parosmia



異臭症〜治療と手術〜
 
                    


これまでの経過
              

1997年に交通事故で骨盤骨折、頭部外傷、等と診断。
退院後しばらく経ってから左の鼻に異臭の感じました。
異臭を感じた初期は、それが左の鼻(嗅覚)だけの異常とはわかりませ
んでしたし、もちろんそれが(異臭症)だとは知りもしませんでした。
3年くらい経った頃から徐々に異臭症がひどくなり、生活に支障がでる
ようになり、初めて耳鼻科に行きました。最初に、行った杏林大学病院
では、MRI、レントゲンを撮り、結果、異常は無く、その時から原因不明
の病気との闘いが始まりました・・・

その後、母の薦めで嗅覚外来のある昭和大学病院に行きました。
そこで、初めて自分が嗅覚障害(異臭症)だということがわかりました。
S大学病院では、MRI、CT、嗅覚検査「アリナミン注射による嗅覚検査、
基準嗅覚検査(T&Tオルファクトメーター)」を行い、教授に診ていただ
きましたが、やはり原因はわからず、精神安定剤を処方されるくらいで
した。

その後も、耳鼻科専門の神谷記念病院、東大病院など、嗅覚の権威、
鼻の専門病院など、いろいろな先生に診ていただきましたが、原因はわ
からず、対処の仕方も無く4年が経ちました・・・

その頃から、異臭症が日増しにひどくなっていき、日常生活が困難な状
態になってきました。
約半年かけて自分の病気のことを調べ、全国の耳鼻科、脳外科、神経
内科の先生、病院に片っ端からメールを送りアドバイスをいただこうと
思いました。
100通のメールを送って返信があるのは10通程度、その内1通になん
らかの良い返事があるか無いかで、そんなことを半年間毎日やって、半
年後にその後の治療に有効な情報をいただくことができました。

それが、私と同じ様に異臭症で苦しでいる患者の嗅球を摘出して異臭
症を治したというアメリカの論文でした。
そこから、Pub-Medなどを使いアメリカの文献(論文)を調べ、そのほ
か、いろいろな先生からのアドバイス、情報を元に嗅球を切除する手術
とは違う、アメリカ、ネブラスカ大学病院 耳鼻咽喉科Donald A Leopold
(ドナルド レオポルド)先生が行った嗅粘膜(上皮)切除に辿りつきまし
た。

それを元に、手術を行っていただける先生を探し、半年後、K労災病院
で診ていただき、手術を行っていただけるようにお願いをいたしました
が、日本では症例も無く、初めての手術も為、とりあえず嗅粘膜(上皮)
をレーザーで焼く方法で手術を行うことになりました。
2003年、左嗅上皮レーザー照射を行いました。
2週間の入院で、入院中は異臭も無く治ったのでは?と思いましたが、
退院後、術後3週間で症状が戻り、最悪なことに5年間、左側だけだっ
た異臭症が右側にも現れ、一側性ではなく、両側性の異臭症になって
しまいました。
嗅粘膜切除を行っていただけるよう先生に何度もお願いいたしました
が、耳鼻科的に両方の嗅粘膜を切除するということは、嗅覚を失うこと
であり、完全嗅覚脱出になってしまい、耳鼻科では手術することはでき
ないと言われました。
そして、またパソコンと向き合う生活が始まり、嗅粘膜(上皮)切除を行
っていただける先生を探す旅が始まりました。

アメリカのレオポルド先生に駄目もとでメールを送った所、奇跡的に返
事が返ってきて、その後、東京女子医科大学病院、脳神経外科 教授 
堀智勝先生に相談をし、一年近くかかりましたが、2004年10月、嗅
粘膜(上皮)を切除する手術を行いことができました。


