2018年・大統領選挙-01




2018年・大統領選挙-01

2018年の大統領選挙への動きを紹介します。民主化以降今回が5回目の大統領選挙となります。投票の結果、与党マリオ・アブド・ベニテス候補(Mario Abdo Benítez)が勝利し、次期大統領と決まりました。就任は8月15日です。




ここまでの経緯

1993年の民主化以降、亡命や弾劾があり、5年ごとに5回行われた大統領選挙、これまで選挙で選ばれた大統領の中で任期を全うしたのは僅かに2人だけです。2008年の大統領選挙の際に当時のニカノル・ドゥアルテ大統領は立憲主義の原則に背き再選を狙いましたが認められず自分が院政をひこうと余り人気が無い子飼いの候補を押し立てましたが、野党連合に敗れて政権交代となりました。現在のカルテス大統領も2017年前半には再選を禁止している憲法へ修正事項を加えれば再選は可能と頑張り、政局が不安定となりましたが、4月に米州開発銀行総会が行わ国外のメディアが多数集まっている中で憲法違反と反対する人達によって国会で火災が発生、世界中にこの問題が知れ渡り、再選を断念して自派の候補を擁立する事になりました。今回も具体的な大統領候補が選出されて以降の情勢を掲載します。

民主化以降の歴代大統領
1993年:ワスモシ大統領(赤党・選挙で選出、任期を全うした) ※ 民主化後①
1998年:クーバス大統領(赤党・選挙で選出、任期途中で亡命を余儀無くされた) ※ 民主化後②
1999年:ゴンサレス・マキ大統領(赤党・正副大統領が不在となり、上院議長から繰り上げ
、なお、副大統領選挙では青党候補が当選)
2003年:ニカノル・ドゥアルテ大統領(赤党・選挙で選出、任期を全うした) ※ 民主化後③
  
2008年:フェルナンド・ルゴ大統領(革新系・選挙で選出、途中で弾劾された)  ※ 民主化後④
2012年:フェデリコ・フランコ大統領(青党・副大統領から繰り上げ
2013年:オラシオ・カルテス大統領(赤党・現職) ※ 民主化後⑤
2018年:民主化以降6回目の大統領選挙

今回の大統領選挙は予想外の僅差となりましたが(得票率で3.7%)、与党マリオ・アブド・ベニテス候補が勝利しました。1989年に独裁体制が崩壊し、1993年に初めての民主的な選挙が実施されるようになりました。任期は5年で、長期独裁政権の反省から再選無し、5年ごとに総選挙が行われ、今回が6回目となります。当選者の得票率が過半数50%を超えたのは過去一度だけです。1998年、赤党は挙党一致候補クーバス候補に得票が集まりましたが、翌年1999年、副大統領に就任していたアルガーニャ氏が暗殺され、クーバス大統領は亡命を余儀なくされる事態となりました。2008年は赤党内で内紛となり、青党は連立候補を担ぎ当選しました。今回は与野党事実上の一騎打ちとなりましたが、野党はかなり善戦したと言って良いでしょう、もう少し特に若いリベラル層を取り込めば逆転もあったかも知れません。一部の日本の報道に「候補者が10人乱立」とありますが、毎回泡沫候補が多く特に今回候補者が多かったわけではありません。むしろ一騎打ちの様相が濃く、両候補で約90%の得票となっています。





マリオ・アブド・ベニテス候補(Mario Abdo Benítez)
マリオ・アブド・ベニテス候補(Mario Abdo Benítez)は1971年11月10日生まれ、父は当時の独裁者ストロエスネル大統領の私設秘書として当時絶大な権力を持っていた。米国・コネチカット州に在る帝京ポウスト大学を卒業(マーケティング専攻)、2005年に上院議長。離婚後再婚し、前妻との間に2人の息子が居る。

※ 帝京ポウスト大学は当時は日本の帝京大学と提携、その後提携は解消し現在はポウスト大学となっている。



サンティアゴ・ペーニャ氏、財務大臣を辞職し与党主流派候補として大統領選へ(2017年 6月 5日)
サンティアゴ・ペーニャ氏は、与党主流派(カルテス大統領派)候補として立候補の為財務大臣を辞し12月の党大会で与党・赤党候補となる事を目指す事になりました。

