田植機の植付まわり5

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クボタ田植機SPU500で、植付アームのプッシュ・ロッドが出過ぎています。

10個ある植付アームのうち1つだけが、苗を取る手前で、出てはいけない位置なのに出過ぎています。

植付アームを外して確認します。

頭部12㎜のナット2本を外し連結板(回転駆動アーム)を外したら、頭部12㎜のボルト2本を外します。

植付アームと継ぎ手の接合面に、スクレーパをハンマで打ち込んで隙間を作ります。

後は、マイナス・ドライバで少しづつ起こして隙間を広げ、植付アームを分離して外していきます。

植付アームを外し、押出しアーム・ピンを触ると明らかにがたつきがあります。

植付アームのケースがダメそうなので、分解修理するより植付アームをASSYでごっそり交換したほうが早いし、金額的にもそうするのがベターだと思います。

ですが、諸事情で今回は使える部品は再利用して分解修理する事にします。

とりあえず+ネジを4本外し、蓋を外します。

予想通り酷いです。

最初にチェーン継手のUピンを外し、スプリング・ホルダを外してプッシュ・ロッドを引き抜きます。

プッシュ・ロッドは再利用できる状態でしたが、プッシュ・ロッドとスプリング・ホルダを連結しているチューン継手は、摩耗が酷いので交換します。

押出しスプリングも側面が削れて切れそうです。

これも交換です。

次に、押出しアームを外します。

本来、押出アームの支軸であるアーム・ピンは簡単に抜けないものですが、摩耗し細くなっているので、ラジオ・ペンチで容易く引き抜けます。

また、Oリングは無くなってしまっています。

今回の症状の原因は、押出しアームががたついて、遊びが大きくなり過ぎている事です。

押出しアームとアーム・ピン、そして押出しアームを上げる役割があるカムシャフトは交換です。

左写真で分かるように、ケースのアーム・ピン穴が擦り減って大きくなっています。

ケースはもう使えませんので交換になります。

これ以上は分解する意味がないので、これで止めておきます。

プッシュ・ロッドはまだ使えそうなので、プッシュ・ロッドと蓋、そして植付爪を固定するスタッド・ボルトのみ再利用します。

あと苗取り量の調整ボルトもですね。

再利用する部品は、きれいに洗浄しておきます。





新品ケースです。

左写真は、発注し届いた部品です。

押出しスプリングとチェーン継手だけは、使わなくなった中古機から部品取りします。

ケースに平座金を入れてから、カム・シャフトを取り付けます。

先に、カムシャフトにベアリングを取り付けてあります。

ベアリングの径に合うパイプをあてがい、その上をハンマで打ち込めば簡単に入ります。

カムシャフトを取り付けたら、スナップ・リングを取り付けます。

これで、カムシャフトは抜けてきません。

オイル・シールを取り付けます。

摺動部にグリースを塗り、外周に合うパイプをあてがい、その上を片寄らないようにハンマで打ち込むだけです。

アーム・ピンにOリングを取り付けます。

クッション・ゴムを取り付けてから、押出しアームを取り付けます。

アーム・ピンはグリースを塗ってから指で押し込み、ポンプ・プライヤなどでしっかり挟み込み奥まで入れます。

オイル・シールとダスト・シールを取り付けてから、グリースを塗り込んでプッシュ・ロッドを取り付けます。

プッシュ・ロッド摺動部のブッシュは、最初からケースに組み込まれています。

蓋の奥にグリースを注入し、押出しスプリングを入れておきます。

グリースを程良く注入し、プッシュ・ロッドが最も出た状態にしておきます。

液体ガスケットでシールするタイプなので、蓋との接合面に付着した油分を改めて取り除きます。

接合面に液体ガスケットを塗付します。

蓋を取り付けて、+ネジを締めて固定します。

圧縮されたスプリングが戻ろうとして蓋を押し上げようとするので、指に力を入れ蓋を押さえ付けておいて+ネジを締めます。

給油口をテープを貼って塞ぎ、ゴミ等が入らないようにします。

後は蓋を上向きにし、液体ガスケットが乾くまで1日放置します。

翌日、ベアリングを潤滑させる目的で給油口からギヤ・オイルを少量入れます。

カムシャフトを組み付ける時に、ベアリングにしっかりグリースを塗り込んでおけばギヤ・オイルは入れなくて良いですね。

スタッド・ボルトを取り付けるため、頭部10㎜のナット(M6)を2個入れ、互いに向き合う方向に締め付けて2個のナットをロックします。

スタッド・ボルトに緩み止め剤を塗り、植付アームのスタッド・ボルト取付穴に取り付けます。

スタッド・ボルトを締め込んだら2個のナットを外します。

後は、植付爪を取り付けてから、植付アームを継ぎ手に取り付けます。

連結板(回転駆動アーム)の取り付けは、手でプッシュ・ロッドを押し込むと同じく手でカムシャフトを回す事が出来るので、2つの植付アームのカムシャフト先端の位置を、それぞれ連結板の取付穴に合わせて入れます。

最後に苗取り量を調整し、植付アームと継ぎ手の固定ボルトをしっかり締めます。

今のところ、他の9個の植付アームのプッシュ・ロッドの出量は大丈夫!?ですが、早かれ遅かれ同じようになっていくので、延命させるなら、とりあえずはしっかり給油です。





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