オーランド(ディズニーワールド)(米国・フロリダ州)

2003年01月



フロリダ半島の丁度真ん中辺りにオーランド市があります。この街を中心にテーマパークが数十もあり、多くの観光客で賑わっています。その中心となるのがディズニーワールドですね。訪問は出来ませんでしたが、周囲にはユニバーサル・スタジオを始めこの他にも多くのテーマパークが在るようです。ディズニーに関しては多くのページが存在し、また詳細な解説が為されていると思いますが、南米から訪問した人の日本語の記録は余り無いと思いますので、ここでは個人的に目に付いた事を書き留めておきます。いつもマイナーなものばかりなので、多くの人が扱っているメジャーなテーマにも挑戦です。



ここの成功を見ていますとディズニーの壮大な企画力、そしてそれを実施した実行力に感服するばかりです。多くの日本の自治体等がここの成功を見て「よし俺達もという」思いでテーマパークそして街造りを行ったのでしょうが、全てが中途半端に終わったように思います。

パラグアイで「ディズニー」と言えばここオーランド、ロスアンジェルスや東京にある事はほとんど意識されていません。子供達の憧れの場所で、ここを訪問する事が夢になっているようです。最近では15歳のお祝いパーティーの代わりにここを訪問する人が多くなっています。

今回訪問したのは2003年01月、南米の夏休みシーズンの最盛期、確かに多くの南米人を見かけましたが、思ったほどではありませんでした。南米各国が経済的に困窮している現在、数年前と比較すると訪問する人が激減しているものと思います、特にアルゼンチンからの人はほとんど見掛けませんでした。入場料にしても日本や米国などの先進国の皆さんにはそれほどではないリーゾナブルな価格でしょうが、南米の常識からみますと「高い!」の一言に尽きますね。

また訪問している人達を見ていますと、家族連れ若いカップル等が多いのは当然ですが、年配のご夫婦というのが非常に多かったのは東京などと違う点であると思います。



01・ケネディー宇宙基地

ケネディー宇宙基地はフロリダ半島の中心部の東側の海岸に在ります。行ってみますと大きなテーマパークになっており、高い入場料を払い中に入ります。NASAの本拠地だけにロケットは沢山ありました。ただ特に楽しむようなアトラクションも無く、しばらく居れば十分という気もします。ここからですと発射台も他の施設も見えず、このような施設を見学するにはまた別料金を払いバスに乗って行く必要があります。



(写真:ケネディー宇宙センター)

一度は訪問しも良いでしょうが、期待していたほど面白い所ではありませんでした。敷地も広いわけですから、もう少し工夫をしたら・・等と思ってしまいますね。

スペースシャトルの発射の日等は入場料金を支払えば見学出来るようです。訪問した時は事故を起こしたコロンビアの打ち上げ数日後でした。(パラグアイに帰国後、爆発事故を起こし乗員全員が犠牲になりました。心よりご冥福をお祈りします。)



2・「チケット販売センター」と「マジックキングダム」

ディズニーワールドに行きますとテーマパークは4に分かれていました。訪問した時期が冬であったので4つなのですが、夏になるとプールを中心としたものも稼動するようです。ディズニーワールドは大きい事は知っていましたが想像を遥かに超える大きさでした。ほとんどは森とリゾートでその中に点のように4つのテーマパークが存在しているというのが実際の姿でした。

「チケット販売センター」がディズニーワールドの中心となっており、テーマパークの数倍に当たる駐車場があり、このチケット販売センターから4つのテーマパークにバス、船、モノレールで行けるようになっていました。一番近いマジックキングダムまではモノレールもしくは船で行くようになっていました。



(写真:マジックキングダム入り口付近)

周囲はディズニー経営のホテルが立ち並んでいる事は知っていましたが、それぞれはかなり離れており、大きさ、設備の綺麗さも想像を超えていました。大きな手がきちんと入った森の中に大きなホテルが点在している・・というのこの地域の姿ですが、直営ホテルの周囲にはマリオットなどのホテルが立ち並んでいました。ホテルの数、規模も想像以上でした。これは実際に行かなければ理解出来ないように思います。例えテーマパークが無くてもホテル内部だけで充分なリゾートになっているように見えます。

また、ここでは自動車が無いと何も出来ない事も実感しました。「ディズニーワールド付近のホテル」に宿泊し、確かにすぐ近くに壮大なディズニーワールドの森林が見えるのですが、「チケット販売センター」までは20キロくらいはあるように思います。この中と外との公共交通機関等は無く、全てが「自動車で行く」事が前提になっていました。米国は自動車社会ですが、ここはその中でも際立っているように思います。