サンティアゴ・ペーニャ氏 38歳
カトリック大学経済学部 卒
米国コロンビア大学・公共政策大学院修了
中銀職員
米国・IMF
2004年 中銀理事、カトリック大学教授
2015年より現職



(写真:カルテス大統領とペーニャ氏-01)



(写真:カルテス大統領とペーニャ氏-02)



ABCコロール世論調査(2017年 7月13日)
最大紙・ABCコロールに大統領候補の調査が出ていました。現時点で誰が大統領にふさわしいかとの問いに対して
マリオ・フェレイロ(アスンシオン市長) 29.9 %
マリオ・アブド・ベニッテス(赤党・上院議員) 19.9 %
エフライン・アレグレ(青党・前回候補)16.4 %
サンティアゴ・ペニャ(赤党・前財務大臣)15.3 %
という結果が出ました。この内マリオ・フェレイロとエフライン・アレグレは前回の大統領に出馬し、エフライン・アレグレは2位で36.94%、マリオ・フェレイロは国家前進党という党を立ち上げ、5.88%の票を得、上下院でそれぞれ2議席を獲得しています。これを受けてマリオ・フェレイロはまだ出馬の可能性を示唆し大統領選挙に興味を示しています。



現在のカルテス大統領に関しては
非常に良い 2.1%
良い   35.5%
悪い   40.4%
非常に悪い17.7%
となっています。

赤党の党内選挙で現在誰を選ぶかという問いに対しては
マリオ・アブド・ベニッテス(赤党・上院議員) 44.8 %
サンティアゴ・ペニャ(赤党・前財務大臣)   25.5 %

青党の党内選挙で現在誰を選ぶかという問いに対しては
エフライン・アレグレ(青党・前回候補)    66.3 %
カルロス・マテオ・バルメリ(元上院議員)   12.3 %





世論調査:与党・コロラド党の大統領予備選、マリオ・アボドが優勢(ABCコロール紙)(2017年11月28日)
与党・コロラド党の党内選挙が20日後に迫る中、First Analysis and Studiesが全国規模で実施した世論調査によりますと、党内反主流派候補のマリオ・アボド・ベニテス候補が、支持率44.5%、主流派サンティアゴ・ペーニャ候補が34.2%、20%強が棄権との結果が出ました。反対派候補者は地方で支持を集め、主流派はアスンシオン首都圏で強いという傾向があり、現在のデータと7月のデータを比較すると、ペーニャ候補が支持率を伸ばし、マリオ・アボド候補は支持率横ばいです。7月から現在までペーニャ候補の支持率は25.5%から34.2%と、ほぼ10ポイント上昇しました。

与党・コロラド党の党内選挙をもし今日実施するならば、マリオ・アボド候補がサンティアゴ・ペーニャ候補に少なくとも10ポイント差をつけて勝利するでしょう。しかしながら選挙までに20日残っており、この調査は現在の意向を示すもので投票行動と一致しない事もあり、また今後より一層激しい選挙活動が予想されており、まだまだ予断を許さない情勢と言えます。

※ 調査結果を見ますとサンティアゴ・ペーニャ候補は、アスンシオンで、男性で、若い人により支持されている事が分かります。インテリ、富裕層の支持を集めていると言えます。今後選挙運動が激しくなり、実際の党内予備選挙では動員力が決め手となりますのでまだまだどちらが勝つか分からないと思います。










コロラド党・大統領予備選挙:エンリケ・タカ・チェイス(Enrique Taka Chase)の世論調査ではサンティアゴ・ペーニャ候補が優勢(経済紙・5ディーアス)(2017年11月30日)

エンリケ・タカ・チェイス(Enrique Taka Chase)は、コロラド党・大統領予備選挙の全国レベルの世論調査を発表しました。これによりますとサンティアゴ・ペーニャ候補(SantiagoPeña)48%、マリオ・アボド候補(Mario AbdoBenítez)42.9%。ペーニャ候補は、アスンシオン首都圏、北部、南部、チャコ地方で優位に立ち、一方のアボド候補は東部で優位に立っています。8月、9月、10月、更には今月初旬の世論調査ではアボド候補が優勢でしたが、ここに来て情勢が変わり逆転しています。なお、調査は11月15日から27日に行わ、5,785人のコロラド党支持者を対象に実施されました。

