おすすめハイキングコース (5)

【アローザ周辺】


ヴァイスホルン山頂 Weisshorn 〜 ヘルンリ小屋 Hörnlihütte 〜 エルプリ湖 Älplisee 〜 インナー・アローザ Inner-Arosa
(約4時間半)

「ヴァイスホルン」「ヘルンリ小屋」と聞くとツェルマット周辺を連想される方が多いでしょうが、アローザの西側に連なる尾根上にも同名の展望台があって、両者を結ぶ尾根道ハイキングはアローザでも最も人気の高い展望コースです。ヴァイスホルン山頂にはアローザ駅の裏手から大型ロープウェイで手軽に上れます(アローザに滞在すれば、滞在証明「アローザ・カード」を提示することで地区内の電車・バス・ロープウェイ等の交通機関はすべて無料で利用できます)。標高2,653mの山頂には立派なレストランがあり、頂上からは北西側の州都クールの街はもちろん、南東側のピッツ・ケッシュベルニナ・アルプスの遠望など、360度の展望が得られます。ここから南西側に見下ろすプラッテンホルンの岩山に向かい、尾根道を下っていきましょう。プラッテンホルン手前の鞍部がカルメンナ峠Carmennapassで、ここでシャンフィック谷方面へ下る道を右に分けてプラッテンホルンの東斜面を直進します。左手に広々としたアローザー・アルプを見下ろしながら草花の咲き乱れる道を快適に進み、右手にヘルンリシュタインの岩塔を見上げる頃から次第に登り道となって前方に目指すヘルンリ小屋(写真)が近づいてきます。ヘルンリ小屋にも眺めの良いテラス・レストランがあって食事休憩に最適です。ここからゴンドラリフトでインナー・アローザに下れますが、時間と体力に余裕があれば東側への下山道を辿って湖巡りに出掛けましょう。途中で右手から迫る岩尾根を越えると、行く手に青い水を湛えたエルプリ湖が現れます。湖畔から谷奥に聳えるエルプリホルンを眺めつつ一息入れたら、湖から流れ出る小川に沿って下ります。やがてシュヴェリ湖Schwelliseeの畔に至り、エルツホルン等の山々に見送られながらもう一歩きすれば、インナー・アローザのバス停に到着です。(2006年6月)


インナー・アローザ 〜 ロープウェイ中間駅 Mittelstation (約30分)
アローザの村内バスに乗り、終点(ヘルンリ行きゴンドラリフト乗場)のひとつ手前の停留所ガーダGadaで下車。北側の丘の上に見える「山の教会Bergkirchli」を目指して牧草地の中を登ります。教会前から左手にエルツホルン、正面にヴァイスホルン(写真)等の山々を眺めながら放牧場を更に登ると、チュッケン小屋Tschuggenhütteに至ります。ここはスキー客用の施設で夏は営業していませんが、広いアルプの中の道を更に10分ほど歩けば、ヴァイスホルン行きロープウェイの中間駅に着きます。ここのレストランで休憩した後は、ロープウェイに乗ってヴァイスホルンに上るも良し、アルプの中の道を西へ左折してアローザーアルプのど真ん中にあるレストラン(カルメンナ小屋Carmennahütte)を目指すも良し、北へ直進して高山植物園やゴルフ場のあるマランMaran地区を目指すも良し、と気分次第で様々な選択肢を選べます。(2006年6月)


マラン Maran 〜 オクセンアルプ Ochsenalp 〜 チールチェン Tschiertschen (約3時間半)
上記ヘルンリ行きと反対方向のアローザ村内バスに乗り、終点ひとつ手前のマランで下車。ここはアローザの北外れで、バス停前に建つホテルの周囲を広大なゴルフコースが取り巻いています。ゴルフコースの中の遊歩道を東へ数分歩くと、入場無料の高山植物園Alpengartenがありますので、ハイキング前に立ち寄っていきましょう。ホテル前に戻り、広い砂利道を北へ緩やかに上っていきます。この道は「惑星の道Planetenweg」の名の下、太陽系の各惑星の相対距離が道端の解説板で示されています。オーバー・プレッチゼーOber Prätschseeウンター・プレッチゼーUnter Prätschseeという2つの池や、ウフ・プレッチUf Prätschの農家小屋を右手に見下ろしながら平坦な道を快適に進むと、ロート・トリットRot Trittという展望所に至ります。ここから先は西へ進路を変え、前方に目指すチールチェン村、右手にシャンフィック谷の村々を眺めながら歩いていきます。やがて広々とした放牧場オクセンアルプに出ますが、ここには農家の雰囲気たっぷりのレストランがありますので、是非休憩をどうぞ。その先はウルデンバッハUrdenbachの谷奥(写真)を巻くように進み、谷を越えてからは樹林帯の中を下ります。森を抜けるとチールチェン村の上手です。村のレストランで休憩した後は、教会近くのロータリー広場からポストバスに乗って州都クールに下れます。(2006年6月)


