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11月のニュース

社会保障の機能強化に向けた消費税引き上げ、諮問会議が大筋で合意(2008.11.30,22:25)資料

ARB配合剤で武田とノバルティスが同時承認、プレミネントに次ぐ 厚労省・医薬品部会(2008.11.30,22:25)資料


便秘薬・制酸剤の酸化マグネシウムで死亡例、高マグネシウム血症 長期投与に注意促す 厚労省・医薬品安全性情報(2008.11.27,22:55)資料

イマチニブ抵抗性慢性骨髄性白血病薬2成分・新作用機序の抗HIV薬の承認を了承 厚労省・医薬品部会(2008.11.27,22:55)


08年7月概算医療費3.6%増、累計2.0%増 入院外の伸びの低さ際立つ MEDIAS(2008.11.26,22:55)資料


社会保障の機能強化と安定財源確保の中期プログラム、「中福祉・中負担」目標 年末に策定(2008.11.25,21:25)資料


医療・介護費国庫負担を1.9兆円増加、民主党が総選挙マニフェストで予定 対GDP比9.4%に(2008.11.24,22:50)


医業経営把握は決算データで、中医協が医療経済実態調査で使用を検討へ(2008.11.20,21:50)資料


ケアミックス型病院もDPCの対象、中医協が方針決定 急性期病院との違いはない(2008.11.19,22:05)資料

DPC病院の新係数、中医協・小委で議論開始 症例数・標準レジメンに応じた評価など(2008.11.19,22:05)資料


社会保障制度に不満が63%、満足度は医療制度が最も高い 国民意識調査(2008.11.18,22:35)資料


来年の医学部定員は693人増の8486人、過去最大を200人上回る 9月時点の計画を文科省が集計(2008.11.17,21:45)資料


社会保障充実への改革シミュレーション実現へ、厚労行政あり方懇が引き継ぐ(2008.11.16,21:35)資料


医薬分業の意味は薬剤師が患者を対象とする業務に変わったことにある、医道審分科会で医師が発言(2008.11.13,22:50)

医道審議会に薬剤師分科会設置 国家試験と行政処分を審議 厚労省(2008.11.13,22:50)資料


DPC病院の適切性ヒアリング ケアミックスでDPC病床が少ない・異常に高い治癒率・標準レジメンの少なさ DPC分科会(2008.11.12,21:55)資料

一般用薬の通信販売規制は撤廃すべき、政府の規制改革会議が見解(2008.11.12,21:55)資料


レセプト請求数 病院が9000を割る、診療所は増加 支払基金07年度(2008.11.12,2:35)資料


ビスフォスフォネート剤 適正服用できない理由の7割が「飲み忘れ」、週1回製剤に多い 日薬調査(2008.11.10,23:50)


DPC病院の後発医薬品使用促進、新機能評価係数の指標に位置づけ 厚労省(2008.11.10,1:00)資料

DPC「新機能評価係数」 手術症例数・GL診療・後発品使用・患者重症度と平均在院日数・4疾病5事業など指標に(2008.11.10,1:00)資料


後発医薬品、DPC病院の入院での使用促進に診療報酬評価も 厚労省・木下経済課長(2008.11.6,22:45)資料

未妥結仮納入、残り3割の対応を乗り切ればユーザーとの関係も変わる 厚労省・木下経済課長(2008.11.6,22:45)資料


未妥結仮納入、引っ張れば有利を変えねば解決しない 厚労省・流通改善懇で私大側(2008.11.6,1:10)資料


社会保障番号制の導入検討を提言、受益と負担を理解し議論するため 社会保障国民会議が最終報告(2008.11.4,21:40)資料


医療・介護費、抑制に決別し23%上乗せ、改革シミュレーションで社会保障国民会議(2008.11.3,22:40)資料

社会保障部門の負担増は確実に給付で戻す、非社会保障部門と厳密に区分経理(2008.11.3,22:40)資料




社会保障の機能強化に向けた消費税引き上げ、諮問会議が大筋で合意(2008.11.30,22:25)資料

基礎的財政収支の黒字化は努力目標に(医療行政:制度改革)

 政府の経済財政諮問会議は11月28日、「中期プログラム」としての「税制抜本改革」について審議、民間議員が提出した「持続可能で安心が確保された社会保障制度」構築のため消費税を軸に安定財源を確保すること、国民の負担増は社会保障給付にあてすべて国民に還元すること、多年度の減税・増税を一体的に法定すること、などの考え方について大筋で合意しました。

 これにより、消費税の引き上げ分を財源として、社会保障制度の充実・機能強化を図るという方向がほぼ固まったことになります。
 ただ、税制抜本改革の中で行う消費税の引き上げの時期、引き上げの幅、目的税にするのか、目的税化という形にするのか、抜本改革としてどのような法律にするのかなどの議論はこれからです。
 抜本改革には、消費税のほかに所得税と資産課税の見直し、法人税の引き下げが含まれています。

 諮問会議はまた、平成21年度予算編成の基本方針を了承、今週中に閣議決定されることとなります。
 基本方針は、中期プログラムの考え方に基づくもので、経済対策を最優先するものとし、「国・地方の基礎的財政収支を平成23年度までに黒字化させる」ことについては努力目標にとどめています。
 社会保障の安定財源の確保のための消費税引き上げを含む税制抜本改革については、「2010年代半ばまでに段階的に実行する」ものとしました。

 社会保障についての具体策は「国民生活と日本経済を守るための予算の重点化・効率化」の中で位置づけています。
 医療については
(1)産科・小児科をはじめとする医師不足への対応
(2)救急医療や周産期医療体制の整備
(3)地域の中核的医療機関としての大学病院の機能の充実
(4)長寿医療制度の見直しを検討
(5)難病対策を一層推進
(6)新インフルエンザ対策の強化
(7)薬害再発防止のための取り組み
(8)革新的医薬品・医療機器等の開発・普及
をあげています。

 また、介護については、09年度(平成21年度)介護報酬改定で3.0%の引き上げを行い、介護従事者の処遇改善と介護・福祉人材の確保に向けた取り組みを行うこととしています。

 一方、厚生労働省がまとめている「医療・介護サービスの質向上・効率化プログラム」の実施をあげ、効率化にも取り組む姿勢を示しています。
資料1:税制抜本改革について(11.28有識者議員提出資料)(経済財政諮問会議)
資料2:平成21年度予算編成の基本方針(経済財政諮問会議)
資料3:11.28会議後記者会見要旨(経済財政諮問会議)
資料4:11.28会議配布全資料(経済財政諮問会議)


ARB配合剤で武田とノバルティスが同時承認、プレミネントに次ぐ 厚労省・医薬品部会(2008.11.30,22:25)資料

3番目の中心窩下脈絡膜新生血管伴う加齢黄斑変性症薬も(医薬品:承認審査)

 厚生労働省の薬事食品衛生審議会・医薬品第1部会は11月28日、ノバルティスファーマのVEGF阻害剤で「中心窩下脈絡膜新生血管を伴う加齢黄斑変性症」治療剤「ルセンティス硝子体内注射液(一般名:ラニビズマブ(遺伝子組み換え))」の承認を了承しました。
 また、ARBとヒドロクロロチアジドの配合剤として、ノバルティスファーマの「コディオ配合錠」と武田薬品の「エカード配合錠」の承認が了承されました。万有製薬のプレミネントに次ぐものです。

 ルセンティスは、加齢黄斑変性の脈絡膜新生血管の発生に関与するVEGF(血管内皮増殖因子)と複合体を形成することでVEGFの作用を抑制し、そのことによって新生血管の発生と進展を抑制するものです。効果についての評判はよいとされます。海外では77ヵ国で承認されています。希少疾病医薬品で再審査期間は10年です。
 同じ適応症の既存薬が2品目あるため薬事分科会は報告品目となります。

 ノバルティスファーマは、前回の部会で了承された気管支ぜんそく治療剤「ゾレア皮下注用」について、名称のまぎらわしさの指摘があったことを受け名称変更を申請、そのため、この日の部会で改めて審議、変更が了承されました。ただし、薬事分科会でも審議事項とされています。

 ARBの配合剤は、ノバルティスファーマがバルサルタン、武田薬品はカンデサルタンシレキセチルで、再審査期間はともに6年です。

 大日本製薬がてんかん治療剤ゾニサミドをパーキンソン病の新効能・新用量医薬品として開発した「トレリーフ錠」、グラクソ・スミスクラインが眼瞼けいれん用薬「ボトックス(一般名:A型ボツリヌス毒素)」を「65歳未満成人の眉間の表情皺」の新効能・新用量医薬品として申請した「ボトックスビスタ注用」の承認も了承されました。

