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おすすめハイキングコース (7)

【サン・モリッツ周辺】


ムオッタス・ムラーユ Muottas Muragl 〜 アルプ・ラングワルト Alp Languard
(約2時間)

サン・モリッツ近郊の手軽なハイキングコースとして人気のルート。バスまたは電車でケーブルカー乗場のプント・ムラーユPunt Muraglに行き、ムオッタス・ムラーユの山頂レストランに上ると、サン・モリッツ市街からマロヤ峠にかけて湖の連なる様子が見下ろせます。ここから山腹に平坦な道が続いています(写真)。草花はやや少ないですが、マーモットの巣穴が点在し、意外な近さで可愛い顔を見せてくれます。浅い谷奥を巻いて反対側の北向き斜面に来ると、こちらは一転して緑が少なく岩石ばかりの風景。でも尾根を回ってポントレジーナPontresinaの町が近くなると、再び緑が増えて樹林帯が近づきます。林の近くではゲムゼ(シャモワ)の群れやシュタインボック(アイベックス)の家族と出会えました。目を眼下に転じると、ポントレジーナの町の向こうにロゼック氷河が遠望できます。樹林帯の中ほどでウンテラー・シャーフベルク小屋Unterer Schafbergの上に出ますので、立ち寄って景色を眺めながら軽食休憩を楽しみましょう。ただ、小屋から少し離れたところにあるトイレは、スイスには珍しく強烈に汚いのでご用心あれ。林を抜けると遠くにアルプ・ラングワルトレストランが見えてきます。ここからチェアリフトでポントレジーナへ下りられます。全行程を通じて起伏の少ない歩きやすい道ですが、逆に物足りない方には次のセガンティーニ小屋を経由するルートがお勧めです。(1999年6月)


ムオッタス・ムラーユ 〜 ムラーユ湖 Lej Muragl 〜 セガンティーニ小屋 Chamanna Segantini 〜 パラディス小屋 Chamanna Paradis 〜 アルプ・ラングワルト (約6時間)
上記ムオッタス・ムラーユ山頂駅の上手に並ぶモニュメント群を巡る「インスピレーションの小道Senda d'Inspiraziun」からムラーユ谷の奥へ向かう道に入ります。1時間ほどでピッツ・ヴァドレットの麓に清水を湛えたムラーユ湖の畔に到着。折り返すようにムラーユ谷の底を下り、ムオッタス・ムラーユから直接下ってくる道と合流したら、ウンテラー・シャーフベルク小屋へのトラバース道(上記のコース)を右に分けてシャーフベルクの尾根に登ります。登るにつれてピッツ・ヴァドレットピッツ・ケッシュピッツ・オート方面の眺望が良くなり、尾根上に出るとツェレリーナ村からピッツ・ユリアマロヤ峠方面に加えてロゼック谷ベルニナ山群も美しく眺められます。尾根上に建つセガンティーニ小屋のテラス(写真)で眺望を堪能したら、小屋からへ続く「シュタインボックの道Steinbockweg」へ入りましょう。アルプ・ラングワルトへ下る道を右に分けてガレた斜面をトラバースしていくと、行く手にピッツ・ラングワルトピッツ・アルブリスが近づき、右手のベルニナ山群にはモルテラッチ氷河がその全容を現してきます。ピッツ・ラングワルトへの登山道との分岐点からラングワルト谷の奥へ下り、南側の尾根上に建つパラディス小屋へ。ここからのベルニナ山群の眺めは最高で、北側にはピッツ・ラングワルトラス・ソウルス等、歩いてきたコースを一望できます。パラディスの尾根を少し西へ歩いてから再びラングワルト谷へ下り、ラングワルト川の右岸の道を辿ってアルプ・ラングワルトのチェアリフト乗場へゴール・インです。ムラーユ湖やパラディス小屋へ立ち寄らずにセガンティーニ小屋へ登るだけなら、3時間余りで歩けると思います。(2013年9月)


