パラグアイの政治(クーバス政権)




ワスモシ政権の後を受けて波乱含みの中、リノ・オビエド氏の傀儡とも言えるクーバス政権が誕生しました。短い期間でしたが政治は大荒れでした。


(99年03月23日)青党ならびにエンクエントロ両党首が交代

大統領選挙で敗北した両党の党首選挙が行われ、青党はフリオ・セサール・フランコ、エンクエントロはエウクリーデス・アセヴェロがそれぞれ勝ちました。青党では長い間、ライーノ時代が続いていましたが、これで新たな時代を迎えることになります。

(写真)新しく与党党首に選ばれた二人(ウルティマ・オーラ紙)

一方の与党・赤党ではオビエド問題がこじれにこじれており、大統領の弾劾裁判実施の為の投票が行われることになっています。司法の独立を主張する勢力がオビエド氏の拘束を求めているものです。この一年間この問題に終始しており、政府は全く機能しておらず、早期解決が望まれます。


(99年01月09日)オビエド党籍抹消問題

新聞(EL DIA)は1月7日の紙面で、オビエド氏の党籍が抹消され、コンピュータの与党・赤党名簿から削除されたと伝え、これにより赤党・党首選挙にオビエド氏が出馬することは不可能になったとしている。さらに1月8日には、一面を割いて、「オビエド主義者-擬似軍事集団は憲法を冒涜した、UNACE(支持母体)は解散すべきだ」という見出しを付け、最高裁への襲撃事件、ワスモシ元大統領への発砲事件、国道封鎖などの写真を掲載してオビエド氏ならびにその支持基盤であるUNACEに対して不当性を強調した。

(写真)EL DIA-1月8日・一面


(12月22日)オビエド特赦・その2

最高裁は5-4でオビエド特赦に関するクーバスの大統領令は行政の司法に対する侵害で、司法の独立に抵触するとの理由で違憲という極めて常識的な判断を下したのだが、オビエド支持グループはこれを不服として抗議、対抗処置して実力行使に出た。22日はバスを10時まで全面的にストップさせ、この為、ただでさえ年末で混雑しているセントロ地区(アスンシオン市中央部)は終日大混乱した。また一部の支持者は5人の裁判官の罷免を求めて最高裁判所に押しかけ投石、乱入等の実力行使に出、警官隊との衝突に及び一部では怪我人も出た。しばらくは政治的混迷が続く模様。

(写真:苦しい立場のクーバス大統領、オビエド元将軍に足元をすくわれている。)


(12月07日)オビエド特赦

クーバス大統領がオビエド氏を特赦したことに対して、最高裁は違憲という判断を出した。

(写真)クーバス大統領にオビエド特赦は違憲とする最高裁


(8月30日)平行線

昨日クーバス大統領と議会との間で話し合いがもたれた。政治危機の打開を求める議会側に対して自身の経済プランを提示するクーバス大統領、双方はそれぞれの主張を述べるだけで平行線を辿るだけで前進は見られなかった。

(写真)政治危機の打開を求める議会と自身の経済プランを提示するクーバス大統領
・ウルティマオーラ紙


(8月25日)オビエド与党赤党・党首選挙

オビエド元将軍が2週間後に来年行われる与党赤党・党首選挙に出馬する為のキャンペーンを開始すると述べた。昨日はクーバス大統領の誕生日を祝うため、一家で官邸に大統領を訪問、その健在振り、大統領との連携をアピールした。

地方、貧困層では人気が高いオビエド氏、党首選挙に勝利する可能性は高いかも知れませんね。アルガーニャ派等は大統領に続き党首もオビエドならびにオビエド派に取られると党が「オビエド党」になる訳で、強い反発が予想されます。


(8月21日):クーバス大統領は合法性を強調

クーバス大統領は今回の決定は合法的であり、再考は出来ないと発言、これに対して議会は反発を強めているが、強硬な手段に出れる2/3の賛成を得るのは難しい情勢。また昨日難を逃れてアルゼンチン大使館に逃れていたワスモシ大統領は議会で宣誓を行い、終身上院議員としての活動を開始した。