※ これは経済紙「5ディーアス」の記事で、数日前にABCコロール紙の世論調査とは相当異なる結果になっています。新聞社の意向も入る上、対象が与党・コロラド党の予備選挙であり、党員が対象でサンプリングが極めて難しいのだと思います。(日本と異なり平均的なパラグアイ人を特定出来ない)





与党・赤党の党内大統領予備選、 4つの世論調査結果では不透明(ウルティマ・オーラ紙)(2017年12月16日)
First, Grau, ICA 、CIES、4つの世論調査結果は、2つはマリオ・アブド・ベニテス候補が非常に優勢、一つが拮抗、もう一つはサンティアゴ・ペーニャ候補が優勢と異なった結果になっています。ウルティマ・オーラ紙が依頼したCIES社がの世論調査では、両者の差は僅か0.2%となっています。アスンシオンと首都圏の1,800人を対象としたデータによりますと、マリオ・アブド・ベニテス候補45.4%、サンティアゴ・ペーニャ候補45.2%となっています。







赤党(ANR)大統領予備選挙、マリオ・アブド・ベニテス候補が勝利 (2017年12月17日)
パラグアイの各紙は赤党(ANR)の大統領予備選挙においてマリオ・アブド候補が勝利したと伝えています。またカルテス大統領に近いサンティアゴ・ペーニャ候補を支持して来たラ・ナシオン紙においてもマリオ・アブド・ニテス候補の勝利を伝え、同時にカルテス大統領はツイッターで「パラグアイは民主主義がしっかりと根付いている国です。マリオ・アブド上院議員の優勢は確かなもので、赤党(ANR)の大統領候補になると認めます。」と述べまた、ペーニャ候補も敗北を認めたとの記事を掲載しています。2008年の大統領選挙の際に赤党の予備選挙の結果を巡って対立し、本選挙で野党連合に敗北し政権を失った苦い経験があり、挙党体制の大切さを学んだのでしょう。これで正式にマリオ・アブド・ベニテス氏が来年4月の大統領選挙の赤党(ANR)候補となりました。



(写真:与党・赤党大統領候補に決まったマリオ・アブド・ベニテス氏-01:ABCコロール紙)



(写真:与党・赤党大統領候補に決まったマリオ・アブド・ベニテス氏-02:ABCコロール紙)



(写真:与党・赤党大統領候補に決まったマリオ・アブド・ベニテス氏-03:ABCコロール紙)



(写真:喜ぶ支持者氏-01:ABCコロール紙)



(写真:喜ぶ支持者氏-02:ABCコロール紙)



(写真:敗北を認めたサンティアゴ・ペーニャ氏:ラ・ナシオン紙)



パラグアイの民主主義には青党政権への交代、変化が必要(ラ・ナシオン紙)(2018年 1月18日)

ラ・ナシオン紙によりますと、青党の大統領候補、エフライン・アレグレ氏は4月22日に予定されている大統領選挙に対して抱負を述べた。大統領の再選には反対であり、赤党候補のマリオ・アブド・ベニテス氏に勝利出来る可能性は高い、これは青党単独ではなく多くの党を代表する為で、フレンテ・グアス党のジャーナリストのレオ・ルビン氏と共闘を協議していると述べた。新政権では、公正な司法、雇用、開発政策と中小企業振興、安全保障、保健教育の5つが政権の骨子となると述べた。



(写真:青党の大統領候補、エフライン・アレグレ氏:ラナシオン紙)


世論調査・与党コロラド党のマリオ・アブド・ベニテス候補が対立候補に31%のリード(ラ・ナシオン紙)(2018年 3月10日)
野党連合・Alianza Ganarは野党・青党エフライン・アレグレ氏を大統領候補にルゴ上院議員(元大統領)の党からレオ・ルビン氏が副大統領候補になっている。エフライン・アレグレ氏は前回でも大統領候補として出馬しましたが、カリスマ性に乏しく、青党支持者からは新鮮味が無く余り期待を持たれず「またか」という印象、2回前の大統領選挙ではルゴを大統領候補に、青党候補からはフランコ氏が副大統領候補という野党連合が成立し、与党・赤党が党内で混乱する事態もあり、大統領選挙に勝利しましたが、ルゴ政権は当初から大混乱となり、野党連合政権は全く機能しませんでした。この為、多くの青党党員にとっては、ルゴ氏の党との連立には抵抗が大きいでしょう。また、レオ・ルビン氏はテレビなどでお馴染みの人気コメンテーターのウンベルト・ルビン氏の息子で本人の資質というより「有名人の子供」、要するに人気取りの候補と見られているようです。このような事からリベラルな層からは野党連合候補は不人気となっているようです。
今回は与党はしっかりと結束を保っており、かなり有利な情勢であり、与党・コロラド党のマリオ・アブド・ベニテス候補が圧勝すると見られています。



