はしご湯のすすめ青森県の温泉



下風呂源泉こぼればなし

新湯源泉と大湯1号源泉



新湯源泉

下風呂温泉にて「新湯源泉について知りたい」とお願いしたところ、「新湯源泉に一番詳しい御方、新湯源泉について知るには、この御方しかいないでしょう」と御紹介いただいたのが「かどや」の大旦那。そして今回、その大旦那より新湯源泉について講釈を頂戴する事が出来た。そのごく一部を紹介します。

新湯は山を下るようにして流れ込む湯脈から横穴状に湯を取り、一旦共同浴場裏手に湯溜(ガス抜き)をし、各旅館へ配湯しているとの事。更にその湯脈は海へと続き、それをポンプアップしたものが「海辺地源泉」となるようだ。

この新湯、ここ数年における湯の変化が大きいようで「目に見てあきらかに変化がある」とは、大旦那談。その変化も長年徐々にという事ではなく、比較的短期間のうちに起こっているのだという。「数十年間毎日湯に触れ、そしてコレ(お湯)で飯を食べて来たのだから間違いない」と仰る。現に以前の分析表と見比べてみても湯温は20℃低下、湧出量は約半減。数値の上でも変化は如実に現れている。これも自然の恵みゆえの事なのでしょう。

現在下風呂は「温泉特別保護地域」として新規掘削が制限されている。決して湯量豊富な類でもない。そんな中で、温泉マニアを唸らせる湯を提供し続ける、その努力とご苦労は私達部外者の想像を遥かに超えるものに違いない。先代から受け継いだ湯を真摯に守り続ける湯守の心意気、それこそが、何にもかえがたい温泉遺産なのだと思う。
(05年7月)



新湯


海辺地1号


海辺地2号


大湯1号源泉

前回の新湯に続き、今回は財産区所有の大湯源泉を管理されているお方(以後、管理人さん)にお話しをお伺いすることができ、さらに源泉見学にご案内いただけた。

「大湯共同浴場」駐車場の一角に大湯1号源泉がある。木製の板で蓋がされ、大切に管理されている。実際の湧出場所はここではない。すぐ裏手にある山に横穴状態の洞窟があり、その奥地の湯脈より湧出しているというのだ。そこから傾斜に従いちょうど大湯共同浴場の脇に源泉溜めを設けている様子。

管理人さんが蓋を取り中を見学させてくださった。蓋を取るともの凄い熱気に襲われる。輪をかけて火山ガス特有の噴気臭も追い討ちをかけてくる。デジカメで数枚撮影しようとするも、激しい熱気ですぐにレンズは曇ってしまう。管理人さん談「早く撮らないとカメラが壊れてしまうよ」「下風呂では電化製品は半年ももたない」「車の塗装などにも影響がでて買い替えが大変、でも高級乗用車トヨタのセ●シオは比較的良い」との事である。

湯溜め箇所は坑道のような状態になっていて、裏山の方より源泉が流れてきているのがよく分かる。噴気臭がとにかく鼻をつく。底には黄白色の例の硫黄成分がビッチリと沈殿している。坑道の最終地点には木製の枡が設置されており、大湯共同浴場をはじめ、大湯1号源泉を引く2軒のお宿へと送湯されている。管理人さん曰く、坑道内の底に大量の湯華が溜まると、その上澄みだけが送湯される事になり、お風呂の湯の色が透明になるとの事。

大湯源泉とは違いますが、下風呂地区を流れる新湯川の川底には幾つか自然湧出している源泉箇所があります。といっても、川底の隙間より染み出ているといった感じなのですが。源泉が湧出してる地点は硫黄分の析出が陣取っているのですぐに発見できます。

また、海中にも源泉が自然に湧き出ている箇所があります。堤防内にある船どまりの海底を見てみると、部分的に黄白くなり、ブクブクとあぶくが水面に浮き上がっているので分かると思います。
(06年7月)

※大湯源泉の蓋を開けられるのは管理許可のある方のみです。許可のない者が無断で源泉地に触れる事は禁じられています。



大湯源泉



中は、こんな具合



坑道のようになっている



二軒のお宿に分湯されます



下風呂湯花は公民館にて



一袋1000円



ごく普通の船どまりですが




海底が白くなっている
箇所から・・



気泡と共にお湯がプクプク
(その気泡を撮ったのですが
全然わかりませんね ^ ^ ;)


最後に・・

今回、かどや大旦那(新湯源泉)、大湯源泉管理人さん(大湯1号源泉)の他にも、さつき荘女将さんと御主人からは海辺地2号について、長谷旅館大旦那からは大湯2号について、北明館女将さんからは海辺地1号について御話を伺う事ができた。源泉の事のみならず、御宿の歴史や昔の下風呂について、時におもしろおかしく、時にしんみりと語っていただけ、とても有意義なひとときを過ごす事ができました。プライベートな内容もあり、すべてを公開する事ができないのが唯一の残念。

昔々、下風呂の海岸はどこを掘っても湯が沸いたそうで、さつき荘の女将さんなどは、よく着物を真っ黒にして親に怒られたのだとか、おおぎやの若旦那も海岸で即席露天風呂をこしらえて遊んだのだとか、そんな風にして、皆、湯と共に暮らし、歩んで来られたのだ。

私はこれからも、この素晴らしい湯の地へ足を運びたいと思います。



はしご湯のすすめ青森県の温泉