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おすすめハイキングコース (11)

【アンデルマット周辺】


ゲッシェナーアルプ湖一周 Göscheneralpsee
(約3時間半)

アンデルマットの直下をスイス国鉄のゴッタルドトンネルが南北に貫いていますが、この北側の出口駅がゲッシェネンGöschenenです。西に延びるゲッシェナー谷の奥に向かって駅前からポストバスの便があります。予約が必要なので、最寄りの観光案内所等から申し込んでおきましょう(当日の朝で充分です)。乗る時に帰りのバスを何時にするか訊かれますが、予定より早めの便で帰ることも可能なので、少し時間の余裕をみて申告しておく方が良いと思います。
バスは30分ほどで終点のレストラン「ダマ氷河Dammagletscher」に着きます。バス停から少し道を上るとダムの堤防で、灰緑色の水を湛えたゲッシェナーアルプ湖と、正面に氷河を纏ったダマシュトックの迫力ある眺めが広がります(写真)。ダムを渡って湖を右回りに一周するハイキングに出発しましょう。道は湖の奥に進むに従って200mほど高度を稼ぎ、南東に延びる谷の手前で標高約2,000mに達します。ここはダマシュトックを盟主とするヴィンターベルクの山々が一望できる場所で、休憩に最適。ここから先は湖の最奥に向かって下り道になります。最奥部のフォルダー・レーティVorder Rötiで沢を越えると再び上り道になりますが、湖の北側は斜面の上が広いアルプになっているので道幅も広く、歩きやすいです。最後に急なジグザグ道を一気に下ると、レストラン脇のバス停に戻ります。全体的に、氷河を纏った山々の眺めが歩を進めるに従って少しずつ変化し、楽しめるコースです。
なおダマシュトックの雄姿は、既にゲッシェネンの村からも遠望できます(但し谷底に近い鉄道駅からは見えません)。眺望の点では、ゲッシェネンに滞在する方がアンデルマットより楽しめそうです。(2003年9月)


アンデルマット Andermatt 〜 ゲッシェネン Göschenen (約1時間半)
アンデルマットからゲッシェネンまでは電車に乗ればひと駅、僅か10分余りの距離ですが、シェレネンシュルフトSchöllenenschluchtと呼ばれる峡谷沿いの道は変化があって、手軽な散策に最適です。アンデルマット側からなら下り道なので楽に歩けます。
アンデルマット駅前から線路沿いの車道を軍施設の脇を通って北上します。すぐに山が迫り、線路と並んで半トンネルの道に入ります。トンネルを抜けると、悪魔に架けさせたという伝説で有名な「悪魔の橋Teufelsbrücke」(写真下の橋、上は車道橋で奥は鉄道橋)が見えます。車道から分かれてロシア将軍スワロフの巨大な記念碑を眺めてから「悪魔の橋」を渡り、深い谷と岩壁の眺めを楽しみながら旧道を進みます。再び車道に出会った後は、つづら折りの車道を縫うように遊歩道が続き、車道のトンネルの上を歩く場所もあります。高く聳える岩壁を眺めながら下ると、やがて前方に目指すゲッシェネンの駅が見えてきます。ヘーダーリス橋Häderlisbrückeを渡って車道に合流すれば、ゲッシェネンの村はすぐそこです。(2003年9月)


ティーフェンバッハ Tiefenbach 〜 アルベルト・ハイム小屋 Albert Heim Hütte 〜 アンデルマット (約6時間半)
アンデルマット駅前からフルカ峠越え方面行き(西方向)のポストバスに乗ります。蒸気機関車の煙がたなびくレアルプRealpの村を過ぎると道はどんどん高度を稼ぎ、やがて海抜2,100m余りのティーフェンバッハのホテル前に到着します。ここから草原の斜面を登ってハイキングに出発です。ホテルのすぐ上に絵になる礼拝堂が建ち、フルカ峠方面の眺めを楽しめます。間もなくウルシュナー・ヘーエンヴェークUrschner Höhenwegの広い道を右に分け、山腹を右へ回り込むと、正面に氷河を纏ったガーレンシュトックが姿を現します。歩を進めるに従ってガーレンシュトックとそこから流れ下るティーフェン氷河の眺めが迫力を増し、やがて行く手の岩山の上に目指すアルベルト・ハイム小屋が見えてきます。小屋の標高は2,540m余りありますが、ここまでは広い道が整備されているので、子供連れのハイカーも大勢やってきています。小屋の前からはガーレンシュトックの眺めが最高(写真)。小屋には温かい料理や美味しいケーキも用意されていて、リッチなランチ休憩ができます。
帰りは奥の谷に沿って、北側にヴィンターシュトックの岩壁が迫る岩だらけの道を東へ下ります。ここから見上げると、アルベルト・ハイム小屋が険しい岩山の上に建っていることを実感できます。小川に出会う頃から歩きやすい道になり、美しいガーレンシュトックに背後から見送られながら快適に下っていきます。ウルシュナー・ヘーエンヴェークに再び合流する地点からレアルプへ下れば行程約4時間の手頃なハイキングになりますが、体力に余裕があればそのままヘーエンヴェークを東へ辿りましょう。海抜約2,100mの山腹に付けられた草原の道は見下ろすウルゼレン谷の眺めが素晴らしく、途中にルーター湖Lutersee等の池も現れます。眼下にホスペンタールHospentalの村をやり過ごした辺りから本格的な下り道となり、アンデルマット手前のロイス河畔に下りてきます。ロイス川の土手を暫く歩き、橋を渡ってアンデルマットの村に戻ります。(2003年9月)