4月22日(日)に投票が行われる大統領選挙、ABC紙の世論調査によりますと、50%の人がベニテス候補に投票すると述べ、60%の人がベニテス候補が勝利すると予想しています。マリオ・アブド・ベニテス候補の支持率は、アスンシオンで49.2%、セントラル県で53.3%、その他の地域で56.9%、これに対して野党連合・Alianza Ganarのエフライン・アレグレ候補は、アスンシオンで20.2%、セントラル県で22.3%、その他の地域で23.3%となっている。これは野党・青党の支持者を掴み切っておらす、その数は22.2%程度あり、エフライン・アレグレ-レオ・ルビンの野党連合候補が青党支持者から賛同を得ていない事による。



ブラジル商工会議所主催の与党・コロラド党のマリオ・アブド・ベニテス候補講演会 (2018年 4月 2日)
4月 2日(月)昼にブラジル商工会議所が主体となり複数の団体共催で与党・コロラド党のマリオ・アブド・ベニテス候補講演会が開催されました。3週間後に選挙を控えている忙しい中、ブラジル関係のビジネスマンは重要との判断で参加を受けたのでしょう。前半はマリオ・アブド・ベニテス氏が講演、後半は質問に答える形式でした。講演の内容の多くはブラジル関係で、「衝突する事もあるが両国の発展の為に協力して行きましょう」と呼び掛けていました。経済重視の姿勢で投資先としてのパラグアイの魅力を堅持し更に伸ばして行きたいと、基本的には現政権の経済政策を踏襲する姿勢のようで、4%の経済成長を6%まで伸ばしたいと意欲を見せていました。

また、インフラ整備が重要との認識を示し、「両国間に壁を造るのではなく、橋を渡そう」と呼び掛け、今後五年の間にブラジルとの間に第二橋、そして第三橋を建設したいと特に橋の建設が重要との意見でした。インフラの財源は?との質問に「使える財源は何でも用いる」一つは国際的は資金、二番目は国債、そして民活とのこと、民活についてはもう少し小規模で取り組みやすい案件から始めたいとの事でした。

総じて現実的な政策を行うつもりで官の役割は民の活動を支える基盤を作る事と述べ、投資環境を良好に保つことは重要との認識でした。



(写真:与党・コロラド党のマリオ・アブド・ベニテス候補-01)



(写真:与党・コロラド党のマリオ・アブド・ベニテス候補-02)



(写真:与党・コロラド党のマリオ・アブド・ベニテス候補-03)



(写真:与党・コロラド党のマリオ・アブド・ベニテス候補-04)



(写真:与党・コロラド党のマリオ・アブド・ベニテス候補-05)



全国規模の世論調査(ABCコロール紙) (2018年 4月 6日)
残り2週間となった大統領選挙(4月22日投票)、マリオ・アブド・ベニテス候補は、野党連合候補のエフリン・アレグレ候補に大きな差をつけている。 ABCコロール紙の依頼でFirst Analysis and Studiesが実施した調査によると、マリオ・アブド・ベニテス候補54.9%、エフリン・アレグレ候補は28.6%となっています。 野党連合が勝利するのはかなり難しい情勢で、マリオ・アブド・ベニテス候補は若者にも支持されています。また地域別では、エフリン・アレグレ候補はアスンシオンで余り支持されていないことが明らかになりました。

※ 最大紙ABCコロール紙の世論調査ではマリオ・アブド・ベニテス候補がエフリン・アレグレ候補に対して圧勝という結果が出ています。地域、年齢別でもまんべんなく支持を集めています。民主・左翼連合は本来は都市部、そして若者層に支持される傾向がありますが、今回は遍くマリオ・アブド・ベニテス候補が支持されています。