(写真:マジックキングダムに一番近い直営ホテル)

マジックキングダム、要するにディズニーランドは世界に4箇所(ロスアンジェルス、東京、パリ)ありますが、これで全部訪問しました。小さな違いはありますが、配置はほとんど同じ、雰囲気も同じというのはすごいものです。気候のお陰もあるでしょうが、華やかさはここが一番のように見えました。

中心はシンデレラ城、これは東京と同じですね。出演者等は東京ですと日本人、パリはフランス人ですが、やはり米国人が演技するのが似合っていますね。



(写真:中心的な存在であるシンデレラの城)

東京ディズニーでは鉄道は単なるアトラクションでアドベンチャーランドを一周するだけですが、他の3箇所は実際に移動する交通手段となっており、入り口に駅があります。パリでは長い列が出来て乗車するのに時間がかかりましたが、ここでは列も無く移動に利用出来ました。



(写真:入り口駅)

マジックキングダムのアトラクションの多くは東京など他の場所とほとんど同じですが、米国らしいものとしては「大統領」というのがありました。最初に米国の歴史で大統領が果たした役割を映画で説明し、後半は人形が語り掛ける構成になっていました。歴代の大統領が実物大に勢揃いし、一人一人紹介されます。勿論全部動き、少し遠くから見ていると実際に生きているように見えます。ワシントンやリンカーン等の主な大統領が話をし、それを皆が聴く・・というになっています。中心には現職のブッシュ大統領が立っていて、最後に米国の理想「自由と民主主義」のすばらしさを讃えます。このアトラクションを通じて米国人であること、アイデンティティーを確認し、愛国心を高める・・いかにも米国らしいアトラクションと言えるでしょう。外国人にとっては米国人の考え方を理解するには良いでしょうが、ちょっと批判的な気持ちが沸いて来る人も居ることでしょう。

日本でも東京ディズニーに「歴代首相」というのを作ってみてはどうでしょうか?田中、竹下、宇野、細川、羽田、村山、小渕、森各首相の人形をバックに小泉さんが日本の改革を語り掛ける・・人気のアトラクションになる事は間違いないでしょうね。



(写真:大統領)

中に入って売っているものを見ますと、フライドポテト、ポップコーン、ピザ、などで、米国で感じたのは外で売っているものと同じであるという事ですね。日本ですと園内に入ると異文化・米国を感じ、フランスの場合には外は本物の欧州、中に作り物のチャチなお城などが並んでいると何か変な印象を受けましたますが、ここは地元米国、当たり前ですが、全く違和感はありませんでした。

全体を通じて面白いと思ったのはアトラクションは大体共通なのですが、人気度に違いがあるように感じます。多くのアトラクションで待ち時間「0」という状況の中で例えばダンボに乗ってくるくると回るだけ・・というようなアトラクションに長蛇の列が出来ていました。



3・エプコット・センター

エプコットセンターは要するに万博常設施設でした。二つの区域に分かれていました。万博的なパビリオンが円形に並ぶ地域と、湖を遊歩道に沿って行く世界各国館の二つです。マジックキングダムですと園内にあるアトラクションがバラバラで上手に廻らないと非効率になるのに対してここでは非常に分かり易く効率良く楽しむ事が出来ました。また何故か4つのテーマパークの中でここだけ日本語のガイドマップがありました。

科学や未来をテーマにしているだけに常設館として科学技術の進展に対応するにはなかなか難しいのでは?とも思いました。パビリオンの中で良かったのは水族館、マイアミ水族館よりはずっと充実していました。そしてランド館と呼ばれる陸をテーマにしたパビリオンでは映画の他に乗り物のアトラクションがあるのですが、実際に育成している色々な植物を見物するコースになっていてこれも非常に良かったですね。



(写真:エプコットセンターの象徴である円形ドーム)

外国館のラインアップは、フランス、ドイツ、イタリア、ノルウェーそして隣国のカナダとメキシコ、アフリカはモロッコだけ、そしてアジアは日本と中国です。

日本館を見ますと大小二つのお社とお城そして五重の塔、宮島にある厳島神社の大鳥居から成っています。お城はちょっとおかしな感じですが、他は全く日本的ですね。



(写真:日本館付近)

