| 吉本ばなな作品 |
| 1964年7月24日東京都生まれ。日本大学芸術学部文藝学科卒87年小説「キッチン」で第6回海燕新人文学賞受賞。88年「キッチン」で泉鏡花文学賞受賞。88年「うたかた/サンクチュアリ」で第39回芸術選奨文部大臣新人賞受賞。89年「TUGUMI」で第2回山本周五郎賞受賞。93年イタリアのスカンノ賞受賞。95年「アムリタ」で第5回紫式部賞受賞。96年イタリアのフェンディッシメ文学賞「Under35」受賞。99年イタリアのマスケラダルジェント賞文学部門受賞。2000年「不倫と南米」で第10回ドゥマゴ文学賞受賞 |
★★★★★ 06・6・25 キッチン 角川文庫 吉本ばななさんの作品は、どうも苦手なものが多いのですが、いつも毎回出される本の装丁がとても綺麗なのと、なぜか苦手なのに好きになりたいという思いがあり(笑)思い出したようにたまーに手に取る作家さんです。 で、そんな私、この吉本さんのデビュー作にして代表作を、いまさらですが読みました。 すごく、すごく、良かったです! 愛していた人、すごく大切だった人を失った悲しみや苦しみが、なんてまっすぐに伝わってくるんでしょうね。途中から、あ〜やばいなあ、と思って我慢していたけれど、亡くなった大好きな友人の事を思ってしまって、電車の中でポロポロ泣けてしまいました。 この作品、デビュー作だけあって、すごく若い感じがします。文章も、ストーリーも、今のほうがずっと上手くなられたのだろうなあと思うけど、この「キッチン」は、素直な言葉で一生懸命読者へ何かを伝えようとしているのがわかる文章が本当に素敵でした。ドキドキしました。 年をとったり何作も本を出してから、書こうと思っても書けるものではないんでしょうね。 その時だけのキラキラした輝きがギュッと閉じ込めてあるみたいなこの本が、すごく貴重で愛おしいな、と心から思いました。 あとがきで、「私は昔からたったひとつのことを言いたくて小説を書き、そのことをもう言いたくなくなるまでは何が何でも書き続けたい」という吉本さんの言葉がありました。 この思いが、吉本さんの小説の核になっていたんですね。 苦手なのに、面白いと思えないのに、なぜか惹かれてしまう理由ってこれだったのかなぁ? |
★★★★★ 04・10・12 TUGUMI 中公文庫 感動しましたー(T_T) つぐみはすごく魅力的ですね。ガラは悪いけれど、努力家で正義感が強い、透き通った心の持ち主。小さくて弱い体だけれど、体の奥底で燃える、誰よりも強いキラキラしたエネルギーがとてもまぶしいです。 読んでいると、「バーカ!」と悪態をつくつぐみや、屈託なく笑うつぐみ、一つ一つのしぐさが鮮明に目に浮かぶよう。 二度とこないひと夏の思い出、キラキラした海辺の風景、すべてが儚くて、切なくて、もう胸がいっぱいになる物語です。 |
★★★☆ 06・8・30 TUGUMI 中公文庫
特に感想もなくあっさりと読み終わってしまったんですが・・・雰囲気が好きでした。ばななさんの独特な感性あふれる表現があちらこちらでキラキラしていていいですねえ(^^) 変わり者のおばさんや優しい瞳をした弟に会ってみたくなりました。 |
★★★★ 08・11・07 みずうみ フォイル 「みずうみ」は、過去に何か大きな傷を背負った中島君と、そんな中島君に心通じるものを感じ、少しずつ惹かれてゆく、ちひろの物語です。 読んでいて、透明に輝く静かな水の流れをイメージしていました。 装丁がとてもぴったりです。ゆったり水の中を漂っているような感じで、ぼ〜っとしている内に読み終えてしまいましたが、優しい穏やかな雰囲気の心地よさが、読後もずっと胸に残っていました。 吉本ばななさんの作品は、心に大きな傷を負ったり、重いものを背負っていたり、世の中からふっと消えてしまいそうなところにいる人を、大きく優しく包むように書いているのが素敵ですね。読んでいると、大切なことを小説にして伝えたい、という吉本さんの気持ちが強く感じられるところも好きです。 これまで読んだ作品は、「ふ〜ん・・・」という感じで読み終えてしまうものが多かったのですけど、それでも定期的に読みたくなって、こうして手にとってしまうのは、そのせいなのでしょうね(^_^) |