 このほか、グラクソ・スミスクラインの気管支ぜんそく治療薬「アドエアディスカス」について、同250が「慢性閉塞性肺疾患」の新効能・新用量医薬品として、また気管支ぜんそくとしては同100が小児用量として、同50エアー120吸入用が新剤形による小児用量として、それぞれ承認が了承。
 糖尿病用薬の「セイブル錠」(三和化学)、「ファスティックス錠」(味の素と「スターシス錠」(アステラス製薬)、「アクトス錠」(武田薬品)について、それぞれに他剤との併用療法追加の承認が了承。
 杏林製薬の潰瘍性大腸炎治療薬「ペンタサ錠」について、活動期の最大用量の追加の承認が了承となりました。
参考資料:滲出型加齢黄斑変性症治療薬「ルセンティス」を日本で承認申請(ノバルティスファーマ)


便秘薬・制酸剤の酸化マグネシウムで死亡例、高マグネシウム血症 長期投与に注意促す 厚労省・医薬品安全性情報(2008.11.27,22:55)資料

4500万人が使用、併用薬なしで重大症状発現(医薬品:安全性情報)

 厚生労働省は11月27日、医薬品・医療機器等安全性情報No.252で、便秘薬や制酸剤として古くから広く使われている「酸化マグネシウム」で、「高マグネシウム血症」が現れる事例が最近の3年あまりで15例あり、うち2例が死亡例であったことを明らかにし、使用上の注意に「重大な基本的注意」と「重大な副作用」を設定、長期投与の場合に注意するよう医療関係者に対し呼び掛けを行いました。

 酸化マグネシウムは1950年から使用されており、現在の年間使用者数は4500万人と推定されています。
 認知症のため施設入所中であった80代女性は、便秘症のため酸化マグネシウムを2.0グラム投与(投与期間は不明)され、突然に大量の下痢を起こし意識消失で救急搬送、各種手当が行われたものの、高マグネシウム血症により死亡。併用薬はなしです。

 近くの医師から定期的な往診を受けていた90代の女性は、自力歩行も可能で認知症もなかったものの、酸化マグネシウム1日1.5グラムの投与を長期(少なくとも1年以上)にわたって受けていたところ、食欲不振から次第に活気がなくなり意識レベルも低下して入院、高マグネシウム血症に対し血液透析を繰り返し行った結果、検査値は正常化、意識レベルも回復しました。

 重大な基本的注意では、「長期投与する場合は定期的に血清マグネシウム濃度を測定する」こととし、重大な副作用には「高マグネシウム血症」を記載、その中で「呼吸抑制、意識障害、不整脈、心停止に至ることがある」としました。
資料:医薬品・医療機器等安全性情報252号(厚労省)


イマチニブ抵抗性慢性骨髄性白血病薬2成分・新作用機序の抗HIV薬の承認を了承 厚労省・医薬品部会(2008.11.27,22:55)

NNRTI耐性のHIV感染症に効果の新NNRTIも(医薬品:承認審査)

 厚生労働省の薬事食品衛生審議会・医薬品第2部会は11月27日、慢性骨髄性白血病治療薬イマチニブ(グリベック:ノバルティスファーマ)に抵抗性の慢性骨髄性白血病を適応とする新薬2成分、また、新作用機序の抗HIV薬1成分、NNRTI(非核酸系逆転写酵素阻害剤)として4番目の抗HIV薬1成分の合計4成分の承認を了承しました。

 イマチニブ抵抗性の慢性骨髄性白血病治療薬は、ノバルティスファーマの「タシグナカプセル(一般名:ニロチニブ塩酸塩水和物)」と、ブリストル・マイヤーズの「スプリセル錠(ダサチニブ水和物)」で、作用機序は同じです。
 タシグナカプセルの効能効果は「イマチニブ抵抗性の慢性骨髄性白血病または移行期の慢性骨髄性白血病」です。海外45ヵ国で承認済みです。
 一方、スプリセル錠の効能・効果は「1.イマチニブ抵抗性の慢性骨髄性白血病、2.再発または難治性のフィラデルフィア染色体陽性急性リンパ性白血病」となっています。海外50ヵ国の承認です。効能・効果の違いは、臨床データの違いによるものです。
 ともに全例調査が承認条件で再審査期間は10年、薬事分科会では報告品目となります。

 新作用機序の抗HIV薬は、ファイザーの「シーエルセントリ錠(一般名:マラビロク)」で、「CCRS指向性HIV-1感染症」を効能・効果としています。
 CCRSはHIVが細胞に侵入する際の足掛かりとなる補受容体で、これを阻害しHIVが細胞に入るのを防ぐというものです。海外33ヵ国で承認済みです。
 全例調査が承認条件で、類薬がないため薬事分科会の審議品目、再審査期間10年です。

 NNRTIはヤンセンファーマの「インテレンス錠(一般名:エトラビリン)」で、効能・効果は「HIV-1感染症」です。他のNNRTI耐性のHIV感染症にも効果があることを特徴としています。海外は、米国、カナダ、欧州で承認済みです。
 全例調査が承認条件で再審査期間は10年、薬事分科会は報告品目です。



08年7月概算医療費3.6%増、累計2.0%増 入院外の伸びの低さ際立つ MEDIAS(2008.11.26,22:55)資料

1日当たり医療費は入院外も1.3%増(医療費:MEDIAS)

 厚生労働省が11月26日にまとめたMEDIASによる08年度7月の概算医療費によると、7月は3.6%増で4月の3.8%増に次ぐ高い伸びとなりました。7月は平日が1日多く日曜日が1日少なかったためです。4月からの累計は2.0%増です。稼働日数補正後は7月が1.3%増、累計は1.5%増となっています。

 日数補正後の伸び1.5%は、前年度の年間伸び率3,0%と比べると、0.82%の診療報酬マイナス改定を考慮しても低い伸びとなっています。

 日数補正前の累計で見ると、医科は入院2.3%増、入院外0.2%増で、依然として入院外の伸び率が低くなっています。歯科2.9%増、調剤5.9%増に比べても、入院外の伸びの低さが際立っています。

 1日当たり医療費の伸びは、全体が2.9%増、医科は入院(食事等含まず)3.2%増、入院外1.3%増で、やはり入院外が低くなっています。歯科2.5%増、調剤3.1%増です。

 1件当たり日数は、医科が入院0.5%減、入院外1.7%減、歯科1.4%減、調剤1.5%減で、医科入院外の減少幅が大きめになっています。
 患者延数を示す受診延べ日数は、医科が入院0.8%減、入院外1.1%減、歯科0.4%増、調剤2.7%増で、やはり医科入院外のマイナスがあります。一方、調剤の大きな伸びが目立ちます。
資料:最近の医療費の動向(平成20年7月)(厚労省)


社会保障の機能強化と安定財源確保の中期プログラム、「中福祉・中負担」目標 年末に策定(2008.11.25,21:25)資料

負担増は全額国民に還元、経済財政諮問会議(医療行政:制度改革)

 政府の経済財政諮問会議は、年末に取りまとめる予定の「中期プログラム」で、社会保障国民会議最終報告による「社会保障の機能強化策の具体的展開(工程表)と必要費用」、その費用を賄う安定財源確保のための「税制抜本改革の全体像」、新たな負担増への国民理解のための「負担増を全額国民に還元し政府全体の歳出規律を堅持するための枠組み」などを記述することとする基本的考え方について合意しました。11月20日の会議での合意で、民間議員が提出した資料に基づくものです。

 11月20日の会議では、民間議員が「中福祉・中負担」の確立についての考え方を提出しています。
 「中福祉・中負担」は、「活力と安心が両立する」として目指すべき方向と位置付けています。
 一方、現状ではその両面で「満足な状態にない」との認識を示しました。「中福祉」のほころびについては、社会保障国民会議が「機能強化」のための方策と財源を明らかにしたとし、「中負担」については、ほころびが指摘されている現状の社会保障水準を維持するために必要な負担すらされていないと指摘、「中福祉・低負担」の状態にあるとしています。

 対応の方向としては、(1)「保険料負担(共助)」については国際比較からもすでに「中負担」にありその上に年金保険料の引き上げが見込まれている、(2)「利用者自己負担」の拡大は社会保障制度の質の低下、大きな負担の転嫁による所得再配分機能の弱体化を招きかねない、といずれも否定。
 その上で、(3)国民全体の広く薄い「割り勘」によって必要額を安定的に賄うことが必要、との考えを示しています。消費税を指すものです。

