GÖREME (Cappadocia) 30 / MAR / 2006 *THU*



各自自分のペースでまわってみると、さほど広大でもない野外博物館なのにフレンチ・ガイの姿は全く見ない。それで適当にひとりで歩いてペンションに戻ってくると
ダイスケ 「フレンチ・ガイは?」
おかぽん 「さあ・・・」
その間に荷物は半地下のドミトリーから2階のダブル(洞窟部屋じゃない、普通の)トイレ・シャワーつきの部屋に移動されてた。ということであっという間にドミ脱出、初体験ならず(って望んでるわけじゃない)。

私に遅れることしばらくしてフレンチ・ガイも戻ってきたらしく、昼1時前になって昼ごはんも食べずトレッキングに出発。朝しこたま食べてるから必要ないけれども。

ダイスケ 「往復8kmあるよ、地図はフレンチ・ガイが持ってる。疲れたらウチヒサルからドルムシュで帰ってくればいいさ」
仏ガイ  「‘tired’って?」
ダイスケは我々に英語で説明するが、流暢とまではいかないもののフランス語もそこそこできるらしく、仏ガイには時折フランス語で説明する。あとで聞けば英語はイギリスに留学して学び、フランス語は2年間スクールに通ったんだって。2年通っただけでこんなに・・・スゴイねえ。そんなことよりダイスケくん、
いま8kmって言いませんでした?! 聞いてないよー! そんなアタシに気づきもせず彼は
「よーし、着いたよ、水は持ってるね?!」
持ってますけど、言うの遅すぎです。(汗) この炎天下8kmって知ってれば水もう1本とクラッカーくらい持ってくるわよ。
仏ガイ 「彼女(おかぽんのこと)英語できるの?」
ダイスケ 「ああ、うちに来るたいていの日本人よりはね
なんか微妙なこと言ってるし・・・。日本人にもアタシに対しても失礼しちゃうわ、と言いたいところだけど、かなりもっともなような気もする。つまり私の英語力は‘下の上’だってことでしょ。仏ガイがその意味をくんだかどうかはわからないにしても。

1時、ダイスケは我々をトレッキングコース入り口でおろすと
「じゃ、ギョレメで待ってるよ!
グッド・ラック〜!
と言い残して帰ってった。んもう、面倒見いいんだかそうでもないんだか。
本日トレッキングの出発地点、ホワイトバレーという場所だそうで。彫刻したとしか思えないよ
いきなりにょきにょき濫立する無数の塔に取り囲まれる。出発地点からしてこれってやばいよ。2人とも写真撮るばっかで全然歩が進まないんだもん。私以上にシャッターきってる仏ガイは、Nikon D100を持ってることからしてなかなかの写真好き旅好きみたいだ。腕はどうだか知ったこっちゃないけど。
お互いやっと写真の気がすんで歩き始めてみれば、300mも行かないうちに道を間違える仏ガイ。どうみてもそりゃないぜ、な方を行こうとする彼・・・怪しみながらもついて行ったら行き止まり。を2、3回繰り返し、しょうがないから私が先に歩み出る。とそのうちヤツも私のカンを信じるようになって、以後ずっと後ろ・・・。パリ市内ではあるが郊外に住んでいて、エンジニアやってるという彼は3枚目でまあまあ楽しいイイ人っぽいんだけど、こんなところを8kmもふたりっきりで歩くのなら
もうちょっと若くてもうちょっと顔もよくてもうちょっとカンの冴えてる男の方がいいに決まってるじゃん。ちゃんとセッティングも考えてよね、ダイスケくん。

最初は楽勝でああ楽し。しかし徐々にコースは道なき道へと、アップダウンも激しくなってきて這い上がらなきゃいけないところやら、くぐらなくちゃいけないところやら。めちゃくちゃ暑いし!! 日焼け止めもサングラスも持ってこなかったじゃない。
   大自然のラビリンス!
行くごとに生き物みたいに表情を変える岩々。いちいち立ち止まって撮ってたら明日になってもギョレメに戻れないし、切り取ろうにも納得のいかないスケールに、だんだん写真なんてどうでもよくなってくる。またしても。何万年、もしかしたら億年という時間が生み出した景観に、この私が、人間なんてちっぽけだね、と思ったりして。

ウチヒサルへのトレッキングコースがこんなに表情豊かだなんて、ロンプラにさえ記載はないが、天気よければぜひとも迷い込んでみるべきだ。夏の時期と方向音痴(カンの冴えない人も)と足に自信ない人にはおすすめできないけれど。
カメ、トカゲ、ヤモリの類とは頻繁に対面



