>>> ASWAN 16 / NOV / 2003 *SUN*



室内はノドが痛くなるほどこっぴどく乾燥していて快眠はできなかったが、途中ルクソールに停まったのに気づかなかったから少しは眠れてたみたい。トイレに起きると、満室だったはずの部屋が半分ほど空になっていた。列車はナイル川の東岸をひた走る。車窓からはナイル川、砂漠、やしの木、家と道路以外は何も見えない。
7:15 朝食。今日もムッシュー坂東が「ティー or ネスカフェ?」

◆ BREAKFAST ◆

パン3種類+パウンドケーキ
白チーズ、バター、ジャム、紅茶
★★★

炭水化物攻撃にややも笑ってしまうが、紅茶はやっぱり美味しい。
8時過ぎるとムッシュー坂東に、
「もう2、3分で着くから荷物を出してください」
と急かされるが、アスワンに着いたのはそれから10分くらいしてであった。廊下に出るとハネムーンか、専属地元の日本語ガイドつき日本人カップルが先に荷物を出してアスワン到着を待っていた。個室で食事はルームサービスなので他の乗客との出会いは期待できないし、特別面白いこともないし、目が覚めると劇的に風景が変わっているなんてこともないけれど、まぁ悪くない列車旅でした。

アスワン。カイロより空気はドライで、駅もラムセス中央駅のような暗さはない。駅を出ても開けた広場に緑があってカイロのような喧騒・混沌はない。
やっぱ地方がいいわぁ。田舎者は各国どこへ行っても地方の空気の方が合うし、ほっとするもの。もちろん駅を出るとタクシーの客引き襲撃にあうが(列車を降りたホームにまでホテルやタクシーの客引きがやってきてたかも)、それもカイロの奴らほどしつこくないし、血の気も少なく?目の色も変わってはいないから、こちらも逃げたり意地を張ったりするのにエネルギーを使わなくてすむ。

ナイル川沿いを歩くこと20分、地図で目測するよりずいぶん遠かったがなんとか目的のホテルにたどり着く。雑居ビルの間の路地にいたじいさんが(退屈そうに椅子に座ってぼーっとしてた。ホテルの関係者ではなさそう)、
「イッサラームホテル?ハトフルホテル? イッサラームはこっち、ハトフルはこっち」。
路地を挟んで2つのホテルの入口が向かい合っている。どちらもたいして変わらなさそうだがイッサラームの方に入ってみる。そこで階段の横にあった‘Reseption is 1st Floor’の表示に騙される。エレベーターもあったが、1F(日本で言う2F)ならと荷物を持ち上げドカドカと階段を上がるが、3階分くらい上がってもまだフロントにたどり着かない。どうやらこの雑居ビルの2F全体は使用されておらず、ないも同然の幽霊階として扱われているゆえにホテルは3F(正確に言うと中4Fくらいだった・・・)から上。
やっとこさ着いたフロントには、馬面にしたヒュー・グラントをさらに垂れ目にして短髪に刈ったような兄ちゃん(なんだかいい例えが思いつかないんです・・・)がつっ立っていた。
「今日泊まれますか〜?」
オフコース!
よっぽど客がいないのか、彼はさも嬉しそうに張り切りすぎて
咳込みながら言う。
「ナイルビューの部屋がいいんだけど」
オッフコース!!
すると彼は適当に部屋の鍵を何本か持って、ついてこいと言うにはあまりの勢いと速さ、嬉しさのあまりか何をそんなに急ぐのかフロントから駆け出し、エレベーターを使わず2段とばしで階段を上がって2Fの部屋をいくつか見せてくれる。朝の掃除の時間で多くの部屋のドアが開け放たれているが、本当に客はまばらなよう。廊下やロビーは暗く常に模様替え中といった感じで雑然としているが、部屋はかなり数があってどれもわりと明るい。といってもセンスや趣味といったものとはまるで縁がなく、古い病院の病室みたいな無機質さ。いちばんはじめにナイル川に面した部屋に通されるが、
「やっぱこっちの方がいいかなぁ」
と続いてナイル川も見えるがスーク(市場)も見える角部屋に案内され、ベランダの窓を開けて見せてくれる。しかし、
「うん、この部屋でいいわ」
と言えば、同じ位置のもうひとつ上の階の部屋(3Fだが実際には5F以上)にまた階段2段とばしで連れて行かれる。
しんど〜。フロントに戻ってきた兄ちゃんも息が切れてて、そんなに慌てなくたっていいじゃん?! 逃げやしないんだし・・・。