 必要財源としては、
(1)基礎年金国庫負担引き上げ:3兆円程度(年)(消費税換算:1%程度)、
(2)社会保障国民会議が示した機能強化(救急対応、在宅ケア強化、低年金・無年金対策、切れ目ない保育サービスなど)に必要な公費負担増:7.6−8.3兆円(年)(消費税換算:2.3−2.5%)、
(3)制度不安定化の歯止め―次世代への負担先送り拡大停止のための増分:3兆円程度(消費税換算:1%程度)、
(4)制度安定化―次世代への負担先送り解消のための増分:13.8兆円(消費税換算4.2%)、
をあげました。

 これらをすべて実施すると、消費税で8.5―8.7%引き上げが必要ということになります。しかし、与謝野経済財政担当大臣は、会議後の記者会見で「そう大幅なものはお願いできない。ある一定の幅が政治的には想定される」としました。
 経済財政諮問会議は、年末の取りまとめに向け、今後集中審議を進めることとしています。
資料1:中期プログラムの位置づけと基本的考え方(11.20有識者議員提出資料)(経済財政諮問会議)
資料2:「中福祉・中負担」の社会保障の確立による安心強化に向けて(11.20有識者議員提出資料)
資料3:11.20会議後記者会見要旨(経済財政諮問会議)
資料4:11.20会議配布全資料(経済財政諮問会議)


医療・介護費国庫負担を1.9兆円増加、民主党が総選挙マニフェストで予定 対GDP比9.4%に(2008.11.24,22:50)

今後4年間でOECD平均並みを目指す(医療行政:制度改革)

 民主党参議院議員で党医療制度調査会事務局長の鈴木寛氏は11月22日、患者団体で構成する「患者の声を医療政策に反映させるあり方協議会」(代表世話人:長谷川三枝子・日本リウマチ友の会会長)が開催した医療基本法勉強会で講演、次期総選挙で掲げる民主党のマニフェストでは、医療費に対する国庫からの支出を今後4年間で1.8兆円増加し、医療費・介護費の対GDP比を現状の7.9%に対し9.4%に引き上げることを位置付ける方針であることを明らかにしました。

 医療費は07年度で34兆円程度、一方、医療費に対する国の予算は同年度が8兆4285億円、08年度は8兆5644億円となっています。
 また、介護費は07年度7兆円程度、これに対する国の予算は同年度1兆9485億円、08年度1兆9062億円です。
 医療費・介護費の合算は07年度41兆円程度で対GDP比が7.9%程度、対する国の予算は同年度10兆770億円、08年度は10兆4706億円です。

 民主党は、国の予算について、医療費で1.8兆円、介護を含めると1.9兆円増額する方針です。これにより、医療・介護費の対GDP比は9.4%程度に増加すると見ています。
 OECD平均並みを目指す考え方だとしました。総選挙により政権を獲得することを前提に、今後4年間で対応する方針です。

 1.9兆円の財源については、官僚の天下りの見直しで捻出するものとしています。天下り先は現在4700団体あり、そこに12.6兆円の税金が投入され、その半分が競争入札ではなく購入先を特定する「随意契約」で決められているとし、それを見直すだけで6兆円の財源が出るとの考えを示しました。
 これを医療と教育の財源とすることとしています。

 また、天下りの廃止については、一方で、官庁で行っている「肩タタキ(早期退職の要請)」をやめて、現状よりも10年間長く勤務してもらう必要があり、そのために年間6000億円が必要になると見ています。
 このため、天下り先への税金投入の見直しで考えられるのは、12.6兆円マイナス0.6兆円で差し引き12兆円となり、そこから随意契約の見直しにより6兆円を賄うという考えです。

 鈴木氏は、東大法学部卒後、通産省に入り課長補佐まで務めた後35歳で慶応大学環境情報学部助教授に転身、さらに2001年に参議院議員選挙に東京選挙区から立ち当選、昨年2回目の当選を果たしています。


医業経営把握は決算データで、中医協が医療経済実態調査で使用を検討へ(2008.11.20,21:50)資料

日医提案に支払側も賛成(中医協情報:医療経済実態調査)

 中医協は11月19日の調査実施小委員会(会長:遠藤久雄・学習院大学経済学部教授)で、診療報酬改定の基礎資料とする医療経済実態調査について、日本医師会の要望を受け、医療機関の1年間を通した経営状況をつかむため「決算データ」を調査対象とすることについて検討することとしました。具体策については、小委員会内にワーキンググループを設置して検討します。

 中医協が行っている医療経済実態調査は、改定前年6月の収支状況を調べるもので、6月に発生しない部分については12等分して6月分として計上、それに基づいて医療機関の収支状況を把握してきました。
 これに対し、日本医師会は、現行調査では年間分の状況を十分には把握しえないことから、年間分のデータをとるべきとの考えを主張。その基礎データとしては、TKCデータを提出してきました。

 一方、この日、中医協での提案では、日本医師会常任理事の中川氏が、TKCデータの使用ではなく、各医療機関の決算データを医療経済実態調査の対象とすることを提案しました。従来の実態調査をやめてしまうのでなく、両者のデータを使用する方法もあるとの提案です。

 実態調査の対象として決算データを使用することについては、支払い側も賛成し、ワーキンググループを設置して具体策を検討することとしました。

 遠藤会長は、ワーキンググループでの検討は進めるが、次回に使用するかどうかについては今後の議論とする方針を示しました。
 これに対し中川氏は、今年の診療報酬改定後の4−6月のTKCデータでは、損益分岐点が100%を超える赤字の医療機関が増えているとして、次回の調査で決算データを使用するよう要望しました。
資料:11.19中医協・調査実施小委員会配布全資料(厚労省)
参考資料:平成20年診療報酬改定後の医業経営動向(TKC医業経営指標)(日本医師会)


ケアミックス型病院もDPCの対象、中医協が方針決定 急性期病院との違いはない(2008.11.19,22:05)資料

医療資源投入量の差によるDPC点数への影響もない(中医協情報:DPC)

 中医協・診療報酬基本問題小委員会(会長:遠藤久雄・学習院大学経済学部教授)は11月19日、DPCのあり方について議論、現在のDPC準備病院に多い中小規模のケアミックス型病院もDPC基準に適合すればDPC対象病院としていくことで合意しました。ケアミックス型の中でも急性期病棟である一般病床のみがDPC算定の対象となり、DPC病院が提出すべき入院患者のデータも一般病床のみが対象です。

 厚生労働省はこの日の基本問題小委に、11月12日のDPC評価分科会でのヒアリングから、ケアミックス型病院に関して、「DPC算定病床の割合が少なくても、平均在院日数、救急車搬送割合、緊急入院割合、再入院率には明らかな傾向はみられない」など、ケアミックス型病院とDPCのみの病院との差が見られないと報告。
 また、「DPC算定病床の割合が小さい病院では一部の疾患で手術などを行う患者の割合が少ない傾向にあるものの、それらは診断群分類が別なものとなることから、大病院で実施される手術などを伴う症例の点数設定には影響しない」として、医療資源の投入の少なさから、DPC点数が低めに設定されることになるのではないかとする大規模病院側からの懸念も問題はないとする「まとめ」を示しました。

 基本小委はこれを受けて議論、診療側で全日本病院協会会長の西澤氏が、「ケアミックス型病院でも問題ないことがわかった。現在の準備病院も基準に適合すればDPC病院とする方向で考えるべき」と発言、支払い側委員も基本的に了承しました。
 DPCの拡大に慎重な姿勢を持っている日本医師会からは常任理事の藤原氏が、「ケアミックスをDPCに入れると、急性期を対象とすることにしている中で違和感がある」と発言しましたが、厚労省は「DPCの算定は病院全体ではなく、あくまで急性期、一般病床」と説明、DPCに関するデータの提出も一般病床のみのデータとなると回答。藤原氏も了承しました。

 また、ケアミックス型病院の数についての質問が出され、厚労省は現在の準備病院に入っているもの以外にどの程度まで考えるかは中医協での検討になると答えましたが、西澤氏が「すべての急性期が対象であり、数で切るというのは誤解だ」と発言、反論はなく終わりました。
 これにより、中医協として、ケアミックス型病院もDPCの対象とすることが明確にされました。
参考資料:平成20年度DPC評価分科会の特別調査(ヒアリング)について(11.12DPC分科会)(厚労省)