アローザ 〜 メデルゲン Medergen 〜 ラングヴィース Langwies
(約5時間)

アローザの東側、谷を挟んだ向かいの山腹を歩くコースです。アローザの村内を東に下ると「下の池」ウンターゼーUnterseeがありますが、その脇から更に森の中を谷底へ下るとイーゼル人造湖Stausee Iselの畔に出ます。そこから東斜面を一登りした牧草地がフルカアルプFurggaalpで、その奥から山道に入ります。森の中の道は電車の線路を見下ろせる展望台を過ぎると登りが緩やかになり、谷の奥で木立ちが途切れてティーヤーアルプTiejeralpに出ます。ここから先は広々とした草原の中を左手にヴァイスホルン等の山々を展望しながら歩く道で、実に快適です。尾根状の草原チュッカーアルプTschuggeralpに建つ小屋「自然愛好の家Naturfreundehaus」を過ぎると、前方にお伽噺の村のような風情でメデルゲンの集落が見えてきます。メデルゲン村には素朴ながら味の良いレストラン「アルペンローゼAlpenrose」がありますので、是非昼食休憩をどうぞ。メデルゲンの村中から右手に上る道を辿るとサピューン谷Sapünの奥に至りますが、村の北側には見渡す限り夢の国のような美しいお花畑(写真)が広がっていて、この中を進んでもヤネッチ・ボーデンJanetsch-Bodenの農家小屋を経てサピューン谷に下れます。谷底の川を渡ると車道に出ますので、これを川沿いに西へ下っていけば鉄道駅のあるラングヴィース村に到着します。(2006年6月)


ラングヴィース 〜 ドゥランナ峠 Durannapass 〜 コンテルス Conters (約5時間半)
クール〜アローザ間のシャンフィック谷Schanfiggから北側の山塊を越えてプレティガウ谷Prättigau(ラントクヴァルト川流域)に下るルートの中で、最も標高差が少なく楽に歩けるのがこのコースです。アローザから電車で2駅目のラングヴィース駅で下車し、ラングヴィース村の西寄りの道を上って車道に出ます。ピリゲンのスキーハウスに向かう道(マティッシュホルンへの登山道)を左に分け、フォンダイ谷Fondeiの西斜面を緩やかに上っていきます。雪除けのトンネルを抜けると広々とした牧草地が開け、その奥にシュトラスベルクStrassbergの集落が見えてきます。集落を抜けた先ものどかな放牧場が続き、最奥の農家があるシュタフェルStaffelから草地の丘を一登りすれば、ドゥランナ峠(写真)です。峠の東には静かな池グリュエンゼーGrüenseeがあります。峠の北側も広大な草原が広がっていますが、ドゥランナ・オーバーゼスDuranna Obersässの大きな農家を過ぎると本格的な下り道が始まります。農家小屋の集落を過ぎた辺りでクロスタース方面への道を右に分け、次第に樹林帯に入ります。オーストリア国境の山々等を遠望しながら下っていけば、コンテルス村の上手に出てきます。コンテルス村にはレストランもあり、その隣から発車するミニ・ポストバスに乗れば、谷底のキュブリス村Küblisに出られます。キュブリスの駅からラントクヴァルト経由でクール方面行きの電車に乗れます。(2006年6月)