日本館には乗り物も映画も無く、何故か野球の展示だけがありました。大きい方のお社は「三越」でした。近くで見ましても全く日本的な雰囲気で、よく再現していると思います。一瞬日本に居る錯覚を感じさせるもので、南米から訪問すると嬉しくなり、ほっと出来る場所ですね。



(写真:日本館)

各国パビリオンの中心には当たり前ですが、地元の米国館があります。中に入り出し物はコーラス、これは上手かった。勿論声楽のプロでしょうが、レベルの高さには驚きました。これを皆が車座になって鑑賞するのですが、目の前でこれを聴けるだけで来る価値があるように思います。



(写真:米国館・コーラス)

中国館は派手な色彩で目をひきます。米国人をはじめ外国の人に日本と中国の違いを比較してもらうのには良い場所であるように思います。



(写真:中国館)

中国館の中では最初に子供達の雑技の演技を見ます。そしてメインは360度の映画なのですが、桂林などの景色はすばらしいのですが、なにせ古い、北京の街を皆が人民服を着て自転車で往来している・・現在の状況とは余りにも違いました。

この日は天気はすばらしかったのですが、とにかく寒く人は少なく、お陰でどこもスイスイと入る事が出来ました。4つのテーマパークの中では個人的には一番気に入りました。



4・MGMスタジオ

MGMスタジオというテーマパークがある事は全く知りませんでした。ユニバーサルスタジオがあるのなら、映画・アニメでは巨人であるディズニーが同種のテーマパークを持っても何ら不思議ではないわけで、訪問してみますと想像通りのものでした。



(写真:メインはミッキーの帽子)

勿論内容はディズニー独自のもので、ユニバーサルとはまた違ったアトラクションもあります。感心したのは参加型のクイズのアトラクションで全座席に四択の押しボタンがあり、クイズに答えるというものです。中央には成績優秀者が座り、一問づつ答えて行くというものです。非常に綺麗なつくりで画面を見ますとテレビそのものという感じでした。



(写真:参加型のアトラクション)

乗り物で行くアトラクションもなかなか楽しいものでした。撮影現場を通り、インディージョーンズらしい鉱山では爆発洪水を体験するというものでした。



(写真:乗り物で撮影現場に)



(写真:色々な小道具)


ユニバーサルと似ている場所もあります。このニューヨーク市の街角はよく似ている印象を受けます。



(写真:ニューヨーク市)

メインストリートはアスファルト舗装になっていますが、下にはレンガ敷きの舗装と線路が見えます。多分当初は路面電車か何かがあったのでしょうが、人が歩くので危ないとして廃止になったのでしょう。



(写真:メイン・ストリート)


アトラクションの多くはミュージカルと3D映画です。3D映画がお好きなようでエプコットやアニマルキングダムを含めて色々なものを見ました。おならをすると臭いがする、犬がはくしょんすると水がかかる等という工夫があり、よりリアルになっていました。日本では苦情が来て実現しないでしょうが、このような点は米国はおおらかですね。



(写真:ミュージカル)


全体としては敷地が狭い事もあってやや物足りなさを感じるものでした。やはりユニバーサル・スタジオの方が実績があるだけに楽しめるものになっていると思います。コンゼプトは良いと思いますので、敷地を広げもう少しアトラクションを増やせば入場者も増えると思います。人気映画のセットの体験とかユニバーサルがやっている派手なショーなどもあっても良いかな・・等と思います。



5・アニマル・キングダム


パラグアイの旅行会社でお勧めのテーマパ−クはアニマルキングダムでした。ディズニー4つのテーマパークの中では一番新しいものなのだそうで、「動物」をテーマにしているというものです。シンボルはバオバブの木、施設全体が自然で覆われている中、これは人工のものです。中では3D映画を見ることが出来ます。



(写真:シンボルのバオバブの木)

他のテーマパークより1時間早く開園し、一時間早く閉園するそうで、この日の閉園時間は午後5時でした。一番人気のアトラクションは「サファリ」というもので、開園の時に皆ここへ向かって一斉に走りだすそうです。4WDに乗りアフリカの動物を見るというものですが、余りに作られていてそれほどのものとは思いませんでした。

アジアとアフリカゾーンに歩いて動物を眺めて廻るというのがあり、これがなかなか良かった。ゴリラや虎を目の前で見る事が出来ました。



(写真:虎)

アトラクションの数は多くなく、森の中にある感じで混むと大変だと思います。その一つライオンキングのショーを見て来ました。ダンスとサーカスのような派手なアクションで楽しむ事が出来ましたが、この日は寒かったのはちょっと残念でした。



