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おすすめハイキングコース (28)

【シャモニー周辺(フランス)】


バルム峠 Col de Balme 〜 アルベール1世小屋 Refuge Albert 1er
(往復約4時間半)
バルム峠はシャモニー谷の北端、スイスとの国境を成す草原の峠です。シャモニー市街から宿泊者無料のバスで終点の村ル・トゥールle Tourまで行けば、そこからゴンドラリフトとチェアリフトを乗り継いで海抜約2,200mの峠近くまで上れます。リフトを降りて左手の道を辿れば間もなく峠ですが、我が家は迫力ある氷河の眺めを求めて反対側の右手の道を進みました。
正面にモン・ブラン山群、眼下にリフト中間駅のあるシャラミヨンの湿原、右手後方にスイスのエモッソン湖方面を遠望しながら、気持ちの良い山腹の平坦な道を進みます。暫く行くと道が沢を越えますが、ここで左手へ数歩上ると、カール状の谷に抱かれたシャラミヨン湖Lac de Charamillonに出会えます。更に道を進んで尾根を回り込むと、いきなり眼前にトゥール氷河Glacier du Tourの末端が現れます。ここは眼下のアルジャンチエールの村や「赤い針峰群」の眺めも良いので、この後の登りに備えて一息入れましょう。この先は岩壁の下を通り抜けた後、氷河の手前に細長く連なるモレーンの背を目指してガレた斜面を緩やかに登りますが、我が家が歩いた6月下旬は未だ一面の雪原でした。モレーンの背には雪が無く、右手に氷河の荒々しい造形を眺めながら快適に登れます。但し、目指すアルベール1世小屋の直下には、またまた大量の残雪が。雪を一歩一歩踏みしめながら急斜面を直登し、登山家で賑わう小屋のテラス(写真、海抜2,702m)に到達しました。小屋の裏手にはシャルドネ針峰がどっしりと構えています。備え付けのスリッパに履き替え(小屋の内部は土足厳禁)、食堂でマッシュルーム入りのオムレツに舌鼓を打ちました。
帰りは登ってきた雪原を注意深く下りますが、登山家の人々はソリのようにお尻で斜面を一気に滑り下りていました。リフト乗場まで戻ってまだ時間に余裕があったら、折角なのでそのまま10数分歩いてバルム峠まで行ってみましょう。平坦な広い道なので楽に着きます。峠の周辺には草花が多く、国境の礎石の近くに小屋があって、ここでも食事休憩ができます。(2004年6月)


ロニャン Lognan 〜 アルジャンチエール氷河末端 Glacier d'Argentière (往復約1時間)
アルジャンチエール氷河は上記トゥール氷河の南側を流れる長大な氷河で、アルジャンチエール村の手前にあるロープウェイ乗場(上記ル・トゥール方面行きのシャモニー・バスが立ち寄ります)から海抜3,300m近いグラン・モンテGrands Montets展望台に上ると、手軽にその全貌が眺められます。氷河の向こうにシャルドネ針峰・アルジャンチエール針峰等の山々が並び、奥の源流方面にはスイス・イタリアとの3国境の山モン・ドラン。展望台の南正面にはヴェルト針峰が間近に迫り、展望台下の雪原から登山者が点々と列を作って登っていきます。右手にはレ・ドリューの岩峰を挟んでモン・ブランの姿(レ・ドリューの頭は実は2つに分かれているんですね)。北側も「赤い針峰群」やシャモニー谷の全容が一望でき、素晴らしい眺めです。
さて展望を存分に楽しんだ後は、ロープウェイを中間駅のロニャンで降りて、アルジャンチエール氷河の末端近くまで歩いてみましょう。シャルドネ針峰を正面に見ながら石ゴロの広い道を緩やかに登っていくと、間もなく荒々しい氷河に突き当たります(このすぐ上にも別のビュー・ポイントがあります=写真)。暫く眺めていると時折氷河の崩れる様子が眺められ、その轟音で氷河が見た目よりもずっと巨大であることを思い知らされます。
道は更に上方へ続いていますが、この先は一般向きではなさそうです。来た道を戻りますが、途中に花畑の湿原を挟んでロニャン小屋Refuge de Lognanが建っていますので、シャルドネ針峰や氷河を見ながら食事休憩するのもお薦めです。歩き足らない方は、この先ロープウェイに乗らず谷底の村まで歩いて下ることもできます。(2004年6月)