DPC病院の新係数、中医協・小委で議論開始 症例数・標準レジメンに応じた評価など(2008.11.19,22:05)資料

現行DPC点数との重複項目など厚労省が整理へ(中医協情報:DPC)

 中医協・診療報酬基本問題小委員会(会長:遠藤久雄・学習院大学経済学部教授)は11月19日、DPCの調整係数の廃止後の新機能評価係数についての議論を開始しました。

 厚労省は、これまでのDPC評価分科会の議論の状況を紹介、(1)標準化や効率化が認められる場合の症例数に応じた評価、(2)標準レジメンや診療ガイドラインに沿った標準的治療の患者割合に応じた評価、(3)後発医薬品の使用促進の観点、(4)複雑性指数・効率性指数に応じた評価、(5)副傷病の程度(重症度)に応じた評価、(6)構造による評価、(7)医療計画で定める事業など地域での役割に応じた評価、などを課題として分科会での議論が行われていることを報告。

 これに対し、支払い側で健保連専務理事の対馬氏は、調整係数は前年度の収入を保証し激変緩和措置として導入したものであり一定期間後には廃止すべきものとの考えから、新たな係数を設定する方向で議論が進んでいるのは分科会が踏み込み過ぎと批判しました。

 これに対し厚労省は、現行の機能係数は10項目についての評価に限られており、その他は調整係数の中で実質的に評価されている部分があるとし、そうした評価されるべき部分についての検討を進めているものであること、また、調整係数は前年度の収入を保証する形で機能していたが、新係数では機能として評価される部分がある病院のみが評価の対象となると説明しました。

 遠藤会長は、時間の関係で、この日はDPC分科会での議論の内容の説明が十分に行われなかったこと、また、評価する項目としては、現行のDPC点数や加算などで評価されているものと重なる部分も多いことから、そうした整理をした資料の提出を厚労省に要請しているなどと説明、資料の提出を受けて、次回以降、さらに議論を続けることとしました。
参考資料:調整係数の廃止に伴う新たな機能評価係数等の検討について(11.7DPC分科会)(厚労省)


社会保障制度に不満が63%、満足度は医療制度が最も高い 国民意識調査(2008.11.18,22:35)資料

負担増容認が反対を大きく上回る、社会保障国民会議(医療行政:制度改革)

 社会保障の充実強化を図るような制度改革が必要で、そのためには費用は増大するとした報告書をまとめた政府の社会保障国民会議は、国民の意識調査も実施、その結果、社会保障制度全体では63%と国民の多くが「不満」と答え、一方、今後の負担増については46%が容認の考えを示して反対の37%を上回りました。しかし、医療制度に関しては、負担増に対して反対、賛成とも43%で拮抗しています。

 調査は今年8月末から9月にかけて、全国2000人の成人男女を対象にインターネットを通じて行ったものです。性別・年代別に人口構成比に準じて対象者を選定、20代から50代までは各年代300人前後、60代以上は690人となっています。

 社会保障制度の満足度を見ると、「満足」と「まあ満足」を合わせても8%に過ぎず、「不満」「やや不満」が63%と大半を占めました。
 制度別の満足度は、「医療制度」が最も高く、2位の雇用支援制度を大きく引き離しました。
 一方、対策緊急度では、年金制度が最も高く、他を引き離しました。医療制度も2位に入っています。
 医療制度については、「ある程度満足しているものの、なお取り組むべき課題は残っているとの認識」と見ています。

 社会保障制度に関しての「負担増」については、「やむを得ない」が42.7%で最も多く、「大幅な負担増」を合わせると46.4%、一方、「従来どおり」が22.7%、「減らす」の14.7%を合わせた「反対」派は37.4%となっています。
 医療制度では、「やむを得ない」が41.4%でやはり最も多くなっていますが、「大幅増」を合わせても42.9%にとどまり、「従来どおり」30.2%と「減らす」12.8%を合わせた43.0%と拮抗しました。

 医療制度に関する高齢者と現役世代との負担のあり方では、「双方の負担増はやむを得ない」が45%で最も多く、現役世代の負担増と高齢者の負担増は17%と15%で大きな差はない結果となっています。

 医療制度に関する優先課題としては、やはり「救急医療体制」「特定診療科医が不足」が多く、また「真に必要な人が診療を受けにくい」「医師、看護師の過重労働で医療事故が頻発」も上位にあげられました。
資料1:社会保障制度に関する国民意識調査報告書(社会保障国民会議)
資料2:11.4社会保障国民会議配布全資料(首相官邸)


来年の医学部定員は693人増の8486人、過去最大を200人上回る 9月時点の計画を文科省が集計(2008.11.17,21:45)資料

国立363人増・私立も271人増、12月に確定(医療行政:医師不足問題)

 大学医学部の来年の入学定員は、各大学の計画段階で今年春の定員7793人に比べて693人の大幅な増加となっています。過去最高だった8280人に対しても200人あまり上回る8486人です。文部科学省が9月22日時点の状況をまとめたものです。

 政府は、医師不足対策として大学医学部の定員を過去最大程度まで増員することを決定、これを受け、文部科学省は8月5日に通知を出し、来年の入学定員の増員を受け付ける方針を示していました。
 これに応じ、全国77の大学医学部のうち73大学が9月22日までに増員計画を提出しました。
 来年の入学定員の計画は、国立42大学が今年より363人増の4528人、公立8大学は59人増の787人、私立27大学は271人増の3171人となっています。

 入学定員の増員は、私立大学の申請が10月末で締め切りです。これを受け文部科学省は、国立と私立については大学設置・学校法人審議会に諮り、公立大学については届け出を受けて、いずれも12月中に増員を確定することとしています。

 大学医学部の入学定員は、1981年から84年にかけての期間が過去最大の8280人となっていました。その後は抑制策によって漸減し、2003年から07年までは7625人で推移しました。
 しかし、産婦人科と小児科、また救急医療の面で医師不足が問題となってきた中で政府は「緊急医師確保対策」をまとめて医学部定員の増員を決定、それを受けて今年春の定員はそれ以前よりも168人増加して7793人となっていました。
 さらに、医師不足問題は今年に入っても大きな課題とされ続け、政府の経済財政諮問会議が「これまでの閣議決定に代わる新しい医師養成のあり方を確立する」ことを決定、過去最大程度まで増員することとしていました。

 この政府決定を受けての各大学の増員計画により、来年は今年春の増員の4倍を上回る定員が予定される結果となっています。
資料:平成21年度医学部入学定員の増員計画について(文部科学省)


社会保障充実への改革シミュレーション実現へ、厚労行政あり方懇が引き継ぐ(2008.11.16,21:35)資料

政策の立案・決定過程の透明化を重要課題に位置づけ(医療行政:制度改革)

 厚生労働行政をめぐる様々な問題を踏まえ、再発防止と国民の信頼回復を目指して福田前首相が設置した厚生労働行政の在り方に関する懇談会(座長:奥田碩・トヨタ自動車株式会社取締役相談役)は、11月12日の第4回会議で「議論の整理」をまとめ、「社会保障費用を安定的にファイナンスするための予算・決算の仕組み」「社会保障国民会議報告が示した今後の方向性を実現していくための行政の進め方」についても課題に取り上げ、議論していくこととしました。

 懇談会は、後期高齢者医療制度をめぐる混乱、薬害肝炎事件、年金記録問題などのさまざまな問題を踏まえて、福田前首相が設置、社会保障国民会議の委員でもある奥田氏に座長を要請して8月7日に第1回会議を開催しています。しかし、第2回会議の直前、9月1日に福田氏が辞任を表明、本格的議論は引き継いだ麻生内閣の下で進められている形です。

 「議論の整理」は、委員の岩男寿美子氏(慶応大学名誉教授)、高山憲之氏(一橋大学教授)、土居丈朗氏(慶応大学准教授)の3氏がまとめたもので、(1)行政運営のあり方、(2)行政組織のあり方、(3)その他、で構成、社会保障費用と社会保障国民会議報告への対応は「その他」での位置づけとなっています。
 社会保障国民会議が示した方向性を実現するための課題としては「行政の進め方」と「組織・人員体制のあり方」をあげました。
 社会保障国民会議の最終報告は、医療・介護のシミュレーションを行い、2025年の費用について、現状投影の85兆円に対し改革シナリオでは7%から10%上積みとなる91−94兆円になると試算、これまでの抑制路線からの決別を示しています。

