イ チ リ ン ソ ウ の 仲 間

  キンポウゲ科のイチリンソウ属の仲間は、イチリンソウとイチゲの仲間に分けることが出来ます。

イチリンソウの仲間
イチリンソウ・ニリンソウ・サンリンソウ
イチゲの仲間
ハクサンイチゲ・シコクイチゲ・アズマイチゲ・キクザキイチゲ・ユキワリイチゲ・ヒメイチゲなど

イチリンソウ・ニリンソウ・サンリンソウ

茎につける花の数から1本がイチリンソウ、2本がニリンソウ、3本がサンリンソウと捉えられがちですが、これは正確ではありません。

イチリンソウは山麓の草地や林内に生える高さ20-25cmの多年草で、花は茎先に1個だけつけ、直径3−4cmとニリンソウ・サンリンソウに比べ大きい花です。
花弁に見えるのはガクで、通常5−6枚。ガク片の裏は紫色を帯びることがあります。
茎葉は3枚が輪生し、長い葉柄をもっています。イチリンソウとニリンソウは同じ場所に生育することも多く、葉柄があることと花が大きいことで、ニリンソウとは用意に区別できます。

ニリンソウは地下茎で増えるので群生することが多いようです。根生葉は長い柄がありますが、茎葉は3枚が輪生し、葉柄がないのが特徴です。
花は直径1.5-2.5cmの白色または淡紅色の花弁のようなガクを5-8枚つけます。普通は1本の茎から2本の花茎を伸ばして、それぞれの花茎のさきに1個づつの花をつけますが、個体差が大きく、花茎が1本の場合も3本ある場合もあります。

サンリンソウは、高山や亜高山の落葉樹林内に多く、ニリンソウより高度の高い地域に生育しています。花はニリンソウと区別が難しいほど酷似していますが、茎につける3枚の輪生した葉に柄があることが大きな違いです。
花は、茎の頂に2−3本の花茎を伸ばして、花茎の先に1個ずつつけます。

ハクサンイチゲとシコクイチゲ

ハクサンイチゲは、1茎に2-6個の花茎を出し、その先に1輪づつ直径2-3.5cmの白い花をつけます。茎葉は4枚で茎を取り囲むようにつけます。茎上部につく葉には柄はありませんが、根生葉には長い柄があります。
茎葉は、先端で4-6個に中裂し、根生葉はもっと深く裂けます。花に見えるのはガク片で5-10枚の白色で中央に黄色いオシベ群とその中央に緑色又は褐色のメシベ群がある。
変種として、全体に小さく、茎に1輪しか花茎をつけないヒメハクサンイチゲ、ガク片が緑色になるミドリハクサンイチゲがあるそうです。
中部以北の高山に生育するハクサンイチゲとは別種とされる四国に生育するシコクイチゲは、花茎にも茎葉がつきハクサンイチゲに比して花茎の数が多いとされています。

キクザクイチゲ・アズマイチゲとユキワリイチゲ

花弁にみえるのはガク片で線状長楕円形、大きさは3-4cmくらいでよく似ています。花の色はアズマイチゲは白色で基部と裏面がやや紫色を帯びるのに対し、キクザキイチゲは白色から紅紫色まで様々です。ユキワリイチゲは白色から淡紅紫色となります。
ガク片の数はアズマイチゲとキクザキイチゲが10-13枚。ユキワリイチゲは10-20枚と少し多いようです。
決定的な区別方法は、葉にあります。
アズマイチゲの茎葉は3個輪生し、3出複葉で小葉は先で3-5に浅く裂けますが、先端は丸みを帯びています。
キクザキイチゲの茎葉も3個輪生しますが、菊の葉のように羽状に深裂し小葉はさらに細かく裂けています。
ユキワリイチゲの茎葉も3個輪生しますが、ひし形のような葉で、小葉の縁には少し深い切れ込みのような鋸歯があります。
分布はアズマイチゲは全国の落葉樹林内の林縁、キクザキイチゲは北海道と近畿以北の本州、ユキワリイチゲは近畿地方以西の本州と四国九州となっています。

ヒメイチゲとエゾイチゲ

ヒメイチゲは北海道と本州中部以北の高山から亜高山に生育し、茎葉は3個輪生し、それぞれの葉は3全裂し裂片は細長く鋸歯があります。
エゾイチゲは本州東北から北海道に生育し、茎葉は3個輪生し、それぞれの葉は3全裂しますが、裂片は楕円形で先端に僅かな鋸歯があります。
花に見えるのはガク片で、5-7枚の白色でヒメイチゲは直径1cm、エゾイチゲは1.5-2cmとエゾイチゲの方がやや大きいようです。


















イチリンソウ
ニリンソウ
サンリンソウ
ハクサンイチゲ
シコクイチゲ
キクザキイチゲ(白花)
キクザキイチゲ(青花)
アズマイチゲ
ユキワリイチゲ
ヒメイチゲ
エゾイチゲ