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おすすめハイキングコース (25)

【マルティニー周辺】


サイヨン Saillon 〜 シャモゾン Chamoson
(約4時間)
ヴァレー(ヴァリス)州の州都シオンSionと同州西部の中心地マルティニーMartignyの間は、ローヌ川の北側に葡萄畑が広がり、スイスワインの主要産地のひとつになっています。シオン〜マルティニー間のポストバスに乗り、ワイナリーの村々を訪ねてみましょう。マルティニーから20分余り(シオンからは40分弱)、岩山の上に城郭(写真)が見えてくるとサイヨン村のバス停に到着です。城郭を左手に見上げつつ岩山の斜面の道を東へ上り、城門を潜ってサイヨン村に入ります。村の教会の裏手から小道を登ると岩山の頂に出て、城郭の中心にある「バイヤール塔Tour Bayart」の上から眺望を楽しむことができます。城山を北側へ下り、葡萄畑の中を「ステンドグラスの小道Sentier des Vitraux」を辿って登っていくと、「世界最小」の「ファリネの葡萄畑Vigne à Farinet」に至ります。葡萄畑の斜面を最上部まで登り切り、森の中の道を東へ進むと、ラ・サランツ川の深い峡谷に掛けられた迫力満点の「ファリネの歩道橋Passerelle à Farinet」を渡り、モンタニョンMontagnonの集落に入っていきます。遊歩道の案内標識に従えばここからサイヨン村へ戻るように下っていきますが、プロデュイProduitの集落を過ぎたら葡萄畑の中の道を適当に左折し、前方に見えるレトロンLeytronの村を目指しましょう。ここから更に東へ、葡萄畑の扇状地を上っていけばシャモゾン村です。どの村にもワインの醸造元が幾つか門戸を開いていますが、シャモゾン村のカフェ・レストラン「シェ・マダムChez Madame」では地元産の銘醸ワインをグラス単位で気軽に楽しむことができます。シャモゾン村から前述のポストバスに乗れますが、葡萄畑の中を南へ下ればサン・ピエール・ド・クラージュSt-Pierre-de-Clagesの古いロマネスク教会を経て、スイス国鉄のシャモゾン駅に至ります(但し、普通電車しか停まらない無人駅なのでご注意を)。(2008年9月)


シュマン Chemin 〜 プランシュ峠 Col des Planches 〜 トロン峠 Col du Tronc 〜 レヴロン Levron (約2時間半)
マルティニー市街の南に横たわる山脈モン・シュマンMont Cheminの尾根を歩くコースです。マルティニー市内からシュマン行きのポストバスに乗ると、ブールBourg地区を抜けた先から山道をぐんぐん上り、20分余りで展望の良い山上の村シュマン(写真)に到着します。終点のバス停から車道を少し上った場所に「鉱山の小道Sentier des Mines」の入口があり、森の中に点在する昔の鉱山の遺構を訪ね歩けますので、ご興味があればお立ち寄りください(往復1時間弱)。車道に沿って東へ緩やかに登ると、1時間ほどでレストランのあるプランシュ峠に到着します(週末の朝にはポストバスでここまで上って来られます)。ここで舗装道路と別れ、左手にダン・デュ・ミディ等の山々を眺めつつ林道を更に東へ進むとトロン峠です。ここから尾根上を更に東のラン峠Pas du Lin方面へ向かう道もありますが、南斜面の道を前方にバーニュ谷、右手にアントルモン谷を眺めつつ東へ快適に下っていくとレヴロン村に至ります。ここからポストバスで谷底のサンブランシェSembrancher駅へ下れます。(2008年9月)


