都電に乗ったんです!
しかしその実体は…… その2
荒井真一の自虐パフォーマンス。満杯にした口をモゴモゴさせながら、「ありがとうヨーゼフボイス」と繰り返す。うげー。
ジャージ、ブルマ、プロテクターと、いろんなものを持ってきて、とっかえひっかえ着替えては、無言でカメラ目線を送る。
終点の三ノ輪橋に着いて、ちょっとは一服する時間があるのかと思ったら、即座に折り返し。そりゃまあ貸切りとはいえ、通 常運行の合間を縫っての運行なので、まったりするわけにはいかないのです。

余談ですが、昔ヒマつぶしに上野から北千住まで国道沿いに歩いたことがあります。何も目的もなく。強く印象に残っているのは、南千住付近にさしかかった時、明らかに空気が変わったこと。山谷に近いエリアとはいっても結構離れているし、それは後で地図を見て知ったことなのに、荒涼とした雰囲気が漂っていたのはなぜだろう。
そんな一角にあった三ノ輪橋停留所の周囲だけは、凝縮されたようなにぎわいでした(お昼時だったからか?)。

さて復路では、尾崎旬がサングラスにスーツというヤッさん風の姿で入場。やおら体操服姿になって、某スポ根マンガの場面 を再現するがごとく、この狭い車内でバレーのレシーブとかやらかして、ドッタンバッタン。うーん、ムサいけどインパクトは強烈!しかしとてもヨーロッパなどでも個展を行っている人には見えない。

 

で、いよいよゼロ次元の登場です。
っていっても、コスプレ姿で乗り込んできたオネエチャン数人が下着姿になり、ガスマスクを着けて床をはいずりまわる。ボスの加藤好弘がなにかやるのかと思ったら、サーカスの団長みたいに「ハイっ、ゼロ次元でゴザイマス。”ジョタイ”には手を触れませんように」などと……。まるで「見せ物小屋」の現場。

やがてその中のひとりがパイプを伝って天井から逆さ吊りに、別の場所では老婆のメイクをして奇声を発するなど、これまた異常な空間となっています。 運ちゃんは背後で起こっているこれらの騒ぎを、いったいどう思いながら耐えていたんでしょうかねえ。車だったら、とっくに事故っている。
窓が曇っていたからよかった(?)ものの、すれちがう電車やホームの人は、一瞬目の前を過ぎる”移動SM空間”にギョッとしていたでしょう。

最後は荒井真一による「ありがとうヨーゼフボイス」。芸術家ボイスに関する本のページを破り取っては口に含む行為をくり返す。どんどん詰め込んでいくと、ヨダレだらーん、そしてついに……。まあこの人はいつもこんな感じだから予想はしていましたが、実物はやはりエグい。なお前日にやったのは「ありがとう美術手帖」。


そういうわけで、都電初体験ははたして都電を体験したことになるのかならないのか……。まあ都電そのものについては自分にはリアリティがないんで、特別
な思い入れもないからいいんですが。
都電を往復乗車し、イベントを見、終わってからOUT LOUNGEでの打ち上げで飲み食いしたんだから、2000円のモトは十分取れました(貧)。

それにしても、こんなイベントを企画し都の交通局に説明し(担当者は内容の想像がついたんだろうか?)、実現させたOUT
LOUNGEの主宰者の並々ならぬ情熱には、ただただ敬服。
なにしろこんな感じで30分近く、異常に濃密な状況。上の写 真でふんどしでぶらさがっているメンバーは、明らかに暗黒舞踏(白塗り)系。その奇態にじっと耐えている男性の表情もいい。
右のオッサンがゼロ次元のボス加藤好弘。カメラを構えている人もメンバーで、要するに移動SMイベント。観客は顔にマスクをするか、または首吊りのヒモの輪に首を入れた状態を強要される。