(8月20日):国会の反対決議

昨日6時間にわたり、国会で審議が行われ、昨日のオビエド恩赦に関する大統領政令は無効であるという決議を行った。これに対してクーバス大統領は今回の決定は合法的なものであり、問題は無いと突っぱねた。

一方、ワスモシ前大統領は身の危険を感じてかアルゼンチン大使館で一夜を過ごした。また、今回の組閣でただ一人アルガーニャ派と言われていたクーバス大統領の実弟・カルロス・クーバス商工大臣は今回の大統領の決定に抗議して、「これは真の独裁への道を開くものだ」と批判し、大臣を辞任した。

経済界では今回の政治的な混乱で新規の投資に悪影響が出てくることを懸念している。また為替に関しては中銀が介入し相場の維持に努めた。


(8月19日):オビエド元将軍釈放

本日、大統領特別恩赦(刑期減免)が出て、クーデター首謀の罪で身柄が拘束されていたオビエド元将軍が釈放されました。

アルガーニャ派などではこれに抗議する動きがあるようです。


(8月17日):新政権スタート

本日より本格的にクーバス政権がスタートしました。さてどのような政策が打ち出されるのか衆目の注目するところです。本日の新聞に掲載されている内容を要約すると

1・副大臣人事
副大臣にも、オビエド派として知られる人が要職に就いた。

2・経済政策
次のような経済政策が骨子になるようです。
(1)年間、約5千億グアラニ(現在 1ドル=2,850グアラニ)の財政赤字が見込まれるので大幅な経費節減を実施、公務員の削減は公約にもあり、行わないが残業手当その他の諸手当の見直し、削減を実施。かなり細かい点まで触れています。(例*電話の使用は1回最高5分)
(2)輸送業者には利益の30%税金を課す定める以外には特に大きな税制の変化は無く、国債も99年度には発行しない。個人所得税も引き続き徴収しない。(パラグアイには個人所得税が無い。)ただし、IVA(付加価値税)等の徴収は徹底して行う。
(3)電電公社、電力公社はいずれ将来には民営化する。
これを見ますと余り過激な政策を取る見込みは無いようです。

3・オビエド元将軍の拘束解除
これはかなり早い時期に実現する見込みです。


(8月15日):新政権発足

本日、クーバス大統領、アルガーニャ副大統領が就任しました。パラグアイ第44代大統領となり、就任式には、近隣諸国から7元首(メルコスール諸国、チリ、ペルー、ボリビア、エクアドル)が参列し、まずワスモシ旧大統領が施政5年の締めくくりの演説を行い、大統領のシンボルである「たすき」(バンダ)を国会議長に渡し、それをクーバス新大統領に渡しました。(写真)

クーバス大統領は直接ワスモシ旧大統領から「たすき」を受けるの拒んでいたそうです。とにかく(本当に色々と紆余曲折ありました。)「文民」-「文民」の大統領で政権が平和的にそれも任期満了で委譲され、民主主義の形は整いました。

(写真)大統領のたすきを国会議長から受けるクーバス大統領


(8月8日):新閣僚発表
この15日に発足する、クーバス・新政権の閣僚名簿が発表されました。リノ氏の側近、クーバスの友人・親戚などで固められており、副大統領のアルガーニャ氏側の人は含まれておりません。クーバス・アルガーニャ政権ではなく、リノ・クーバス政権という色彩が濃いようです。

例を挙げると、大蔵大臣にはリノ氏に近い人物が、商工大臣にはクーバスの兄弟が就任といった状況です。


(8月7日)
クーバス大統領・アルガーニャ副大統領が当選し、いよいよこの15日に大統領に就任します。この数ヶ月間、現政権への求心力は落ちており、国民は強力な新政権に期待し、見える成果を求めるいると思います。大統領に就任して直ぐ、どのような政策を打ち出して来るか注目です。

与党・赤党内では、オビエド・クーバス派、アルガーニャ派等に別れていて、政治への主導権を争う葛藤があると思います。

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