モンタンヴェール Montenvers 〜 シャモニー (約3時間)
メール・ド・グラース氷河の展望台であるモンタンヴェールには、シャモニー国鉄駅の裏手から赤い登山電車に乗って約30分で行くことができます。駅舎前の展望台からは正面に印象的なレ・ドリューが聳え、眼下のメール・ド・グラース氷河を右手上流に追えば奥にグランド・ジョラスの北壁、更にその右にシャモニー針峰群の北端であるグラン・シャルモーとブレチエールが迫ります。展望台からはゴンドラリフトと階段で氷河の表面に下りることができ、氷河に掘られた洞窟に入って神秘的な青い光を体験できます。
一通り見物を終えたら、水晶博物館と土産物屋を通り抜けて展望台の奥(写真)から遊歩道に入ります。道はすぐに北へ反転して、右手に氷河とレ・ドリューを眺めながら大岩だらけの明るい森を下ります。やがて現れる大きな岩の台地がレ・ロシェ・デ・モテles Rochers des Mottetsで、眺めの良い尾根に小さな小屋がありますが、我が家が訪れた日は閉まっていました。ここまで来るとレ・ドリューに隠れていたヴェルト針峰もはっきり姿を現し、眼下にはレ・プラles Prazの村をはじめ谷底の家並みが見下ろせます。この先は西へ進路を変えて森の中の広い道を下っていきます。途中でレ・プラに下る道を右に分け、続いて登山電車の線路を渡ります。広い牧草地が見えて、行く手から子供達の歓声が聴こえてきたら、「冒険の森Forêt de l'Aventure」が近い証拠。ここには「夏のリュージュ」(つまり山の斜面を下る巨大滑り台ですね)等のアスレチック設備がいろいろあり、家族連れで賑わっています。園内を運ぶチェアリフトの下を通って「冒険の森」の入口まで下ると、そこは既にシャモニーの町外れ。そのまま舗道を直進すればモンタンヴェール鉄道の出発駅前に出てきます。(2004年6月)


ランデックス l'Index 〜 ラック・ブラン Lac Blanc 〜 トレ・ル・シャン Tré-le-Champ
(約4時間半)
シャモニーの北隣の村レ・プラからロープウェイでラ・フレジェールla Flégèreへ上り、そこから更にチェアリフトに乗り換えると、「赤い針峰群」の中腹にあたる海抜2,385mのランデックスに到着します。既にモン・ブランからヴェルト針峰辺りまでの主要な山々が一望できますが、更に美しい展望を求めて山腹を北西方向へ歩き始めましょう。我が家が歩いた6月下旬は未だ大半が雪道でしたが、余り傾斜が無いので比較的安全です。前方を遮る岩山の尾根を右手から回り込み(この辺りで雷鳥を見掛けました)、ひと登りすると、目指す湖ラック・ブラン(写真)が現れます。湖の向こうに右から順にモン・ブランシャモニー針峰群グランド・ジョラスとメール・ド・グラース氷河ヴェルト針峰とレ・ドリューが並んで素晴らしい景観。未だ湖の大半が雪に埋もれていましたが、湖畔に下りると山々が水面に映って更に綺麗です。湖畔にあるレストランのテラスで休むのも良いでしょう。
休憩後は眼下に見える別の湖に向かって下ります。この先は残雪が殆ど無くなり、快適に歩けます。雪の無い下の湖の方が山々を映した写真が撮りやすいです。更に少し下ったシェズリー湖沼群に近い辺りでは、20頭ほどのシュタインボックの大群に出遭って驚きました。この先の立派なケルンが立つ分岐路からは、真下に見える谷底の村まで落っこちそうな急坂を下ります。目が眩みそうですが、しっかりした足場や鉄梯子が整備されていて、見た目よりは歩きやすい道です。一番長い鉄梯子を下りた辺りには、垂直に切り立った岩が立ち並び、ロック・クライミングを楽しむ人々で賑わっています。ここまで来るとアルジャンチエール氷河の奥にモン・ドランがはっきり顔を出し、トゥール氷河やトゥール針峰の眺めも近くなります。ここから先は緩やかな下り道で、徐々に樹林帯に入ってなおずんずん下っていくと、車道に出た場所がトレ・ル・シャンのバス停です。ここからモンテ峠始発のバスでシャモニーへ戻れますが、この路線は便が少ないので、待ち合せが悪かったら更にモンロックMontrocの村まで20分ほど歩き、ル・トゥール始発のバスか電車を利用してください。(2004年6月)


