おすすめハイキングコース (2)

【バーデン周辺】


バーデン Baden 〜 レーゲルン山頂 Lägeren 〜 レーゲンスベルク Regensberg
(約3時間半)

チューリッヒから電車でバーデンに向かうと、バーデンの街の手前で右手の車窓に長々と横たわる山脈が見えてきますが、これがレーゲルンです。この尾根を縦走するハイキングコースをご紹介します。バーデンの温泉街付近からリマト川を東へ渡り、住宅街を上ってエーレンディンゲンEhrendingen方面への車道を横断し、林道に入ります。林道は間もなく左へ迂回しますが、その曲がり角から階段を上るとシャルテンフェルス城Schloss Schartenfelsが現れます。レストランになっている城からの眺望を楽しんだら、その脇の尾根道を登っていきましょう。レーゲルンは地層が斜めに押し上げられて出来た山らしく(その褶曲圧力でバーデンの温泉が生まれたらしい)、尾根にも斜めに岩が突き出ていて歩きにくいですが、右手にヴェッティンゲンWettingenの街並みとリマト川の流れ、左手にエーレンディンゲン等の田園地帯と、両サイドの眺望を楽しみながら進んでいきます。岩場を過ぎてレーゲルンザッテルLägerensattelで尾根の北側を進んできた道(歩き始めた林道を直進すればこの道に繋がっていますので、岩場の道が苦手な方はこちらを歩かれれば良いでしょう)と合流すると、後は比較的歩きやすい道になります。やがてレーゲルンの最高地点のひとつブルクホルンBurghornの頂(写真)に到着。ここから先は概ね平坦な尾根道で、古城址の石垣を過ぎると電波塔が見えてきて、その脇にホッホヴァハトHochwachtのレストランがあります。木陰のテラス席で一休みした後、広い砂利道を下っていくと、行く手にレーゲンスベルクの村が見えてきます。レーゲンスベルクは小山の頂に建つ城郭と教会を中心に歴史のありそうな家々が集まった魅力的な村で、お城の塔に上ると歩いてきたレーゲルンの山や一面に広がる田園地帯の風景を一望できます。レーゲンスベルクからバスでディールスドルフDielsdorfの町に下れば、そこから電車でチューリッヒ方面に出られますが、我が家は反対方向の電車に乗ってニーダーヴェーニンゲンNiederweningenに行き、バスに乗り換えてバーデンに戻りました。(2007年4月)


ウンタールンクホーフェン Unterlunkhofen 〜 フラッハゼー Flachsee 〜 ブレムガルテン Bremgarten (約2時間)
ロイス河畔の遊歩道を散策するコースです。ロイス川は中央スイスのフルカ峠付近に源流を発し、フィーアヴァルトシュテッテ湖を経てルツェルンから北へ流れ出し、バーデンの西でアーレ川に合流しています。バーデンのバスターミナルからポストバスに乗って南方のブレムガルテンに行き、更にバスを乗り換えてウンタールンクホーフェンで下車すると、村の西にロイス川がゆったりと流れています。遊歩道は川の両岸に整備されているので、右岸と左岸のどちらを歩いても構いません。下流に向かって北上すると、川幅がどんどん広がって湖のようになってきます。フラッハゼーと呼ばれる水鳥の楽園で、バードウォッチングを楽しめる場所です。川幅が再び狭くなるとドミニロッホシュテークDominilochstegの屋根付き木橋があり、この橋上から眺めるヘルメッチヴィールHermetschwilの修道院が美しいです。この先は蛇行するロイス川に沿った木陰の道になり、小さなダムを過ぎると前方にブレムガルテンの町が見えてきます。駅前広場からオーバートーアObertorの門を潜ると趣のある旧市街が広がり、ロイス川に架かる屋根付き橋から見上げる街並みも印象的です。我が家はブレムガルテンからバスで戻りましたが、河岸の遊歩道はこの先もずっと続いています。ウンタールンクホーフェンから南にも延々ルツェルンまで遊歩道がありますが、歩くというよりサイクリングに最適な道かも知れません。(2007年4月)


サールヘーエ Salhöhe 〜 ハルト Hard
(約30分)

バーデンから電車で西に向かうと、20分余りでアールガウ州の歴史ある州都アーラウAarauに着きます。サールヘーエはアーラウ市街の北西、バーゼル地方との境をなす峠のひとつで、アーラウ駅前から1時間毎にバスが出ています。峠から西側の登山道を登ればガイスフルーGeissfluh山頂からの眺望を楽しめますが、のんびりハイカーなら左手にサールヘーエの農家群を眺めつつ東側の遊歩道を歩いていくのもお薦めです。間もなく高圧送電線の下でコールヴァルトCholwaldの分岐点に至り、直進すればベンケルヨッホBänkerjochを経てシュタフェルエックStaffeleggまで峠を縫って歩くことができますが(所要2時間半程度)、我が家にはこのとき余り時間が無かったので、ここから右折してハルトに下りました。ハルト(写真)は森の中に隔離されたような静かな農家集落で、村の奥から折り返すように森の中を進むと、15分ほどで村を見下ろす展望台に行けます。村に戻って下手へ下れば、車道に出た場所にアーラウ方面へのバス停があります。(2007年4月)