モルテラッチ駅 Morteratsch 〜 ボヴァール小屋 Chamanna da Boval 〜 モルテラッチ氷河末端 Vadret da Morteratsch 周遊 (約6時間)
車窓から次々に氷河が眺められることで人気のレーティッシュ鉄道ベルニナ線。その最初のハイライトであるモルテラッチ氷河は、モルテラッチ駅で下車して南へ続く平坦な遊歩道を谷奥へ歩けば、手軽に接近することができます。道端には過去の氷河末端の位置を示す道標がほぼ10年毎に立っていて、地球温暖化の影響を実感します。氷河末端にはベンチが置かれ、状況が良ければ氷河に触れることもできます(氷河が崩落してくるリスクに要注意)。所要1時間半程度で往復できます。
もう少し本格的に歩きたい方は、氷河の中流の脇に建つボヴァール小屋を目指しましょう。モルテラッチ駅から氷河末端への遊歩道を歩き始めて間もなくの分岐を、ボヴァール小屋への案内板に従って右手へ入ります。樹林帯に入って30分弱登ると、ピッツ・ベルニナをはじめとするベルニナ山群が一望できる展望台チュネッタChünettaへの分岐がありますので、立ち寄っても良いでしょう。元の道に戻って南下すると、徐々に樹林帯を抜けて眺望が広がり、氷河末端が近づいてきます。モレーンの尾根に沿って進んだ後、岩の多い斜面を登ります。登り切った場所からは氷河末端を挟んでムント・ペルスが近く、行く手の斜面を右手へ回り込んだ先がゴールのボヴァール小屋です。小屋の前には広いテラス席(写真)があり、ピッツ・モルテラッチピッツ・ベルニナベッラヴィスタ連峰ムント・ペルス等の峰々や、モルテラッチ氷河に合流するペルス氷河を間近に眺めつつ、軽食休憩ができます。帰路は歩いてきた道を戻りますが、チュネッタ展望台の手前から折り返すように谷底へ下る道に入れば、氷河末端へも立ち寄れます。寄り道せずにモルテラッチ駅へ戻るなら往復4時間半程度のハイキングです。駅に隣接するホテル・レストランで飲食しながら帰りの電車をお待ちください。(2013年9月)


オスピツィオ・ベルニナ Ospizio Bernina 〜 アルプ・グリュム Alp Grüm (約2時間)
上記ベルニナ線の最高地点にあるビアンコ湖畔のオスピツィオ・ベルニナ駅で降ります。対岸にカンブレナ氷河が一望できる湖畔を線路伝いに南下します。湖畔は海抜2,200mを超えているので草木が殆ど無く、灰色の湖水も相俟って荒涼とした風景です。でも湖の南端を過ぎて峠を越えると途端に緑が増えて日差しが暖かくなり、林が近づく頃にはイタリアへ続く谷が見えてきます。やや単調な視界に飽きてきた頃、突然ベルニナ線の線路に再会するとともに、その向こうに圧倒的な迫力でパリュ氷河が現れます。氷河の近さから既にアルプ・グリュムに着いたような気分になりますが、実際にはゴールまでもう少し距離があるので、ここで一息入れて氷河を鑑賞しましょう(アルプ・グリュムから見るのとは違った趣があります)。山腹を右回りに辿っていくと目指すアルプ・グリュムのレストランに到着します。パリュ氷河の全容が望めるほか、反対側にはイタリアへ続く谷にポスキアーヴォ湖が見下ろせる素晴らしいロケーションです。レストランのすぐ下がアルプ・グリュムの駅(写真)。大半の観光客はサン・モリッツ方面へ帰っていきますが、折角ここまで来たのですから逆にポスキアーヴォPoschiavoの街まで下りてみるのも悪くありません。急斜面を下っていく車窓の景色も興味深いですし、ポスキアーヴォは小さいながらもイタリアの雰囲気が十分に感じられる街で一見の価値があります。またハイキングのスタート前に途中下車してロープウェイでディアヴォレッツァDiavolezzaの展望台に立ち寄ってくれば、丸一日楽しめるコースになります。(1999年6月)


