かつて湯治場として賑わった湯平温泉には木造3階建て屋4階建ての旅館が残っています。狭隘な谷地に花合野川に沿って形成された温泉集落の景観の特性とまちづくりについて調査しています。
進行プロジェクト
■. 長崎県島原市の武家屋敷伝統的建造物群保存対策調査
   依頼者 長崎県島原市教育委員会

■ 大分日田市小鹿田焼の里の文化的景観調査
   依頼者 大分県日田市教育委員会

 民陶・小鹿田焼の里の日田市皿山は14軒の山奥の集落ですが、10軒の窯元が現在でも伝統的な工法を継承している窯業集落です。集落の中央を流れる大浦川の水を利用しての唐臼による陶土の粉砕から、水簸、蹴轆轤による成形、登り窯での焼成に至まで全て電気やガスを用いず手仕事で行われています。薪の燃料となる雑木林に囲まれ唐臼の音が響く集落はここでしか体験することのできない魅力的な空間です。
 上流の池ノ鶴地区は棚田とそれを取りまく4軒の民家からなる農村集落で、昔から皿山と関係の深い集落です。これらの景観を保全するために、基礎的な調査を行っています。
 旧島原藩の城下町には、武家屋敷が残っています。水が豊かな島原では道路の中央を水路が流れ、生活用水として利用されていました。水路と石垣、茅葺の母屋、庭の緑で景観が構成されています。
■ 長崎県雲仙市千々石町岳地区の文化的景観調査
   依頼者 長崎県雲仙市教育委員会

研究室として正式に地方公共団体、企業などから依頼を受け調査研究し、報告書を作成します。
また都市景観に関する企画、計画に助言を行います。以下進行中の主なプロジェクトです。
.1. 地域の景観を観光資源とした持続的なまちづくりに関する研究(科研費基盤研究C 2012年〜2014年)
歴史的な町並みや集落、および農村の文化的景観が散在する筑後地方を対象に、地域の景観をハードをソフトも含めてとらえ、これらを観光資源として生かした持続的なまちづくりのモデル構築を目指した研究を進めています。
江戸時代に直方藩の城下町として地割が行われ、明治以降は筑豊炭鉱の採炭地として賑わった直方市の中心商店街には伝統家屋が集積しています。今年から2ヶ年かけて町並みの調査を行うことになりました。
.■. 大分県由布市湯布院町湯平温泉の町並み調査
最近までのプロジェクト     
 島原半島の北西部に位置する岳地区には、良質の加工しやすい石が産出されることから、谷に棚田が築かれています。1枚の棚田が細長く、擁壁がほぼ垂直に石垣で造られていることが特徴です。住居は棚田の中央部を走る道路に沿って建てられています。昭和30年頃までは、茅葺真壁造り土壁中塗り仕上の母屋が並んでいたようですが、現在は瓦葺きに替わっています。納屋は地元産の石で壁を築き、小屋組みを木造とするのが特徴です。
花合野川に沿って旅館が並ぶ
■. 福岡県大川市小保・榎津の町並み調査
大川市小保・榎津地区は、江戸時代に柳河藩の小保、久留米藩の榎津が水路や敷地の背割を堺に接しているユニークな町です。その境界には「お境石」と呼ばれる石柱が並び、肥後街道沿いの特徴ある歴史的な町並みが残っています。そこでの景観資源の把握とまちづくりの現状について調査をしています。
3階建の旅館が並ぶ
■ 「北川内の歴史的市街地」の景観(地域景観づくり緊急支援事業)
   依頼者 八女市

八女市上陽町北川内は中山間地の在郷町として発展した町で、星野川左岸に質の高い町家や農家住宅が建ち並び、川には2連のアーチ石橋が架かっています。今回国土交通省の地域景観づくり緊急支援事業を受け、景観とまちづくりに関する調査を実施しています。
 
雑木林に囲まれた皿山
棚田が広がる池ノ鶴
黒木下町の通り
■ 黒木町黒木伝統的建造物群保存地区の保存計画策定
   依頼者 福岡県八女郡黒木町教育委員会

通りの中央を流れる水路
茅葺の母屋
石壁の納屋
.4. 平戸市の集落景観調査
 近世に薩摩藩の代官所がおかれた赤木名は琉球と大和の文化が入り混じった興味深い街です。ここでの景観調査を行っています。
.3. 奄美市赤木名の文化的景観調査
.2. 阿蘇の文化的景観調査(阿蘇市からの受託研究 2011年〜2013年)
 在方町の町並みが残る黒木の保存対策調査が一昨年までに終わり、どのように町並みを維持・継承していくか保存計画を策定しています。
江戸末期建設の木下家
昭和13年建設の小川家
陶土粉砕のための唐臼
成形した器を天日干ししている窯元の庭
■ 大分日田玖珠町旧森藩城下町の町並み調査
   依頼者 大分県玖珠町教育委員会

土壁中塗り仕上の母屋
周囲を山に囲まれた下岳地区の棚田と集落
重要文化的景観に選定されている平戸市の集落景観の特性を把握するための調査を行っています。本年度は春日町の伝統家屋の建築調査と集落景観の調査を実施しました。
9万年前の噴火により形成された阿蘇のカルデラには、現在約5万人の人々が住んでいます。カルデラ上の牧場、カルデラ壁の森林、崖錐下の集落、平地の水田と土地利用がなされ、中央火口丘の5岳とともに雄大で特異な景観が形成されています。そのなかでも人々の生活が営まれている集落景観の調査を行っています。
藩境を現すお境石
■. 福岡県直方市直方地区伝統的建造物群保存対策調査
重要文化財の旧吉原家住宅
明治18年建設の倉員家
明治30年建設の酒蔵
武家町の茅葺主屋
町家の通り
黒木上町の通り
矢部川に面した景観
 日田市の隣に位置する玖珠町には旧森藩の城下町が残っています。森城跡、武家町、町場がセットで残っている貴重な町並み地区です。今回この保存のための調査を始めました。
 緑の森に囲まれ、水量が豊かな町でいたるところに水路や池があります。
 武家町には茅葺の家屋が残り、町場には重厚な土蔵造りの商家や、洋館、置き屋根の土蔵が残っています。

久留米工業大学 建築設備学科 大森研究室