2004/10/26
ネタ提供:てくたる様


教育資料としての震度・マグニチュード・ガル・カインに関する説明


地震の大きさを表す単位には、長さや重さを表す単位のメートルやキログラムと同じように、震度、マグニチュード(M)、ガル(gal)、カイン(kine)、の4つの単位がよくが用いられる。同じ地震でもそれぞれの単位で表せますが、表している内容が違います。この4つの中で震度、ガル、カインは観測しているその地点での地震の揺れ方(地震動)の大きさを表し、一方、マグニチュードは地震そのものの規模(震源に置ける地震エネルギー)を表す。
1.震度
地震の時に、観測地点での揺れの強さを示す値。

気象庁が「震度階級」として具体的にランクづけを行っている"地震の揺れかたの強弱"の事。
これは観測地点での地表面における揺れの大きさを表した物。
マグニチュードとは関連無く、マグニチュードがどんなに小さくても、震源の真上だったり(直下型地震)、地盤が軟弱だったりすれば、揺れは大きく、被害も出る。
阪神淡路大震災のマグニチュードは7.2、震源が淡路島北部、深さ20kmの内陸で発生した為、神戸市などで震度7という大きな揺れとなった。

よく耳にしたり、テレビの速報で流される震度は、元々は「その場所」での地震の被害程度や人間の受ける感じを、大まかに7つに分けて表した物。
だから、”どこどこ市では震度3”と言ったように場所場所で違って来る。
もちろん数値が大きいほど、大きな揺れを表す。
一般的には地震の発生した場所から離れるほど震度は小さい値を示すが、時には、和歌山沖の地震で関東地方が大きく揺れ、関西地方はそれほど揺れなかったというような事もありうる(同じプレートの上の2地点なら遠くのほうが小さいが、違うプレートの2地点だとそうも言えない様)。
また、一般的に埋立地のような柔らかい地盤のところでは固い地盤のところより震度が大きくなる傾向にある。
つまり震度は震源から離れると小さくなるし,山の中か海の近くかなどの地面の固さなどでも変わってくる。

昔は、震度階級は人間の感覚や周囲の状況から推定していました、花瓶が倒れるようだったら震度幾つで、立って居られなかったら震度幾つといった「体感尺度」なので実感として解り易いのだが、人によって同じように感じてくれないという難しさがある。そこで、最近では(1996年4月から)、全国約600地点の計測震度計内で自動的に計算した計測震度から換算して気象庁(http://www.jma.go.jp/)が発表している。

震度の階級:地震と加速度の目安
階級説明相当加速度
震度0人体には感じない。地震計に記録される程度。0〜0.8ガル
震度1静止している人や、特に注意深い人のみが感じる。0.8〜2.5ガル
震度2大勢の人が感じる程度、戸障子がわずかに動く。2.5〜8.0ガル
震度3家屋が揺れ電灯等の吊下げものは相当揺れる。8.0〜25ガル
震度4家屋の揺れは相当激しく花瓶などは倒れ多くの人は戸外に飛び出す。25〜80ガル
震度5壁に亀裂が走り、煙突/石垣等が破損する程度。
多くの人が強い恐怖を感じ、行動の支障を感じる。
棚においてある物、食器、本、TVが落ちたり、家具が倒れたりする。
耐震性の低い家屋は壁、柱に破損を生ずる。
中程度の地震:普通は震度5でも80〜100ガルが多い
80〜250ガル
震度6家屋の倒壊は30%以下で多くの人は立っていることができない。
固定していない重い家具が殆ど移動、転倒する。
耐震性の低い家屋は倒壊する。
極めて大きい地震(300〜400ガル)の表現が該当
関東大震災:震度6 300〜400ガル
250〜400ガル
震度7家屋の倒壊は30%以上で山崩れ/地割れ/断層を生ずる。
耐震性の高い建物でも傾いたり、大きな破壊を受ける。
自分の意思では行動できないほど揺れる。
阪神淡路大震災:震度7 600〜800ガル
400ガル以上
※震度階級の変更に伴い、震度5(強震)、震度6(烈震)などの震度名称は廃止された。
2.マグニチュード
地震計の記録から求めた地震の規模を表す単位。(一つの地震について、各地の震度がさまざまな値を示すのに対して、マグニチュードは一つの値を示す。)
地震そのものの大きさを表わす尺度。Mという記号で表わす。Mが1増加すると地震波エネルギーは約32倍になる。
マグニチュードは震度のように直接観測できないので、各地の揺れの大きさなどから推定される。