サメーダン Samedan 〜 ツェレリーナ Celerina 〜 サン・モリッツ St.Moritz 〜 チャンプフェール Champfèr (約2時間半)
サン・モリッツ近郊の山麓散策コースです。サン・モリッツ方面とポントレジーナ方面の分岐点に位置し、便利ながらも静かな村サメーダンからスタート。駅の裏側(東側)を流れるイン川Inn(写真)の土手に出て、ロザッチ山塊を正面に眺めながら上流方面へ進みます。左岸(西側)の道ツェレリーナ村へ直進できますが、右岸(東側)の道は支流の古フラッツ川Flaz veglに沿ってポントレジーナ方面へ向かってしまいますので、を渡って左岸へ戻ってください。この辺りは牛が放牧された広大な湿原になっていて、点在する池越しにムオッタス・ムラーユシャーフベルク等の山々が並ぶのどかな風景です。ツェレリーナ駅の裏手を直進して南側の谷を遡れば、から先がサン・モリッツ市街です。中心部の「学校広場Schulhausplatz」から上手の道を進み、サン・モリッツ湖を見下ろしながらセガンティーニ美術館Segantini Museumへ。美術館裏の遊歩道を更に南下すれば、チャンプフェール村の手前に広がる放牧場からロザッチ山塊ピッツ・コルヴァッチピッツ・ダ・ラ・マルニャ等の山々を美しく眺められます。チャンプフェール村を通過してシルヴァプラーナ村まで歩けば、マロヤ峠方面への湖畔周遊コース(下記)に接続します。また、サメーダン村からはイン川の下流方面にも遊歩道が続いていて、遥か北のツオーツ村Zuozまで川沿いを歩くことができます。(2013年9月)


マルグンス Marguns 〜 チョー・ド・ヴァレッタ山頂 Cho d'Valletta 〜 サメーダン (約3時間半)
マルグンスはツェレリーナ村からゴンドラリフトで西側の山腹を上った先にあるアルプです。ゴンドラリフトの山麓駅には鉄道のツェレリーナ駅か、路線バスのクレシュタ・パラス停留所Cresta Palaceが便利。マルグンスから南へ登るとコルヴィリアのケーブルカー駅(次項参照)が近いですが、我が家は左手にラス・トライス・フルオールスの印象的な峰を眺めつつ、放牧場の中を北東へトラバースしてピッツ・パデッラの東斜面アルプ・クラヴァダッチAlp Clavadatschへ向かいました。歩く右手にはマロヤ峠方面からベルニナ谷を経てウンター・エンガディン方面に至る山々のパノラマが広がります。分岐で左の緩やかな登り道に入ると、サス・アルフSass Alvの岩山の脇から下り道となり、マルグーニンMarguninの峠に至ります。ここから東へ続く道を緩やかに登り返してチョー・ド・ヴァレッタ山頂(写真)へ。なだらかな草原の頂ですが、北側はベヴェール谷へ鋭く切れ落ちた先にクラシュタ・モーラが間近に聳え、西にはピッツ・オートの右にピッツ・エラも遠望できます。南東方向にはベルニナ山群が一望。山頂から尾根伝いに東へ進み、眼下にベヴェール村が見えてきたら南へ下ると、軽食休憩のできるアルプ・ムンタッチ小屋Alp Muntatschがあります。ここからアルプの斜面を下るか、樹林帯の林道を辿って、サメーダン村に下ります。(2013年9月)


コルヴィリア Corviglia 〜 チャンタレッラ Chantarella (約1時間半)
コルヴィリアへはサン・モリッツの市街中心部からケーブルカーで上ります。コルヴィリアのケーブルカー駅は極めて目立つ原色の建物で、周囲の景色と馴染まず違和感がありますが、スキーゲレンデに映えるように造られているとすれば仕方ないところでしょうか。ここから南寄りの道を辿って下りていきます。眼下にサン・モリッツ湖が広がる草原の斜面で、時折マーモットの姿も見掛けます。ただ、ハイキングロードはブルドーザーで拡張工事をしてあり、キャピラーの跡が生々しいところもありました。広い道の方が歩きやすいのは事実ですが、広すぎると足元の緑が遠くなってしまう気がします。どちらかと言えば2人が並んで歩けるかどうかぐらいの道幅がハイキングには気持ちが良いと思うのですが…。ケーブルカーの中間駅チャンタレッラの近くには閉鎖された立派なホテルの廃墟がありました。眺望の良いロケーションでも観光事業は必ずしも順調じゃないんだな、と華やかな風景の裏にある人々の苦悩を垣間見た気分になりました。(1999年6月)


