沖縄〜台湾航路。
数ヶ月、もしくは1〜2年海外を放浪してきたようなバックパッカーが帰国する時、このルートで日本入りするのがいちばんラクで違和感がない、といくつかの旅本で読んで知ってはいた。なるほど、そうなのかもしれないなぁ、とわかるようなわからないような想像しながら、少なくとも、私には利用する機会もないし、あえて利用する必要もないルートだと思っていた。ましてや三半規管弱めな私、船は最も苦手な乗り物である。
そして昨年はじめて訪れた宮古島。
本島とも八重山ともまた違う独自の文化、雰囲気、世界と、東洋一の名も納得の抜群にきれいな海、美味い食事、旅行者の少なさ(どこ行っても貸し切り状態)で、本島より八重山よりも気に入ってしまった。
もう八重山には戻れないかも、と思ったほどに。
しかし、東アジアの地図を広げれば、八重山からあまりの近さで台湾がデンと居座っている。
行った人は皆口を揃えて人がイイ、食べ物が美味いと絶賛する国。遺跡や大自然といった世界遺産系、ミステリアス系が好きな私としては、これといってひかれるものがなかった台湾だが、この際八重山とセットでなら行ってもいい・・・とじわじわ思い始めた。
いったん思い始めると、思いが膨らむのに時間はかからない。
南西諸島を南下していけば終点は波照間であり、与那国である。けど実は違うんじゃないか? 見えない‘ボーダー’という錯覚に惑わされているだけで、本来たどり着くべき終点は台湾なのではなかろうか。
飛行機だと3時間ほどで着いてしまうその島へ、沖縄から、古くからの航路で行けば、より何か得る(=得する)ことがあるかもしれない。(?)
そしてしまいには、海外なんだから遠くなきゃいけない、先だっての南半球みたいに20時間とは言わないまでも、時間かけて行くからこそ外国なことを実感できるんだ、なんて自分に言い聞かせて洗脳していた。
初めて八重山を訪れてから3年半。その間に世は沖縄ブームで雑誌があふれ、TV番組・ドラマ、サイトからはたくさんの口コミと素敵な旅行記、ここに来てくださる方々からもほんとに多くのおすすめや情報をいただいてきた。宮古に行ったあとも八重山の面白そうな情報は絶えることがなくインプットされ続け、小さな島といえどほんの一面しか知らないんだ、と思うと同時に再訪したくなるのにこれまた時間はかからなかった。
こんなに沖縄に通う、きっかけになった島々へ。
その魅力を確かめに。新しい顔を捜しに。
石垣〜基隆航路を探し出し、週1便しかないその船のスケジュールをもとに沖縄行きの計画を立て、石垣を拠点に日替わりで離島へ。上陸する島の順序は船のスケジュールもろもろを吟味して黒島、鳩間、竹富、波照間と決め、人気の宿3軒ほどは2ヶ月以上前、航空券を取る前に押さえた。帰りのエアー、台北→那覇の片道チケットは海外発券になるため台北の勝美旅行社に依頼。当初、何から手配していいものかと思った旅が、そうして徐々に「らしく」なってきた。
ふと、ちょうど旅の前に、長年勤めた職場を辞めることにしていた同業N嬢を八重山だけでもどうかと誘ってみれば、静かに「行きます」という返事をくれた。
“沖縄は初心者ですがよろしくお願い致します”
沖縄初めて、しかも仕事に悩殺され国内旅行さえ出張を除けばこの数年全くといっていいほどしていなかった彼女。しかもしかも、見た目はたいへんに若いが(健康オタクなので。笑)実は私よりひとまわり近くも年上。旅行前、ジャパネットタ●タでステッパーみたいなのを買ってひそかに鍛えていたらしい。(爆) 持ってくものをリストにして、と言われて書き出したところ、
N嬢 「虫刺され?マムシにかまれた時の?!」
おかぽん 「・・・・・・」
なのに、出発の2日前になってトランクとリュックとデジカメの購入に付き合わされ。あんまり暴露すると怒られそうだが、まぁそんな彼女とははじめての旅行。
初めての八重山2人旅。 久しぶりの海外1人旅。 初めての海外船渡航。
国内と海外を強引にミックスした13日間。2週間あれば世界のどんな辺境にだってたいてい行けそうだが、今回は島に行く。ぎちぎちなスケジュール通りに旅がこなせるのか? やっぱり船には酔ってしまうのか? N嬢は毎日どんなボケをかましてくれるのか?
パスポートを持って沖縄へ、距離も日数も最長の島旅へ、私にとっても‘初めて’の多い旅がはじまった。 |
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