【ソロトゥルン周辺】


ランゲンブルック Langenbruck 〜 ベルヒェンフルー山頂 Belchenflue 〜 ハウエンシュタイン Hauenstein
(約3時間)
ベルヒェンフルーはオルテンOlten市街の北西にある展望台で、上記サールヘーエやガイスフルーから西へ連なる同じ山塊上に位置しています。ここを西から東へ縦走するハイキングコースです(勿論、逆方向に歩いても構いません)。オルテンとソロトゥルンを結ぶ幹線鉄道をエンジンゲンOensingenで支線に乗り換えてバルスタールBalsthalの町に入り、ここからポストバスでオーバー・ハウエンシュタイン峠Ober Hauenstein手前の村ランゲンブルックに行きます。村を東へ抜けて牧草地の広い谷を緩やかに上り、デュルステルDürstelのレストランとグウィーデムGwidemの農家を通過して谷の最奥部まで来たら、左手の山の斜面の道を登ります。尾根の林道に出たら、その脇の階段の道を登ると、すぐにベルヒェンフルー山頂です。山頂からはオルテン市街方面をはじめ360度の眺望が広がり、南には遠くベルナー・アルプスを望むことができます。尾根の林道に戻り、かつて祖国防衛の前線要塞だったことを示すレリーフの数々を眺めつつ東へ歩いていくと、道が北へ向きを変え、草原が広がってカルヘッヒChallhöchiの峠に至ります。ここで西側の放牧場(写真)の中に見えるレストラン「カルホーフKallhof」では、低料金で美味しいランチが楽しめますので是非お立ち寄りください(但し月・火曜は休業)。カルヘッヒから東へ下っていくとイーフェンタールIfenthalの集落を過ぎ、ウンター・ハウエンシュタイン峠Unter Hauenstein直下の村ハウエンシュタインに到着します。ここからオルテン行きのポストバスに乗れますが、もし連絡が悪ければ、もう30分ほど南へ下るとトリムバッハTrimbachの町の手前にあるレストラン「アイゼンバーンEisenbahn」前から2番のオルテン市内バスが頻繁に出ています。オルテンは幹線鉄道で通るだけになりがちな街ですが、趣のある旧市街もあります。(2007年5月)


ヴァイセンシュタイン Weissenstein 〜 ハーゼンマット山頂 Hasenmatt 〜 グレンヒェンベルク Grenchenberg
(約3時間半)

ヴァイセンシュタインは、ソロトゥルン市街の北側、東西に長く連なるジュラ山脈の尾根で、ソロトゥルンからムティエMoutier方面行きのローカル電車に乗って麓のオーバードルフOberdorf駅で下車すれば(日曜ならソロトゥルン市内から1番のバスも利用できます)、駅前からチェアリフトで上がれます。ヴァイセンシュタインのホテルのテラスからソロトゥルン市街を見下ろした後、北側の農家小屋の脇まで下り、草原の中の砂利道を西へ歩き始めましょう。「惑星の道Planetenweg」として太陽系の惑星の相対距離を示した標識を辿りながら進むと、行く手にヒンター・ヴァイセンシュタインHinter-Weissensteinの農家小屋が見えてきます。ここで放牧場(写真)の中を一旦左折した後、再び西へ向かって進むと、次第に森の中に入って山道を登るようになります。峠越えの車道を横切ってもう一登りすると、草原に覆われたハーゼンマット山頂です。全方位の眺望を楽しんだら、北側の中腹にレストラン「アルトヒュスリAlthüsli」がありますので立ち寄って一息入れましょう。このレストランの西から再び斜面を上ると、南側が鋭く切れ落ちた草原の尾根シュタルフルーStallfluhに出ます。左手に蛇行するアーレ川を見下ろしたり、振り返ってハーゼンマットを眺めたりしながら気分良く歩き、その先は明るい樹林帯の痩せた尾根道を進んでいくと、再び広大な草原が広がってオーバーグレンヒェンベルクObergrenchenbergに到着です。南側の断崖上の展望台からグレンヒェンGrenchenの街並みを見下ろした後は、発電用風車の近くにあるレストランでゆっくり食事をどうぞ。ここから舗装道路を下れば30分弱でウンターグレンヒェンベルクUntergrenchenbergのレストランに至り、そこから路線バスでグレンヒェンに下れます。但し、この路線バスは毎週水・土・日曜のみの運行で、本数も少ないので事前に発車時刻をご確認ください。グレンヒェンの街まで歩いて下れば更に2時間かかるようです。(2007年4月)