ほとんど休まず1時間半歩いたところで「あれがウチヒサルじゃない?!」と仏ガイが指す上方を見れば・・・小さく尖った岩にまるで要塞のごとくへばりついてる建物。おお、これはトルコ版はたまた山版モン・サン・ミッシェルか?!
しかしまだ
遠すぎる〜〜〜〜。上すぎる〜〜〜〜〜。
あそこまで上がれって?!と目を疑いたくなるような距離&高さ。目測で直線距離2km、標高差250m。あとで知るのだが、ウチヒサルはこの辺りではいちばん高いところにある。どおりで今いる谷とは天と地ほどの標高差に感じるわけだ。

はーーー。
そしてロープがほしいほど急勾配な岩の斜面を黙々ゼーゼーと這い上がるアタシたち。もうほとんどロッククライミング。一歩踏み外せばするすると谷底まで落ちて・・・な危険すぎる箇所もあるわけだが、ターゲットが見えれば俄然ペースは上がるのだ。
カッパドキアまで来て誰が好んでこんなことするよ?と思いながらも必死でウチヒサルへと続く道路まで這い上がってみると、どうやら我々、ダイスケに教えられたのとは違う
近道を来たらしい。
奇岩の迷宮の末に待っていたのは天空の城塞。しんどさはともかく、非の打ちどころのないシチュエーションでしょ? もうまるで
天竺を前にした三蔵法師な気分。ウチヒサル=尖った岩って意味で、巨大な一枚岩らしい。おかぽん的にはどうみてもトルコ版モン・サン・ミッシェル。ここまでまわってきたトルコの中でいちばんの風貌だ。それより、てっぺんに人がいるよ! あそこからの眺望こそ絶景に違いない。が、今の私にあの上まで行く体力はなくてよ。寝てない、食ってないのもあるけれど、それ以上に最後のロッククライミングはきいた実にきいた。おかげで、ここまで来ただけで、達成感というすがすがしさにすっぽり包まれてしまってる。それでも登りたいよ〜!!って思ってたらまたバイクの男が拾ってくれたりしないかしら・・・。
ダイスケが仏ガイに渡している地図によると、クラブメッドのところで折り返して別の谷を帰ってくるようになってるのだが、そのクラブメッドがどこだか見当たらない。ウチヒサル手前の、大型バスが停まってる店に聞きに入ったところは団体客強制連
行用宝石店。少し日本語話せるおじさんが、客でない小娘にもかかわらず親切丁寧に教えてくれる。でも日本語で道を説明するのキツそうだったから「英語でいいですよ」。すっごくきれいなトイレも使わせてくれてどうも、どうもありがとう!
ほんとに人様が住んでる様子のおうち
あーん、可愛すぎ。
つまんで持って帰りたい


仏ガイとビスケットかじりながら少し休んで3時、ウチヒサル手前で折り返して別の谷へとおりる。アップダウンはあるが基本的にくだりだから断然ラク。しかし当然また景色は違うわけで、一刻たりと飽きさせない。
ガウディ建築にそっくりな岩
ん?カサ・ミラってここのパクりじゃん!!
帰りも相変わらず岩を乗り越えなきゃいけなかったりして、ふと仏ガイのカバンを持ってみたら重いこと!!! アンタこんな重いのずっとぶら下げてたわけ?! カメラは出してるというのに、いったい何が入ってんのよ?! 一眼レフ2個入ってる私のデイバックの倍くらいの重さに、持ったとたんよろけそうになる。そんな彼は言っちゃ悪いが歳のわりに、見た目よりもずっとタフで好奇心旺盛で、ぽつぽつと民家が出現しはじめギョレメ村の端っこに戻ってきたところで
「ボクもうちょっとあの奥の方まで散策してくるよ」
と別行動。そして私はひとり、村はずれをぷらぷらペンションの方に向かっているところにもれなくバイクの男が登場!と思っ
たらダイスケだった・・・。
「フレンチ・ガイは?!」
さすがに「さあ・・・」とは答えず(笑)
「寄り道して帰るって。その向こうでさっき別れたとこ」
でもかくのごとく、今日も不思議に助っ人はどこからか登場し、ダイスケもまた250ccのうしろにアタシを乗っけて宿まで風を切って気持ちよく飛ばしてくれるのであった。

「サンセットは6時半頃だよ。あと2時間ある。キミほんと疲れてそうだからそれまで眠りな!」
このときのアタシの仮の姿?
アナトリア・ペンションのどう見ても賢そうじゃないワンコ

                                
    Continue...


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