アローザ 〜 アルタイン湖 Alteinsee 〜 シースホルン峠 Schiesshornfurgga 〜 アローザ (約6時間)
アローザの村から東側に見える岩山シースホルンの周りをぐるっと一周してくるハイキングコースです。アローザのウンターゼー湖畔から舗装道路を辿って谷底に下り、南へ延びるヴェルシュトーベル谷Welschtobelの奥に向かって河原の遊歩道を進みます。やがて見えてくる木橋を渡って対岸に渡ると、アルタイン小滝Altein Kleiner Wasserfallのビュー・ポイントへの登り道がありますので立ち寄っていきましょう。橋の手前まで戻って河原を暫く遡ると、本格的な登り道が始まります。間もなく木立ちが切れてヴェルシュトーベル谷やアローザ方面の眺望が広がり、中腹で少し脇道に入ると迫力あるアルタイン大滝Altein Grosser Wasserfall(写真)を眺められます。斜面を登り切った先には岩壁に囲まれたお花畑が広がり、シースホルンを眺めながらベンチで一息入れるのに最適です。ここから小さな滝の脇をもう一登りすれば、目指すアルタイン湖畔です。湖畔は広々とした放牧地になっていて(農家小屋が1軒あります)、南正面にどっしり聳えるヴァルベッラホルンと、その右手でなだらかな稜線を見せるサントフーベルの姿が対照的で美しいです。ヴァルベッラホルンの左に見える鞍部アルタイン峠Alteinerfürggliを越えればダヴォス谷へ下れますが、逆に北側に延びる尾根の端を回り込むように進むとシェーンベーデンSchönbödenのアルプを経てシースホルンの南斜面を登る道になります。登るにつれて再びヴェルシュトーベル谷が一望でき、その奥に並ぶ山々も顔を出してきます。登り切った場所がシースホルンの南肩にあたるシースホルン峠で、ここから見上げるシースホルンの頂上はもう標高差200m足らずの小山に過ぎません。峠の北側の荒涼とした斜面をアムゼルフルーを正面に眺めつつ下っていくと、徐々に緑が戻って池塘の点在するオーバーゼスObersässのアルプに入ります。右手に見えるマイエンフェルト峠Maienfelderfurgga(これを越えてもダヴォス谷に下れます)からの道と合流したら、正面にアローザの家並みを眺めながらどんどん下っていきます。谷底まで下って吊り橋を渡ったら、歩き始めた道に戻ります。(2006年6月)


ヘルンリ小屋 〜 パルパナー・ロートホルン Parpaner Rothorn (約2時間半)
このページの冒頭記事にあるヘルンリ小屋から更に南へ、山々の肩を縫って歩く高地ハイキングコースです。冒頭記事の出発点ヴァイスホルンから歩き通しても良いですが、インナー・アローザからゴンドラリフトでヘルンリに上ってここから歩き始めることもできます。ヘルンリ小屋前の案内標識に従って、西側に聳えるパルパナー・ヴァイスホルンの北斜面に付けられた道を進んでいきます。途中で右手後方を振り返ると、ヴァイスホルン山塊の手前にウルデン湖が美しい姿を見せています。行く手の鞍部ウルデン峠Urdenfürggliに登り立つと、西側にレンツァーハイデの緑の谷が一望できます。ここから谷に下る道を分けて進路を南に変え、パルパナー・ヴァイスホルンの荒涼とした西斜面に付けられた広い道を進みます。パルパナー・ヴァイスホルンの南側に回り込んだ場所がグレディクス峠Gredigsfürggliで、ここから東に広がるカール谷を下っていけば冒頭記事でご紹介したエルプリ湖畔を通ってインナー・アローザに至りますが、ここは南側に口を開けたトンネルを通って更に南へ進みましょう。トンネルを抜けると登り道が始まり、左手にエルプリホルン、右手にレンツァーハイデの谷を眺めながら池の点在するトートエルプリTotälpliを登り切れば、目指すパルパナー・ロートホルンの山上レストラン(写真)に到着です。レストランのテラスで食事休憩しながらレンツァーホルンアローザー・ロートホルン等の山々の眺めを楽しんだ後は、東側に見えるパルパナー・ロートホルンの山頂まで往復してくるのも良いでしょう。レストランからロープウェイとゴンドラリフトを乗り継ぎ、レンツァーハイデ谷のライ湖畔に下りられます。(2006年6月)



【クール周辺】


ヴァルベッラ Valbella 〜 レンツァーハイデ Lenzerheide
(約1時間)

上記パルパナー・ロートホルンからゴンドラリフトで降り立つ麓駅はライ湖Igl Laiの畔です。目の前の停留所からポストバスに乗れば州都クールに直行できますが、湖畔には遊歩道が整備されていて、北側のヴァルベッラ村、南側のレンツァーハイデ村のどちらへでも手軽な散策を楽しめます。ゴンドラリフト駅から湖畔を左へ進むと、湖の真ん中を突っ切るように遊歩道が続いていて、途中に鱒料理を看板に掲げたレストラン「フォレレンシュトゥーベForellenstube」があります。その先には親水公園があって、林を抜けて車道を南下するとレンツァーハイデ村に入っていきます。十字路を左折すれば村の中心部(郵便局前がバス停)ですが、右折するとシュポルツ谷Val Sporzへ向かう道を上り、間もなく現れるホテル「ラ・パランカLa Palanca」(現在は廃業して別荘として分譲中です)の前にピッツ・シュカロッタス行きのチェアリフト乗場があります。(2006年6月)
この道は1999年6月に「ラ・パランカ」に宿泊した際にも、逆方向で散歩しました。前日に降った雪が周囲の山々を装い、ライ湖の湖面に映える姿(写真)が印象的でした。