(写真:ライオンキング)

そして一角だけはいわゆる遊園地になっています。他の大部分の場所が緑で覆われているのに対してごちゃごちゃとして感じになっています。



(写真:遊園地)

そして一日の締め括りはパレードです。動物達に続いてディズニーキャラクターも登場してなかなか楽しめました。



(写真:パレード)

アニマルキングダムに対しては動物を中心するテーマパークという企画は非常に良かったと思いますが、中身に関してはどうも検討不足のようにも感じました。生き物が相手なので何時も思い通りには出演してくれませんし、維持管理も大変であるとは思います。広さはマジックキングダムの何倍かあると聞いていましたが、実際に居てみた感じはそれほどは広くないという印象でした。アトラクションは少ないし、恐竜をテーマにした遊園地もそれほどのものでは無く、非常に中途半端な感じを受けました。



6・ディズニーについて

ディズニーワールド全体の印象としては4つのテーマパークが全体の面積の中では非常に小さいものであり、まだ発展途上であるという事です。今後も新しいパークを開設するとか、拡張・更新を続けて行くことでしょう。周囲のライバルのテーマパーク、例えばユニバーサルも二つ目のテーマパークを開園し、敷地内に大きなホテルを作るなどディズニーへの対抗上、顧客の囲い込みを行っています。これに対してディズニーも4日間4パークフリーというチケットを主力商品にして、顧客の囲い込みに懸命でした。

それと感じたのはキャラクターがもっと居ても良いのは・・という事ですね。ミッキー等が居ると皆写真を撮影しようと群がりますが、ミッキーはどうやらどこのテーマパークにも1人だけと決めているようにも見えます。子供にとり人気キャラクターと会う事は強烈な印象であると思いますが、もう少し工夫して欲しいものですね。

また西洋人的な感覚なのか、文化の差なのか、怖いものが多い、恐怖を楽しむという志向があるようにも感じました。アトラクションも暗い怖い場所を通過して行く、3Dアニメも怖いものが多く、この点は違和感を感じます、もっと明るく楽しい企画を増やして欲しいものですね。また3Dアニメでは実際にくしゃみとかおしっこで水が飛び出たり、おならの際には実際に臭くなるなどしていましたが、完璧性を求める日本ではクレームが続出することでしょう。この辺のおおらかさは見習うべきものがあるように思います。

今回の訪問は南米の夏休み期間であり、それなりに人は居ましたが混雑は思っていたほどでは無く、一部のアトラクションを除いてほとんどの場所では並ばずに済みました。時期にもよるでしょうが、パリや東京では沢山待った記憶がありますので、その点では快適でした。米国経済の減退、南米の経済不振で客が減少している事もあるでしょうし、また新しいテーマパークが開園して人が分散している事もあるでしょう。この様子ですと多分夏休みの一時期を除いては快適に過ごす事が出来るのでしょう。



7・ここを訪問した感想、そして米国に関して

今回ここを訪問して感じたのは、米国は上手に南米からお金を吸い上げているな・・という事です。物を売り儲ける事も必要ですが、頭を切り替えて観光で儲ける事も必要でしょう。日本にもディズニーがあり、多くのアジアからの観光客を呼び寄せていますが、滞在期間を長くしてもらう努力、例えば周囲のインフラを整え、カジノを作り他でも楽しんでもらう・・という努力がこれから必要になって来ることでしょう。

そして南米にもフロリダのような地域が作れるのではないかとも思います。ディズニーがここにリゾートを作るまではオーランドも他の場所と同じで普通の土地であったと聞きます、それが今では全米でも一を争う観光地になっている。残念ながら、パラグアイでは人口もインフラも不足しているのでこのような設備を作る事は不可能ですが、例えばサンパウロ付近にこのような場所を作れば多くの観光客を南米そして世界から集める事が出来るでしょう。米国だけに上手い汁を吸わせない、そのような努力がこれからの南米には必要なのだと思います。

米国を体験してもう一つ感じたのは「自由と民主主義」というのは宗教みたいなものであるという事です。その教義を簡単にあらわしますと「米国が世界一成功して国であるのは自由と民主主義のお陰である、これを世界に伝道して行くのが米国の務めである」という感じでしょうか?客観的に見ていると「成功している国」である事と「自由と民主主義」の間には因果関係は無いと思うのですが、他の国が「自由と民主主義」を実践すると「米国と同じような成功した豊かな国」になると本気で信じているように見えます。



綜合目次に行く


このページの目次へ 

次のページ