シャンペ Champex 〜 ラ・フォルクラ峠 Col de la Forclaz
(約5時間半)
シャンペ村は、マルティニーの南に延びるアントルモン谷Val d'Entremontの中心地オルシエールOrsièresから西斜面を上った先にある湖畔のリゾートで、モン・ブランを一周するトレッキングコース「トゥール・デュ・モン・ブランTour du Mont Blanc」(TMB)のルート上に位置しています。ここから西方のフランス国境に程近いラ・フォルクラ峠まで、TMBの一部を歩くのがこのコースです。シャンペ村から車道を西へ歩き、ラ・ブレヤ行きのチェアリフト乗場の先から案内標識に従って左手の林道に入ります(この少し手前にアルペット峠越えルートの入口標識もあるので間違わないようにしてください)。右手にシャンペ・ダン・オーChampex d'en Haut地区のホテル等を眺めつつ林の中を進み、標識に従って右折するとシャンペ・ダン・バChampex d'en Basの集落に出てきます(便数は極めて少ないですがここまで入ってくる路線バスもあります)。集落の先で左折して再び林道に入り、緩やかに森の中を登っていくとプラン・ド・ローPlan de l'Auの牧畜農家を過ぎ、尾根を回り込んでラ・ジュールLa Jureの谷奥に向かって進んでいきます。谷の奥で3本の沢を渡った後、西側の斜面を登ります。このコース唯一の急な登り道ですが、やがて広い草原に出ると右折して、草地の斜面を平坦に進む快適な道になります。尾根を回り込んだ先にボヴィーヌBovineの牧畜小屋があり、山々を眺めながらの昼食休憩に最適です。この先は再び樹林帯に入りますが、木々が途切れた場所からはマルティニーの街やローヌ谷を一望できます。ラ・ジエートLa Gièteの農家小屋を過ぎて緩やかに森の中を下り、車道に出たところがゴールのラ・フォルクラ峠(写真)です。峠にはホテル・レストランと土産物店があり、ここからマルティニーまでバスで下れます(夏の間はフランス国境の鉄道駅ル・シャトラール方面へ行く路線もあります)。バスの発車時刻まで時間があったら、峠から南の谷奥に向かうビス・デュ・トリアンBisse du Trient沿いの平坦な遊歩道を歩いてみましょう。右手にバルム峠方面の山々と眼下にトリアンTrientの村を眺めつつ進んでいくと、谷奥にトゥール針峰トリアン氷河を望むことができます。氷河に近い展望レストランまで片道1時間弱です(前述のアルペット峠越えのルートを辿れば、谷奥からこの道に下ってくることになりますが、こちらはかなりハードなコースです)。(2008年9月)


ラ・ブレヤ La Breya 〜 オルニー小屋 Cabane d'Orny
(往復約4時間半)
上述のシャンペ村の村外れの乗場から通じているチェアリフトに乗ってラ・ブレヤに上ります。ここからは北側に美しく眺められるダン・デュ・ミディに向かってアルペット谷Val d'Arpetteへ下るハイキングコースもありますが、登り道を厭わない方にはオルニー氷河(写真)を見に行くこのコースがオススメです。リフトの山頂駅から間近に見えるラ・ブレヤ山の山頂に登ればトゥール・ノワール等の山々を眺められますので、出発前に立ち寄ってみるのも良いでしょう(往復1時間余り)。ラ・ブレヤの南側に切れ落ちるオルニー谷Combe d'Ornyの斜面をトラバースしながら西へ詰めていき、谷奥の広場を経て氷河末端のモレーンの上に登ります。オルニー氷河の流れを左手に、オルニー湖Lac d'Ornyを右手に眺めつつ、モレーンの尾根上を進んだ先にオルニー小屋があります。小屋からは氷河の上流をトリアン小屋へ向かう登山者や、氷河末端の向こうに並ぶグラン・コンバンモン・ヴェラン等の山々を眺めることができます。小屋で昼食を楽しんだ後は来た道を戻ります。ラ・ブレヤのリフト山頂駅にもレストランがあり、こちらでも山々を眺めながら軽食休憩ができます。(2009年9月)


シャンペ 〜 ル・カトーニュ山頂 Le Catogne (往復約6時間半)
ル・カトーニュはシャンペ村の背後に聳える独立峰で、アントルモン谷からもその特徴的な山容が目に付きます。オルシエールからの路線バスをシャンペ村の入口にあたるル・シニャルLe Signalで下車し、湖畔を離れて東へ進んでいくと、家並みが途切れて森の中の遊歩道に入ります。暫く進むと右手の視界が開けてオルシエール村を見下ろせる場所があります。その先で折り返すように森の中を登り、見晴らしの良い尾根に建つル・ベルヴェデールLe Belvédère小屋まではシャンペ村から1時間余りで、ここまでならどなたにもお薦めできる手軽なハイキングコースです。山頂へは尾根道を登っていきますが、一旦西斜面に逸れてシャンペ村から直接登ってくる道と合流してからは急坂の連続となります。森林限界を越えて暫く登ると支峰ル・ボノムの直下にある尾根広場ルプラ・デュ・セット・サンチエームReplat du 700èmeに至り、一枚岩のような支峰リ・ブランシュアントルモン谷の眺望を楽しむことができます。この先はル・ボノムの西斜面をトラバースしてアルペット谷の眺望が美しいルプラ・デュ・フラツェーReplat du Fratsayの展望台を通過し(ここからル・ボノムの北側を越えてアントルモン谷のサンブランシェ村へ下る道もあります)、前方にダン・デュ・ミディ連峰を眺めつつ更に北へのトラバースを続けると、岩壁の手前から最後の登り道となってル・カトーニュ山頂(写真)近くの尾根に至ります。我が家は時間の都合で山頂まで登れませんでしたが(山頂までは更に往復1時間程度が必要)、この尾根からもバーニュ谷シ・ブラングラン・コンバンモン・ヴェランをはじめ、素晴らしい眺望が広がっていました。帰路は登ってきた道を辿り、眼下に見えるシャンペ湖を目掛けて約1,100mの標高差を一気に下ります。(2009年9月)