マロヤ Maloja 〜 シルス・マリア Sils Maria 〜 シルヴァプラーナ Silvaplana (約3時間半)
オーバー・エンガディン地方の湖畔周遊コースです。サン・モリッツ湖の上流にあるシルヴァプラーナ湖と、その更に上流のシルス湖は、共に大変美しい湖です。西側は車道が走っていますが、東側の湖畔は歩きやすい散歩道になっていて、平坦なのでサイクリングを楽しむ人も見掛けます。先ずバスでマロヤへ行き、村中から林の中を通ってシルス湖畔に出ます。湖畔を進んでいくとイゾーラIsolaという小さな集落が現れます。羊の糞だらけの寒村ですが、小さなレストランもあります。更に道を進むと次第に人通りが増え、シルス・マリアの村に到着です。ホテルや商店が多いので食事休憩に最適。カフェならケーキやお茶の種類が豊富で美味しい「グロントGrond」(ペンション「シュルツェSchulze」内)がお勧めです。村を抜けるとシルヴァプラーナ湖畔に出ます。フルチェラス行きのロープウェイ乗場を過ぎると再び林が湖畔に迫り、釣りを楽しむ人がちらほら。途中で小さな滝に出会い、林を抜けると湖の対岸にシルヴァプラーナの村が近づいてきます。湖畔にはクラップ・ダ・サース城Crap da Sassがあり、個人所有のため近くには立ち入れませんが、湖を背景に花畑に囲まれた姿は格好の被写体になります(写真)。(1999年6月・2002年8月)


ムルテル Murtel 〜 スールレイ峠 Fuorcla Surlej 〜 ポントレジーナ Pontresina (約5時間)
サン・モリッツ近郊のハイキングコースでは最も眺望が素晴らしく人気の高いルートです。ムルテルはシルヴァプラーナの隣村スールレイからコルヴァッチCorvatschへ上るロープウェイの中間駅。スールレイへの直通バスはサン・モリッツ方面からしかありませんが、シルヴァプラーナの停留所から無料送迎バスが出ているので、シルスやマロヤ方面からも便利です。折角ですから先ずは標高3,295mのコルヴァッチ山頂駅へ。オーバー・エンガディンの谷を一望できるのは勿論、反対側にベルニナアルプスのパノラマが広がります。ここからはアイゼンさえあればピッツ・ムルテルの山頂(3,433m)が簡単に登れそうで、幼児までもが父親に連れられて果敢に挑戦していました。さて中間駅ムルテルに戻ってハイキングに出発です。スールレイ峠までは広い平坦な道で、大勢の人が峠のレストランを目指して歩いています。最後に少し登ると、思いがけなく目の前にベルニナアルプスが広がります(写真)。右の形の良いピッツ・ロゼック、正面の最高峰ピッツ・ベルニナ(4,049m)と手前に流れるチェルヴァ氷河が見事です。コルヴァッチ山頂駅から見るより何故か近くに感じられ、山頂駅に上らずにここへ来る人が多いことも頷けます。レストランのテラスで景色を堪能したらロゼックの谷へ下りていきます。まっすぐ下る道もありますが、暫くは谷奥に向かってロゼック氷河に近づきたいところです。道は氷河直下のコアーツ小屋まで続いていますが、そこまで行くと日帰りコースとしては長過ぎるので、眼下に氷河湖が眺められる辺りで下の道と合流したら、下流方向へ歩きます。アルプ・オータAlp Otaの農家小屋を過ぎると樹林帯を下る道となり、谷底に着いてなお暫く歩くとホテル・ロゼックグレッチャーRoseggletscherに到着です。ここではハイキングを終えた人々が谷奥の氷河を眺めながら大勢休憩しています。疲れていたらここから馬車でポントレジーナまで運んでもらうことができますが、余力があれば谷間のハイキングを続けましょう。馬車道は広くて歩きやすいですが反面暑くて臭いので、途中から右手に分かれる小道を通る方がお勧めです。(2002年8月)