与党・コロラド党のマリオ・アブド・ベニテス候補と野党連合・青党エフライン・アレグレ候補の公開討論会 (2018年4月16日)
4月15日(日)二人の有力候補者、マリオ・アブド・ベニテス氏とエフレイン・アレグレ氏も公開討論会が開催されました。経済発展、環境、教育、健康や政権運営など市民社会に影響を与えるさまざまな問題について3人のジャーナリストからの質問に答える形で議論が交わされました。この模様はテレビ・ラジオを通じて全国に放映されました。
※ 各紙で取り上げられてはいますが、選挙の論点がはっきりしない状況の中、余り議論が進まなかったようです。経済紙5ディーアスはタイトルに「ベラベラと話すだけで対決は無かった」と酷評しています。新聞により取り上げている論点が異なり議論が深まらないまま終了したように思います。盛り上がりを欠いたまま来週22日(日)の投票日を迎えます。



(写真:討論会にて・ABCコロール紙)



投票日、投票会場の様子 (2018年 4月22日)
2018年 4月22日(日)全国各地で投票が行われました。普段の日曜日よりも静かで心配されたような混乱も無く粛々と投票が進みました。投票時間は午前7時から午後4時までで学校などが投票会場となっていました。多くの投票場では前の道路が通行禁止となっていて、イベロアメリカ大学の投票所でも多くの有権者が投票を行っていました。アスンシオン市では大統領の他、上院、下院、メルコスール議会議員の4つの投票、アスンシオン市以外ではこれに県知事の投票が加わり5つの投票が行われました。警察官が立って警備?をしていたので話を聞きますと「今日は5時にはここに来た、投票が行われ大体午後5時ごろまでここに居なければならない。中で働いている選挙関係者には昼食が届けられるが我々は交代で食べに行く。」との事でした。



(写真:イベロアメリカ大学の投票所-01)



(写真:イベロアメリカ大学の投票所-02)



(写真:イベロアメリカ大学の投票所-03)



(写真:道路は通行止め)



(写真:警官)



与党・コロラド党のマリオ・アブド・ベニテス候補当選確実 (2018年 4月22日)
選挙管理委員会21:48発表によりますと開票率98.11%で、与党コロラド党・マリオ・アブド・ベニテス候補が1,186,018票(46.47%)、野党連合・青党エフライン・アレグレ候補1,090,217票(42.72%)で与党コロラド党・マリオ・アブド・ベニテス候補の当選確実となっています。ただ、事前の世論調査では大差との予想に反し、両候補の差は僅かに3%で予想を覆す善戦となっており、エフライン・アレグレ候補はまだ敗北を認めておりません。



上院議員の獲得議席をみますと与党・赤党が議席を減らし、全45議席中の17議席になっています。青党は現有議席通り13、ルゴの差は大前進党は一つ増えて6議席となっています。



上院議員の獲得議席をみますと与党・赤党が議席を減らして過半数をようやく超える議席となっています。野党・青党の健闘が目立ちます。




パラグアイ大統領選、与党候補が勝利 (日本経済)
南米パラグアイで22日、大統領選が投開票され、中道右派の与党コロラド党の候補者、マリオ・アブド・ベニテス元上院議長(46)が勝利を決めた。左派のエフライン・アレグレ氏ら野党候補は過去70年の間、ほぼ与党として同国に君臨するコロラド党の強権姿勢や増税路線を批判したが、及ばなかった。
 開票率98%の段階でベニテス氏の得票率は46.5%。アレグレ氏は42.7%。パラグアイの大統領選は決選投票がなく、選挙管理委員会がベニテス氏の当選を発表した。現職のカルテス大統領は2017年、再選を狙い、憲法改正を強行しようとしたが、国民の反対を受け断念した。ベニテス氏は親ビジネスで財政規律を重視するカルテス氏の路線を継承するとしている。当選後は汚職対策に力を入れる方針だ。大豆や牛肉の輸出国であるパラグアイだが、近年は安価な労働力を生かし、アルゼンチンやブラジルなど近隣国向けの工業品生産を新たな経済の柱に育成している。自動車部品や造船、建設などの分野で日本企業の進出も相次いでいる。