症状、対処法について


異臭症がひどくなり日常生活が困難な状態になってから、何とか良い
対処法がないかと懸命に探しましたが、初期段階では対処法は見つけ
られず、苦しい日々を送っていました。
症状は、必ず発作的に起こり寝ることによって治ります。
これは、異臭症患者の典型的な症状の1つでもあります。
1時間でも睡眠を取れば一時的には治ります。
その後、また発作が起こり異臭が発生します。
異臭症は、いつでもどんな状況でも自分の意思に関わらず起こり、自
分の意思で起こすことができます。
つまり、普通に呼吸をしているだけでも起こりますし、話をしていたり、
笑ったり、泣いたり、鼻をかんだり、くしゃみをしたり、鼻と口に関する動
作で(鼻に刺激が加わった時などに)発作が起こります。
したがって、上記に記した様に、口と鼻に関する動作をする時、話をした
り、くしゃみをしたり、いろいろな動作に制限ができ、たえず自分を抑え
なくてはいけない状態が続きます。
とても、苦しく、ストレスが溜まり、異臭症でない人にはわからない苦し
みがあります。
現在では、治す方法がいくつかありますが、それも確実な方法ではな
く、一時的な対処法でしかありません・・・
確実に治すには、やはり睡眠を取ることです。
しかし、いつでもどこでも睡眠を取れる状況ではありませんので、なか
なか難しいものがあります。
もう1つは、生理食塩水の点鼻です。
ベッドに仰向けになり、頭をベッドから完全に下げた状態で点鼻しま
す。これにより、それより上の鼻部呼吸通路を遮断して、異臭を絶つこ
とができます。
鼻腔を生理食塩水でブロックして異臭症を一時的に治します。
時間的には5分くらいが目安で、点鼻の量は、3、4滴くらいです。
そのほかには、局所麻酔(キシロカイン 4%)を点鼻して嗅覚を麻痺さ
せる方法があります。
どうしても、治すことができない場合や、治らない場合は、片方だけの
時でしたら、コットン製のウエットティッシュを左の鼻に詰めて生活をして
いました。
両方(両側性)になってしまった状態では、水泳のシンクロで使うノーズ
クリップを使っていました。
しかし、外ではもちろん使えません。
鼻を塞げば異臭は感じません。
そのことから、嗅覚中枢の異常である幻嗅ではないと考えます。
てんかん(側頭葉てんかん)ではないと考えます。
私と同じように異臭症で苦しむ人の中には、何年か経ってから、もう一
方の鼻孔にも症状が現れた人が何人かいるとレオポルド先生から伺い
ました。
みんな、私と同じように、生理食塩水などを使って、鼻からの空気の流
れを止めることで異臭が発生するのを抑えることができると言っていま
す。


これまでの検査、治療


これまでに、嗅覚検査「アリナミン注射による嗅覚検査、基準嗅覚検査
(T&Tオルファクトメーター)」、脳波、レントゲン、CT、MRI、PET、など
を行いました。
現在までに服用した薬は(異臭症に対して)、てんかん薬「リボトリー
ル、テグレトール」、アデノシン三燐酸「アデホス」、メチコバール、点鼻
薬「リンデロン」、漢方薬「ケンガイレンギョウトウ、カミショヨウサン」、抗
精神薬、不安薬、うつ薬「アナフラニール、メイラックス、リーゼ、デパ
ス、レンドルミン」等です。
そして、SSRI「パキシル」です。

2003年に、K労災病院にて左嗅上皮レーザー照射。
その後、異臭症が再発したので、左の嗅上皮に硝酸銀を塗布して粘膜
を焼く方法をとりました。
しかし、レーザーも照射したのは表面だけ、嗅粘膜全てを焼くことはでき
ません。
硝酸銀も表面だけで、嗅覚検査上は、左側はほとんど臭いはしません
が、完全ではありませんし、表面をレーザーや硝酸銀で焼けば臭いを
感じないのは当然です。
もし、私と同じ様な異臭症の患者が嗅上皮レーザー照射、または嗅上
皮硝酸銀塗布を行おうとしているのなら、私はおすすめできません。
と言うか、やめた方がいいと思います。
なぜなら、確実に異臭症を悪化させるからです。
それだけは、はっきりと言えます。
詳しい内容を知りたい場合はメールで。
ネット上ではいろいろと問題があるので・・・