オーバーアルプ峠 Oberalppass 〜 フェリリュッケ Fellilücke 〜 ネッチェン Nätschen (約4時間)
アンデルマット駅を出たディゼンティス方面行き(東方向)の電車は、ラックレールで牧草地の山腹をぐんぐん登り、やがて現れるオーバーアルプ湖の奥で氷河特急路線の最高地点オーバーアルプパスヘーエ駅Oberalppasshöhe(写真、海抜約2,030m)に着きます。峠にはレストランが幾つかあり、ドライバーの格好の休憩場所になっています。ここから北側の斜面を登り始めます。眼下に峠を見下ろしながら渓流に沿って登っていくと、行く手に目指すフェリリュッケの鞍部が見えてきます。右手にピッツ・ティアルムスの岩山が迫る荒地を更に登り詰めてフェリリュッケの峠(海抜2,478m)に到着すると、前方にフェリ谷の眺めが一度に開けます。
一息入れたら、西方向の山腹に石畳状に整備された平坦な道を進みます。軍事用?のロープウェイが架かるシュネーヒューエナーシュトックを右手に、放牧されている羊たちに見送られながら歩いていくと、シーイェンシュトックの岩山の下に美しいルーター湖Luterseeが現れます。道は進むにつれて道幅が広がり、車両も通行できる林道になります。前方にダマシュトック方面の氷河と発電用?の風車が近づいた辺りからジグザグの下り道になりますが、南側にゲムスシュトックとカステルホルンが聳え、西側にヴィンターベルクやスーステンホルン方面の氷河が遠望できる展望の良い道です。眼下にアンデルマットの村が見えれば、もう少しでレストランもあるネッチェンの駅。我が家はそのままアンデルマットまで歩いて下るつもりでしたが、ちょうど電車がやってきたので思わず乗ってしまいました。(2003年9月)


