研究テーマ等

 



研究課題


 

 修士課程までは、横光利一の文学を同時代の思想状況との関連から研究してきました。横光は、昭和初頭、新しい文学を創ろうと様々な文学的実験に

挑み「文学の神様」とまで称されながら、 敗戦後、戦争協力者として文壇から弾劾をうけ、今日一般的には、文学史の上でぐらいしか知られていない

作家かもしれません。しかし、彼の文学でなされた試みは、西洋文学の影響を強く受けてきた日本の近代文学が抱えている問題とも深く関わっています。

 

 修士論文は「横光利一の思想戦――近代の超克と昭和の一知識人――」(平成9年度)。横光の戦前戦後の思想と文学について考察したものですが、

特に彼が戦中傾倒していった古神道が如何なるものであったのか、その意味について<近代の超克>論(今日でいうところのポストモダン)との関わり

から論究したものです。  

 

 現在、昭和10年代の文学における近代主義批判というテーマで、横光だけでなく、同時代の文学者(保田與重郎ら「日本浪曼派」の作家など)、

また当時の知識人に影響力を持っていた京都学派の哲学者(三木 清等)なども考察対象としながら検討しています。

博士論文は「戦時下の文学と〈日本的なもの〉――横光利一と保田與重郎――」(平成20年2月)。

 

 


研究業績リスト

論文(平成25年4月10日現在)

・学部時代の卒論は「横光利一研究」

修論・博論は上記のとおり。

 「横光利一の観念形成過程の一考察 ―『上海』改稿と「機械」の実験―」
 (「古典研究」第18号 平成2年6月)

 「戦時下の横光利一と≪みそぎの精神≫ ―近代科学の超克としての古神道(上)― 」
 (「近代文学論集」23号  平成9年11月)

 「高見順の南方行と≪文学非力説≫」
 (「比較社会文化研究」第3号  平成10年2月)

「横光利一における二〇世紀の「数学」的問題 ―近代科学の超克としての古神道(中)―」  
(「近代文学論集」 第24号  平成10年10月)

「保田與重郎の風景観―昭和一〇年代の文明開化批判と登山ブーム―」  
 (「敍説」 将次(神11年1月6日  花書院発行)

「保田與重郎における「言霊」思想」
 (「COMPARATIO」 第3号 平成11年3月)

「横光利一における<近代の超克>と知性の改造―近代科学の超克としての古神道(下)―」
(「近代文学論集」第25号 平成11年10月)

「『日本の橋』とフッサールの現象学―保田與重郎の「自然」と間主観的還元―」
 (「昭和文学研究」第40号 平成12年3月)

「横光利一の『紋章』における「正義」と「自由」」
(「COMPARATIO」 第4号 平成12年3月)

「『家族会議』―東京と大阪の株式戦とその背景―」  
(「国文学 解釈と鑑賞」第65巻6号 平成12年6月 至文堂発行)

「保田與重郎の戦後と『絶対平和論』」
(「敍説」第2期1号 平成13年1月 花書院発行)

「戦前の上海航路と昭和期の文学者」
(「COMPARATIO」 第5号 平成13年3月)

「科学雑誌における批評の機能―昭和一〇年代の科学ジャーナリズムと「科学評論」―」
(「敍説」第2期2号 平成13年8月 花書院発行)

「横光利一『紋章』論―自意識の不安と自由の精神―」
(「近代文学論集」第27号 平成13年11月)

「従軍作家における戦争の表象―火野葦平『麦と兵隊』論―」
(「国際言語文学」第5号 平成14年6月 国際言語文学会)

「報道戦線下における戦争の表象―火野葦平『麦と兵隊』の表現戦略―」
 (「昭和文学研究」第45号 平成14年9月)

「甲谷 横光利一『上海』」(特集 脇役たちの日本近代文学)
(「敍説」第2期5号 平成15年1月 花書院発行)

「〈文学的象徴〉としての数学―横光利一『旅愁』における綜合的秩序への志向―」 
(「横光利一研究」創刊号 平成15年2月)


「小学校時代の中也の書と習字教科書」
 (「中原中也研究」第 平成16年8月)

 
〈機械〉の新感覚横光利一の「鳥」と近代科学の文学的受容―」
(「近代文学論集」第30号 平成16年11月)

 「横光利一の戦中戦後と「微笑」」
(「近代文学論集」第31号 平成17年11月)

 

 「昭和一〇年代における〈日本的なもの〉横光利一の「厨房日記」から」

(「九大日文」第12号  平成20年10月)

「担ぎ屋の心理」(横光利一研究・新視角シリーズ)
(「横光利一研究」第8号 平成22年6月)

「〈上海もの〉と五・三〇事件 −横光利一の『上海』とその周縁−」
(「横光利一研究」第8号 平成22年6月)

「戦時下の朝鮮・大陸への旅と「世界交通路」 −保田與重郎の『蒙疆』−」
(「近代文学論集」第36号 平成22年12月)

「夏目漱石「趣味の遺伝」論−〈遺伝〉と文学−」
(「尚絅語文」第1号 尚絅大学文化言語学部・日本文学懇話会 平成24年3月)

「横光・川端の問題系とその展開(研究展望)」
(「横光利一研究」第11号 平成25年3月)

「アンチ・ユートピアと文明批評 −佐藤春夫「のんしやらん記録」論−」
(「尚絅語文」第2号 尚絅大学文化言語学部・日本文学懇話会 平成25年3月)

 

 「保田與重郎における批評のアカデミズムと松下武雄」
(「千年紀文学」32号 平成13年5月30日 千年紀文学の会 皓星社 )

「小林秀雄の『杭州』と火野葦平―戦中戦後の校訂について―」
(「あしへい」4号 平成14年6月 葦平と河伯洞の会 創言社) 

著書

 石田仁志・渋谷香織・中村三春編『横光利一の文学世界』第三部「読むための事典」の「科学と文学」翰林書房、平成18年4月

 単著『戦時下の文学と〈日本的なもの〉横光利一と保田與重郎―』 (比較社会文化叢書15) 花書院 平成21年3月20日刊行 

 


学会報告

 入会している学会:日本近代文学会・日本社会文学会・昭和文学会・横光利一文学会

「戦時下の横光利一と古神道 ―『旅愁』における≪みそぎの精神≫の文学的実践― 」

(日本近代文学会九州支部学会 平成9年6月14日 於:長崎大学)

「横光利一の『旅愁』 ―自己矛盾の構造と戦後の改稿―」
(日本社会文学会 春季東京大会 平成12年6月24日 於:法政大学)

 「従軍作家における戦争の表象―火野葦平『麦と兵隊』を中心に―」
(日本社会文学会 韓国・慶州大会 平成13年12月 1日 於:慶州大学校)
 

メタフィクションとしての〈日本〉と古典保田與重郎の神道論と〈近代の超克〉

 (日本近代文学会 秋季大会 平成17年10月22日 於国学院大学)

 

 「『旅愁』における父祖の表象と古神道」

 (横光利一文学会 第八回研究集会 平成19年8月25日 大分県宇佐市民図書館)

 


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