INTRODUCTION



出発16ヶ月くらい前。
‘皆既日食を見に行きたい’
ある人があるところに書いていたひとことにビビッときた。

それだわ。

見たいぜ。めちゃくちゃ見たいぜ!
 地上のどんなモノより景色より、偶然のまた偶然が重なって起きるほんの数分の天体ショー。高校生の頃、宇宙飛行士になりたいと本気で思ったこともあったりなんかした私だもの、飛びつくのが早いのも当たり前。即リサーチ開始してみれば、次は2006年3月29日、アフリカから西アジア、ロシアにかけてと判明。その次は09年7月、奄美諸島から中国南部。近い方がいいけど4年も待てないなぁ。しょうがないなぁ、来年行くしかないなぁ。

出発5ヶ月前。
仕事とか八重山・台湾旅行の準備とかに大忙しなある日。あるところで
‘3月29日トルコ日食 日程によってはすでに航空券キャンセル待ち’
なんて噂が。春休み期とはいえまだ5ヶ月も前だよ。とんでもないぜ。しかし単純に焦る私は即航空券リサーチ、その日のうちに予約メール発信。オンライン空席紹介によるとこの時点でエミレーツ航空の残席は「6」。この数字は信用できるのかって? んなこたぁわかりません。もう日程なんて考えてる時間もなく適当に12日間・・・おいおい、そんなに休めるのかって? んなこともわかりません。

出発1ヶ月前。
相変わらず他のことに大忙しで、休みこそもらう口約束したもののこの間全く動きなし。てか、動けず。計画放棄、手配放棄、気分も盛り下がりでキャンセルの文字が頭をチラチラ・・・しかしチケットの決済期限が迫ったある夜、気づけばカード番号入力してる自分。しょうがないなぁ、行くしかないなぁ。



出発4日前。
そろそろ荷造り開始。そういえば部分日食観測用のサングラスって現地で買えるのかしら? ツアーじゃないから配ってももらえないし。
注:黒のセロファンとか下敷きじゃ有害光線通すから目に危険なんだって。
‘ヤフーオークションで買える’
‘「日食めがね」で検索すべし’

との噂は確かに、ちゃんとこんなものを売ってる人がいてくれてるわけで
「出発近いと思いますので入金確認前に発送しました」
と。なんとまあ!よくわかっていらっしゃる
それにしても今回の挑戦であり難題は大荷物。
一眼レフ2つ+レンズ3本+コンパクトデジカメ、フィルム、メモリ、充電器、プラグ、コード・・・
えーい、どうせかさばるならいっそのことドライヤーとかバスタオルも持ってってやるー!(ちょっとヤケ)
え?オンナひとりでそんな荷物持ち歩けるのかと?
んなこと言われる筋合ございません。


フライト6時間前。
半年ぶりに、数時間だけ立ち寄ったおかぽん実家にて。アタシの予定に合わせてちょっと早めの夕食は由緒正しい家族団欒とともに。
父     「あんた今度はトルコ行くってぇ?」 娘をあんた呼ばわり
母     「また危なそうなところ行くねぇ」
おかぽん 「たいして危なくないみたいよ。昔はそこそこ危なかったらしいけど」
父     「そんであの、カッパドキアとかいうところも行くん?洞窟ほったみたいな、奇岩の」
アタシの返事をさえぎって
母    
「またお腹壊すんちゃうの?」 何かにつけて毒づく母
おかぽん (‘また’ってあんた、私がエジプト以外にどこでお腹壊したってよ?)
      
「なんか食事は美味いらしいよ〜」
父     「オスマントルコ言うくらいやもんなぁ」 ちょっと意味不明
南米以降、海外逃亡は事後報告が恒例となりつつあったところ、今回はきっちり72時間前に事前報告してみたのであるが、やっぱりどうも、そんなことは彼らには無意味ならしく、会話の歯車がかみ合わないことにはかわりない。
おかぽん 「皆既日食があるの。それが見たいのもあってね」
母     「皆既日食なんかトルコまで行かんでも見れるでしょーが!
おかぽん 「・・・・・・」
 思わず絶句。

わかってないなあ!!!!

もういいです、君たち・・・・。皆既日食って、自分がその場を動かず見られる日を待つとすれば、長ければ400年も待たなきゃ見られないものなんだよ。多くの人が、一生に一度さえ見ることができないものなんだよ。なんて説教は面倒だからしない。


フライト5時間30分前。
おかぽん 「ごちそうさま!」
父     「え?もう行くん?」
母     「きゃー。今エビフライ揚がったから食べてってー」
コントみたいなタイミングで目の前の皿に特大エビフライを放り込む母。や、やめろーー!
おかぽん 「もう出ないと間に合わん」
父     「何言うてんの、しばらく日本食なんか食べられんぞー」
んなことどうってことないの。これもわかってないなぁ。しかし、径2センチはあろうかという極太エビフライに負けた。そりゃ美味かったわよ。けど、そいつのお陰で・・・!

フライト4時間前。
淡路島に向かう制限速度70km、片側一車線の徳島自動車道を律儀にぴったり70kmで走ってくれるトラックの後ろでイライライライラ・・・。ナビの洲本港到着予定時刻は船の出発時間を過ぎたまま。
イライライラ・・・・。のんびりエビフライなんか食うんじゃなかった。

フライト2時間40分前
洲本港ターミナル。はあ〜間に合ったぁ(汗)

しかしなんだ?この寂しさは!怪しさは!人のなさはっ!!
 不安マックス。ホントに船出てるの?!?!
我がプリウスを香川ナンバーのプリウスの隣に停めて(たまたま)ターミナルに駆け込んでみれば6、7人が次便の乗船を待ってた。ひと安心。
   メール送信:宛先 [ 父 ] 件名 [ エビフライ ]

  本文 [ のせいで危うく船に乗り遅れるところでした ]
関空行き高速船洲本パールライン、全然揺れません。快適だけどつまらない50分。揺れなきゃ損とばかりに揺れる八重山の船やフェリーに慣れてしまったか、逆に驚くわ。



フライト1時間30分前。
                                 ということで21時40分関空到着。これ以降の出発便はこれだけ

チェックインカウンターで。
「ドバイで一度入国できるんですよね?」
できないらしい・・・。ビザ要らないのになんでよ? 
基本的にトランジット扱い、荷物をスルーでチェックインした場合はダメなんだと。しかし突っ込んで聞けば、乗継便に間に合わなかった時の補償ができないので航空会社側としては空港から出てほしくない、ということらしい。ということは、出るかどうかは個人の判断に任せるってことね?と勝手に解釈。そういうことなら出ますよ、アタシは。だってさぁ、
8時間も空港に居られるかってんだ。

フライト40分前。
ビジネスマンらしき人たちが多い。東京からの乗り継ぎ客も多い。
大量にお菓子を買い込んで持ち帰ろうとしてる、どこかの国の頼りなげにひょろひょろで時代遅れのメガネかけた少年とか、三脚立ててタイマーで飛行機と一緒に自分を撮影してる男とかがさりげなく目立ってた。

And now boarding!


                                
    Continue...


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