島 >>> 垣島 >>> 那国島 12 / APR / 2002 *FRI*



朝9時すぎの広島発石垣行き直行便に乗るべく、早朝5時松山出発! ‘しまなみ海道’を渡って山奥にある広島空港まで運転すること2時間半。忙しい最中、院長に無理を言ってもらった有給とANA‘超割’を利用しての八重山諸島1人旅。沖縄は本島にすら行ったことないというのにいきなり離島、しかも、一度に日本の最西端と最南端に行ってしまおうという魂胆。離島フリークYちゃんの影響と、同じ1万円ならできるだけ遠い所に行こう!というわけだが、実は国内の本格的1人旅はこれが初めてで、にわかに海外より緊張する。石垣まで2時間強。

機内からは鹿児島の霧島や屋久島
そして青い東シナ海と珊瑚礁が
面白いほどよく見え
美しさにさっそく
感動!

昼前石垣空港着。降りたとたん漂う、匂う
南国の空気!! 与那国島に行く夕方のフライトまで4時間近くあるため、バスで石垣タウンに出る。ロッカーに荷物を入れ空港目の前のバス停に行くと、浅黒くやたら‘厚塗り’のおばちゃんに、
「市内に行きます? あらぁ、今出たばかりですよ。次は40分後ね〜、私が運転します」。
そして再びバス。乗客はたった3、4人で(いつもそのくらいらしい)運転手の厚塗りオババは、通路を挟んで私の隣に座った私と同様石垣初めてらしいおじさんと話をする。2人の話を聞いているだけで石垣の美味いもの、おすすめの店情報をゲット。バスターミナル(離島桟橋)まで15分ほど。
よくわからないままアーケードの方に向かってフラフラ歩き、見つけた小さな蕎麦屋で八重山そば(ソーキそば)を食べる。

‘ゆうくぬみ’という店
(八重山の方言で狭い所という意味
ほんとに狭い)
ソーキ(角煮)が軟らかくて美味!

地元客は‘あんみつ’なんかも食べてました。
アーケードの一角に、面白い絵ハガキ(Yちゃんから何枚かもらって気になっていた)を置いている雑貨屋発見。数枚購入すると、実はその店のオーナーがカメラマン。自ら撮影して絵ハガキを作っているそう。私も素人ながらカメラ好きのせいで話が盛り上がり、これから与那国に行くと言うと、
「与那国は面白いですよ〜、あそこは島ひとつで何でも独立してやってるから、石垣とはまた全然違うんですよ」。
気さくでとってもいい方!! 深澤さん夫婦がやってる‘studioマーペー’ってお店です。

16:30 石垣発、RAC(琉球エアコミューター)のプロペラ機で与那国まで30分、かなりの低空飛行(高度1500mとかって言ってたと思う)で見えるのはもっぱら海面。石垣からはJTA(日本トランスオーシャン航空)が毎日1便、RACが週3便、那覇からもRACが週3便程度飛んでます。ちなみに石垣⇔与那国間はフェリーもあるが(週2便)東シナ海の荒波にもまれる4時間、別名ゲロ船と呼ばれているとか・・・。

17:00 与那国着。さすが日本最西端! 西日本からでも1日がかり、国内とは思えない遠さ!

数十人の乗客は
空港ロビーに迎えに来ていた
各民宿の人に連れられ
バンに乗って散らばって行き
私は1人空港の外に出る

タクシーがいない!
 椎名誠の『あやしい探検隊 不思議島へ行く』(角川文庫)によると、この島のタクシーは3台ということだが、10年前の情報なので今はどうかわからない(けど変わってなさそう)。待っててもやって来そうにないので荷物を抱えて歩き出す。民宿のある‘祖納’(そない)という集落まで2kmくらい。が、空港から200mも行くか行かないかのところでにわかに軽トラが停まる。髪の毛モジャモジャ、色が黒すぎて年齢不詳(60歳くらい?)のおじさん、煙草をくわえたまま、
「どこ泊まる?」
「中たけ荘」
「中たけ・・・どこやったかな・・・?」
この島ではこういうの当たり前なんでしょう。おじさんは別に何を聞くともなく、そして迷うこともなくちゃんと民宿まで送ってくれた。ちなみに‘中たけ荘’はガイドブックにはたいてい載っているが、小道を入って行ったところにあって目印もなく、場所わかりにくし。
ありがとう!!