 懇談会の議論の整理は、厚生労働行政の立て直しのための中心テーマとしての「行政運営のあり方」については、(1)政策の立案をエビデンスに基づくものにするための研究機関の活用や各種調査、(2)政策の立案・決定過程を透明化し国民にわかりやすいものとするための方策、などをあげました。
 国民のニーズの変化の把握、国民にわかりやすいものとするための方策、国民の理解と納得を得る、国民に対し丁寧かつ適切な情報発信・広報を行うための方策、など「対国民」の視点でキーワードが設定されています。
 また、政策効果を点検し改善するための仕組みとしてPDCA(Plan Do Cyeck Action)サイクルを組み込むこと、行政の重点が権力の行使からサービスに性格を変えていく中での対応策(迅速さ、わかりやすさ、正確さ)、医薬品安全などの危機管理能力の向上、なども課題としています。

 「行政組織のあり方」では、組織の適切な規模と業務量に見合った組織・人員の確保、官と民の役割分担、縦割り行政を是正し国民のニーズの多様化・複雑化に対応した部局横断的・総合的組織、不祥事の再発防止、などをあげました。
 これらの課題について、今後、詰めの議論を進めることとなります。
資料1:厚生労働行政の在り方に関するこれまでの議論の整理(首相官邸)
資料2:11.14厚生労働行政の在り方に関する懇談会配布全資料(首相官邸)
資料3:懇談会の設置要綱と構成員名簿(首相官邸)


医薬分業の意味は薬剤師が患者を対象とする業務に変わったことにある、医道審分科会で医師が発言(2008.11.13,22:50)

元バレーボール選手の三屋氏の質問きっかけに(医薬品:薬剤師問題)

 11月13日の医道審・薬剤師分科会(分科会長:井上圭三・帝京大学薬学部長)で、元バレーボール選手で筑波スポーツ科学研究所副所長の三屋裕子氏は、部外者としての立場から、薬剤師国家試験の見直しや行政処分の導入などの理由とされている「薬剤師の資質の向上」が求められる背景について質問。これをきっかけとして、薬剤師の役割についての議論がありました。
 前東京女子医大教授で早稲田大学理工学術院教授の笠貫氏は、「医薬分業の進展で薬剤師の役割が大きく変わったが、その意味は薬剤師の業務が薬を対象とするのでなく、患者を対象とした業務となったことにある。その意味で医療人としての教養を身につけることが重要」だとしました。

 日本薬剤師会会長の児玉氏は、薬学自体が明治時代の西洋薬学の導入以来、創薬中心できていたが、医薬分業の進展により、薬剤師の医療への参加が必要となってきたことが背景にあるとしました。
 また、座長の井上氏は、薬害事件でこれまでに薬剤師が責任を問われたことはないがそうした責任が問われるような薬剤師である必要があると発言。
 日本病院薬剤師会会長の堀内氏もこれに同感だとしました。

 処方せんに対する薬剤師の疑義照会が義務とされていることとの関連で、その義務を十分に果たしていたのかという問題もあるとの意見が出され、慶応大学薬学部教授の福島氏は、薬剤師の疑義照会に対して医師が「忙しい」と対応してくれないケースもあるとするとともに、薬剤師の疑義照会の義務に対応した医師法上の規定がないことを指摘しました。
 一方、笠貫氏は、疑義照会だけでなく、「これからは処方に参加することが重要になる」とし、チーム医療の中で薬剤師がまとめ役となることまで取り組むべきとの考えを示しました。


医道審議会に薬剤師分科会設置 国家試験と行政処分を審議 厚労省(2008.11.13,22:50)資料

次回薬剤師国家試験は来年3月7−8日(医薬品:薬剤師問題)

 薬剤師の業務停止など行政処分と業務復帰のための再教育、また薬剤師国家試験を審議する場として、厚労省は医道審議会に「薬剤師分科会」(分科会長:井上圭三・帝京大学薬学部長)を設置、その第1回分科会を11月13日に開催、次回薬剤師国家試験は来年3月7−8日に実施することを報告しました。また、薬学教育6年制の実施に伴う薬剤師国家試験の見直し、行政処分と再教育について、各検討会の報告書を説明、今後、分科会内の部会で具体的な検討を進めることとしました。

 質疑の中で、日本薬剤師会会長の児玉氏は、(1)薬学教育6年制に伴う薬剤師国家試験の変更についての議論の時期、(2)6年制卒業者を対象とした国家試験が実施されるなかでの4年制の卒業者の受験、(3)6年制卒業者を対象とした国家試験の実施に伴い合格発表日を年度内とすること、について質問。

 厚労省は、(1)6年制の卒業生は2011年に出てくることから新国家試験についての議論は10年までに行う、(2)4年制の卒業者は6年制を対象とした国家試験が実施されても受験できなくなることはなく、継続して受験できる。試験内容は同一とすることが基本と考えるが分科会で今後議論してもらいたい、(3)合格発表は今年度は4月3日に行い、以前に比べてかなり早くなった、と答えました。

 国家試験の合格発表時期について児玉氏は、「年度を超すと困ることがある」として質問しましたが、厚労省はさらに早くすることについては触れていません。次回の合格発表も、新年度に入った4月3日となっています。

 医道審議会は、医師や歯科医師の行政処分や国家試験について審議する場として設置されていたものですが、薬剤師についても分科会を設置して、同様に取り扱うこととされました。
 分科会は、薬剤師分科会のほか、医師と歯科医師の行政処分などを審議する「医道分科会」、医師国家試験について議論する「医師分科会」、歯科医師国家試験を議論する「歯科医師分科会」、看護師などの行政処分と国家試験を議論する「保健師助産師看護師分科会」、理学療法士などの行政処分と国家試験を議論する「理学療法士作業療法士分科会」、あん摩マッサージ指圧師などの行政処分と国家試験を議論する「あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師および柔道整復師分科会」、「死体解剖資格審査分科会」があります。

 薬剤師分科会の下には、行政処分についての薬剤師倫理部会、また、国家試験に関しては薬剤師国家試験K・V部会、薬剤師国家試験事後評価部会、薬剤師国家試験制度改善検討部会、薬剤師国家試験出題基準改定部会の5部会が設置され、個別の課題について審議します。

参考資料1:薬剤師国家試験出題制度検討会報告書(厚労省)
参考資料2:薬剤師の再教育および行政処分のあり方等について(検討会報告書)(厚労省)


DPC病院の適切性ヒアリング ケアミックスでDPC病床が少ない・異常に高い治癒率・標準レジメンの少なさ DPC分科会(2008.11.12,21:55)資料

標準レジメン使用割合の多い東大病院も(中医協情報:DPC)

 中医協下部組織のDPC評価分科会(分科会長:西岡清・横浜市立みなと赤十字病院院長)は11月12日、「ケアミックス型でDPC病床の少ない病院」「治癒の割合の高い病院」「部位不明コードの多い病院」「がん治療で標準レジメンの使用割合の多い病院・少ない病院」とされた9病院を対象に、DPC病院としての適切性を検討するためのヒアリングを行いました。

 ヒアリングの対象病院は、治癒の割合の高い30病院、他はそれぞれ10病院、合計60病院を選定して事前に厚労省がアンケート調査を実施、その結果を踏まえて選ばれたものです。

 ケアミックス型でDPC病床の少ない病院としては、財団法人脳血管疾患研究所付属美原記念病院(189床中45床、23.8%)、株式会社日立製作所多賀総合病院(148床中36床、24.3%)、社団法人慈恵会青森慈恵会病院(332床中32床、9.6%)、医療法人社団永生会永生病院(370床中42床、11.4)が対象となりました。青森慈恵会病院と永生病院はDPC準備病院です。
 DPC病床の比率は、DPC対象病院が91.0%、DPC準備病院でも82.0%となっている中で、これら4病院は極めて少ない割合です。

 ヒアリングでは、いずれも急性期医療に取り組む姿勢としてDPCを選択しているとの考えを示しました。「急性期医療をするためにはDPCでなければならない」とのメッセージが厚生労働省からあったと考えているとの発言もありました。
 脳血管疾患の専門病院である美原記念病院は、「収益性は出来高の方が良い」としながらも、DPCのメリットとして平均在院日数などについて他の病院と自院とを比べて見るベンチマーキングができることをあげました。

 治癒の割合の高い病院とされたのは、武蔵野赤十字病院(60.8%)と医療法人医仁会武田総合病院(56.3%)です。
 治癒は「退院時に、退院後に外来通院治療の必要性がまったくない、または、それに準ずると判断されたもの」とされ、DPC病院の平均は9.0%に過ぎない状況です。それに対して、この2病院は突出して高くなっています。