1から3までを微小地震、3から5までを小地震、M5〜7を中地震、M7以上は大地震、M8以上は巨大地震、というように分類している。

マグニチュードは、地震の規模を表す単位です。
ですから、1つの地震には1つのマグニチュードの値で表します。
同じマグニチュードの地震でもエネルギーを一気に放出する場合(断層のずれ動く速度が速い)とエネルギーを徐々に放出する場合(断層のずれ動く速度が遅く長い地震波が卓越する)では差がある。
地震の大きさを把握する「マグニチュード」の歴史を簡単にたどって見ると
@1930年代にリヒターという人が”震央距離100kmに置かれたウッド・アンダーソン地震計の最大振幅(揺れの幅)をミクロン単位で測定して、その常用対数の値”と定義していたが、ウッド・アンダーソン地震計は短い周期の地震計でなので、短い周期の地震波に影響されやすい欠点があった。
A1940年代にはグーテンベルグという人が地表面の表面波の振幅に基づいたマグニチュード(Ms)と地球内部を伝わってきた地震波の振幅と周期の比に基づいたマグニチュードを提案。
Bもっと物理的に明確なエネルギーで表したいと考えてリヒターとグーテンベルグは地震波のエネルギー(Es)単位をエルグ(エルグ=10e-07ジュール)で表して log10Es=1.5Ms+11.8 としてエネルギーとマグニチュードを関係付けた。

これらの事柄をふまえて地震のマグニチュードを決めるのだが、世界各国では、各国それぞれの観測結果を基に地震のマグニチュードをきめているので、国々で違う値を示す。
日本の気象庁では、リヒターとグーテンベルグのマグニチュードMsを参考にしながら、観測された地震の最大振幅や地震波形全体を用い、過去のデーター関係から算出される式(経験式)から”変位マグニチュード”といわれる値を計算していた。しかしこの方法では、小規模の地震では精度に限界があり、算出することが難しい為、1970年代から地面が動く速度を記録する高感度地震計を設置し、データーを集積して経験式を作成し”速度マグニチュード”といわれるマグニチュードを算出していた。これでも、深さ90km以上の深い地震についてはデータが少なかったので、変位マグニチュードとの誤差があった。現在ではデーターも蓄積され、より正確な経験式ができるようになったので、2003年9月から気象庁マグニチュード(http://www.jma.go.jp/)の改定を行っている。
3.ガル(gal)
加速度の単位で、人間や建物にかかる瞬間的な力の事。
地震動の加速度で一秒間にどれだけ速度が変化したか表す単位で、震度同様、同じ地震でも観測地点の位置によって違う値を示す。
これはガリレオ・ガリレイ(イタリアの天文学者)の頭文字からとったもので、速度が毎秒1cm(1カイン)ずつ速くなる加速状態を1ガルとしている(1ガル=1cm/sec2)。
地上で物体が自由落下するとき、落下する速度は毎秒980カインずつ増す。これにより重力の加速度は、980ガルとなる。重力加速度は980ガル=1g(ジー)で表す。
気象庁の震度計は測定した加速度の揺れの周期などで補正し、震度をはじき出す。
ガルは大きいほど揺れが激しいことを示すが、必ずしも震度や被害とは直接結び付かない。建物などの被害は地震の周期や継続時間に影響を受ける面が大きいからだ。
地震時に物体に働く力の大きさは,その物体の質量と地震により生じる加速度の積となることから,昔から地震による揺れの尺度として慣例的に用いられている。
4.カイン(kain)
地震動の最大速度で一秒間にどれだけ変位するかを表す単位で、1カインは、1カイン=1cm毎秒(1kine=1cm/sec)としてる。