ヴァイセンシュタイン 〜 レーティ山頂 Röti 〜 カンベン山頂 Chamben 〜 アッティスヴィール Attiswil (約5時間)
上記ヴァイセンシュタインから、ジュラ山脈の尾根を東へ歩くコースです。ヴァイセンシュタインの東に広がる草原の尾根を緩やかに登っていくと、僅か30分ほどでレーティ山頂に着きます。この草原の頂からは、南のアーレ川流域の平野から東西のジュラ山脈を経て北のヴェルシェンロールの村まで、360度の眺望を楽しめます(大気の澄んだ晴天なら、南方に遠くアルプスの山々がずらりと並ぶ筈)。眺めを充分に楽しんだら、東側の岩壁の脇の道を下り、バルムベルク峠Balmbergへ。ここにはレストランがあり、ソロトゥルン行きの路線バスも出ていますので、余り歩きたくない方はここから下山することもできます。更に東へ草原の中の尾根道(写真)が続いていて、シュティーレンベルク小屋Stierenberg直下の分岐点まで来たら、左右どちらの道を進んでも構いません。左の道は小屋の脇から草原を突っ切り、その先で急な登り道を経てカンベン山頂に至ります。右の道はカンベンの南麓を東進し、ホーフベルクリHofbergliのレストランを通過します。カンベンの東麓にあるヒンテレ・シュミーデンマットHintere Schmidenmattのレストランで双方の道は再び合流しますが、レストランはもう少し東のリュッテルホルンの麓、フォルデレ・シュミーデンマットVordere Schmidenmattにもあります。尾根道のハイキングコースはこの先もずっと東のバルスタールの町に下るまで続いていますが、舗装道路の道なりに右に旋回し、ベットラークーキBättlerchuchiの切通しを抜けると、眼下にファルネルンFarnernの村が近いです。ただ、ファルネルン発の路線バスは午後の本数が少ないので、我が家は森と牧草地が交錯する山麓を南へ下り、ローカル鉄道が走るアッティスヴィールの村まで歩きました。(2007年5月)


ソロトゥルン Solothurn 〜 アルトロイ Altreu (約2時間)
ソロトゥルン周辺を東西にゆったり流れるアーレ川沿いの散策コースです。ソロトゥルンの中心街からアーレ川の北岸を西へ歩き始めると、鉄道橋を潜った先の対岸にクルムトゥルムKrummturmが見えます。住宅街を過ぎ、水泳プールの脇から一旦河岸を離れて広大な麦畑の中を直進します。やがて再びアーレ河畔の道となり、左手にアーレ川で遊ぶ鴨や白鳥等の水鳥たちを眺め、右手にハーゼンマット等の山々を遠望しながら進んでいきます。アーレ川が北へ大きく蛇行している場所を過ぎると、それまでの幅広い砂利道から細い歩行者専用の遊歩道に変わります。そのまま進んで行く手に家並みが見えてきたら、アルトロイ村に到着です。ここでは家々の屋根の上に沢山のコウノトリが巣作っています(写真)。村のレストラン「ツム・グリューネ・アッフェ Zum Grüene Aff」のテラス席でコウノトリを眺めながら川魚料理のランチかカフェをどうぞ。アーレ河畔の遊歩道はこの先もずっと続いていますが、アルトロイからは最寄りのセルツァッハSelzach駅までバスが出ています(歩いても20分くらい)。アーレ河畔の遊歩道はソロトゥルンの東側にも続いていて、ともにサイクリング用のコースとしても人気があるようです。(2007年5月)


マクリンゲン Magglingen 〜 トゥワンベルク Twannberg 〜 トゥワン Twann (約3時間)
ソロトゥルンの西方に位置するビール湖の北岸丘陵を歩くコースです。ビールBielの駅から市街を西へ10分ほど歩くとケーブルカー乗場があります。これに乗ってマクリンゲン(フランス語表記ではマコランMacolin)に上ると、眼下にビールの街並みと美しいビール湖の眺めが広がります。トゥワンベルクには車道を西へ歩いても着きますが、ここは森の中へ続く遊歩道を上っていきましょう。ジョギングする体育学生達と擦れ違いつつ進むと、30分ほどで牧草地の中のレストラン「ホーマットHohmatt」に出ます。この先は平坦な道になり、森に囲まれた牧草地を縫うように歩いていくと、やがて森が途切れて広大な草原が現れます。遥か前方にヌシャテル湖とムルテン湖、右手にシャスラルの峰を眺めながら牧畜農家の脇を進み、トゥワンベルクのホテルを過ぎると、再び森に入って下り道となります。レストランの先から渓谷沿いの道となり、次第に左右から岩壁が迫って深いトゥワンバッハ峡谷Twannbachschluchtに入っていきます。峡谷の出口では突然広がるビール湖の眺めがとても印象的。近くの展望テラス(写真)で湖に浮かぶザンクト・ペーター島などの眺めを楽しんだら、湖畔の村トゥワンに下り、レストランで地元産の稀少な白ワインと魚料理の優雅なランチをどうぞ。(2007年5月)