 部位不明コード・詳細不明コードの割合が高いとされたのは、医療法人社団木下会千葉西総合病院(58.6%)と株式会社日立製作所多賀総合病院(58.1%)です。
 DPC病院平均の30.5%を大きく上回っています。

 がん治療の標準レジメンの使用割合では、多い病院とされたのが82.0%の東京大学医学部付属病院、少ない病院は19.0%の東海大学医学部付属病院です。DPC病院平均の56.0%を基準に選定されました。
 事前のアンケート調査では、多い理由として「EBMに基づいた化学療法レジメンの標準化を厳密に進めている」、少ない理由としては「標準レジメンか、診断群分類で分岐されていないが大腸がん治療ガイドラインに記載されている療法の選択は主治医の判断」「奏効率を考慮し、新薬を投与する症例が増えた」があげられています。


一般用薬の通信販売規制は撤廃すべき、政府の規制改革会議が見解(2008.11.12,21:55)資料

厚労省の方針転換を求める(医薬品:通信販売)

 一般用医薬品のインターネット販売をリスクの少ない第3類医薬品に限定した薬事法施行規則を、厚生労働省は撤廃しIT時代にふさわしい新たなルール整備を早急に行うべき。
 政府の規制改革会議(議長:草刈隆郎・日本郵船株式会社代表取締役会長)が11月11日、こうした見解を発表し厚生労働省の方針転換を求めました。

 見解は、薬事法施行規則に関する厚労省の省令案は、薬事法の規定範囲を超えた「違法な措置」と指摘するとともに、「これまで何ら問題となっていない販売形態を実証なく禁じ、消費者利益、販売者の創意工夫の余地を奪うもの」とし、極めて大きな問題をはらんでいるとしています。
資料:インターネットを含む通信販売による一般用医薬品の販売規制に関する規制改革会議の見解(規制改革会議)
参考1:薬事法施行規則等の一部を改正する省令案・別紙(PDFページ14)(厚労省)
参考2:2.8第1回検討会・薬事法改正の概要(一般要医薬品の販売制度の見直し)(厚労省)


レセプト請求数 病院が9000を割る、診療所は増加 支払基金07年度(2008.11.12,2:35)資料

外来は患者の7割・医療費の6割が診療所(医療費:支払基金)

 社会保険診療報酬支払基金がまとめた07年度の医療機関別診療状況調によると、レセプト請求を行った医科の医療機関数は、病院が8988で前年度の9226から一挙に9000を割り込みました。一方、診療所は8万4856で前年度より269増加しました。
 病院では、増加を続けていた法人病院が51減少して6610となり、診療所では法人の増加が続いており1795増の3万6045となりました。減少を続けている個人診療所は1423減の4万6902で、病院も含めた医科全医療機関数の50%にまで落ち込みました。08年度には個人診療所が50%を割るのは確実です。

 患者実数であるレセプト請求の件数は、入院では病院が89.0%と約9割を占めますが、入院外では診療所が73.4%を占めています。
 診療点数は、入院が病院96.5%、診療所3.5%、入院外は病院36.5%、診療所63.5%と、件数に比べて病院の割合が高めになりますが、入院外では大部分を診療所が受け持っていることが示されています。
資料:医療機関別診療状況調(支払基金)


ビスフォスフォネート剤 適正服用できない理由の7割が「飲み忘れ」、週1回製剤に多い 日薬調査(2008.11.10,23:50)

重点的な服薬指導でコンプライアンス向上へ(医薬品:安全性情報)

 日本薬剤師会は、医薬品の適正使用への貢献を目的として会員薬局を対象に実施しているDEM(Drug Event Monitoring)事業の07年度結果をまとめました。
 今年2月に骨粗鬆症用薬のビスフォスフォネート製剤4製剤を対象として実施した結果、患者の91%が適正に服用していましたが、適切でなかったもののうち69%が「飲み忘れ」であることが明らかにされました。1週間に1回服用の製剤で飲み忘れが多かったとし、服薬指導での留意点だと指摘しています。

 DEM事業は、日本薬剤師会が02年から実施しています。今回は、リセドロン酸ナトリウム製剤のアクトネル錠(2.5mg、17.5mg)とベネット錠(同)、アレンドロン酸ナトリウム製剤のフォサマック錠(5mg、35mg)とボナロン錠(同)を対象に、今年2月18日から24日までの間に服用中と考えられる全患者について調査しています。

 9924軒の薬局から6万5073件の有効回答が寄せられました。患者の平均年齢は73.9歳、93%が女性です。91%が添付文書通り服用できているとされています。
 添付文書通りに服用できていない9%のうち69%が「飲み忘れ」で、「起床時服用が困難」9.7%、「服用後少なくとも30分は水以外の飲食を避けるが困難」が8.6%と続いています。

 調査当日に「イベントあり」は4.3%でした。胃部不快が47.1%で最も多く、食道不快12.3%、便秘7.3%と続きます。ビスフォスフォネート製剤の重大な副作用である「顎骨壊死、顎骨骨髄炎」との関連性は評価できないとしながら、「歯、歯茎の違和感」が全製剤で報告されており、情報提供や服薬指導で留意する必要があるとしています。

 また、データマイニング分析の結果、高用量の1週間1回製剤に「飲み忘れ」が多く、1日1回製剤では「起床時に服用」と「服用後少なくとも30分は水以外の飲食を避ける」が困難であることがわかったとし、それぞれの製剤ごとに重点を置いた服薬指導をすることでコンプライアンスを向上させることができる可能性が示唆されたとしています。



DPC病院の後発医薬品使用促進、新機能評価係数の指標に位置づけ 厚労省(2008.11.10,1:00)資料

後発医薬品の使用割合上げれば機能評価高(中医協情報:DPC)

 厚生労働省は11月7日、中医協下部組織でDPCについての議論を進めているDPC評価分科会に、DPC病院を評価する新たな機能評価係数についての考え方を議論の整理として提示、「急性期」を評価することを基本とするとともに、「医療の透明化・効率化・標準化・質の向上」が期待できる係数であることとし、具体的な評価項目として「後発医薬品の使用促進」を、診療ガイドラインに沿った診療や手術症例数などとともにあげました。
 後発医薬品の今後の使用促進については医政局の木下経済課長が、前日に行った講演で、DPC病院での使用促進を図ることがカギと発言していました。

 厚労省は2013年度に後発医薬品の使用割合を数量ベースで30%とすることを目標としていますが、07年9月の薬価調査結果では18.7%でした。
 木下経済課長は、目標達成のためには年に2%程度ずつ上げていかなければならないとし、そこで、先発品か後発品かの選択の半分に関わる医師への対応を考える必要があり、DPC病院で入院中に後発医薬品を使用することが「退院後の外来での使用に大きく影響する」との考え方を示していました。

 厚労省が7日のDPC分科会に示した資料では、金額ベースの使用量は、全国平均が07年9月調査で6.4%であるのに対し、DPC病院では06年度で5.4%にとどまっています。
 05年で見ると、9月の薬価調査による全国平均が5.9%であるのに対し、DPC病院は05年度で4.1%にとどまっていました。DPC病院は全国平均より遅れている状況です。


DPC「新機能評価係数」 手術症例数・GL診療・後発品使用・患者重症度と平均在院日数・4疾病5事業など指標に(2008.11.10,1:00)資料

厚労省がDPC分科会に示す、徐々に移行する経過措置も(中医協情報:DPC)

 DPC病院の調整係数に代わる新たな機能評価係数は、手術症例数や診療ガイドラインに沿った診療、後発医薬品の使用状況などを踏まえた「プロセス評価」、平均在院日数の状況を見るための複雑性指数と効率性指数などによる「ケースミックスとパフォーマンス評価」、また施設の構造や人的資源の状況などによる「ストラクチャー評価」、地域での患者シェア、医療計画による4疾病5事業への対応状況などを踏まえた「地域での役割の評価」の4つの視点から算定する方向です。

 11月7日の診療報酬調査専門組織・DPC評価分科会(分科会長:西岡清・横浜市立みなと赤十字病院院長)に、厚労省がこれまでの議論の整理として示しました。
 基本的考え方も提示、(1)「急性期」を反映する新たな係数を前提とする、(2)医療の透明化・効率化・標準化・質の向上など「患者の利点(医療全体の質の向上)」が期待できる係数、(3)DPC対象病院として社会的に求められている機能・役割を重視、(4)地域医療への貢献という視点も検討、の4点をあげています。
 さらに係数の在り方として、「一定の基準による段階的な評価だけでなく、連続的な評価の導入も検討」「診療内容に過度の変容をもたらさないよう、係数に上限値を設ける」「プラスの係数を原則とする」こととしました。
 具体的な検討項目としたのが、プロセス評価など4項目です。