で、中たけ荘。ガイドブックの“赤瓦の沖縄らしい宿”と、Yちゃんの“面白いオバアがいる素朴な宿”という情報だけでやってきたのだが、まず建物の古さとボロさに驚いてしまう。ひ〜、すごいとこに来ちゃったかも・・・。
「こんにちはぁ!」
とりあえず元気に挨拶するも応答なし。道路の方を振り返ると、道端に座り込んで休んでいた作業着のおじさんが、
「もっと大きい声で」。
こんちわ〜!!
それでも応答がないのでガラガラと引き戸を開けて上がって行くと、80歳越えてると思われるオバアがようやく姿を表した。
「はあ、こんにちわ。タクシーで来た?」
「軽トラのおじさんが拾ってくれて、乗せてきてくれました。」
「誰やろ??」
「さあ・・・?(笑)」
「アンタの部屋はここね。荷物置いたらこっちへおいで」。
普通の民家の一室のような8畳間に通され、ギイギイ音がするがきれいに磨き上げられた廊下を歩いて行くと、奥にめっぽう細長く広い食堂が出現。
「今お茶入れるからさぁ」
と言いながら中嵩(なかたけ)オバアは、これまた6〜7mあろうかという細長いテーブルの上の器の蓋を取る。中には手作りサーターアンダギー(ドーナツみたいな揚げ菓子)! そして、
「今日はあんた1人だけやからさぁ〜、好きに使っていいからさぁ、自由にしてねぇ。お風呂も入りんさい、食事はお風呂上がってからにしようねぇ」。
いきなり
貸切状態ときた!! いくらなんでも沖縄&離島&民宿初心者にこのオバアと2人とはディープすぎる!!

シャワーを浴びて再び食堂に行くとオバアはすぐ夕食をお盆にのせて持って来てくれる。八重山ソバ、カジキマグロの刺身、肉野菜炒め、どんぶりに山盛りのご飯、お漬物等。
「いただきまぁす!」
しっかし、ソバだけで腹9分目になりそうな量!(お昼もソバだったというのに・・・。) カジキマグロはやや臭みがあってそれほど美味しいもんじゃないが、そうしょっちゅう食べられるものでもないゾと頑張って食べておく(一切れがまたバカでかい)。シーズン中(4〜10月)は毎朝のように漁港に2〜3mのカジキが上がるらしく、定番のように食卓に出てくるところはさすが与那国! 普段やや小食(?)な私からすると完全に2人前はありそうな夕食、が、1人というのもあってなんだか残すに残せず、ほとんど冷や汗かきながら詰め込んでなんとか完食。そんな私をよそにオバアは、
「ご飯のおかわりはどうですか?」
それどころじゃなく苦しいッス・・・
「コーヒーもあるよ、自分で入れてね」。
天気予報によると明日の天気は晴れ、26℃。

中嵩オバアと2人語らうディープな食後。宿帳を見ると2日ほど前にも女の子が1人で泊まっていた模様。北は北海道から南は那覇・石垣まで全国各地から旅行者が来ているが、やはり沖縄県内からが最も多い。中たけ荘に通うこと37回という超常連やヘルパーを兼ねて2ヶ月住み込んだ学生もいる。四国からの旅行者は過去1年半の間にほんの4〜5人、松山からも1人だけ来ている。そしてこの宿帳には、“バツイチ子連れママ 旦那さん募集!”などというコメント(ちゃんと電話番号まで書いてある)の横に子供の筆跡で“優しいパパがほしいです”なんてあって、ちょっと笑うに笑えなかったりもする。
夏休みは猫の手も借りたい忙しさならしいが、オバア曰く、
「今の時期は一番お客さん少ないよ」。
そしてオバアは壁一面に貼ってあるゲストの写真を指しながら過去にやってきたいろんな人物・出来事の話をし、彼等から届いたお礼のハガキやその後の写真を見ながら、
「嬉しいねぇ。」
などと感動秘話(?)を淡々と語ってくれる。で、
「アンタは美人だねぇ。うちにいっぱいいろんな人来た中でもきれいよ」。
と私にもふってくる。
「あらそう?(笑) ありがとう」。
「ビジンだから大丈夫よ、あせっちゃいけないよ」。
ハハハ・・・とんでもございません! そしてふと食堂の片隅に、買い溜めされた箱ティッシュが
100箱!!くらい(ホント!)うす高く積まれているのを見て(ほとんど壁一面がティッシュの箱)吹き出しそうになったりする。

こうして日本最果ての夜は更けてゆくのでありました。


                                      
Continue...



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