というわけで
ナイルビュー・スークビューの部屋からの
ナイル川と西岸の眺め

シャワー、朝食つき1泊35£E(700円)
こんなに平和そうでいて
カイロの半額だぁ
やっぱり地方だぁ

チェックインしようとしたちょうどその時、同じ列車でアスワンに来たと思われるドイツ人?の中年男が上がってきて、
「部屋はあるか? 
I like a biiiiiig bed!!

するとそれだけで混乱した兄ちゃん、
彼女はあなたのワイフ?
ノーノーノー!!(ドイツ人と顔を見合わせて爆笑)
なんで我々が夫婦やねん!! ありえんわ〜。そして兄ちゃんは私に「ちょっと待ってて!」と言い残し、また鍵を持って2段とばしでドイツ人と部屋を見に行った。しばらくして戻ってきたドイツ人もここに決めたようで、
「妻を連れて戻ってくるよ!(笑)」
こんなに動きの早いエジプト人もはじめて見るけど、こんなにエネルギーありあまってそうなハツラツとしたエジプト人もはじめてだ。

アスワンには2泊する。明日はアブ・シンベルに空路日帰り、こちらは日本でチケットを購入してきたが、明後日のルクソールへの移動手段は決めていない。アスワン⇔ルクソール間も外国人の陸路移動は制限されていて、やはり列車と公共のバス乗車は禁止(チケット売ってくれないそう)。ところがガイドブックには、ミニバスでコンヴォイという護衛付きのツアーに参加すれば、途中エドフやコム・オンボなどの遺跡に寄りながらルクソールまで行くことができるとある。何か手段はあるはずと期待して空路のチケットを買ってこなかったのだ。とりあえず駅前のインフォメーションで聞いてみよう。
今度はホテルから駅前まで、ずっと伸びているスークを歩いてみる。と、これぞ待ってましたの好奇心をかきたて刺激するヘンなものだらけ、初めて目にするものだらけの
デンジャラスゾーンなのでした!!

日中もにぎやかだけど
夜の方がますます活気づく
概してアスワンの治安はよく
健全な感じ
水タバコ‘シーシャ’
大きさいろいろ、解体できるので
お土産に買う人もいる

夕方になると
男たちが路上のカフェにたむろしてこれを吸う
ムスリムはアルコールを飲まないのもあってか
喫煙率はめちゃ高い
きれいに盛り付けられた
色とりどりのスパイス
南欧同様サフランは安くて人気
胡椒だけでも白、黒、赤、緑
カレー粉にインディゴ、ハーブetc・・

肉屋は外で解体作業中
気温高かろうが砂埃かぶろうがおかまいなし


お気に入りBooksでも紹介している『エジプトがすきだから。』などで読んでなんとなく想像はしていたが、店の呼び込みは想像以上で、ひっきりなしに様々な日本語・英語が飛び込んでくる。視覚的にも大変楽しく飽きないが、カイロではあんなにうざかった客引きの言葉がなんとここでは聴覚的に楽しめてしまう。聞こえてくる言葉の質が違うからだと思うが、にしても
誰が教えてんだ?

聞こえてきた言葉・・・
ジャパニーズ、オジョーサン、コニチワ、アイシテマス、チョットマッタ、ミルダケタダー、ノータカーイ、ワンダラー、ハブ・ア・ルック、オッハー、サラバジャetc・etc・・・
かわりどころでは
「ハマザキアユミ!」「キムラヨシノ」(写真見たことあんのかなあ)
思わず吹き出してしまったのが
「ヤクザ!」アンタハビンボー
でアンタハビンボーを言った男にはホントの意味を教えてやったりする。ジャパニーズと言えばこれらのボキャブラリーを息もつかず一気に並べる彼らも、韓国語は「カムサムニダ」、中国語は「ニイハオ」しかまだ知らないようで、韓国人か中国人だと言えばどういうわけかほとんどそれで会話が終わってしまい、英語で続くのは時として。心なしか営業活動にも必死さがなくなる気がする。でも値段交渉くらいなら器用に英・伊・独・仏・西を使い分ける奴もいたりなんかする。

