2010年11月4日 「戦争と平和を考える講演会」

 2010年11月4日、「大田たまがわ九条の会」主催の「戦争と平和を考える講演会」が下丸子の区民プラザ小ホールにて開催されました。
 ウィークデーの木曜日の開催にもかかわらず、会場は198名の参加者で満席となり、スタッフの殆どは立席での聴講となりました。
 講演の前には、森川峰子さんの「落葉松(からまつ)」などの独唱で、心がなごみました。

 続いて登壇した小森さんは文学者として、井上ひさしさんの『ボローニァ紀行』を題材に「7つの道」にまとめた解説を中心に、井上ひさしさんの人と作品について講演しました。小森さんのユーモアを交えたお話で会場は笑いの渦に包まれる場面が何度もありました。
 井上ひさしさんの平和への思いが心にひびいた講演だったと思います。

  7つの道
1.社会的協同組合により問題解決を図る
2.古いものを新しく生かす
3.歴史認識と記憶
4.討論することで市民になっていく
5.人間社会は演劇である
6.日常(平和)をしっかり大事にして楽しむ
7.労働を大事にする

 講演の終了後、参加者に「九条の会アピール」への賛同署名と、カンパの訴えなどが行なわれました。その結果、賛同署名は6筆集まり、カンパは32,153円集まりました。アンケートには43人の方から回答をいただきました。
 皆さんのご協力に感謝いたします。                            (文責:小林)

 

 

 

井上ひさし 人と作品」の感想

下丸子 Y

 井上作品に通底する社会批判とユーモアの魅力を知り尽くした小森氏の話は、もう、ただ、ただ楽しかったです。
 「吉里吉里人」にみる<常識の転倒>は、井上ひさしの考え方の要であること、平和というのは、当たり前の日常があってこそのもの。演劇という、くり返されない一回性は、イコール人間社会の営みそのもの。ロングランの「父と暮らせば」には、生き残った娘の影が父親で、その姿を借りて過去と向き合っていく娘を描いたという。これを<歴史認識と記憶>というキーワードでくくる所もまた興味深い。
 いずれも、井上ひさしが憧れた「ボローニャ精神」に沿った話だったが、<討論>の中で考え、市民になっていくことを理想とした「ひょっこりひょうたん島」もまた、私たち世代に勇気をもらった作品だったという話には、大いに共感しました。

 

 

 

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小森さん、井上ひさしさんのプロフィールはこちら

 

会場でのスナップ

受付を開始 参加者が続々と

世話人の若林さんが開会の挨拶

ソプラノ独唱:森川峰子さん ピアノ伴奏:池内実和子さん

小森さんが登壇

題材は井上ひさしさんの『ボローニァ紀行』

七つの道は、、、、 会場は満席

ユーモアもたっぷり

後ろには立席も
終了後の販売コーナ 打ち上げ会で祝杯 奥が小森さん

みなさんありがとうございました

 

ンケート集計結果 その1

ご意見、ご感想

語り口はユーモアを交えたものだったが、内容は非常に深いものがあり、井上ひさしの平和(日常とも表現されていましたが)に架ける思いというものが良くわかりました。
 井上ひさしの戯曲を読んでみたい。芝居を見てみたいという感想を持ったことは、小森さんの説得力の素晴らしさによるものだと思います。全く門外漢の妻も、いい講演会だと言ってましたヨ。

井上ひさしさんの素晴らしさを再認識できました。井上さんは天才です。深い思慮に敬服!!
 小森先生の「ボローニァ紀行」の7つの道の意味の解説は私たちの歩むべき道を指し示してくれたように思いました。
 日常の大切さ、人と人の関係性の大切さ、この基本に立ち返り、話し合いを重ねることで道はつながっていくことを知りました。また井上作品を読み直そうと思います。
 「笑い」についての質問も、人と人の関係があってこその「笑い」であるということに気付かされ、感動しました。
 直球の「憲法」の話も必要ですが、今回のような、文学性のある話もとてもよいと感じました。笑いによってとても会場がなごみ、一体感がもてた気がしました。
 森川さんの歌がとても素敵でした。特に「落葉松」。また聞きたいです。

ひょっこりひょうたん島以来の井上ひさしさんファンの私は、それが縁で9条の会に興味をもちました。年は(多分)小森氏と1才違い----私も高校で紛争をし先生を批判したり 日本の将来を憂いたり、よくあんなパワーがあったものだと今は懐かしくなったりもします。
 今日のお話をうかがって、やはり、あの頃とまではいかなくても、私なりの活動をしていかなくてはと思いました。うかがってよかったです。

・歌唱に心癒され、涙が出て、ピアノもやわらかくすてきだった。
・井上ひさし氏の作品をいくつか読ませてもらったが、劇場まで足を運ぶ余裕もなく今日まできた。
・今日はいつもと違い光をあてる角度をかえての構成 いいですね。 ありがとうございました。 一粒、一滴になって九条を守りたい。

