レバーを内気側に合わせ、クーラーのボリュームを回しスイッチON!!
次の瞬間、グォングォンと言いながら、コンプレッサーがついに目覚めてしまったようだ!!しかも冷たい風が来るし〜とっても感激〜!!これで今年の夏は安泰だ〜と思ったのだが、なんかちょいとおかしい・・・・・。

コンプレッサーが間欠で稼動するのは理解出来る。しかし、止まっている時間が長すぎる。だんだん暑くなる。いつになったらまた動いてくれるんだ。こんな症状が高速道で起きた日には最悪である。同乗者も皆無口になってしまう。
また、暑く無い時にはコンプレッサーが動いてくれない。これもまた何かの理由があるのだろうが、その裏付けが欲しかった。ガスが足りないのかとも思ったが、そうでもないらしい。
そんなこんなで、気が付けば2回の夏が過ぎ、3年目の夏を迎えようとしていた。

今シーズンこそは何とかしたい・・・・という訳でちゃぐは動いた。

とある筋から修理書を借りることが出来た。その文献によると、エバポレータが収められているBOXの中にサーモスイッチというものが備えてあり、サーモセンサーで測定した温度と設定温度でスイッチをON/OFFさせてコンプレッサーの動作を制御しているらしい。
 従って、センサーの検出温度が設定温度より低い場合、つまり暑く無い時はコンプレッサーは動いてくれないみたいだ。もう原因はこれしかないと思った。

 そうとなれば部品を探す。運良くレース車両としたことから、クーラー関係の部品を取っぱらって余ってるよという、とある筋(さっきとは違う筋)の方から譲って頂くことが出来た。

 こうやって旧いクルマを維持出来るのも、PFを通じて知り合った人たちの、協力があってのことだ。まさに感謝感謝!!

さて、前置きが長くなったが、いよいよ作業に入る。
サーモスイッチはBOXの中にボルトで固定されている。
カバー外すには配管を外す必要があるが、それはフロンガスを大気開放するということで環境に影響を与えかねない。なんとかそのままで行きたいものだ。サーモスイッチの直下には内気循環の吸気口が開いていた。そこから手を突っ込めば何とかなりそうだ。コネクタもすぐそこにある。問題はサーモセンサーの位置だ。すぐそこにあるのか、簡単に外せるのか、修理書の図だけではそこまでは理解不能であった。
考えてばかりいてもしょうがないので、とにかく狭い足元に頭を突っ込んで吸気口を覗くことにした。が、頭がデカイせいか体勢に無理がある。そこでライトと鏡を駆使しての状況確認へと作戦変更。

茶色のサーモスイッチが見える。コネクタもすぐそこ。灰色のサーモセンサへのケーブルはエバポ上方への影へと潜り込んでいた。
ここで大変なものを発見。エボパがあるべきところに見えない!! あのひだひだが見えない・・・。なんでこんな昭和のクルマにフィルターが付いているのってくらい、ホコリがびっしり詰まっていた。
そういえば、噴出口からの風なんかホコリ臭かったのはこのせいか・・。掃除機の先に細いホースを無理やり繋ぎ、ホコリを吸いまくったのであった。で、綺麗になった吸気口に手を突っ込みケーブルを引っ張って見るもののまったく手応えはない。
ん〜どうしようか・・・・と考えても、しょうがないので、思い切った行動に出た・・・

え〜い、ままよ〜とばかりに、思い切ってBOXに穴を開けた。 穴は適当に塞げばいいさと結構軽い気持ちだった。しかし、まさかこんなことになろうとは・・・・・。
まずは、ケーブルが見えなくなる付近に穴を開ける。ケーブルは奥へと続く。

しょうがない、穴をひろげよう。まだ奥だ。もっと穴を広げる。まだまだ奥みたいだ。どんどん広げる。

広げる・・・・広げる・・・・広げる・・・・


まだまだ、まだまだ、と言っている内に、ついには反対側に辿り着いてしまった。冷静に考えれば、二次側の温度をモニターするということは、しごく当り前というか、当然の成り行きと言えるだろうか。エバポレータを縦断してしまった穴が非常に醜いが、とりあえずサーモスイッチを外すという目的は達成出来た。

これがサーモスイッチ。
外すのは簡単だったセンサー部分。しかし、取付けは大変。センサー部分を金具に挟んで、先端を曲げなければばならない。もちろん手も届かなければ、工具だって入らない。考えて抜いて編み出した手段はこれ。専用治具(実はワイパー変えゴムの金具)で、ステーを固定しつつ、棒で押して曲げる。苦し紛れの策ではあったが、大成功!!(画像が無くて何のことやら・・・)

醜い穴はとりあえずガムテープで塞ぐ。暫定処置といいながら、案外恒久処置だったりするが、桜が咲き誇る今現在でもそのままということは、永遠にそのまま・・・??

さて、いよいよクーラーのスイッチを入れる。動いた(あたりまえか)。しばらく様子を見る。コンプレッサーのOFF/ON。正常に制御しているようだ。サーモスイッチに原因ありと考えた私の判断は正しかった。あ〜これで、くそ暑い夏も安泰だ。ん?まてよ。寒い冬だって、ガラスの曇りを取りたいことはある。気温の低い状態で、クーラーは稼動しない。そこであみ出したウラ技(でもないが・・・・)。とにかく内気循環とした状態でヒーターで車内を暖め、しかも足元吹き出し。アクセル上の吸気口にむけ、エボパ裏側に向けて暖かい空気を送り込んでやる。するとやがてコンプレツサーが動き始めるのであった。
その瞬間、ついに私はPFに勝った!! 完全制覇!! まさにトラブルシューティングのお手本なのか、結果オーライなのか、よく判らないが、とにかく快心の出来であった。これでまた、PFが自分の身体の一部になってきているような錯覚に陥るきょうこの頃であった。


おわり
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