ANTALYA 29 / MAR / 2006 *WED*



シェラトン・アンタルヤ前、地中海を見下ろす高台の公園。12時過ぎにはまだ「こんな状態でええのか?!」ってほど人はまばらだったが・・・
丘から見下ろせるビーチ沿いの公園にはステージセットが組まれてて、制服姿の学生らが楽器鳴らしながらおりてった。
やっぱり何かが起きるのだ。



演出じゃなくてほんとの旅客機。まだ太陽欠けないのに空ばかり見ちゃう

飛行機雲。いくら天気よくてもこれが思いがけず障害物になってしまうこともあるのだ。実際、日食観測について調べている時、過去いつかの日食で
飛行機雲が思いっきり邪魔をしてくれたという憎んでも憎みきれない体験談を目にした。これだけ飛んでればありえる確率かも・・・と広い空を二分しながら横切るジェット機を目で追いながら、ゴラー!邪魔なんかしてみろ!撃ち落としてやる!!と意味なく毒づきながら、ひたすらその時を待つ。そのうち薄雲が流れてきたりして、ああもう早く始まってぇ〜。それにしても暑いぜ〜。



12時40分頃、ついに右下から欠け始め!!
当たり前だけどこっそり、静かに食って始まるのね。まだアタシの周りにはそれほど人多くないが、にわかにみんな観測用サングラスをかけはじめる。でも、みんなまだそんなに嬉しそうじゃないし、騒ぎもしない。もちろんサングラスなしじゃ、食が始まったことなんて全くわからない。太陽はまだ何も変わらないいつもの強烈な輝きでそこにいる。


丘にもやっと人が集まってきて、下のステージでも音楽やDJがはじまる。 トルコ語で何言ってるかわかんないけど、なんだか盛り上がってきました
Tシャツ1枚でも暑いのに、ブレザー姿の学生たち。見てる方も暑いわ。
そのうちホテルの屋上にも観測隊が出没したりで、人間観察も面白くなってきた。
13時8分。
欠けはじめてから30分たってやっとこのくらい。
でも、3分の1欠けただけで、なんとなく日差しがやわらいできた気がする。気のせいだとも思える程度だけど。
部分日食(太陽)を撮影するにはND400っつう減光フィルターが必要だが、今後の使用頻度を考えると購入に踏み切れなかった私は近くにいたガイジンの荒ワザを真似て、普通のレンズに日食メガネをくっつけて撮ってみた。ガイ
ジンの荒ワザと、その簡単そうでいて意外に高度なテク&部分日食中のほかの描写はこちら(当サイトBLOG記事「続 3・29そのとき」)をご覧くださいまし。三脚を持ってきてないところからして日食ファンの方にはなんということだと説教されそうだが、撮るのが目的じゃないの。この目で見るのが目的なの! だから私はこれで充分満足なの。
13時35分。
欠けはじめから約1時間経過、皆既突入20分前。
この静かにジワリジワリがたまらない。ジワリジワリ日焼けしているのもわかる。(汗) いつの間にか周辺には何百人もの人々が集まってきていて、寝転がったり立ったまま、黒いメガネをかけては同じ方向を見つめてる。アタシが腰掛けてたベンチにもトルコ人のおじさん2人とおばさん1人がやってきて、
おじさん 「○×△※◇#◎?」
      (たぶん座ってもいいかと聞いてる)
おかぽん 「どうぞどうぞ〜」
おじさん 「テシェッキュレ・エデリム (^^)」
おかぽん (^^)
そんなおじさんのうちひとりは英語を話し、彼が通訳になって二言、三言、四言・・・and more。お互い簡単に自己紹介して握手しちゃったり。私を日本人だと知るとやっぱり喜ぶんだよね。もちろん悪い気はしないけど、トルコ人ってなんでこんなに親日家なんだろー?
しかしそんな彼らは肝心のサングラスを持ってない。遠慮がちに私のを貸してくれと言うんだけど、そんな遠慮しなくたって!ほら、
早く、しっかり見て!!この世紀の現象を!! そのうち反対隣の芝生に寝転がってるおじさんからもメガネ貸してって手が伸びてきて、ひとつのメガネが5人くらいの間を行き来して忙しい。そうこうしてるうちに、まだ全然暗くはならないのに、海からの風で肌寒くなってきた。確実に光は弱くなっているらしい。
部分日食中、いつまでたっても直視できない太陽
でも少しずつ寒くなってきたよ?!
13時43分、皆既まであと10分少々。
これ以後は逆にサングラス越しだと光が弱すぎてピントが合わず、フィルタ・三脚なし手持ちの荒技では撮影不可能でした。この写真もブレてるし。
微妙に周囲がざわつきはじめて、私もついにドキドキしてきたじゃない! その瞬間に備え、改めて2機のカメラをチェックする。それにしても、いつまでたっても太陽ったらまともに見られやしない。これだけ隠れてるのに普通に明るいって、太陽ってすごいよなぁ。で、いつになったら暗くなるのぉ〜?!
でもここから、その瞬間まではあっという間だった。
13時53分頃。舞台の幕がひかれるように、どちらかからどちらかへと急に暗くなった(あとで知ったが、シャドーバンドといわれる現象だったかも)。なんと、真っ昼間の闇がやってくるのは皆既のほんの数十秒前だとは! 同時に、地表からこみあげるようなどよめきと大歓声が沸き起こる。ほんとに、地震の第1波かと思うようなどよめき。私としたことが、わかってたことなのに、全く冷静ではいられず。辺りを見回して、とりあえず芝生で寝転がってるおじさんと顔合わせて、お互い無敵の笑みを浮かべるワタシたち(笑) 不意に暗くなった周囲に目が順応しないまま、見上げれば太陽はみるみる黒くなり、ダイヤモンドリングに突入。