本日の質問も一番聞きたかったことで、その質問に対する小森さんのお話も又よかったです。たいへんすばらしく感動的な講演でした。
 コーラスでお世話になっていた森川先生、池内さんもとても美しかったです。心ゆたかになりまして、花束を贈りたい気持ちにんなりました。

私は長野市で9条の会に入っています。大田区に住む娘が出産し、手伝いに来ていました、我が街かわら版を見て、参加したくなって参加させて頂きました。
 参加して本当によかったと思います。長野に帰って今夜のことを話したいと思います。長野でも小森先生のお話をお聞きしましたが大ホールでした。今夜、表情を見て話が聞け本当に良かったです。

井上ひさしさんの本はまったく読んでいませんでしたが、井上さんの書こうとしていた気持を今夜小森さんが詳しく話されてくれました。小森さんが書かれた解説本の「ボローニァ紀行」を最初に読んでみたくなりました。
 討論が大切だと中で話されていましたが、日本人にはそれが弱いのが、小森さんの話の中にありました。憲法を守るこれからの活動の中には討論が必要であること、討論には知識が必要であることがわかりました。

・井上文学を通して人間を考える、何を守り、大切にするのか。
・又、戦争、「父と暮らせば」等、何を訴えようとしているのか分かりました。「ひょっこりひょうたん島」は大人になってから作者を知り、あんなに夢中で楽しいテレビ番組は今でも歌と共に思い出されます。とても引き込まれる話の深さ内容で、何度も聞きたくなりますネ。時間を忘れた位です。
・笑いについて、笑いは人間の持つもの大切なもの、人と人の関係が出来てないと笑えないものである。

井上ひさしさんの生き方をこのように語られるのを聞いてもう一度「ボローニァ紀行」を読もうと思いました。今日は小森さんの話を聞きたいと思って来ました。たったの700円で---。大変感謝しています。
 日本の良心「井上ひさしさん」と思ってましたが、勿論、小森さんもそのお仲間で、私ははしっこにつながりたい、一つの炎に---と思いました。ありがとうございました。
 すてきな美しい歌うれしかったです。からまつ、それだけでもきた甲斐がありました。とにかくたった700円でこの豪華な内容にびっくりでした。こんな企画ならいつでも優先順位一位にしたいです。

 井上ひさしさんに興味があったので来ました。「九条の会」主催というのが(どんな会か知らないので)こわかったのですが、お話が聞きたくて来ました。
 「戦争と平和」という具体的な言葉にグイグイと押されるような集まりでは腰が引けてしまいますが、このような文学、それも多くの人々がいつも作品を心待ちにしている作家さん(発起人)なら素直に集まれます。子育ての中ですので、みなさまの趣旨や本日の話を断片的でも子供達に伝えようと思います。ありがとうございました。

・いつ聞いても小森氏の話はすばらしい。特に、最近「ボローニァ紀行」を読んだので感銘深いものがあった。
戦争・平和と文学がこのように成り立つのであれば、音楽、スポーツ、技術-----等も考えられるのではないか?
・それにしても、若い人にも聞かせたいと、つくづく思った。

 小森先生の話は、とても人間的に心にひびいたお話でした。又ぜひお話伺いたく思いました。井上ひさし先生のお人柄とても良くみえる様でした。小森香子さんのご本も読んでおりましてとてもステキな親子さんデスネ。

 小森陽一さんのお話は、非常にわかりやすく、また、平和という事に対しての取り組み方の参考になる内容でした。そして、井上ひさしさんの人間性に改めて興味を持ちました。

 小森先生の巧みなお話の運び方で、大変興味深く聞かせて頂きました。今日の演題にもしっかり迫ってよい講演でした。ありがとうございました。

 小森さんの話、「ボローニァ紀行」から話をはじめたのが大変良かった。ボローニァに私も2回行ったが井上さんのみかた「人」をかむ最良の作品だと思いました。

 とても素晴しい講演でした、井上ひさしさんと小森先生の思いがひしひしと伝わって来ました。日常と平和を考えていく大切さを改めて感じました。森川先生の歌も素晴しかったです。ありがとうございました。

 井上ひさしさんの人と作品を語りながら小森さんの考え方と大変良く表現した講演で大変良かった。ボローニァ紀行を含め、井上さんの作品をよく読みたいと思う。

 日常とくらしの大切さを、とてもわかりやすく楽しく聞かせて頂いて、本物の「戦争と日常のくらしの違い」を教えて頂きました。

 人間とは何かを井上ひさしの作品「ボローニァ紀行」を通して話かけて頂き、改めて平和=日常の有難さを感じました。

 小森さんの言葉はとても勉強になったし、生きるヒントを与えられた。とくに最後の「何でも笑う」という言葉は大変良かった。

 心に響く講演でした。もっと井上ひさしという人を知りたい。

 親しんできたTVお芝居などについて、さらに深く見えるよう思える気がします

 歴史を語りつぐことの意味、笑いの大切さが、わかりました。

 井上文学の深さやおもしろさが憲法の意味と結びついていることがわかるよい講演だった。

 大変わかりやすく興味あるお話でした。

 とてもいい企画でした。今後も期待しています。

 他の一般的話ばかりだった、ピアノ伴奏が上手だった。

 6時半という開演時間は遅い、(今夜は更に10分おくらされた)