ザンクト・ペーター島 St.Petersinsel 〜 エルラッハ Erlach (約2時間)
ザンクト・ペーター島(仏語ではサン・ピエール島、写真)はかつてビール湖の中央に浮かぶ島でしたが、19世紀後半に運河工事の影響で湖の水位が下がって以来、湖西岸の村エルラッハと陸続きの半島になりました。全体が自然保護区とされていて、一般車の通らない遊歩道を静かに散策できる場所ですが、エルラッハからは同じ道を往復するしかないので、片道はビール湖の遊覧船を利用するのがオススメです。遊覧船はビールの街からトゥワンリゲルツLigerz等の湖北岸の村々を経由して約50分でザンクト・ペーター島の北桟橋に到着します。上陸した先の分岐点を左折して湖岸の道を進むと、島を時計回りに一周できます。島の南側には牧草地と葡萄畑が広がり、その中にジャン・ジャック・ルソーが滞在したことで知られるホテルがあります。島の南桟橋の近くに建つルソーの胸像に挨拶してホテル前から西へ歩くと、先程の分岐点に戻ります。ここから森の中を更に西へ進み、昔は別の島だったというラパン島Ile des Lapinsを過ぎると、広い湿原に入っていきます。湿原の中の一本道はやや単調ですが、途中に湖を一望できる展望台や、湿原を観察できる木道もありますので、是非立ち寄ってみてください。エルラッハ村に到着したら、バスで近隣の鉄道駅に出ることもできますが、バス停のある村の中心部より船着場の方が近いので、我が家は再び遊覧船に乗って湖北岸の村ラ・ヌーヴヴィルLa Neuvevilleに渡り、そこで鉄道に乗り換えました。(2007年5月)


サン・テュルサンヌ St-Ursanne 〜 エポヴィレール Epauvillers / スベ Soubey 〜 サン・テュルサンヌ (計約5時間半)
サン・テュルサンヌはスイス北西部・ジュラ州のほぼ中央に位置する小さな村で、ソロトゥルン・ビール・バーゼル等から州都ドレモン経由の電車で約1時間の距離です。山の中腹にある鉄道駅から坂道を下っていくと、ドゥー川の畔に佇むサン・テュルサンヌの村が近づいてきます。村には参事会教会をはじめ15〜17世紀に建造された古い建物が建ち並び、中世にタイムスリップしたかのような感覚を味わえます。村の南側に架かるサン・ジャン・ネポミュセーヌ橋でドゥー川を渡り、対岸の坂道から森の中を登っていくと、すぐに見渡す限りの牧草地が広がります。これは「クロー・デュ・ドゥーClos du Doubs」と呼ばれる高原田園地帯で、ドゥー川がサン・テュルサンヌ付近で東から西へ180度方向を変えて流れているため、三方をドゥー川の谷に囲まれた台地状の地形になっているものです。モントノールMontenolの集落を過ぎた後、ドゥー川の谷に面した斜面を回り込むように進み、再び牧草地の中に戻ってクマシデの大木を見送ると、行く手にエポヴィレールの村が見えてきます。ここから谷に沿って南へ下ればドゥー河畔に出られますが、我が家はクロー・デュ・ドゥーの各集落を縫って走るミニバスに乗り込み、更に西方のドゥー河畔の集落スベに下りました。ここには牡鹿マークのホテル・レストラン「デュ・セールDu Cerf」があり、新鮮な鱒料理を楽しめます。橋を渡り、ドゥー川の右岸を下流へ歩いていくと、間もなく16世紀から続く古い水車小屋があります。そのまま右岸の草原の中の車道を進み、やがて現れる歩道橋でドゥー川の左岸に渡ると、エポヴィレールから下ってくる道と合流して河畔の美しい遊歩道(写真)を歩くようになります。対岸のキャンプ場を眺めたり、のんびり寛ぐ牛たちに挨拶したりしながら川沿いを延々と歩きますが、屋根付き橋のある車道に出合えば、間もなく前方にサン・テュルサンヌの石灰岩採掘場跡が見えてきます。右手に鉄道の高架橋を眺めながらサン・テュルサンヌに到着です。(2007年4月)



※ 各コースの標題末尾の括弧内は、歩行に要した時間です(施設の見学や休憩等に費やした時間を含んでいません)。

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