フルチェラス Furtschellas 〜 ジュグリジュス湖 Lej Sgrischus 〜 フェクス・クルティンス Fex Curtins 〜 シルス・マリア (約4時間半)
シルス・マリアの村外れからロープウェイでフルチェラスの山腹へ上り、ここからハイキングに出掛けます。ロープウェイ駅に併設されたレストランの裏手から尾根を巻くように南へ緩やかに登っていくと、フェクス谷側に入ったところから一気にピッツ・グリアレッチPiz Grialetschの急坂をよじ登ります。少々キツイですが、中腹の尾根に出ると眼下にシルス湖の眺めが見事です。ここからは平坦な道になり、小さな沢を越えて進むと山上の静かな湖ジュグリジュスに到着です。海抜2,600m以上あるので少々肌寒いですが、湖畔でのんびり草を食む牛たちに挨拶をして休憩しましょう。湖畔から少し登るとフェクス谷に突き出たピッツ・チュエルンPiz Chüernの山頂に立つことができます。この山頂から直接谷底に下りることもできますが、湖の手前まで少し戻ると更に歩きやすい道を辿って下りられます。振り返るとピッツ・チュエルンが意外な尖峰に見え、途中で折り返すように下ると谷の奥にフェクス氷河が広がります(写真)。谷底のクルティンスには立派な造りのホテル・フェクスがあり、テラスのレストランで氷河を眺めながら休憩できます。ここからもシルス・マリアまで馬車の定期便がありますが、元気があれば途中の村々を訪ねながら歩いて戻りましょう。最後にシュルフト地形(狭い峡谷)を抜けてシルス・マリアの村に到着します。ジュグリジュス湖までの前半は歩いている人も少なく、静かなハイキングが楽しめるコースです。(2002年8月)


フルチェラス 〜 フォルクラ湖 Lej da la Fuorcla 〜 チャンプフェール (約5時間)
上記フルチェラスのレストランの裏手から同じ道を歩き始め、間もなく現れる分岐を左折して草原の斜面を東へ緩やかに登ります。左手にシルヴァプラーナ湖を見下ろしつつ小さな尾根を越え、エピドート湖Lejin Epidotシュチャーリア湖Lejin S-chagliaロードニット湖Lejin Rhodonitという3つの池の畔を縫って進みます。「イルス・レインスIls Lejins」と呼ばれる湖沼群で、ロードニット湖から南へ登ると更に3つの池を巡ってフルチェラスのロープウェイ駅へ戻るハイキングコースになっています。ロードニット湖から東へ直進すると眺望の良いクルティネッラCurtinella(写真)です。ここからアルプ川Ova da l'Alp上流の谷へ一旦下り、コルヴァッチ行きロープウェイのケーブル下を潜って登り返すと、フォルクラ湖が現れます。南へ登ればロープウェイの中間駅ムルテル、スールレイ川Ova da Surlejの上流へ進めばスールレイ峠ですが、我が家はスールレイ川の右岸を北へトラバースする下山道に入りました。クラップ・アルフCrap Alvという岩山の上を経てハーネン湖Hahnensee(ロマンシュ語名:チェーツ湖Lej dals Chöds)の畔へ。ここにはレストランが建っていて軽食休憩ができます。樹林帯に入って更に下ると、ナイール湖Lej Nairマルシュ湖Lej Marschを経てチャンプフェール村に出てきます。このコースを歩き通すのが長過ぎるという方は、ムルテル中間駅から出発して逆ルートでフルチェラスまで歩けば、2時間余りの手軽なコースになります。(2013年9月)