ピッツ・シュカロッタス Piz Scalottas 〜 ヴァルベッラ (約2時間半)
上記の元ホテル「ラ・パランカ」だった建物の前からチェアリフトに乗り、標高2,323mの展望台ピッツ・シュカロッタス(写真)に上ります。頂上からは南東側にオーバーハルプシュタインの谷(サヴォーニン方面)やピッツ・エラ、ピッツ・デール等の山々を眺められるほか、西側のヒンター・ライン流域(トゥージス方面)も見渡せます。ここから北へ、広々とした草原の中の道を緩やかに下っていきましょう。右手には常にレンツァーハイデの広い谷と、その向こうにパルパナー・ヴァイスホルン/ロートホルンレンツァーホルン等の山々を眺めながら歩けます。アルプ・ラヴォーツAlp Lavozまで来たら、右手への道を下ってヴァルベッラ村に直接下ると2時間弱のハイキングになります。上手の道を直進すると、クレシュタ・サルトンスCresta Sartonsという小山の脇を経て、アルプ・シュテッツAlp Stätzに至ります。農家小屋後方の丘の上にチェアリフト乗場があって、ここからクールワルデンChurwaldenの村に下りられます。我が家は不覚にもリフトの運行終了時刻に間に合わなかったので、アルプ・シュテッツからサルトンスSartonsの集落を経由してヴァルベッラ村まで歩いて下山しました。ヴァルベッラからポストバスに乗れば、クールワルデンを経由してクールの街に出られます。(2006年6月)


ムッタ Mutta 〜 ドライビュンデンシュタイン山頂 Dreibündenstein 〜 ブラムブリュッシュ Brambrüesch
(約2時間半)

ドライビュンデンシュタインは州都クールの南側に迫っている山で、なだらかな広い頂からグラウビュンデン州西部の山々をぐるっと見渡すことができます。クール市街から中腹のブラムブリュッシュまでロープウェイで上れますが、頂上を目指すなら西側のルートでアプローチする方が楽です。クールから市バスか電車で西のレーツュンス村Rhäzünsへ行き、村の南外れから小型ロープウェイに乗り込んで山上の集落フェルディスFeldisへ。集落を抜けて10分ほど歩いた先の乗場からチェアリフトに乗り換えれば、ドライビュンデンシュタインの西の肩にあたるムッタまで運び上げてもらえます。既に南側にピッツ・プラッタピッツ・ティムンピッツ・ベヴェリン等の山々のパノラマが広がっていますが、草原の中を東へ歩き出してアルプ・ラグータ小屋Berghütte Alp Ragutaの上手の分岐を左折すると、北側のリンゲルシュピッツグラールナー・アルペンの山々も見えてきます。分岐を右折して再び東へ向かい、パルス湖Leg Palusの畔からチョム・アウルタ山Tgom'Aultaの北側を経てテルム・ベル小屋Hütte Term Belへ。ここのテラスでスレッタホルンを眺めながら休憩するのも良いでしょう。小屋から東へ直登すればドライビュンデンシュタインの広い尾根に出ます。グラウビュンデン州の基になった3つの地域同盟の境界点(これが山名の由来)は南側ですが、北側のフルカビュールFurggabüelの方が最高地点です。ケルン(写真)の建つ山頂からは北にオーストリア国境方面、西にグラールナー・アルペンスルセルヴァ谷方面、東〜南にアローザ方面の山々が見渡せます。帰路はスキーリフトに沿って北へ下り、シュプンディスケップフ湖Spundisköpfseeマリクサー・アルプMalixer Alpを経てブラムブリュッシュへ。東にシャンフィック谷を眺めつつレストランで休憩したら、ゴンドラリフトロープウェイをケンツェリKänzeliで乗り継いでクールの街へ下ります。(2013年9月)



※ 各コースの標題末尾の括弧内は、歩行に要した時間です(施設の見学や休憩等に費やした時間を含んでいません)。

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