今回買って帰らず少し後悔した唯一のもの
ガラスのビンにスパイスで描かれた砂絵
重いけれど
砂漠とオアシスとラクダや夕日の絵が
可愛くてきれい
ここアスワンとダハブでは売っていたが
カイロのハン・ハリーリでは見つけられませんでした

で店頭に座っていた職人兄ちゃん
ナニミテンダヨ
日本人に言われた言葉を
そのままオウム返ししてると思われる

「‘ナニミテンダヨ’って英語でどういう意味?」
そこでまたプチ日本語講座を開催するのでした・・・
大量ナツメヤシ
硬くて歯が立たなかった奴ら

その後日本で買って再挑戦し
不味さにびっくり


何だかよくわからなかったモノたち
左の写真はかなり多くの人の興味をひき
帰国後見た人ほぼ全員に
「これ何?!」と聞かれましたが私もわかりません。


豚足ならぬ羊足??と内蔵系???

駅前の小屋みたいな観光案内所、持ち帰れる資料やパンフレットなどは何もなくおじさんがただ1人座ってるだけ。ルクソールまで陸路で行きたいことを言うと、まず列車がいいと言われる。でも外国人が乗れるの? それに、陸路で行くのはコム・オンボやエドフに寄りたいからなのだ。
「それならタクシーだ、160£E(3200円)が相場だ、その辺にもいっぱい停まってるだろ、いつでもどこでも拾えるさ」。
バスツアーはないかと聞いても理由は言わず「タクシーがいい」の一点張り。そこでルクソールまでの所要時間を聞き、ほんとにタクシーで行けるのかと念を押すがそれ以上の情報は得られず。タクシーでルクソールまでなんて聞いたことないぞ。だいたいそこらの車を拾っていきなりルクソールまで行けって行く奴がいるのか??その辺のボロ車じゃ途中で故障して足止めもありそうだし。(あとから思えば検問で引っかかって「護衛なしでは通行禁止、引き返せ」ってことになってたような気がします。)いずれにせよタクシーはかなりな賭けとみて、もう少し安全そうで確実な手段を探す。

今度は旅行会社で聞いてみる。観光案内所と同じで暗く、そんなに広くもないが無駄な空間の中に木の机があるだけの、仕事してるんかいな?仕事あるんかいな?よくこれでつぶれないよな・・・と心配になってしまうようなオフィス。忙しさとは無縁っぽい、‘活気’という言葉もここでは死語? そこに男が2人。
「エドフやコム・オンボ見ながらルクソールまで、バスで行くことできる?」
「何人だ?」
「ひとり」
彼らも首を横に振る。人数が集まればコンヴォイを組むようだが、1人では方法がないらしい。

そして結局エジプト航空のオフィス。こちらは7つぐらいある窓口ほとんど全てに人がいて、ちゃんと機能していてなおかつ忙しそう。整理券を取るがあまり待たされず。エジプトのおやじって小太り(というよりはガタイがいい感じ。欧米人みたいな肥満はあまりいない)かやせているかのどっちかで、小太りタイプはおにぎり型の横長く浅黒い顔にヒゲを生やしてて、特に首が太い。そんなおやじに、まず支払い済みだがキャンセル待ち中のチケットを見せ、ルクソール→シャルム・エル・シェイク間の状況を調べてもらう。コンピューターでしばらく検索していたがまだ状況は変わらないようで、チケットに8桁くらいの紹介番号を書き込み、
「また明日か明後日、来てみなさい」。
ついでに明後日のルクソールへの空席を尋ねると、この日は朝夕のたった2便しかないがどちらも空いているとの事。どうも陸路はリスクが高く、これ以上探しても見込みは薄そうだし探すのも疲れてしまった。空路も明日まで保留にしたところで埋まってしまったら最後。よってこの場で朝の1便を購入する。ところが、カード払いにすると言うとおやじは一瞬イヤそうな顔をして・・・なぜか決済に
ものすご〜〜く時間がかかる。(20分くらい?!) ルクソールまで片道364£E(6600円)、US$55、ドルのキャッシュで払った方が安かったんだけど。これでなんとかルクソールまでは行けそう。でもその後は??

                                 
     Continue...



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