ユリア峠 Julierpass 〜 グレヴァザルヴァス峠 Fuorcla Grevasalvas 〜 ルンギン湖 Lägh dal Lunghin 〜 マロヤ (約6時間半)
シルス湖北側の峠越えハイキングコースです。サン・モリッツ駅始発のクール行きポストバスに乗り(運行本数が少ないので要注意)、シルヴァプラーナ村西方のユリア峠へ。峠の次のバス停「ラ・ヴェドゥータLa Veduta」で下車し、南へ緩やかに登ります。アニェル谷ビヴィオ村方面の眺望を楽しみつつグレヴァザルヴァス湖Leg Grevasalvasの畔へ。湖の西側の湿原を南下し、次第にガレてくる谷間を登り詰めるとグレヴァザルヴァス峠です。峠の南側もガレていますが、下るとすぐに草原が広がり、シルス湖(写真)とその奥に連なるイタリア国境の山々ピッツ・コルヴァッチ等のパノラマを楽しめます。まっすぐシルス湖畔へ下れば4時間余りのハイキングになりますが、体力に余裕があったらムリン川Ova dal Mulinの谷を西へ進んで寄り道しましょう。谷奥からムオッタ・ラドンダMuotta Radondaの肩に登り、左手にフォルノ谷ピッツ・バクンアルビーニャ・ダムアルビーニャ氷河等を眺めつつ西へトラバースしていくと、イン川の水源にあたるルンギン湖に至ります。湖の北側に迫るピッツ・グレヴァザルヴァスや、東に遠望できるベルニナ山群等の眺めを堪能したら、イン川の流れに沿って南へ下ります。正面に端正な姿のピッツ・ダ・ラ・マルニャを眺めながら草原の斜面をジグザグに下ると、ピラPilaの集落を経てマロヤ村に到着します。(2013年9月)


マロヤ 〜 カヴロック湖 Lägh da Cavloc (往復約3時間)
眺望は余りありませんが雰囲気の良い静かな湖を周遊するコースで、天気が余り良くない日の散策ルートとしてお勧めです。マロヤのバス停(郵便局前)から少し先へ歩くとすぐにマロヤ峠に到着します。サン・モリッツ側は余り上ってきた気がしませんが、岩の上の展望台からブレガリア谷の方を見るとつづら折の道が急坂を下りているのが分かります。峠の少し先から車道を離れ山道に入ります。直接カヴロック湖へ通じる道もありますが、先にビータベルク湖Lägh da Bitaberghへ寄り道しましょう。砂防ダムを越えて森の中の急坂を登ると、小さな湖が現れます。ここからムオッタ・サラツィーナMuotta Salacinaに登る道もありますが、天気が悪ければ谷の道を辿ってカヴロック湖を目指しましょう。カヴロック湖(写真)はビータベルク湖より随分大きくて、奥には一軒家の牧畜農家があります。馬・山羊・豚など色々な動物を飼っていて、自家製チーズも売っているようですが、買うのは少し勇気が要ります。湖畔にはレストランがあるので食事休憩が可能です。湖を一周散策してからマロヤの村へ戻ります。(2002年8月)


カサッチャ Casaccia 〜 ソーリオ Soglio (約4時間半)
イタリア国境に近いブレガリア谷Val Bregagliaの北側斜面に付けられた眺望の良い遊歩道「センティエロ・パノラミコSentiero Panoramico」を歩くコースです。サン・モリッツ駅始発のキアヴェンナChiavenna(イタリア)行きポストバスに乗り、マロヤ峠を下って最初に現れる村カサッチャで下車します。村の南側に広がる牧草地の中をアルビーニャ・ダムを正面に眺めつつ歩き始めると、間もなくマイラ川Maira沿いの道になってレッビアLöbbiaの水力発電所が現れます。更にマイラ川の右岸を南下すると、次第に左手が深い谷となり、その向こう側にアルビーニャ・ダムが迫ってきます。ロティッチョRoticcioの集落を通り過ぎると山道に入り、明るい広葉樹林帯の中を西へ緩やかに登ります。左手の谷底にヴィコソプラーノVicosopranoボルゴノーヴォBorgonovo、スタンパStampa等の村々、その後方にピッツ・バクンピッツ・カッチャベッラ等の山々を眺めつつ進み、軽食レストランのあるドゥルベッジャDurbeggiaのアルプへ。一息入れてから更に西進すると、幾つかの沢を渡った辺りから下り道になり、谷の向こうにピッツ・バディーレが見えてきます。滝の沢を渡り、トンバルTombalの尾根を回り込んだ先が絶好の展望台プロモントーニョ村Promontognoを見下ろしながら更に進むと、いきなり意外な近さでゴールのソーリオ村(写真)が現れます。ソーリオは鄙びた雰囲気が観光客に人気の村です。ゆっくり村内を見物してからプロモントーニョ経由のポストバスで帰路につきましょう。(2013年9月)



※ 各コースの標題末尾の括弧内は、歩行に要した時間です(施設の見学や休憩等に費やした時間を含んでいません)。

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