>>> GÖREME (Cappadocia) 30 / MAR / 2006 *THU*



眠れぬ夜行バスの夜は明けて早朝、バスはカッパドキアの谷に入りこむ。手前のネヴシェヒルって町を越えたあたりから、キノコ岩がそこらじゅうにぽこぽこぽこ・・・ すんごい雰囲気あるよ!しかもようやく明るくなったところ。朝もやにぼうっと浮かび上がる奇岩は眠ってないゆえの幻覚だか、焦点が合わないゆえの蜃気楼みたいにも見えて、ちょっぴり感動しながらも、広大なテーマパークか映画のセットにでも迷い込んだみたいな錯覚に。

7時、ギョレメでバスを降りるの私ひとりだけ。やっぱり、どうやら私以外はみんな地元人だったみたい。ま、そんなことはどうでもいい。問題は、
オトガルに放り出されたんですけど、客引きとか、誰もいないわけ。しょせん客引きなんて、いなくていいところにいて、いてほしいところにいないものなのよね・・・こら!ギョレメのペンション、やる気あんの?!
あ〜あ、しょうがねえなー。とバス会社の小屋が並ぶだけの寂しいオトガルを見回した瞬間、視界上方に静かに、しかし巨大な物体が!! 気球が頭上を横切りみるみる小さくなってった。
わあ、気球ってすごい速さで上昇するんだね。エレベーターみたいに耳痛くならないのかしら? 絶対怖そうだけど、気持ちよさそうー。乗りたいけどトルコの物価にしては許せんほど高いんだよな・・・アタシは北海道で乗れればいいや。

   

さて宿さがし。いくつか目星をつけてた中から適当にトランク引っ張って行けそうな範囲&洞窟部屋があるという条件に注目してまずは1軒目アナトリア・ペンション。・・・・人の気配なし。
「・・・・グッモ〜ニ〜ン。誰かいませんかぁ?!」
こら客だぞ、客! ‘RECEPTION’と書いてあるドアに鍵はかかっておらず、ガチャリと開ければソファに横になってる若い男がひとり。
MMMNNNN・・・・
うめきながら起き上がる彼。起こしちまったか。ええい、起きろ!
今着いたわけ。今日部屋あんの?
とタメグチな気分だが、英語でこうはいかない。しかしこっちだって寝不足と疲れであまり機嫌はよくないんである。
「あー、今部屋いっぱいだよ・・・」
小柄な彼もまたあまり機嫌よくなさそうにそう言いながらも、残っているキーを確認してその1本を手に取る。
「ドミトリーなら空いてるんだけど・・・そうだ、君ひとりで使っていいからさ。で、他の部屋が空いたらかわるっていうことで?」
ついにドミトリーかよ。それもドミトリーのシングルユースってよ。まあもうなんでもいいわい、とにかく部屋を見せろ。

と放り込まれたドミトリーは岩をくりぬいた洞窟部屋。けっこう可愛くしてん

じゃん。暗いけど・・・ちなみに何を隠そうドミ初体験ざます

7人部屋のシングルユース(シャワー・トイレは外)、朝食つきで1泊25YTL(2200円)。ハイ、決めた決めた、洞窟部屋だし、ある意味充分すぎるわ(苦笑)。他のホテルをあたるほどの否もなく、なによりそんな気力もないほどくたくたなわけで、1軒目にして即決。またしても、昨日の5ツ★リゾートホテルとのギャップ激しすぎ。ある意味エキサイティングでもありますな。
「夜行バスで着いたばっかだからシャワー使わせてほしいんだけど、今いい? お湯は24時間?」
「ノープロブレム!」

そんなこんなで早朝に飛び入りしたアナトリア・ペンションは男2人でやってる様子。髪を拭きながら部屋に戻ろうとするアタシを
「グッモ〜ニ〜ン!!ウェルカムトゥーカッパドキア〜!」
と低い声で大きな目をギョロつかせながら呼び止める男その2。
おかぽん 「はあ・・・ぐっもーにん。」(かなりお疲れで相変わらず不機嫌なのです)
男その2 「君、朝ごはん食べてないだろ? さ、まずはこっちきて食べなさいっ」(絶対にノーとは言わせない口ぶり)
おかぽん 「はぁ・・・・」
さきほど男その1を起こしたレセプションの奥には、そう広くないが大きなテーブルとソファにクロスがかけられ、壁には世界の旅人たちが置いてった本がぎっしり。ストーブが焚かれてて
ぬくもるぅ〜。そ、カッパドキアの谷ってこの時期朝晩はまだ寒いの。つい数週間前まで雪降ってたらしい。壁の本を物色してるうちに、ほどなくして男その2が持ってきた朝ごはんは
予想以上に強力だった。
「うわ・・・」
さすがに元気出ますよ。一方で、疲れてるときにはキツいものがあります。朝から春巻きみたいな揚げ物って。(しっかしこれが美味かったのよ!!) とにかく歩き方がいう“盛りだくさんの朝食が自慢”とはこのことらしい。
たっぷりの濃厚ヨーグルト ★★★★★
チーズ春巻き ★★★★★
フェタ ★ (やっぱりしょっぱくて、あんまり好きじゃない)
他野菜とか果物とか、オリーブの実とか ★★
アップルティーと山盛りのパン ★★★★★
フェタ(山羊チーズ)入りの春巻きのあまりの美味さに、男その2に名前とレシピを聞くが、名前なんて今や全く思い出せない。そうよ、ギリシャでフェタをまるごと揚げたの食べたけど、そのまんまだとしょっぱくてどうしようもないヤツが揚げると妙にまろやかになって美味い。フェタは揚げるべきなのね。