フェレ Ferret 〜 フェレ小峠 Petit Col de Ferret 〜 フェレ大峠 Grand Col de Ferret 〜 フェレ
(約6時間半)
上記アントルモン谷の西側を南へ延びる支谷がフェレ谷Val Ferretで、分岐点の町オルシエールの駅前から路線バスで最奥の集落フェレまで行けます。ここを起点にイタリア国境の峠を周遊するのがこのコースです。フェレ村のバス停から西側の川を木橋で渡り、北へ進むと支流を渡った先にラ・レシェール小屋Cabane La Léchèreがあります。この上手に現れるレシェール・ドシューLéchère Dessusの放牧場の脇を登り、その先の草地の斜面を南へ緩やかに登っていきます。正面に近づいてくる小山の手前で尾根を越えて西側の谷に入ると、右手にドラン氷河を見上げられる筈。足元の草花が次第に減ってガレ場に変わり、雪渓の残る谷の左斜面を登り詰めた先が国境のフェレ小峠です。峠を越えるとイタリア領に入り、少し下った先でイタリアのフェレ谷に下る道から左に分かれ、南斜面の道を東へトラバースします。再び国境の稜線上に出た後は、フランス国境の山々を眺めつつ、快適な草地の尾根道を辿ってフェレ大峠(写真)に至ります。ここからは「トゥール・デュ・モン・ブラン(TMB)」コースのルートに合流してスイス側へ下り、草原の斜面をフェレ谷に向かって歩いていきます。フェレ谷の奥に出た場所にラ・プールLa Peuleの牧畜農家があり、軽食休憩ができます。この先は谷底に下る車道を通ってフェレ村に至るのが本来のTMBのルートですが、東斜面の道をそのまま北上するとトゥール・ノワールモン・ドラン等の山々を眺めつつフェレ村に下ることができます。(2008年9月)


グラン・サン・ベルナール峠 Col du Grand St-Bernard 〜 フネートル湖沼群 Lacs de Fenêtre 〜 ブール・サン・ベルナール Bourg St-Bernard
(約4時間半)
上記フェレ峠の東、アントルモン谷の最奥に位置し、古くからスイスとイタリアを結ぶ重要な交通ルートのひとつになっているグラン・サン・ベルナール峠。オルシエール駅前から路線バスに乗れば峠のホスピス前まで行けます(イタリアのアオスタまで行くバスの多くは峠の下をトンネルで通過してしまうので要注意)。ホスピスの裏手にセント・バーナード犬を飼っている博物館がありますので、ご興味があればどうぞ。峠の西側にがあり、この北側に遊歩道が続いています。湖の西側で国境を越えてイタリア領に入り、聖ベルナール像の裏を進んで一旦車道の下手に下ります。その先の分岐を右へ進み(左はアオスタ方面への下り道)、再び車道の上手に出ると、そこから「13A」のハイキングコースが始まります。草原の斜面を北へ登り詰めた先がフネートル・ド・フェレ峠Fenêtre de Ferretで、南にイタリアのグラン・パラディーゾ山群、西にフランス国境方面の山々を美しく眺められます。ここから再びスイス領内に入り、眼下に見えてくる3つの湖(フネートル湖沼群)に向かって北へ下ります。左手の湖(写真)の近くまで下ると、その向こうにモン・ブランやグランド・ジョラスが並びます。北側の湖の畔を左手へ下るとフェレ谷ですが、時間と体力に余裕があれば是非右手の道へ。グラン・ゴリア山を眺めつつモン・テリエの南斜面を登り詰めるとバスチヨン峠Col du Bastillonで(ここをシュヴォー峠Col des Chevauxと表記している地図もあります)、西にモン・ブランからモン・ドランに至る大パノラマ、東にグラン・コンバンモン・ヴェランが眺められます。峠の東側も湖の点在する草原で、最も大きいグラン・レGrand Léとやや小さいプチ・レPetit Léの間を進みます。シュヴォー峠Col(Pas) des Chevaux越えの道(これを進むとグラン・サン・ベルナール峠へ戻れます)を右に分け、黒牛達が草を食むドローヌ谷Combe de Drôneの草原を下っていくと、やがてグラン・サン・ベルナール・トンネルのスイス側入口が見えてきます。トンネルの入口近くがブール・サン・ベルナールのバス停で、ここならトンネルを経由する路線バスにも乗れますので便利です。(2008年9月)