自動車の発進に例えると、同じ加速度でも、言い換えれば同じようにアクセルを踏んでも、どのくらいの時間アクセルを踏み続けたかで、速度や移動距離が変わって来る。建物に加わる地震動でも同様に、最大加速度が同じ地震動であっても、加速度の継続時間などによって速度に違いが生じる。建物にとっても地震動の速度が重要になるので、この速度の最大値で地震動を表わすことがある。最大何カインの地震動が働いたと言うように使う。もちろん大きい数値程大きな地震動であったことを表す。

地震ごとに、同じ最大加速度(ガル)でも同じ最大速度(カイン)になるとは言えない。最近では地震動の最大加速度(ガル)の大きさよりも最大速度(カイン)の大きさの方が建物の被害状況とよく一致することが知られているので、地震動の大きさとしてカインを用いて表すことが多くなった。
ガル、カインも観測しているその地点での地震動の大きさを表すが、震度よりももう少し揺れ方を正確に(科学的に)表している。
ガルは地震動の大きさを「加速度」で表したもの。自動車が発進する時に、ある大きさの速度に達するまでの時間が短かければ短いほど大きな加速度が加わる。
急発進をすると座席に強く押し付けられるように感じられるのはこの加速度の仕業。
地震があると、地面の揺れよって建物や人に加速度が働く。
この作用した加速度の最大値を使って地震動の大きさを表わすことがある。
「この地震ではこの場所で最大何ガルの加速度が生じた」と使う。これも大きい数値程大きな地震動であったことを表す。
関東大震災の時がおよそ330ガル、阪神大震災では最大800ガルの加速度が生じたと言われている。
ところが、最近、仙台でおきた地震は、それほど大きな地震というわけではなかったのに、丘の上にあった地震計が、思いもかけぬ1000ガルを超えた記録が示した。
これは、傾斜面から平らな地形に移る突出角部分等地面の形によっては、局部的に大きな地震になることがあると説明されている(阪神淡路大震災でも、神戸付近の地盤の形が地震を大きくしたのが大震災の一因とされている)。

実際の建物が受ける地震動の大きさは、地震の状況をおおまかに示した震度ではなく、ガル、カインで表すことが一般的。
例えば、建物は地震によって東西南北上下と立体的に3方向に揺られるで、それぞれの方向に“最大何ガルの地震動が働いた”と言うように表す。
建物が地震に対して安全かどうかを検討する場合には、ときには、過去に起きた地震の記録を用いて検討する。

<<マグニチュードと震度の関係>>
マグニチュードと震度の関係は、電球の明るさ(ワット数)と机の上の明るさとの関係に似ている。同じ電球からの光でも、机が部屋のどこにあるかによって机の上の明るさが異なるように、1つの地震でも、地震が発生した場所(震源域)からの距離や方向によって震度が異なる。例えば、1995年の兵庫県南部地震(M7.2)の場合、震源域近くのいわゆる「震災の帯」では震度7となったが、神戸海洋気象台や洲本測候所では震度6、京都、彦根、豊岡では震度5となり、震源域から離れるにしたがって震度は小さくなった。震源域から遠く離れた東京では、さらに震度は小さくなり、震度1であった。
また、電球や机の位置が変わらない場合でも、電球の明るさ(ワット数)によって机の上の明るさが異なるように、同じ場所で発生した地震でもその規模(マグニチュード)によって、震度が異なる。
一般に、マグニチュードが大きいほど、かつ、地震の発生場所(震源域)に近いほど、震度は大きくなる。しかし、マグニチュードが大きくても震源域から離れていれば震度は小さい。なお、震度は、地震が発生した深さ、断層のずれ方、地震波の伝わり方、地盤の状況などにも関係するので、震源域から離れるにしたがって一様に減衰するものではない。