最後に、SSRI「パキシル」は、唯一異臭症に対して効果を示した薬で、
発作そのものは起こりますが、回数を減らすことができました。
なぜ、パキシルが効果があるのかはわかりませんが、確実に以前とは
発作が起きる回数が減りました。
これは、異臭症患者にとって革命的なことだと思います。
アメリカでの異臭症治療においても報告はされていないと思います。
SSRI「パキシル」については、10mgから服用を始め、状況に応じて量
を増やしていきました。
大体、10mg単位で考えると効果は1ヶ月〜2ヶ月(私個人の場合)くら
いだと思います。
パキシルの最大量は40mgですので、40mgに達し、異臭症(発作)を
抑えることが難しくなってきた場合、そのほかに現段階で治療法が無い
のが現実です。


結論


レオポルド先生など、アメリカの異臭症の研究では、異臭症は鼻と頭脳
の両方に問題があり、技術的には鼻腔から臭覚を司る神経を取り除く
とこでこの問題は解決できるとのことです。
この方法は、嗅球摘出のような徹底的手段の代替手段をもたらすこと
ができ、さらに嗅覚を有意に保存することができる方法だと思います。
嗅球を摘出するには、開頭しなくてはいけません。
嗅覚(臭い)も永久的に無くなってしまいます。
嗅上皮切除でしたら、もしかしたら嗅覚を保存でき、もちろん嗅覚は落ち
ると思いますが、残せるかもしれません。
嗅上皮を切除することによって鼻からの異常嗅覚ニューロンを除去し、
嗅球への入力を中断することによって異臭症を治すことができたこの方
法は、生理食塩水のように、一時的に生理食塩水でブロックして異臭症
を治す方法と理屈は同じ気がします。
                         
嗅上皮を完全に、しかも安全に切除するには、高度な技術を必要とし、
とても危険な手術です。
できれば、耳鼻科、脳外科が協力をして行う必要があります。
臭いというのは、人間にとって、とても大切なもので、だれもが当たり前
のようにその感覚が存在していると思っていますが、その感覚に異常が
生じた時、初めてそのありがたみがわかり、障害を持つという苦しみを
理解することができます。
今は、嗅覚という物の大切さが痛い程わかります。
無臭の世界、嗅覚脱出の世界がつらいのも十分わかってます。
しかし、異臭症で苦しむ今よりかはいいと思います。
少なくても、今までよりずっと普通の生活が送れると思います。
異臭症で苦しむ人はみんな同じことを思っているはずです。
アメリカでも日本でも・・・
このホームページを見て一人でも多くの異臭症の患者が、異臭症を治
すことができ、少しでもお役に立つことができることを心から願っていま
す。


最後に、このホームページは上記にも記したように、一人でも多くの異
臭症で苦しむ人のお役に立てるように私個人が作ったモノです。
症状には個人差もあり一概に上記に記した方法が良いとは限りませ
ん。逆に言えば、私と同じ方法や対処をしたコトによって症状が悪化し
たり、そのほかの障害を誘発する可能性も無いとは言えません。
医者でも、医学的な仕事をしているワケではない一人の異臭症の患者
としての意見や対処法です。
したがって、上記に記した内容に関して責任を持つことはできません。
それだけはご理解していただきたいと思います。
このホームページに記載できなかったこと、これまでの治療、対処法、
手術に関してはネット上では何かと問題がありますのでメールしていた
だければと思います。
私の経験、知識で少しでもお役に立つコトができれば幸いです。



                         
                         2004年11月20日   J.M




P.S

手術から3年近く経過して、今までにこのホームページをきっかけに相
談にのった異臭症の患者さんから、堀 智勝先生の元で異臭症の手術
を受けたといううれしい報告を何件かいただきました。私の経験、知識
が少しでもお役に立つコトができたこと、ホントにうれしく思います。ま
た。堀 智勝先生に心よりお礼を申し上げたいと思います。ありがとうご
ざいます。堀先生は、私の病気を治してくださった、私にとって神様みた
いな方です。これからも、1人でも多くの異臭症で苦しんでいる方が救
われることを心より願っています。

                  
                       





異臭症に関する論文、文献
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