食べてる途中で客とおぼしき白人男が入ってくる。推定48歳、通称(オーナー曰く)フレンチ・ガイ。9日間のトルコ旅行でここに7泊という、まず日本人なら絶対にやらないカッパドキアオンリー、それもギョレメ村ステイプランを遂行中の彼、レンタカーで奇岩めぐりしたり、昨日の日食はバルーンに乗って、バルーンから見たらしい。フン、小生意気な。でも少々不機嫌度が軽くなってきて、そんなフレンチ・ガイと和気あいあい(?)の朝食タイムを過ごしていると、朝の仕事が一段落したらしい男その2が再び登場。チェックインにパスポートが必要ってんで出せば
「いひひ、君197●年生まれかぁ。ボクと同い年だぁ。だけどボクは7月生まれだから君より年下だぁ〜、ムフフ〜。」
と笑うせぇるすまん(古いが許せ)のモノマネみたいな口調で(もっと似てる男、エジプトにいたなぁ・・・)ひとりで言いながらペンを走らせる。
けっ、年上で悪かったなー(`´+と思ったら今度は
「君、トルキッシュ・ネームつけてほしいかい? つけてほしいだろー。イエスって言いなさい(年下のくせに命令調)・・・・よしよし。(アタシの顔をまじまじと見ながら)ギュルっていうのはどーだい? すごくいい名前だ・・・(自分で言って自分で感心してるそぶり)なんていう意味か知りたいかい? 知りたいだろー。なに、知りたくない? それはね、
RRRRローズ(スゲー巻き舌)っていう意味さ。バラの花。」
バラでもコスモスでもひまわりでもなんだっていいわ。それより、来る女性客だか日本人娘みんなギュルにしてんじゃないの? とは言わずに
「それってトルコ人によくある名前?」
「ううん、珍しいよ。よくあるのは○△※◇とか□×#◎とかね。とにかく君は今日からギュルだ。」
あっそ、なんとでもどーぞ。
「僕の日本名も知りたいだろー?!」
なんでアンタに日本名があるのさ?!
「なんだと思う?」
しるもんか。
「ダイスケさ。」
「あはは〜、お見事!!(笑)」
いやこれはほんとにお見事。命名者に拍手、これほどビンゴな名前もないわ(パチパチパチ)。でもって男その1(20歳)の日本名は「マサシ」なんだと。これもまんま。そんな感じで日本人女性が好き、またはいきなり、そしてひとめでアタシを気に入ったとしか思えないダイスケは、2日しかないギョレメ滞在中のプランを提案すると同時にほとんど押し付け。地図を持ってきてカッパドキアについてひととおり説明したあと
「1日バスツアーは朝9時半出発だから、今から申し込んでも間に合うんだけど、今日はキミ、着いたばかりで疲れてるだろうし天気いいからツアーは明日にして、この近所を自分で歩いて回ったらいいよ。ちょうどフレンチ・ガイもトレッキング行くって言ってるし、その前に野外博物館行っておけばちょうどいいし。博物館もトレッキングコースへもボクが乗せてくよ。それから、夕方はサンセット・ポイントに行かないとね。いいところがあるんだ〜、これもバイクで案内するからさ。ワインとか持ってったら・・・ムフフ〜、ロマンティックねぇ!!」
ムフフはやめろ。しかし、おい、疲れてるだろうからトレッキングだと? ホワイトバレーからウチヒサルとやらを往復するコースとのことだが、それがどれほど起伏だらけで道なき道のタフでラフなコースだか知る由もなく、ダイスケの言うままにして
えらい思い&想定外の肉体酷使をすることになるのだった。明日のワンデイツアー50YTL(4300円=US$37)もダイスケが手配してくれる。もともとかなり世話好きで面倒見よさそうな男である。



10時、フレンチ・ガイとともに古いフォードで博物館に連行されるが帰りはペンションまで歩けだと。といっても1kmないくらいなんだけど、それよりどこもかしこも見回す限り奇岩ポコポコ。ワンダーランドである。そんな景観の中に入り込んでるギョレメ村ってところもなんかこう冗談みたいな存在に思えてきちゃう。
ギョレメ野外博物館、12YTL(1050円)。博物館というか、岩窟教会大集合なところなんですね。それもリンゴの教会とか蛇の教会とかサンダルの教会とかバックルの教会とか、よくわからない名前の。でも狭い階段を順番待ちして中を覗けばキレイなフレスコ画が一面に、外を仰げば奇岩のパノラマ。
教会の中って実はかなり暗いから
手ぶれ補正つきでなくちゃこんなに撮れないよ(と思います)


しかし野外だけあって、日が昇ると暑うございます。坂だらけだし乾燥してるし、ここも真夏だとひからびそう。にしても朝着いた時は暖炉が恋しい寒さだったのにね。
奇岩より壁画より、なにより私を驚かせたのは満開の桜だったりして。うっそお?! 帰ったらもう散ってるなぁ、今年は日本で花見できないなぁと思ってたら! 赤茶けた奇岩の間に何百本、何千本の薄ピンクにものすごい違和感を感じたのは、私だけじゃなく日本人ならきっと。自分で見ても合成写真みたいだもん。ということで、冬季の雪をかぶったカッパドキアもよさそうだけど、日本と同じ花見の時期のカッパドキアもかなり妙でよう
ござんすよ。もちろん誰も花見なんかしちゃいないから、思う存分独り占め。ま、30分も見てりゃ飽きますが。

                                
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