サン・ゴッタルド峠 Passo del San Gottardo 〜 ジュービン山頂 Giübin 〜 アンデルマット (約6時間半)
昔からスイスとイタリアを結ぶ交通の要衝だったサン・ゴッタルド峠には、アンデルマット駅前からアイローロ行きのポストバスに乗れば30分足らずで到着します。峠のバス停は池が点在する窪地なので眺望はありませんが、鷲のモニュメントが建つピアッツァ湖畔には博物館があり、峠の交通の歴史などが展示されています。「悪魔の橋」の伝説をアニメにしたスライド上映もあって楽しめます。
峠からは西側のルチェンドロ湖周辺を巡るハイキングコースもありますが、我が家は展望を求めて東へのルートを辿りました。池の脇に延びる舗装道路を進んでいくと、やがてセッラ湖Lago della Sellaダムが見えてきます。ダムを渡って湖の南側の道を選んでも構いませんが、そのまま砂利道の車道を湖畔沿いに歩くと、湖の美しい眺めが楽しめます。湖の奥からはジグザグの登りが始まり、次第に道幅も狭くなります。中腹の牧畜小屋のところで南側の道と合流し、この辺りから氷河を纏ったガーレンシュトックやダマシュトック等の山々も次第に顔を覗かせてきます。ポスメーダ峠Passo Posmedaまで登ると南側の展望が一気に開け、ピッツォ・カンポ・テンチャラインヴァルトホルンも望めるようになります。但し、目指すジュービン山頂までは更に尾根伝いに200m程の高度差を登らなくてはなりません。途中に少しだけ大岩ゴロゴロのガレた斜面を渡る箇所がありますが、慎重にこれを越えれば、ジュービンの直下にある牧畜小屋に到着します。頂上はすぐそこですが、眼下のセッラ湖の向こうに聳えるフィンスターアールホルンやラウターアールホルンを眺めながら休憩するのに格好の場所です。標高2,776mのジュービン山頂には立派なケルンが建っていて(写真)、360度のパノラマが楽しめます。見える山々はアンデルマットからロープウェイで上がれるゲムスシュトック山頂と同様ですが、自分の足で登って眺める景色には感慨深いものがあります。
山頂下の道に戻ったら先へ進みますが、ここからアンデルマットまで4時間はみておくべきなので、時間が無かったり疲れていたら来た道を引き返す方が無難です。セッラ峠Passo della Sellaから谷へ下りますが、ここは岩だらけで緊張の連続。でもガレ場を下り切ってしまえば、後は広い谷の中腹に広がるアルプの道で、両側に聳える山々を眺めながら気持ち良く歩いていけます。羊の群れに出会ったら、フェルミゲル小屋Vermigelhütteが近い証拠。小屋から先は車の通れる広い道になりますが、ウンターアルプUnteralpと呼ばれるこの谷はまだ延々と続きます。途中に集落は無く、牧畜小屋が点在するだけ。小屋にはマリア像が飾られていて(中には自然岩に彫られたもありました)、カトリック信仰の厚い土地柄が分かります。谷が狭くなって農家が見えてくれば、そこがアンデルマットの村外れ氷河急行の通る線路を見上げながら進むと、ホテル・モノポール・メトロポールの裏手に下りてきます。(2003年9月)


アルペ・ペシューム Alpe di Pesciüm 〜 アラックア All'Acqua (約5時間)
ガスがかかりやすいアンデルマット周辺に比べ、サン・ゴッタルド峠を越えた南のティチーノ州側は晴天率が高く、雨上がりの日などは狙い目です。ゲッシェネンからの電車が長いゴッタルドトンネルを抜けてアイローロAiroloの街に着いたら、駅から左回りに車道脇を20分ほど歩き、谷の南側にあるロープウェイ乗場へ向かいます。ロープウェイに乗れば数分で中腹のペシュームに到着。ここには小さなレストランがあり、東へ歩けばレヴェンティーナ谷の下流に向かってトレモルジョ湖に至るハイキングコース、西へ歩けばベドレット谷Val Bedrettoの奥に向かうアルプの道Strada degli Alpiです。どちらも捨て難いところですが、我が家は後者を選びました。
海抜1,800m前後の山腹に付けられた平坦な道で、大部分は車も通れる道幅があります。右手の谷の反対側にサン・ゴッタルド峠に向かう車道を眺めながら、明るい森とアルプ(放牧場)が交互に現れる中を進んでいきます。アルペ・クリスタリーナAlpe di Cristallinaの辺りまで来ると、背後に聳えるマドーネ山が美しい姿を見せてくれます。この先は右手にピッツ・ロトンド等の岩山が次第に迫り(写真)、アルプも静けさを増してマーモットが顔を出すようになります。但し、左手の山中は軍の演習場で、ところどころに見張り役の兵が立って「道を外れなければ安全」と親切に教えてくれますが、腹に響く砲撃の音を聴きながら歩くのは余り気分の良いものではありません。アルペ・ヴァレッジャAlpe di Valleggiaから森の中を下ってロンコRoncoの村に出るのが一般的なようですが、我が家はバスの時間を睨みながら更に40分ほど谷奥へ歩き、一軒家レストランのあるアラックアで車道に出ました。ハイキング道は更に遥か西のコルノ・グリース小屋方面まで続いています。
ここからポストバスでアイローロに戻れますが、時間が合えば是非とも反対方向行きのバスに乗ってみましょう。美しい谷奥を登り詰めたバスはヌフェネン峠Nufenenpassで30分間ほど停車します。峠からはグリース氷河が間近に眺められるほか、フィンスターアールホルンやラウターアールホルンの眺めも抜群です。峠の少し下からグリース湖に向かうハイキングもオススメです。この先バスはゴムス谷へ下り、ウルリッヒェンUlrichenまたはオーバーヴァルトOberwaldの村で電車に乗り換えれば、フルカトンネルを通ってアンデルマットへ戻れます。(2003年9月)



※ 各コースの標題末尾の括弧内は、歩行に要した時間です(施設の見学や休憩等に費やした時間を含んでいません)。

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