キターーーー!!!!

いよいよ冷静でなんかいられない。
「きゃーーーーー!!!」だの「うそーーーっ!!」だの「えええええーーー」だの「わーーーー!!」だのと、どさくさにまぎれてわけのわからない歓声を次から次へと(^^; 動揺のあまり、そして美しさと神秘さのあまり、ダイヤモンドリングにカメラを向けることなど到底不可能。そんな余裕あるわけないでしょ?! あまりにいろんな‘ありえない’現象が、一瞬にして起こりすぎなのよ!!


13時54分。もうフィルタは必要なし、ほんのちょっと我に返ってシャッターを押してみた

指笛が鳴り続ける異様な熱気。自分も含め、数分前までいたって静かだったギャラリーが、チームの勝利に狂喜するスタジアム観衆状態に変貌。古代人が震撼としたのは当たり前。現代に生きる私だって、今起きていることなのに、それがなんなのか理解するのに時間がかかってしまうほど非現実的なんだもの。でも、悩み苦しんでいる時間なんてない。一眼レフのダイヤルを‘S’にまわし、シャッタースピードはもっぱら勘で適当に設定し、再びファインダーを覗くが、その数秒の時間さえもったいない。この瞬間のために重いカメラと望遠レンズを持ってきたというのに、正直、写り具合なんてもうどうでもいいとまで思っちゃうんだから普通じゃない。液晶で写り具合を確認する数秒がますますもったいないんだもん! そんな、ほんの200秒ちょっとの皆既中のすったもんだ(?)は再びこちら(当BLOG「時が止まってほしかった」)でどーぞ。
結局、写真は少ないながら思ったより撮れていたから結果オーライ。

生で見るのこそ初めてだけれど、昔TVドキュメンタリーでアフリカで起きたそれを見たことはある。やはり昼間に急に暗くなって、野生動物たちが夜がきたと間違えて、慌てて眠りに入ろうとする姿を映してた。でもやっぱり、生で見るのはあまりにも、あまりにも違う。むごいほどに短かかった4分間。せめて10分くらい続いてほしかったなぁ。
できるだけ長い時間、肉眼で見つめていようと頑張りながらも、時折カメラのファインダーが、望遠レンズが双眼鏡代わりになってくれた。買ってよかったぁ〜。持って来てよかった!そしてアンタルヤに、トルコに来て本当によかったともしみじみ。こんなに素直に、心の底から感動したのって

あとで見て、太陽表面で起きてる爆発のすごさにびっくり
太陽この大きさに対して、この炎の立ち上がりって!!
ものすごく久しぶりのような気がする。
追いかけずに地球上のある1点にとどまって待つとしたら400年くらい見られないかもしれない現象、追いかけてきた甲斐あったさ。
ありすぎたさ!!!

                                
    Continue...


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