PIONEER SA−6800


 音の開拓者といわれたパイオニアのプリメインアンプです。グレード的にはちょっと小振りでビギナー用かもしれませんが、全段直結コンプリメンタリに32ステップのアッテネーター式(デテント)ボリュームを採用するなど意外と豪華な構成、電源トランスも強力のようです。
 このメーカーのアンプも以前使ったことがあり、癖がなく透きとおった音が印象的だったような・・・?よく覚えてませんが・・・


 これは、32ステップのアッテネーター式と某サイトで見かけましたので豪華なアッテネーターと思って部品取りの予定でした。
 蓋を開けてみれば、なんだー!ただのデテントじゃ〜ん!32接点アッテネーターと勘違いしました・・・。つまらないので通電試験をしたらミューティング・リレーが解除してまともに働きました。ただ、リレーの接触不良で音切れとすごい歪みが時々発生します。


◇勘違いしたボリューム◇

デュアルトランジスターが見えます。


 パイオニアは、福音商会電機製作所から福音電機株式会社に至り、今のパイオニアになった有名なオーディオメーカーです。
 その歴史は長いもので、世界で始めてセパレートステレオを世に送り出したメーカーでもあります。
 それまでは、コンソール・ステレオ(アンサンブル・ステレオ)が一般的でしたが、左右にスピーカーBOXを切り離したという、いわば音の開拓者(パイオニア)だったようです。
 3点型のセパレートステレオは、このパイオニアが原形といっても過言ではないでしょう。
 そして、超高級オーディオから普及型まで幅広く手がけていたオーディオメーカーでした。それがある日突然パソコンを売っていたのでびっくりしましたけど・・・


◇コンソールタイプのステレオ◇

セパレートになる前は一体型でした。


 これは、三菱のカタログから抜粋したものですが、初期の家具調ステレオは、このように全てが、ひとつの箱に入れられ重量もありました。価格もピンからキリまでで、当時百万以上なんてのもあったようでびっくりさせられます。
 また、スプリング式のエコーユニットが付いていているものもあり、電源を入れたまま動かすとグワ〜ン、グォ〜ンと音が出ました。そして殆どがトランスレス式で30A5か30MP27がよく使われていました。


◇内部の様子◇

凄い埃だったので寒い中、庭で掃除しました。


 面倒なのは掃除と塗装くらいで、あとはまともに働くようです。となれば分解よりちょっと手を入れて楽しむのも悪くないかな?と要らぬことをして遊びました。
 バイアス調整も固定式でノーメンテです。ヒートシンクが熱くなるようでしたら抵抗が焼けているか、Trのリークが疑われます。
 トラブルは、リレーの接触不良とパイロットランプ切れとバランスVRのガリ程度で大したことありません。


◇ミューティングリレー◇

基板から外し、カバーも外したところ


 電源投入時やカット時にボコッと不快音を出さない為のリレーですが、古くなると接点にカーボンが付着して接触不良を起こします。
 このカーボンは、リレー内で生じる放電で、比較的電流が多く電圧の低いアーク放電によって発生しますが、このアンプも例外ではなく接点が黒くなっていました。
 こびりついて簡単に除去出来ない場合は、精密ドライバーのマイナスで接点に傷を付けないよう曲げないように、コリコリと取り除きます。きっと、寄り目になること請け合いです。


◇パネルを外したところ◇

こうするとパネルは、重要なパーツと分かります。


 面倒な掃除ですが、パネルはプレス文字ではなく、印字なので強力な洗剤だと大変な目に遭います。
 中性洗剤を薄め雑巾で軽く根気よく拭きます。1970年半ばくらいからでしょうか、プレス文字タイプが消え、印字タイプだけになってしまったのは・・・?
 パネルを外したのでついでに、切れたパイロットランプを交換します。同じものが手持ちにありましたが、長持ちするように電圧を少し落としました。照度は気持ち落ちますが、通電確認には十分です。
 このアンプは、4mmも厚みのあるパネルが採用されボリュームツマミもアルミの無垢材と豪華です。他のツマミはプラにアルミカバーでした。


◇リヤビュー◇

RCA端子もくすんでいましたが、磨いたらピカピカ!


 細かくて大変ですが、磨いたら綺麗になりました。ここが汚れると接触抵抗が増えます。信号のロスや音質にも影響します。
 左下に転がっているのは、交換したPHONO用のアース端子です。サビサビで磨き切れなかったこと、ガラクタ箱に同じようなのが転がっていたので使うことにしました。
 PHONOは、出力端子にアース端子が付いている場合は必ずここに接続します。でないとブ〜〜ンに悩まされることでしょう。そして、プレーヤーから出ているコードは、長くしてはいけません。接続タイプのものは、指定のコードか、低容量の良質なコードを使います。さて何故でしょう?能書きはやめることにしよ〜と・・・微々たるコンデンサーみたいなことだしー


◇カバーのお化粧◇

寒いのと天候不順で大変でした。


 内部は、ホコリを取ればそれなりのものです。ただカバーは、すり傷とサビが目立ちます。
 しかし外は雪!早く暗くなるし、ちょっと厄介です。でもチャンスはいつかやってくる。と根性で色付けです。
 さて、これでちったー見栄えも良くなったことだし、気分良く試聴出来るわけです。


◇視聴中◇

わりといい音〜!と聞いてましたが・・・


 うん!使えるな・・・と喜んでいましたが、後ろにある同時進行の6BQ5ppも音出しをしていたのです。
 あれ〜、なんかパイオニアさんが、か細く聞こえる〜?これだって40W+40Wのパワーだし、十分なハズです。歪みが多い真空管アンプっていわれるけど、この厚みのある6BQ5の太い音に圧倒されたパイオニアさんでした。決して悪くはないんですが・・・

 しかし、VRを見てパイオニアとなから見当を付けたOMさんには驚きました。普通は、まず判らないと思うのですが、配線方法等で気がついたのかな?恐れ入りました。


<2009.01.19>


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