今後の企画について

 直球の「憲法」の話も必要ですが、今回のような、文学性のある話もとてもよいと感じました。笑いによってとても会場がなごみ、一体感がもてた気がしました。

 コスタリカの話----軍隊を持たない国という以上の知識がない。このことが可能になった理由、背景などを様々な側面から知りたい

 すてきな美しい歌うれしかったです。からまつ、それだけでもきた甲斐がありました。とにかくたった700円でこの豪華な内容にびっくりでした。こんな企画ならいつでも優先順位一位にしたいです。

 憲法は日本人の基本的人権の重要な柱です、平和という大きなテーマだけでなく、生活に密着した話を深めていきたいと思います。

 靖国神社と憲法九条の関係での議論なり、討論を希望します。

 いつも様々な講演会・音楽の企画をして下さり、ありがとうございます。

 日本軍・慰安婦をとり上げて欲しいです。

 文化・くらしを大切にするお話をたくさんききたいです。

 ことばのいじめ対策

 

アンケート集計結果-その2

 

 

 

以下は開催前のご案内です。

 

戦争と平和を考える講演会

 今年の「秋の講演会」は、9条の会事務局長の小森陽一さんに文学者として、今年4月に亡くなられた『ひょっこりひょうたん島』や『父と暮せば』などの作者井上ひさしさんの「作品」と「人間像」について語ってもらい、戦争と平和を考える機会にしたいと思います。

 皆さん、お誘いあわせのうえ、11月4日(木)「戦争と平和を考える講演会」にご参加ください。

チケットの購入希望の方は、info_ota_tama9@yahoo.co.jp 宛に連絡をください 

 

 

小森陽一(こもり・よういち)さんのプロフィール

1953年、東京生まれ。
 北海道大学大学院文学研究科博士課程修了。成城大学助教授を経て、現在、東京大学大学院総合文化研究科教授。日本近代文学専攻。九条の会事務局長。
 『漱石を読みなおす』(ちくま新書)、『日本語の近代』(岩波書店)、『歴史認識と小説――大江健三郎論』(講談社)、『村上春樹論』(平凡社新書)、『心脳コントロール社会』(ちくま新書)、『ことばの力 平和の力』(かもがわ出版)、『戦後日本は戦争してきた』(共著、角川Oneテーマ21)、『天皇の玉音放送』(朝日文庫)、『米原万里を語る』(共著、かもがわ出版)、『大人のための国語教科書―あの名作の“アブない”読み方!』(角川Oneテーマ21)、『漱石論―21世紀を生き抜くために』(岩波書店)など著書多数。

 

井上ひさしさんのプロフィール

 上智大学外国語学部フランス語科卒業。在学中から台本を手がけ、放送作家として執筆活動をスタートする。64年には、NHKの連続人形劇『ひょっこりひょうたん島』(共作)の台本を執筆し、その後、戯曲、小説、エッセイの分野にも活動の場を広げ、直木賞をはじめ数多くの賞を受賞。主な戯曲に『日本人のへそ』『頭痛肩こり樋口一葉』『父と暮せば』『人間合格』『ムサシ』『組曲虐殺』など。ベストセラーには小説『ブンとフン』『青葉繁れる』『吉里吉里人』『四千万歩の男』『東京セブンローズ』などがある。
 これらを通し、戦争と平和、社会や人間の問題など重い課題をやさしく、笑いを誘いながら提起してきた。憲法九条を大の親友として守るため、九条の会の呼びかけ人となる。

 

井上ひさしさんを悼む  "父と暮せば"     投稿 by 千鳥 K.I

 この芝居は映画にもなって、今年の8月に見たのは3度目でしたが、話の筋はもう分かっているのに、どうしても涙がこぼれます。
 広島の原爆で親友を失い、父をもまた、自分の目の前で家の下敷きになり焼け死ぬのを助け出せなくて、父の必死の願いを容れて、置き去りにして逃げざるをえなかった娘。

 その娘が好きな人が出来たのに、生き残った申し訳なさ、父を見殺しにしたという罪悪感から自分の幸せを求めようとはしないのです。それを歯がゆく思った亡くなった父親が、ユーレイとなって娘を励まし、恋の応援団になるのです。
 戦争で理不尽にも死んでいかねばならなかった人は、後に残る自分の大切な人にどんな思いであったろうか。“むごい別れがまこと何万もあったちゅうことを”憶えて伝えてほしい。そして”わしの分まで生きてちょんだいよォー“だったに違いない。あの戦争の後に生きるすべての人は、命と引き替えに託されたこの思いを引き継いで、二度と戦争をしない世の中にむけて努力する責任がある。死者たちの分まで幸せに生きる責任がある。今のわたし達はそういう責任を果たしているか、と井上ひさしは問いかける。