其の8  「ブレーキが効かな〜い!!」  JRブレーキ移植・・の巻

その日は岩手への帰省を取りやめ、朝も早よから常磐道を南下していた。目標は茨城基地。ついに茨城産JRローターをカッパギに行くことになった。

・・死んでしまっても知らんよ・・と言わんばかりの効かないPFのブレーキ。 それに気が付いたのは、PF乗り始めて1ヶ月くらい経った頃のことであった。交差点前で突然変わった信号に反応してしまい、無理やり止まろうとしたら、何故か交差点の真ん中に止まっていた。
それから、色んなことをやりまくった。パッドの交換、マスタシリンダのオーバーホール、キャリパーのオーバーホール、ブレーキホースの交換。 結局なにをやってもダメであった。タイミングよく、FCキャリパーも手に入ったが、それを使うにはブラケットの製作が必要である。 北海道のあっきーさんにお願いして図面は頂いたものの、いざ加工に出すには、費用もかなり掛かりそうである。同じ頃、北上山地の奥に、道端に転がるJR2台を発見したという情報を入手。JRのフロント周りはナックルごとボルトオンでPFに付くのであった。使えそうなら持ち主を探す勢いで現地へと出向いたのだが、現物を確認すると半分土に返りかけていて、残念ながら使えるシロモノではなかった。
そんな時「JRがある〜よ。処分費用負担だけであげマ〜す」という朗報が届いた!! 茨城基地の隊長、シモテクさんからのありがたいお言葉であった。

 2004年5月29日(土)
 茨城基地探訪


いわきから茨城基地までは、ぶっ飛ばせば2時間は掛からないのだが、腹の調子が悪かったり腹減ったりで、途中数回止まったのでなかなかはかどらない。インターの料金所ではおっさんが、「い、岩手から来たの〜?」と驚いていたが、詳細を説明してもしょうがないので適当に受け流して先を急いだ。基地までは途中指定コースから外れていたものの、事前のイメージトレーニングによるアタマナビ(?)で、無事到着。ヨカッタ〜。
そしてついに、PCモニターの中で見なれた風景そのままの基地が目の前に現れた。久し振りのokuさんと、初対面のシモテクさん。しかしネット上でその風貌は知れ渡っているので、初めてのような気はしなかった。 会った瞬間即お友達!!。
まずは、ピロピロ号とアドバン号の整備に付き合った(と言っても見ていただけであるが・・・汗!!)


ピロピロ号のエンジンルームは独創性に優れたアイデア満載の工夫が凝らされている。まるで、エンジンルームの宝石箱や〜〜〜!!


こちらはアドバン号。丁度フロントブレーキシステムを一新、強化を図っているところであった。
このでかさは殆ど反則である。


ホイールに干渉したであろう、キャリパーの削り跡が涙を誘う・・・・
昼食を済ませ、JRの保管場所へと移動した。まるでそこは、ショッカーのアジトがありそうな怪しい場所であった。実際にヒーロー戦隊の特撮のために場所を使わせてくれという話しは過去にあったらしい。
 ピアッツァごた〜いめ〜ん!!


これが今回 のドナー、JR120。ある時ホームセンターの駐車場に乗り捨てられていたものらしい。シモテクさんは警察に交渉し、持ち主が現れない場合は引き取らせて欲しいという要求を突き付け、無事その要求が実現したという訳なのだ。捨てる神ありゃ、拾う神ありと言ったところだろうか。ボクにとってはシモテクさんが神であった!!
さて、このJRを作業しやすい場所に移動するという。クルマで引っ張るのかと思ったのだが、突然姿を消すシモテク氏。その直後、地響きと共にそいつは現れた。


遠くから地響きが伝わり、轟音よろしく、砂埃を巻き上げながらそいつは迫って来た!!

okuさん、そんなところに立っていたらキケンです!!


ドラム缶を10cmギリギリで交わし、パワーショベルが迫り来る!!


見よ!! これがシモテクさんのウラの顔だ!!


さて、ショベルでひっくり返すのか? 確かに作業はやりやすいかも・・・。作業が終わったら、穴を掘って埋めることも簡単に出来る。まぁ〜そんなことする訳ないのだが・・・・


「はいはい、もうチョイこっち〜!!」  okuさんの誘導に、寸分たがわずミリ単位でアームを操るシモテクさん。オレンジのマシンをコクピットで巧みに操縦する清さんは、まるでアスラン・ザラといったところだろうか・・・w


UFOキャッチャーのごとく、ワイヤーでを吊り下げられたJR。それをそのまま180度転回し、広いスペースへと運ぶ。空飛ぶJRを見てokuさん曰く、まるでバックトゥーザフューチャーのデロリアンだ!!


無事着地したJRは既にボディーがベコベコに歪んでいたが、解体する分には特に影響は無い。ここから提供される臓器は、ボク用としてフロントのローター・ブレーキ等ナックルごと。シモテクさん用として、リヤホーシングである。

ジャッキアップしてウマを掛けて、まずはフロントのナックル外しに取り掛かる。 
 ナックル摘出


馴れた手さばきで、シモテクさんが工具をセットしていく。グローブがかっこいいね〜。okuさんのピロピロ号にも既にJRブレーキは装着済みということで、ノウハウは満載である。従って、ボクごときの出る幕は無いのであった。