ル・ブレヴァン le Brévent 〜 プランプラ Planpraz 〜 ラ・フレジェール la Flégère
(約4時間)
ル・ブレヴァンはシャモニーから手軽に上れる展望台で、中心街から少し坂道を上った場所にゴンドラリフトの乗場があります。これに乗ってプランプラに着くと、既にモン・ブラン山群が一望できる素晴らしい眺め(写真)ですが、更に大型ロープウェイに乗り換えて岩山の頂上にあるル・ブレヴァン(海抜2,525m)に上れば、360度の眺望が楽しめます。展望台からロープウェイ駅の裏手へ回るように下りると、左右に下山道が付いていますので、右手の道を「赤い針峰群」を正面に眺めながら下り始めます。道は間もなく大きなケルンのところで二手に分かれます。右手の方が広くて「易しい道」と書かれていますが、我が家が歩いた6月下旬は未だ残雪がいっぱいで、却って滑りやすく危険に思えました。左手の道を進むと鉄梯子で下りる岩場があります。足場はしっかりしていますが、この先も時々急斜面のトラバースが現れますので慎重に。岩山を回り込んで再びモン・ブラン山群が現れるとブレヴァン峠Col du Bréventです。ここから先は残雪が消え、眼下に見えるプランプラのロープウェイ駅を目指してジグザグに下ります。次第に草花が増えて楽しい道になります。
急斜面を降り切った場所にラ・フレジェール方面への道の分岐がありますが、この先は未だ2時間余り歩くことになりますので、一旦ロープウェイ駅近くまで下ってプランプラのレストランで休憩されては如何でしょうか。プランプラから先は「南向き大バルコニーGrand Balcon Sud」と呼ばれる眺めの良い山腹の道で、平坦で歩きやすいので日本人ツアーに組み込まれることも多いコースです。右手にシャモニー谷とヴェルト針峰等の山々を眺め、足下に可憐な草花を愛でながら進んでいくと、やがてカール状の草原シャルラノンCharlanonに出ます。この気持ちの良い草原で一息入れてからは緩やかな上り道になり、尾根を巻いて進むとラ・フレジェールのロープウェイ乗場が近付いてきます。ロープウェイでレ・プラの村へ下ります。(2004年6月)


ル・ブレヴァン 〜 エギュイエット・デ・ズーシュ Aiguillette des Houches 〜 シャモニー (約6時間)
上記のル・ブレヴァン展望台の裏手から、左手の道を歩き始めます。岩場の道ですが、こちらは残雪が少なく安心して歩けます。右手の眼下にブレヴァン湖を眺めながら進み、尾根に出てからは左手に再び美しいモン・ブラン山群を見て歩きます。この尾根道でもシュタインボックの夫婦に出遭いました。やがて現れるケルンから左手へ少し下ると、こじんまりした木造のベル・ラシャ小屋Refuge de Bel Lachat(写真)に着きます(ここまで約1時間)。眺めの良いテラスで温かい飲み物でも摂って休憩するのに最適です。
小屋から見下ろすとジグザグの道がシャモニーの町に向かって下っています。これを下りれば2時間半くらいで下山できるようですが(実際には下から登って来るハイカーが多いです)、我が家は先程のケルンに戻り、左手の道を進むことにしました。この先は広々とした湿地帯になっていて、小川や小さな池が点在しています。7月初旬は未だ雪融け直後でしたが、もう少し後のシーズンなら一面の花畑になりそうな感じです。草原を緩やかに登って行き、再び尾根に出た場所がエギュイエット・デ・ズーシュ(標高2,285m)。南側・西側が鋭く落ち込んでいて展望の良い場所の筈なんですが、我が家が歩いた日は残念ながら山の頂上付近だけが雲に入って、何も見えませんでした。
ここから南側へ下ります。意外にも道はそれほど急勾配でなく、気持ちの良い草原の中をモン・ブランを正面に眺めながら快適に下っていきます。農家小屋のあるシャイユーChaillouxを過ぎると、道は次第に樹林帯に入ります。金網で囲まれた牧場のようなものが見えてきたら、それがメルレ動物公園Parc Animalier de Merletです。入場料(4.50ユーロ)を払って入ると、広い敷地内に鹿など7種類の動物が放し飼いになっています(何故か南米産のリャマなんかもいます)。カフェテラスもあってシャモニー針峰群の眺めが楽しめますが、公園は山の斜面に広がっているので、一周見て回るのは結構骨が折れます。
この先は「南向き小バルコニーPetit Balcon Sud」と名付けられた山腹の道を東へ辿ります。大半は針葉樹林の中ですが、時折視界が開けてボソン氷河等を眺めることができます。レ・ボソンles Bossonsの村へ下りる道を右に分けた後、小さな谷を越える手前で一旦登り道となります。「あぁ〜ボソンへ下りておけば良かった」と後悔するかも知れませんが、この後間もなくシャモニーへ下りる道が現れますので頑張ってください。(2004年7月)


