匠の音技

ポップス・ロック作曲のための実践音楽理論ヒット曲分析

作曲における実践的音楽理論楽典からでは学べないヒット曲技法
和音コード進行メロディーを中心とした曲分析でその秘密に迫る。
そこには今まで語られなかったシンプルで美しい匠の技がちりばめられていた・・・

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導音とドミナント・モーション



主要3和音の説明のところで「ドミナントはトニックに
進みたがる」と書いた。これはどういう仕組みなのかを
もう少し詳しく解説しよう。



@最も安定感のある進行
まずは、これを聞いてみよう。

サンプル1(MP3)


これはおなじみの「起立」「礼」「着席」の伴奏である。

トニック→ドミナント→トニックと、最も安定感のある進行が使われていたのだ。

ここで、



のように弾かない理由は、音の動きを滑らかにして聞き心地をよくするためだ。
コードが同じなので問題ない。

さて、ではなぜこの進行が最も安定感があるのか?

その理由は、「ドミナントがトニックに進みたがる強い性質」がきちんと
満たされているからである。

ということは、「なぜドミナントはトニックに進みたがるのか?」ということになる。

これについては、導音(どうおん)というものがカギとなっている。
これについて次で見てみよう。



A導音とは
導音とは、結論から言うと、「7番目の音」である。

つまり、ハ長調(C長調)で言えば、C、D、E・・・とCから数えて7番目のBのことであり、ト長調(G長調)で言えば、G、A、B、C、D、E、F#のF#である。

この7番目の音のことを、すぐ上の主音に行きたがるエネルギーを持っているという意味で、「導音」と呼ぶのだ。

もう少し掘り下げよう。




この、ドミソの和音の中で省略できる音とできない音がある。
それがこの下の形である。



これがコードCを成り立たせる最小限の音である。
この中の第3音であるミがなくなってしまうと、CとCmの区別がつかなくなってしまうのだ。
CとCmの構成音を比べておこう。



このように、メジャーコードなのかマイナーコードなのかを性格づける第3音というは、非常に重要なのだ。

では、その調の中で要の和音であるドミナントの第3音は何か?

それが「7番目の音」、すなわち導音にあたるのである。
ハ長調(C長調)のドミナントであるGの構成音を見ておこう。




これで導音というものがいかに重要かわかってもらえただろう。

この導音シが主音ドに一つ上がるという動き。
たったこれだけのことが深い味わいと限りない安心感をもたらすのだ。



この安心感を求めて、ドミナントはトニックに進みたがるというわけだ。



Bドミナント・モーションとは
ドミナントG→トニックCという進行にもう少し味付けをしてみる。
冒頭のサンプルのように、Gにもう一音ファを足してG7としてみよう。

このG7はGよりももっと強くCに進みたがるエネルギーを持っているのだ。

それはなぜか?

それは、導音→主音という動きに加えて、同じような働きをもつ音がもう一組含まれているからだ。

それが下のようにファからミへの動きである。



この2つの強力な流れにより、G7はCに進みたがり、そしてこの進行は最も安定感があるのだ。

これを聞いてみよう。

サンプル2(MP3)


まるで、事件が解決して一件落着したような安堵感があることだろう。

このような、X7→Tの動き、これを「ドミナント・モーション」と言う。




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