はしご湯のすすめ青森県の温泉


恐山温泉 宿坊 吉祥閣
恐山温泉 宿坊 吉祥閣

むつ市大字田名部字宇曽利山3-2
恐山寺務所(0175)22-3825
宿坊吉祥閣(0175)22-3826
宿坊浴室の立寄りは不明
宿泊しました:一泊二食付き12,000円+入山料500円
備考:5月1日〜10月31日開山

訪問:03年9月(泊)

恐山8号泉
含鉄・硫黄-ナトリウム-塩化物泉
74.4℃(使用42℃) 溶存物質計=2458mg
Na=679mg(88.15mv%) Fe2=35.8 Cl=795(69.69) SO4=225(14.55)
HCO3=255.7(13.02) CO3=20.7 HS=0.9 S2O3=8.2 H2S=0.1


寺山修司の「田園に死す」を観て以来「いつかは訪問するぞ」と心に決めていた地。秋田市出身で今だ何かと出没機会が多い為、津軽方面には随分馴染みがあるものの、何故か三沢、野辺地方面、ことに下北方面ともなると遥か遠くの異国の地みたいな感じがある。

さて恐山です。せっかく行くのだから絶対に宿泊!と決めとりました。予備知識で一泊6千円位。ふむふむ、嬉しい価格じゃありませんか。出発の三日程前だったか、早速予約の電話をしてみる事に。すると電話の向こうで告げられた値段は衝撃の1万2千円!いっっっいちまんにすぇんえんっっ!?何でも最近、宿坊を建て替えたらしく、それに伴い値段も変わったそうな。一瞬躊躇いつつも、宿泊する事しか頭になかったので「おっ、お願いします」と予約してしまった。

当日、霧のかかるクネクネ山道を経て恐山菩提寺に到着。夕方近くだった為か、既に観光客の姿もまばらだった。入り口で宿坊泊である事を告げると「すみません、宿坊の方にも入山料をいただいております」と申し訳なさそうに係の人。ここで500円を支払い真直ぐ宿坊へ。表は今だ工事中。玄関をくぐるとピカピカの玄関ホールにスリッパがズラーーーッと並べられている。香が焚かれプーンと良い香りが漂っています。そして本日宿泊する客室へ。開けてビックリ、なんと、二間続きで広々ピカピカ。洗面台もふたつある。凄いぞっ!宿坊なので当然ながらTVはないが。それにしても広すぎる。ここで、どうやって一人で過ごせっちゅーんじゃ。なんとなく落ち着かず、取りあえず館内にある男女別の浴室へ向かう事にした。

宿坊館内の男女別浴室は「ここは本当に恐山なのだろうか?」と思う程ゴージャス。昨今のニーズを反映してか露天風呂まである。こんだけ広い浴室を、たった一人で使うのは逆に無気味だ。後に夜入りに行った境内の湯小屋の方が全然怖くなかったゾ。湯は内風呂、露天風呂共に薄白濁。流し込まれる湯は結構熱い。ただ、いかんせん浴槽が広い為、湯の鮮度はイマイチか。

次、境内の湯小屋へ。境内には、男性用「冷抜の湯」、女性用「古滝の湯」、男女入替え制「薬師の湯」、混浴「花染の湯」という四つの湯小屋がある。訪問時「花染の湯」だけは工事の為配湯がストップし、使われていなかった。まずは薬師の湯へ。白濁した湯に湯花が沈澱している。浴槽内の温度は適温だった。次、古滝の湯へ。こちらは先程の湯と違いほぼ透明だった。なんでも今日掃除をしたばかりで、湯のコンディションは最高との事。投入される湯はかなり熱く、加水にて温度調節。窓を開けると一本数十万円だか数百万円するという巨大卒塔婆が見える。木造の風情ある造りと相まって、最高のお湯を楽しむ事ができました。

湯浴み後、境内の「地獄」をブラブラと散歩をし、食事時間になったので「大食堂(だいじきどう)」と呼ばれる食堂へ行った。ここへは浴衣は禁止で、普通の私服にて行かなくてはならない。食前に「食事五観」を唱えた後いただく。箸は夕食時に出されたものを自室に持ち帰り、再び朝食時に持参し使用する。さて、大食堂ですが、軽く100人は入られるんじゃなかろうかと思える程に椅子とテーブルが並んでいる。そこで宿泊者全員が揃い、一緒に食事をいただくのですが、、、なんと、その日の宿泊者は私を含め、たったの三人。他のふたりは男性で、各々一人訪問でした。広々とした大食堂にポツンと三人だけの食事。誰とも無く苦笑いが出てしまった。多分、大祭の日は、この大食堂も満席になるんでしようね。食事は見た目も綺麗な精進料理。デザートまでついて、なかなかの美味でした。(とても、カメラで撮影する雰囲気ではなかったので、食堂および食事の画像は無し)

食後は再び「古滝の湯」へ。夜の鄙びた湯小屋での湯浴みは大変風情あります。この雰囲気は病付きになりそう。そうこうしているうちに、菩提寺でお勤めをしている姉さん達が入って来ました。皆さん青森県内のいろいろな地域から泊まりがけで仕事に来ているそう。いろいろ楽しいお話しを聞かせてもらいました。その後部屋へと戻り、夜は消灯が早いし(22時消灯)特にする事もないので、とっとと寝てしまった。


翌朝、朝からハイテンションなカラスの鳴き声に起こされ、早朝の極楽浜を散歩してみました。誰もいない境内は「これぞ恐山!」という雰囲気を満喫できます。その後6時30分から本堂と地蔵殿にて朝のお勤め。本堂には北東北ならではの習俗「花嫁人形」が多数奉納されていました。また、朝のお勤めでは地蔵殿での御本尊を間近に拝む事もできます。その後朝食。そして朝風呂の為「古滝の湯」へ。まだ朝も早いというのに既に観光客が来ていてビックリでした。その中には首からタオルをぶら下げた湯浴み客も数名。湯浴み客の中にはお参りをしないで帰る人も多く、それがちょっと残念。境内に湯小屋が造られている「意味」を理解し、せめて地蔵殿に手をあわせるくらいしてくれるといいのになぁ、、。

さてその後、お寺の方に挨拶して恐山を後にするわけですが、一万二千円という値段は貧乏な私にはキビシかったものの、とても有意義な経験となった事は確かです。帰りに「釜臥山」の展望所を見学したらどうか?とすすめられましたが、時間が無く結局行かれず終いでした。それと、恐山と言えば「イタコ」ですが、お寺側としてはあまり喜ばしくないイメージなようで、お寺さんとイタコさんの微妙な関係が伺えました。まぁ、イタコの歴史でいうならば津軽の方が古いのですが。
(03年9月宿泊の感想)

(まぐぞー)




山門、左が本堂、右が宿坊



恐山宿坊「吉祥閣」外観



宿坊玄関ホール



フロントまわり
テーブルにはお茶菓子が
置かれていた



宿坊客室
広々ふた部屋もあった




部屋の洗面台はふたつ



宿坊大浴場
「御法の湯」入口
5時〜22時入浴可



流行りの所為か
露天風呂まであった
(画像は女性浴室)



内風呂(女性)





シャワーもズラリ(女性)



ピカピカのパウダースペース



境内の湯小屋も入り放題
(画像は花染の湯)


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