ボソン氷河末端 Glacier des Bossons 〜 レ・ボソン les Bossons (約1時間)
モン・ブランの懐から発するボソン氷河は最も谷底近くまで流れ下っていて、その白く輝く美しい姿がシャモニーの町からもよく見えます。氷河の末端近くまでチェアリフトで上ることができ、リフト乗場にはレ・ズーシュles Houches方面行きのシャモニー・バスも立ち寄ります。チェアリフトはエギュイーユ・デュ・ミディの展望台を正面に眺めながら上り、終点のすぐ近くに氷河を間近に眺められるレストラン(写真)があります。このテラスの横から「ビュー・ポイントPoint de Vue」と書かれたゲートを潜って10分ほど登って行くと、迫力ある氷河の様子を更に近くで眺めらます。道の途中には昔のボソン氷河の写真を掲げた説明板があり、年代によって成長・後退を繰り返してきた氷河の様子が分かります。
レストランに戻って休憩したら、リフト乗場の横から歩いて下ります。針葉樹林の中の道で眺望はありませんが、リフトの下を潜れば間もなく民家が現れます。この先は別荘風の家々を眺めながら斜面を下って行き、あっけなくリフト乗場に着いてしまいます。バス停にはベンチが無いので、我が家は幹線道路沿いの次のバス停モンカールMontquartsまで歩き、そこのベンチで山を眺めながらバスを待ちました。(2004年6月)


ベルヴュー Bellevue 〜 ミアージュ小屋 Chalets de Miage 〜 トレース Tresse (約6時間)
シャモニーからレ・ズーシュ方面行きのバスに乗り、レ・ズーシュの中心部を過ぎると、ベルヴューへのロープウェイ乗場に到着します。向かいの店で昼食用のサンドイッチを購入して出発です。ベルヴュー(海抜約1,800m)に着いたら、シャモニー針峰群などの眺望を楽しんだ後、花畑の尾根を西へ、ル・プラリオンの頂を正面に眺めながら歩き始めます。間もなくル・ニー・デーグルle Nid d'Aigle行き登山電車の線路を渡り、分岐を今度は東へ折り返すように進みます。明るい樹林帯を抜けて山腹の道を辿ると、右手前方にビオナセ氷河Glacier de Bionnassayが次第に近づいてきます。当初はこの氷河の脇をル・ニー・デーグルまで登るつもりでしたが、そちらへの道は残念ながら閉鎖されていました。予定を変更し、分岐を右に進んで氷河から流れ下る川を吊り橋で渡ります。ビオナセ村へ下る道を右に分けて急坂を登ると、ビオナセ氷河を一望できる花畑に出ます。ここで一息入れたら、南側の鞍部を目指して緩やかに登っていきます。羊たちに見守られて登り詰めた鞍部がトリコ峠Col de Tricot(海抜2,120m)で、南側の眺望が一気に開けます。ここから眼下に見えるミアージュの牧畜小屋群を目指してジグザグに下ります。白い牛たちの放牧場を通ってミアージュに着くと、山小屋(写真)があります。我が家はここでホット・チョコレートを頼んで、テラスでドーム・ド・ミアージュ等の山々を眺めながら昼食にしました。
ここから先はもう一度急登してトリュック小屋Chalets du Trucを目指すハイカーが多いですが、我が家はおとなしく山腹の広い道を西へ下ることにしました。道は次第に南側へ回り込み、眼下に谷底の村々が見下ろせるようになります。樹林帯の中でレ・コンタミーヌles Contamines方面の道を左に分け、北に向けて下っていくと、やがてミアージュから流れ下ったグリュヴァ渓谷Gorges de la Gruvazに出会います(ここに駐車場あり)。ここから渓谷に沿った森の中の遊歩道を下り、車道に出た所がトレースの村です。ホテル・レストランの近くにあるバス停からサン・ジェルヴェ・レ・バンSt-Gervais-les-Bains方面行きのバスに乗れます(便数が少ないので要注意)。バスはサン・ジェルヴェの街を抜けてル・ファイエle Fayetの駅に到着。ここから電車に乗り換えてシャモニーに戻ります。(2004年7月)



※ 各コースの標題末尾の括弧内は、歩行に要した時間です(施設の見学や休憩等に費やした時間を含んでいません)。

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