さて、PFのローターはソリッド。それに対してJRはご覧の通りベンレーテッドという、現代ではあたりまえ(軽にだって付いている)のありがたいシロモノでつ。


ローターはかなり熟成が進んでいるが、北国の塩カル攻撃による錆びとは異なり、表面の色が変わったかな〜という程度である。ハブのキャップとスタッドボルトに至ってはクルマの腐り具合とは相反して、今尚クロームメッキの輝きが残っていた。殆どホイルを外したこともないのではないかと思われる程だ。これもまた、北国ではお目に掛かれないシロモノかもしれない。
それにしても、このタイロッドエンドプーラーはとっても使いやすそう。しかし、いくら締めても締めても、ナックルとロアリンク・エンドの分離が出来なかった。もうプーラーも限界が近づいてきた。外れるのが先か、プーラーの粉砕が先か・・・。もう限界というところで、こんどは必死にナックルを叩きまくる。プーラーでテンションが掛かった接合部に衝撃を与えて抜こうという魂胆であった。この方法はこんな時の常套手段らしい(勉強になるなぁ〜)。


ガンガン叩きまくることおよそ5分。「ガンっ!!」という大音響と共に分離完了と相成った。ふぅ〜よかっタ〜。

JRブレーキをPFに移植するために残して置かなければならないのがブレーキホース。PFのブレーキホースはJRのキャリパーには付かないので注意が必要。タイロッドエンドは互換性があったかどうかは、不覚にも失念してしまったが、作業のやりやすさを考えれば、それも残したままの方がよいようだ。

そんな訳でナックル外しの作業は無事完了した。
 ピアッツァ処分


ナックル外し後、ホーシングもという予定であったが、予想以上の熟成ぶりに断念となった。
以上で用無しとなったJRは、また空の人となる。


トラックに積まれたJRは、解体屋へと向け、ドナドナとなった。
 続・整備


メインイベント終了後は、また基地に戻って作業の続きとなった。ガレージに目玉が気になるところだが、ツバメの営巣避けか・・。


okuさんの作業はつづく・・・


ピロピロ号の作業が一通り終わったところで、ちゃぐ号のリヤ・キャリパーのオーバーホールをすることになった。分解まではよかったが、キャリパーの組立がままならない。SSTがあれば簡単に出来るのであるが、無いからうまくいかない。この日は5月の終わりだというのに日中は30℃近い気温でとても暑かった。炎天下の中で行なわれたJRの作業で既に体力も奪われていた。早く終わらせて健康ランドで汗を流して、ビールをあおりて〜〜〜と思っても、焦って中々うまくいかなかった。最後は3人がかりで無理やり押さえ込み、何とか組み込み完了!! 。あとエア抜きして、これで何とか走られるようになった。


茨城基地ご来場記念、アドバン号とちゃぐ号の2ショット!!
 ぼったくり健康ランド!!


さて、いよいよ待ちに待った健康ランドへの移動となった。途中、モリテクさんと合流した。エアロに身を包んだ超オバフェン仕様のモリテク号は存在感たっぷり一品であった。さて、本日の宴会場に到着した。実はちゃぐは健康ランドは人生40年+αの中で初体験であった(岩手の実家は周り温泉だらけですので・・・)。思わずシステムを確認したりする(汗)。で、健康ランドのフロで汗を流し、皆で酒を飲みながら、PF談義は深夜まで続くのであった。


昨夜は周囲のオヤジ達(自分もその一人だが・・)のいびきで熟睡できなかった。何回どついてやろうと思ったことか・・こんなことなら耳栓を用意しておけばよかったと思ってももう遅かった。寝た気がしないまま朝を迎えた。しかもまだ酒が残っている感じ・・。朝風呂でアルコールを無理やり飛ばすことは出来たものの体調は優れなかった。さて、最後のお楽しみ、フロントでの清算となったのだが、実はJRの処分費用がタダで済んでしまったので、その分は「ワタスがおごりま〜す」ということで、会計は全て私に付けていた訳だったが、清算金額はやはり予想を遥かに上回るものであった。どうみても手持ちの金では足りない・・。このまま1ヶ月ただ働きで風呂掃除をしても足りないかもしれない・・・。結局は皆に援助してもらい(情けない・・)、健康ランドを後にした。



造形美!!


茨城基地初探訪の旅は終わった。
  2004年6月19日(土)
 JRブレーキ付ける


やっとこさ入手できた茨城産JRブレーキを岩手に運び、早速取りつけた。
せっかくなんで、ナックルとハブを分離し、ハブベアリングのチェックを行なう。特にサビも認められなかったので、古いグリスを洗浄して、新鮮グリスをおごってやった。ナックルとリンク・エンドの切り離しには、ネット通販2500円で入手した(安!!)タイロッドエンドプーラーを使用。しかしなかなか外れず、今にも折れそうでヤバイ感じがする。今こそ茨城で学習した成果を発揮する時が来たようだ。ナックルを叩きまくることおよそ5分、ガンッ!!という爆裂音と共にやっと分離できた。それにしても、判っていてもこの音は心臓に悪い!!


さて、ナックル移植ということは、アライメントの調整を避けて通る訳にはいかない。とりあえず、こんなものを作ってみた。即席トーインゲージ。基準位置にマチ針を刺して、タイヤの後ろ側のピッチを測定。で、マチ針が前側に来るまで前進させて、前側のピッチを測定し、その差を見る(たぶんこれでいいのかな?)。ざっくり−2のトーインに調整して良しとした。


実は最初ローターは研磨せずに、そのまま組んで福島へ発進してしまった訳だが、やはりジャダーが激しく、いつでもどこでもABS状態になってしまうため、さすがに研磨に出してしまったのだ。出来あがりはレコード盤(LP)みたいにビッカビカ。早速試走したところ、もうこの状態でも別モノって感じになった。っていうか、やっと普通になった感じで、これで何も気にせずに乗れるというか、これまでの憂鬱な気分もどこかに吹っ飛んでしまったのであった。とにかく普通に走れるってことは、実にありがたいことである!!
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