パラグアイ史上初の女性大統領誕生か?(2018年 4月22日)
4月11日にフアン・アファラ副大統領が上院議員選挙に専念するとして副大統領職を辞職、現在副大統領職は空席となっていますが、本日アリシア・ベアトリス・プチェタ・デ・コレア(Alicia Beatriz Pucheta de Correa)女史は副大統領職を要請され、受けるかどうかは30日・月曜日に判断すると述べました。引き受ける場合には議会の承認を受けて正式に副大統領に就任する事になります。
大統領は退任後は議決権を持たない名誉上院議員に就任する事は出来ますが、もし正式に上院議員に就任する場合には6月の末に宣誓を行う必要があり、その時点で現職の大統領の職にあると認められないというルールがあります。従いまして、正式な上院議員を目指すカルテス大統領は5月末に大統領を辞職すると宣言、この場合には当選したマリオ・アブド氏が大統領に就任する8月15日までは副大統領が大統領を務める事になります。すなわちアリシア・ベニテス プチェタ・デ・コレア女史がパラグアイ史上初の女性大統領になる可能性が出て来ました。



(写真:アリシア・ベアトリス・プチェタ・デ・コレア(Alicia Beatriz Pucheta de Correa)女史・ABCコロール紙)

国会においてアリシア・プチェタ氏(Alicia Pucheta)は副大統領就任を宣誓しました。パラグアイ史上初めての女性副大統領となります。また、正式な上院議員就任を目指すカルテス大統領は近日中に大統領の職務を辞職する見通しで、その時点で8月15日にマリオアブド氏が大統領に就任するまでアリシア・プチェタ氏が女性初の大統領になります。



(写真:アリシア・ベアトリス・プチェタ・デ・コレア(Alicia Beatriz Pucheta de Correa)女史・ABCコロール紙)

善政から一転、カルテス政権の斜陽=マリト次期大統領に高まる期待=パラグァイ在住 坂本邦雄2018年5月25日(ブラジル・サンパウロ・ニッケイ新聞)
2013年に大いに期待されて就任したカルテス大統領は、任期前半の3年間は善政をもって、一般に好評を得ていた。だが、最後の追い込みの2年間は失政や悪政が相次ぎ、余り芳しくないまま「カルテス時代」の幕を閉じようとしている。これを、口の悪い連中は、「全てブラジルのせいだ」という。 我がパラグァイは、伯国のセルジオ・モロ判事の如き、勇気のある正義漢が幾人あっても未だ足りないところだが、ブラジルでは2014年に件のラヴァ・ジャット大汚職事件の徹底的な捜査に踏み切った。 ここで、事もあろうに、カルテスが自分の「魂の兄弟=血誓の友」と呼んで憚らないイスラエル系の伯人で、「ドレイロ(為替洗浄犯)中の大ドレイロ」とブラジル当局が睨む、ダリオ・メッセルの名が浮かび上がった。 この人物は伯国のラヴァ・ジャットに纏わる資金洗浄マネーロンダリングの組織構成の第一人者と目されており、パ国エステ市の彼の両替店Unique S・Aを通じて、主にブラジルやアメリカ等へ多額の闇金の送金を頻繁に行い、悪名高い伯国の建設最大手企業オデブレヒトの国際大収賄事件に無関係ではないと言われている。そして、メッセルは昔からカルテスのタバコ企業や金融事業の闇取引きと共に、政治の奥義・コツを伝授した、大指南役としても知られる。そのように、カルテスとただならぬ「阿吽の呼吸」が合った仲であることによって、メッセルは異常な速さで、パラグァイで不動産や動産の膨大な蓄財を成し、一年前にはパラグィの国籍も取得している。ブラジルがこの汎ラ米的規模の大スキャンダルについて一指も動かさず、または審査官や裁判官が事件黙殺の買収にでも応じていたなら、メッセルとカルテスの醜泥の不祥事は決して発覚はしなかっただろう。いうまでもなく、国際刑事警察機構(INTERPOL、インターポール)の、メッセルに対する国際逮捕令状が来るまでは、パラグァイでは何ら当局の捜査協力の動きは無かった。
 しかし、今度はインターポールの赤信号の逮捕令状で、事態は全て一変した。これで、見る限りは行政府レベルの不機嫌は最高潮に達した。

