はしご湯のすすめ福島県の温泉


西山温泉 老沢温泉 西山温泉 老沢温泉

河沼郡柳津町五畳敷老沢114
0241-43-2014
10時〜16時/400円
宿泊しました:一泊自炊3500円+入湯税利用

訪問:03年9月、13年9月(泊)

老沢の湯/含硫黄-ナトリウム-塩化物泉(硫化水素型)/65.4℃ pH=6.6 6.5L/min(自然湧出) 溶存物質計=4513mg Na=1377mg(88.73mv%) K=188.3 Mg=2.6 Ca=44.6 Al=0.4 Mn=0.8 Fe2=0.1 Li=1.9 F=0.9 Cl=1837(77.07) HS=0.6 SO4=290.0 HCO3=565.2 Br=3.6 I=0.4 H2SiO3=106.4 HBO2=92.0 HAsO2=0.6 CO2=206.9 H2S=1.6 (H5.9.21)


以前、立ち寄りでは訪問していた老沢温泉。お湯の再確認と、夜通しで風呂を満喫したかったので自炊素泊まりしてみた。外観は宿の看板が無ければ田舎の民家といった佇まいである。館内も同様の雰囲気を思わせる宿だ。今回、会津・博士山への登山終了後にチェックインした。

玄関に入ると立ち寄り客一組が入浴の順番待ちをしている。風呂は一つのみなのでグループ単位の貸切制となる。当日の宿泊客は我が家の一組だけであった。到着後すぐに風呂に入りたかったが、日帰り客がいたので少し待つ羽目に。少しすると事前に入浴の電話連絡をした日帰り客も来たが、女将が「泊りのお客さんが来たから、風呂はもうダメ」のような感じで対応していた。宿泊客優先のようだが、電話連絡したにも関わらず気の毒で申し訳ない。宿の切り盛りは基本的に女将さんが一人でこなしているようである。

日帰り客も居なくなりようやく風呂となる。浴室へは母屋から階段を下った場所にある。独立した湯小屋に連絡階段にて移動するといった感じかも知れない。脱衣所は只見川沿いに点在する共同浴場のものと似ている素朴な造りだ。浴室にはコンクリ浴槽三つが横並びで配置されている。空間内は通気良好で快適である。浴室内正面にはなんと「温泉神社」があり、なんとも不思議な雰囲気だ。

浴室のガラス窓越しには小川が流れ、裏山の緑の眺めも楽しる。その小川脇にはおそらく源泉が湧いているのであろう。大事にコンクリで囲われてモーターで塩ビ管経由で湯小屋に送湯されているのがわかる。利用している源泉はこの自家源泉の「老沢の湯源泉」と、もう一つの源泉名不明な別源泉の二本のようだ。それらを混合して三つある各浴槽へ流し込むシステムになっている。各湯船へ流れ込む湯量の調整によって湯船ごとに湯温が異なっている。手前は50℃近くで入浴断念の掛け湯のみ、真ん中は44℃、奥が42℃と言ったところだろうか。各湯船は2人サイズだが、出来れば一人でゆったり入りたいサイズの造り。

湯は基本的には無色透明、ダシの効いた弱塩味に弱甘味、焦げタマゴ風味に金属臭を感じ、浴感はつるつるとした感覚がある。鮮度面ではその日の日帰り客の人数によって左右されるタイプの温泉なので、客の多い少ないによっては濁りが生じ具合に差が出てしまう。なんだかんだで気に入ってしまい、夜中も浸かれるので翌日のチェックアウトまで5−6回は湯小屋へ足を運んでいた。

夕飯は炊事場をちょこっと借りて簡単に済ませた。炊事場もお風呂も宿の家族も利用する。夜は家族が帰宅して夕食に風呂にと一時的にザワザワとした感じになるが20時にはピタッと静まる。その後は、風の音やが聞こえるだけの静かな夜で、ついウトウトと寝てしまった。気付くと深夜の2時、タオル片手に浴室へ向かう。宿泊客が我が家だけなので、いつ行っても待ち時間が無く入浴できるのは良かった。全対的な感想としては24時間、温泉に入れて部屋で過ごせるだけで満足。日帰り客でザワザワしているチェックイン時、家人の家族の帰宅時のザワザワを除けば静かな環境にあると思う。なんだかんだ気に入ったので再度自炊素泊まりしてみたい宿だ。
(13年9月宿泊)

(三昧)



ほんの数軒のお宿で構成される山あいの静かな温泉地「西山温泉」。その中でも特に鄙び風情満点の「老沢温泉」に宿泊しました。前回立ち寄り訪問したのが丁度10年前ですが、その時と何も変わった様子はありません。女将さんも以前と変わらぬ様子で迎え入れてくれました。

老沢温泉は旅館と言うより昔ながらの農家の一軒家といった佇まいで、館内も生活感溢れる民家そのものです。通された部屋は一階の八畳間で、廊下の窓の外には裏山の雑木林が見えます。部屋にはテレビとお茶セットが置かれ、清掃も行き届き不便はありません。部屋から廊下を進んだ先には昔の田舎の台所といった雰囲気の炊事場があり、自炊宿でお馴染みのハンドル式ガス台が置かれています。お宿の私物は勿論、山で採ったと思われる大量のキノコも置かれていました。冷蔵庫や鍋などは自由に使って良いとの事ですが、我家は例によって手抜き自炊なので、柳津のスーパーで惣菜を買い込んでの夕食となりました。

肝心の浴室は、カレンダーのたくさん飾られた長い階段を下った先にあります。浴室はひとつなのでグループ単位の貸切利用となるようです。昼でもほんのりと薄暗く古びた共同浴場風情漂う浴室は、最奥に「温泉神社」が祀られ一種独特の雰囲気が漂います。浴室には2人サイズのコンクリ長方形浴槽が三つ並び、それぞれにかなり熱めの無色透明湯が掛け流されています。浴槽湯が熱いからといって加水をする蛇口等は一切ありません。ただひたすら湯揉みにて湯温を調整する、マニアにとっては理想的な湯使いです。

源泉は二種利用と思われ、浴室の右と左からそれぞれ違った印象の湯が流し込まれています。温泉神社側からは、金気・ダシ塩・タマゴ風味の全てがハッキリとした濃い目の激熱源泉が、そして脱衣所側からは弱い塩タマゴ風味の激熱湯が流し込まれ、二つの源泉は混ざり合いながら溝を通り、それぞれの浴槽へ投入される仕組みです。とはいえ浴槽の位置関係でおのずと源泉の配分量が違ってくるので、各源泉の個性は充分に味わえます。

浴槽に静かに体を沈めると、底に沈殿していた白・黒の溶きタマゴ状湯花が舞い上がり、湯面から漂う香ばしい焦げタマゴ臭にフンワリと包まれ、熱めながらも優しい印象を受けます。今回は宿泊客が我家だけとあって、夕・夜・朝と何度も浴舎へ足を運びましたが、刻々と表情を変える浴舎の雰囲気と湯を存分に楽しめ、温泉好きの身としては、たまらなく幸せな時を過ごす事ができました。
(13年9月宿泊)

(まぐぞー)




玄関


玄関周り


宿泊した部屋



のんびり


部屋からの眺め


自炊夕食



炊事場


ガス


軒下にあった餅



浴室への階段


カレンダーがズラリ


脱衣所



脱衣所の絵


掲示


浴室



奥に温泉神社


浴槽


浴槽アップ



お湯


送湯管


浴槽への流れ込み


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