 プロセス評価では、「手術症例数が多い場合」に平均在院日数や抗生剤使用量が一定に集約する「標準化傾向」が見られ、「症例数に応じて標準化・効率化が進んでいるのではないか」との見方を示しました。
 また、今年の診療報酬改定でDPC診断群分類中に標準レジメンのうち「点数のばらつきの大きい短期間の入院」には新たな分岐を設定したことから、「標準レジメンや診療ガイドラインに基づく診療に対する評価について検討できないか」との視点をあげました。

 そうした視点を踏まえて、(1)標準化や効率化が認められる場合、症例数に応じた評価を行うべきか、評価の在り方をどう考えるか、(2)標準レジメンや診療ガイドラインに沿った標準的医療が行われる患者の割合に応じた評価をすべきか、評価の在り方をどう考えるか、との検討項目を提示しています。
 ただ、症例数が少なくても標準的・効率的な医療を提供している場合の評価、症例数とアウトカムとの関係の検証などの課題もあることを示しました。

 また、「療養担当規則」で「後発医薬品の利用に努めること」とされたことをあげ、「DPC対象病院における後発医薬品の使用促進」を検討事項として示しました。
 後発医薬品の市場シェアは、07年9月の薬価調査の結果として金額ベースで6.4%とのデータが中医協に報告されていますが、DPC病院の使用状況は、06年度で5.4%にとどまっています。

 「ケースミックスとパフォーマンス評価」は、DPC病院の拡大のなかで軽症の急性期医療に対応した病院も対象としてきていることから、「DPC対象全病院の平均在院日数」との関係で平均在院日数を見る「効率性指数」、また、「DPC対象全病院の患者数」との関係で平均在院日数を見る「複雑性指数」で評価することを基本とします。
 どちらも、各病院のDPCごとの入院患者数との関係を見るもので、平均在院日数の短さは「軽症患者数が多いため」であるのか、一方、長いのは「重症患者数が多いため」であるのかを見極める方法論となっています。その複雑性指数と効率性指数に応じた評価を行う場合、どう評価するかということです。
 さらに、難病や特殊な疾患に対応できる専門性を評価する希少性指数による評価、「副傷病」の程度に応じた評価についても検討事項としました。

 「ストラクチャー評価」は、施設の構造・人的資源と医療機能との関連性について松田研究班の調査結果を踏まえて検討することが中心となります。EFファイルやICD10コーディングなどに関する質の高い診療情報の提供については、診療情報の透明化を図り患者に還元できる方法を検討したうえで評価について考えるものとしました。
 望ましい5要件(特定集中治療室管理料、救命救急入院料、病理診断料、麻酔管理料、画像診断管理加算の算定)を機能評価係数として評価することについては、二重評価になるとの見方です。

 「地域での役割評価」は、医療計画で定めている4疾病(がん、脳卒中、急性心筋梗塞、糖尿病)と5事業(救急医療、災害医療、へき地医療、周産期医療、小児医療)に関する役割とし、その症例数や医療圏での患者数の割合(シェア)に応じた評価を検討することとしています。

 DPCへの移行を促すため前年度の診療収入を保証するものとして設定された「調整係数」は、今年4月の診療報酬改定までとし、次回以降については「新たな機能評価係数」について検討することが決定事項となっていますが、厚労省はこの日、一気に変更するのでなく徐々に新方式に切り替えていくという経過措置のイメージも提示しました。
参考資料1:DPCについて(10.3DPC分科会)(厚労省)
参考資料2:病院機能係数の考え方について(10.3DPC分科会)(厚労省)
参考資料3:10.3DPC分科会全資料(厚労省)


後発医薬品、DPC病院の入院での使用促進に診療報酬評価も 厚労省・木下経済課長(2008.11.6,22:45)資料

退院後の外来での使用に大きな影響(診療報酬情報:DPC)

 厚生労働省医政局の木下経済課長は11月6日、医薬品卸業連合会のセミナーで講演し、後発医薬品の使用については、医師の選択によるものが半分を占めるとして、DPC病院での使用促進を図ることがカギであり、その診療報酬評価も検討するとの考えを示しました。

 厚労省は2013年度に後発医薬品の使用割合を30%とすることを目標としています。木下経済課長は、そのためには年に2%程度ずつ上げていかなければならないとし、その中で考えるべきが、先発品か後発品かの選択の半分に関わる医師への対応であり、後発医薬品に対する医師の信頼度を上げる必要があるとしました。

 中でも、DPC病院で「優先的に後発医薬品を使用する」ことがカギになるとしました。
 入院中に後発医薬品を使用することが「退院後の外来での使用に大きく影響する」と見ています。
 また、医師は造影剤や注射剤では「先発品でなくては」という意識が強いとし、「医師の理解度を深める必要がある」「その診療報酬評価をどうするかも考えなければならない」としました。



未妥結仮納入、残り3割の対応を乗り切ればユーザーとの関係も変わる 厚労省・木下経済課長(2008.11.6,22:45)資料

値崩れしないように頑張って(医薬品:流通問題)

 厚生労働省医政局の木下経済課長は11月6日、医薬品卸業連合会のセミナーで講演、医療用医薬品の流通改善が大きく進んだものの9月末で未妥結となっている3割は大学病院やチェーン病院など大病院であることを指摘し、「9月までの交渉のラインから値崩れしないように頑張ってほしい。ここを乗り切れば、今後のユーザーとの関係はかなり変わる」と卸業者を激励しました。
 メーカーも厳しい経営環境にある中で、値崩れした分を「アローアンスで救うようなことはできなくなる」とし、卸として「まだ体力のある今」のうちに乗り切るよう求めたものです。

 流通改善に関する行政の役割については、大病院のグループの中で妥結率の低調なところに対しては、「できるだけ出向いて、流通改善の意味合いを説いていきたい」とし、今後も病院グループの本部に対して働きかけを続ける考えを示しました。

 一方で、病院が薬価への対応を重視する背景に、診療報酬問題があるとし、次回診療報酬改定で評価される部分を見極めながら病院側に言っていくことが必要だとしました。診療報酬評価との関係で見たときに「ごり押しで下げるような薬価への要求度が少なくなる可能性がある」との見方です。



未妥結仮納入、引っ張れば有利を変えねば解決しない 厚労省・流通改善懇で私大側(2008.11.6,1:10)資料

改善はしたものの「道半ば」の認識(医薬品:流通問題)

 厚生労働省は11月5日、医療用医薬品の流通改善に関する懇談会(座長:嶋口充輝・財団法人医療科学研究所所長)を開催、今年4月の薬価改定から6ヵ月が経過した9月末の価格妥結状況が、200床以上の病院で46.7%、チェーン薬局は71.7%まで進み、全体では70.9%と、前回の薬価改定後の54.2%に比べて大きく改善したことを示しました。
 しかし、未妥結が3割残っていることに対し、病院側からは年度末まで待った方が得するような形がある限り、改善は進まないとの意見が出されました。

 価格妥結率について厚労省は、全体としては改善したものの、200床以上病院で依然として50%に満たない状況であること、中でも国立病院機構以外で労働者健康福祉機構など国が設置者となっている病院、日赤、厚生連、共済組合とその連合会、学校法人が設置する病院では、依然として低い妥結率になっていることを示しました。ただ、一部を除いて、それらも前回に比べると改善を示しています。

 大手チェーン薬局の団体である日本保険薬局協会の柏木氏は、9月末時点の妥結率が金額で84%となり、前回に比べて大幅に改善したことを明らかにしたものの、未妥結が2割程度あることは「道半ば」だとし、会内で議論していく方針を示しました。

 一方、私立医科大学協会の小山氏は、理事会で厚労省からの説明を受け、年内の妥結の方針を固めたことを明らかにしながらも、経営が厳しい中で総収益の20%を占める薬価について、「1%の動きは大きい」とし、妥結を「後に引っ張るほど有利になる」という状況がある限り解決しないとの考えを示しました。

 これに対し、医薬品卸連合会の松谷会長は、「時間が経ったから安くなるのでなく、単品として市場環境が変わったことによるもの」と反論。
 しかし、有識者としての見解を求められた青山学院大学経営学部教授の三村氏は、「(改定から)3ヵ月後の6月の妥結が得をした、妥結を延ばすほど得にならないことを打ち出す必要がある」としました。卸側も対応の転換が必要との考えを示したものと見られます。