▼勝手に大使館をエルサレムに移転; そして、偶然、または因果的に複数の関連現象が生じた。例えばその一つに、政府がイスラエルの在テルアビブ大使館をエルサレムに移転する事を公表したこともある。大変重要な事である。ラ米では、アメリカに続いてエルサレムに大使館を移転したのは、今のところグアテマラ、ホンジュラスとパラグァイだけである。(現にこの21日には、イスラエル訪問中のカルテス大統領はベンジャミン・ネタニャフ首相を迎えて、駐エルサレム新パラグァイ大使館の開設式を行った)。ちなみに、カルテス大統領はこの大使館移転に関し、事前にマリオ・アブド・ベニテス次期大統領(通称「マリト」、46歳、8月15日に就任予定)に相談せず、マリトの顰蹙を勝った。何故か? まさかマリト次期大統領の反対を知っていたからでもあるまい。だが、この大使館のテルアビブからエルサレムへの移動は何の利得が有るのか? 差し当たりは、イスラエルのご機嫌取りだ。だがそれにも増して、アメリカ合衆国に追従する為と思われる。そのような騒ぎの中、また追い掛ける様に今度はコンセプション市進出企業の伯国資本の食肉加工冷凍工場Frigorifico Concepcion SA(ジャイル・デ・リマ社長)による伯国産牛肉180トン強のメガコントラバンドが発覚した。珍しくもカルテス大統領は、税関局総長、農牧大臣、牧畜副大臣等を即座に免職したが、この人事更迭の波及がどこまで及ぶかは未だ分らない。同企業は、現在パラグァイの牛肉加工会社中でも最大手で、全食肉輸出量の20~30%のシェアーを占めている。今回の密輸は、今に始まった事でも無いと見られ、かつてブラジルで牛肉問題が起きて、外国輸出が一時禁じられた際には、同社はその肉を自社経由パ国産食肉として再輸出していた疑いもある。最近30有余年も営々として築いて来た、パラグァイ牧畜業の名声と信頼性に計り知れない、重大な影響を与え兼ねないと、業界では真に憂慮している。

▼全ては一つの震央を巡っての騒動である:カルテス大統領は、違憲にも拘わらず、先回の全国総選挙で上院議員に出馬・当選し、来たる6月1日に、次期国会開会式で就任宣誓する予定でいる。だが、そうは簡単に問屋が卸さず、果たして国会で承認に必要な得票率が得られるかは未知数だ。なお、「マリト」次期大統領は政界の動きを鋭敏に感知し、内相に任命予定のDr・フアン・エルネスト・ビリャマジョールを介し、赤党コロラド内の自派Anetete純正赤党派の衆議員連にタバコ税を最高40%に増率すべく、投票を指示した。主に、カルテス大統領の密輸タバコ産業の安課税に対する改革案である。他方、国際逮捕令状が出ているダリオ・メッセルは、今は行方不明でどこに居るか分らぬが、当地最高裁は同人のパラグァイ帰化国籍の剥奪を手続き中である。これは、ブラジルのメッセルの身柄引き渡し要請に対し、本人がパラグァイ国籍を口実に屁理屈を弄し、徒に問題を左右させない為だ。例のデリケートな、イスラエル駐在パラグァイ大使館のテルアビブからエルサレムへの移転については、「マリト」は慎重で、「8月15日の就任後、良識な大人の熟考をもって、一つの外交問題として考慮し、結果次第では、その撤回も有り得る」と述べた。これ等は、現カルテス大統領との一連の協和態勢の亀裂である。マリト新政権には、多難な茨の道が待ち受けて居る。だが、有識者の間ではマリトは未だ若年だが、非常に良い政治素質を持っていて、組閣人事の適正次第では、正に時節に適応した善政が行えるだろうと言う意見である。切にそうあって貰いたいものだ。要は、辺りが足ばかり引っ張らずに、彼のガバナンス統治力を邪魔しない事が大切だと言う。さて、それはそれで一つの理想論として誠に結構だが、当地の政治風土では、果たして左様に崇高な政治文化はパラグァイに限らず未だ多くの国々でも求められず、機能もしないのが遺憾ながら現実の問題である。しかし、少なくともこれまでの政権よりも、多少はましな新政府を「マリト」に期待するのは酷だろうか?ぜひマリトには、パラグァイの歴史に残る善政を願いたいものだ。



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