ヴァン・ダン・オー Van-d'en-Haut 〜 サランフ人造湖 Lac de Salanfe 〜 エマネー峠 Col d'Emaney 〜 レ・マレコット Les Marécottes
(約6時間)
サランフ湖はマルティニーの北西、ダン・デュ・ミディ連峰の直下に位置するダム湖で、その入口にあたるヴァン・ダン・オーまでは夏の間マルティニー〜シャモニー間を結ぶ「モン・ブラン急行」沿線の村サルヴァンSalvanまたはレ・マレコットから1日4便のミニ・バスが通じています。終点のキャンプ場から西へ登り始めると道が二手に分かれますが、右の階段状の細い道と、左の広い砂利道のどちらを進んでも、やがて合流してラ・サランフ川の右岸を緩やかに登り、ダムの下に至ります。ダムの北端には立派な山岳ホテルがありますので、テラス席で食事休憩しながらサランフ湖の対岸に聳えるダン・デュ・ミディトゥール・サリエールの眺めを楽しみましょう。ここから湖の北岸を進んでシュザンフ峠経由でシャンペリ村へ抜けるルートも人気がありますが、デイ・ハイキングとしては少し長いので、我が家はダムの上を南へ渡り、南岸の放牧場を通り抜け池塘の点在するレ・ゾタンLes Ottansのアルプを南へ登って、エマネー峠を目指しました。エマネー峠(写真)からはサランフ湖が一望できるうえ、シュタインボック大群に出遭って感激しました。ここから南のエマネー谷Vallon d'Emaneyへ、西側に立ち塞がるポワント・ダボワヨンの岩壁に向かって草原の斜面を下っていきます。谷底からは川に沿って折り返すように東へ進むと、軽食休憩もできる牧畜農家が現れます。そのまま東へ谷を下り、ラ・タンダLa Tendaの分岐点を過ぎると右手の眺望が開けた林道となって、レ・マレコット村に下ってきます。夏のシーズン中はラ・タンダの手前から左手の道に入って山腹をトラバースし、ラ・クルザLa Creusazのアルプに出てロープウェイでレ・マレコット村に下ることもできます。(2008年9月)


エモッソン人造湖畔 Lac d'Emosson 〜 古エモッソン人造湖 Lac du Vieux-Emosson
(往復約2時間半)
上記「モン・ブラン急行」沿線の景勝地として最も人気のあるのがエモッソン・ダムでしょう。夏のシーズン中はマルティニー駅始発ラ・フォルクラ峠方面行き路線バスの一部がファンオーFinhaut村を経由してエモッソン湖畔まで運行されているので、これを利用するのが経済的です。また「モン・ブラン急行」沿線のル・シャトラールLe Châtelard駅からケーブルカートロッコ電車ミニケーブルカーを乗り継いで行く方法もあり、こちらは料金の高さがネックですが特に家族連れには楽しめる路線で、春や秋にも運行されています。アーチ式の美しいエモッソン・ダムの上でトゥール針峰・ヴェルト針峰からモン・ブランに至るパノラマを楽しんだら、ダムを西へ渡ってエモッソン湖(写真)の南岸の道をモン・リュアン等の山々を右手に眺めつつ歩いていきましょう。エモッソン湖の西端から上り道となり、行く手の岩山の上に建つ古エモッソン小屋Cabane du Vieux-Emossonでは軽食休憩ができます。小屋を過ぎると間もなく古エモッソン・ダムの直下に至り、右手からダムの上に上ると古エモッソン湖が現れます。湖の北岸に遊歩道が続いていて、少し進むと対岸にポワント・ア・コルボール・シュヴァル・ブラン等の山々を美しく眺めることができます。ここまでで引き返すなら大半が舗装道路ですので、スニーカー履きでも気軽に楽しめます。歩き足らないという方には、古エモッソン湖の南にある恐竜の足跡化石を眺めてから渓谷沿いの山道を通ってエモッソン湖畔に戻ってくるルートもあります。(2009年9月)



※ 各コースの標題末尾の括弧内は、歩行に要した時間です(施設の見学や休憩等に費やした時間を含んでいません)。

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