 厚労省医政局の外口局長は、6か月時点での未妥結が3割あることから、流通改善は「道半ば」だとし、今後も妥結状況の調査を続ける考えを示しました。
 また、厚労省は、この妥結状況を中医協に報告、そこでの議論も踏まえて同懇談会としてフォローアップのための会議を開催する方針だとしています。
参考資料:厚労省公表資料・価格妥結状況調査結果概要(6・7月取引分)(卸連)


社会保障番号制の導入検討を提言、受益と負担を理解し議論するため 社会保障国民会議が最終報告(2008.11.4,21:40)資料

よりわかりやすく・利用しやすく(医療行政:制度改革)

 政府の社会保障国民会議(座長:吉川洋・東京大学大学院経済学研究科教授)は11月4日、最終報告をまとめました。医療・介護費用のシミュレーションで示した「大胆な制度改革」が不可避とし、これを受益者であり負担者でもある国民が議論に参加した中で進めていくことが必要とするとともに、社会保障の給付と負担をわかりやすくするために社会保障番号制の導入検討を積極的に進めるべきと提言しています。

 最終報告は、6月にまとめた中間報告で積み残した課題に取り組んだもので、医療・介護面では費用のシミュレーションで行った改革シナリオが中心となっています。

 中間報告では、社会保障改革の基本的な視点として、「2000年以降の一連の改革により制度の持続可能性は高まった」とする一方、「医療・介護サービス提供体制の劣化、セイフティネット機能の低下、制度への信頼の低下」などの課題に直面しているとの認識の下に、今後は「必要なサービスを保障」し、国民の安心と安全を確保するための「社会保障の機能強化」に重点を置いた改革が必要だとしていました。

 それを受けて行ったのが「医療・介護費用のシミュレーション」であり、その結果について最終報告は、「医療・介護提供体制」として
(1)急性期医療の充実強化・効率化:職員数を倍増(現在の一般病床の平均に対し)、平均在院日数を半減(現状20.3日⇒10日)
(2)病院病床の機能分化:現状投影シナリオ130万床⇒110万床(急性期67万床・亜急性期等44万床)で高齢化需要増に対応
(3)在宅医療・在宅介護の充実:訪問診療・居住系サービスの充実による居住系・在宅介護利用者の増(現状から約43万人/日の増)
(4)マンパワーの充実確保:全体で現状の1.7−1.8倍
を前提とし、
さらに、「医療費全体」については、
(1)経済成長や技術進歩に応じた伸び
(2)予防の強化による患者数減:外来患者約32万人/日の減
(3)医薬品・医療機器の効率化などの効率化
を見込んだとしています。

 そうしたシミュレーションの結果、医療・介護費用は現状の41兆円(対GDP比7.9%)が、2025年には現状投影シナリオで85兆円(10.8−10.9%)、改革シナリオでは91−94兆円(11.6−12.0%)になるとしました。

 現状に対して追加的に必要となる公費財源は、消費税率換算で、現状投影シナリオが3%程度、改革シナリオでは4%程度としています。
 さらに、基礎年金の国庫負担割合については、現行の3分の1から2分の1に引き上げることが決定されており、それを含めると、追加的な必要財源は消費税率換算で2015年に3.3−3.5%、2025年で6%程度になるとしました。

 また、公費負担とは別に、保険料負担についても、2025年段階では対GDP比で現行に対し1.5−1.7%の上乗せが必要になるとしました。

 こうして、社会保障の機能強化を図るには、負担増が必要であることを示したうえで、シミュレーションで提案した「大胆な改革」のための議論を進めるためには、社会保障制度を「よりわかりやすく、利用しやすいものにしていく」こと、社会保障に関する「情報、データの開示、国民1人1人のレベルで社会保障の給付と負担をわかりやすく示す」ことが重要だと指摘。
 そのために「社会保障番号制」の導入検討を積極的に進めるべきと提言しています。

 政府は、今後、社会保障カードの導入と合わせて社会保障番号制の導入の議論を促進させることになるとみられます。
資料:社会保障国民会議最終報告(社会保障国民会議)


医療・介護費、抑制に決別し23%上乗せ、改革シミュレーションで社会保障国民会議(2008.11.3,22:40)資料

医療費も現状シナリオに対して1−3兆円上乗せ(医療行政:制度改革)

 政府の社会保障国民会議がまとめた「医療・介護サービス費用のシミュレーション」は、2025年の医療・介護費用について、現在進められている医療制度改革の前提となった2006年5月に行った推計が改革後で74兆円としていたのに対し、91−93兆円と17−19兆円上回る推計となっています。23−26%の上乗せです。

 社会保障国民会議のシミュレーションは、急性期医療に資源の集中投入を行うことを想定し急性期医療の職員数を現在の2倍に、また医療・介護従事者数は1.7−1.8倍にし、その中で在宅医療・在宅介護の利用者数も大幅に増加するものとしています。
 一方で、効率化・重点化も進め、急性期と亜急性期の区分により急性期の平均在院日数は10日まで短縮、入院・介護施設入所者数も1日当たり50万人減、などを進めます。医師・看護師の役割分担も進め、病院医師の業務量は20%減になるとしています。

 07年時点で41兆円の医療・介護費用は、シミュレーションで想定した改革を行わないAシナリオの場合、2025年には85兆円と2倍余りになるとの推計です。

 これに対し、改革を進めたB1またはB2シナリオでは2025年の医療・介護費用は91−93兆円に膨らむと予想しています。Aシナリオに対しては7.0−9.4%の増加となります。
 政府の医療・介護に関する費用推計で、現状制度で推移した場合よりも改革シナリオの方が費用が膨らむというのは初めてのこととなります。
 したがって、医療費の伸びの抑制を第1とした06年推計に比べると、20%を超える上積みとなってきます。

 医療費で見ても、今回のシミュレーションは、07年の34兆円程度が、現状ベースでのAシナリオでは2025年に66−67兆円であるのに対し、改革B1−B2シナリオでは67−70兆円とわずかながら上積みとなることを想定しています。
資料:10.23社会保障国民会議・サービス保障分科会議事次第(資料2−1:シミュレーション本体32ページ、資料2−3:シミュレーション参考資料76ページ)(社会保障国民会議)


社会保障部門の負担増は確実に給付で戻す、非社会保障部門と厳密に区分経理(2008.11.3,22:40)資料

経済財政諮問会議、将来不安除き消費マインドを(医療行政:制度改革)

 政府の経済財政諮問会議は10月31日、麻生首相が前日に発表した「国民の経済対策」とそれを受けた民間有識者議員による「中期プログラムの具体化」についての考え方についての見解、また社会保障国民会議がまとめた「医療・介護費用のシミュレーション」をもとに議論。与謝野経済財政担当大臣は記者会見で、「社会保障部門」と「非社会保障部門」とを厳密に経理区分しなければ、国民に新たな負担を求めることの理解は得られないとの認識が固まりつつあるとしました。

 政府は10月30日に決定した「国民の経済対策」の「生活対策」の中で、社会保障・税財政改革中期プログラムの基本骨格を示し、「持続可能な社会保障制度」とするためには「安定財源を確保する必要がある」とするとともに、「社会保障給付とその他の予算とは厳密な区分経理を図る」と記載しています。

 経済財政諮問会議の有識者議員は、31日に提出した資料で、この「厳密な区分経理」の部分について、「社会保障部門については給付に見合った安定財源」を求め、「非社会保障部門についてはその安定財源以外の歳入を充てる」ことを示すものと指摘しました。

 こうして社会保障部門の財源と給付を厳密に区分することにより、「将来の社会保障への不安が払拭」され、「財布のひもが緩むという安心効果が考えられる」としています。医療や介護・福祉の将来への不安がなくなれば、「予備的な貯蓄が減少して、消費者マインドが改善する」との見方です。

 社会保障に関する負担については、給付として国民に確実に戻ってくる仕組みとすることで、経済へのマイナス効果が緩和されるとしています。
 負担増はその時点では経済的にマイナス効果をもたらすとしても、将来の給付が保障されていれば、予備的な貯蓄の減少によって、マイナス効果は緩和されるという見方です。

 与謝野大臣は、麻生首相が3年後に消費税を引き上げると発言したことに関連して、そうした負担を求める場合の前提として、社会保障部門と非社会保障部門との経理区分の必要性についての共通認識ができつつあるとしたものです。
資料1:10.31経済財政諮問会議・説明資料(社会保障・税財政改革中期プログラムの具体化に向けて:有識者議員提出資料)(経済財政諮問会議)
資料2:10.31会議後記者会見要旨(経済財政諮問会議)