息子が富山での講演会に行くという。件のサークルの行事らしい。
高森顕徹という先生の話を聞きに行くのだそうだ。またか。最近合宿に行ったばかりではないか。
そうだきっとこんな感じで、徐々に宗教にのめり込んでいくのだ。大体どうして話を聞きに富山まで行かなければならないのだ。遠すぎるではないか。
私は思いっきり反対したが、最近家の掃除なんかを手伝っているだけあって、家内が「いいじゃないの」と言ってきた。
「どんな先生から何の話があるのか知らないけど、掃除とか皿洗いとか一生懸命やるようになったんでしょ。悪いこと言ってるんじゃないことは確かじゃないの。」
「世間知らずだ。宗教の恐ろしさをしらんのだ。掃除の勧めくらいどこの宗教でも言っているよ。そういったことに騙されて内面の恐ろしさを隠しているんだ。」
「じゃあ、アナタは宗教の恐ろしさを知ってるって言うの?、あの子がオウムでもやっているって言うの?、合宿だって散々心配したけど別に何も問題なかったじゃない。」
「でもどんどんエスカレートして家に帰ってこなくなったらどうするんだよ。」
家内も少し心配になったらしい。そこで夫婦で話し合った結果、どんなサークルでいかなる話を聞いているのか、実際に参加してみよう、という話しになった。勿論私は仕事があるので、家内に東京まで行ってきてもらう。
息子に話しをしたところ、高森顕徹氏の講演会の翌々日に大学内で講演会があるから、それに参加して欲しいとのこと。それじゃあ講演会にはとりあえず行ってもよし。その後サークルの講演会に家内を派遣する。
富山での高森顕徹氏の講演会が終わり、息子は無事に帰ってきた。土産付き(鱒寿司)。少々興奮気味だ。若者は熱しやすく冷めやすい。早く冷めてくれると良いのだが。
高卒で大学生活を経験していない家内は大学のキャンパスで講義を聴けると言うことでかなり嬉しそうだった。遊びに行くのではないのに。