北大東島 >>> 南大東島 13 / JAN *MON*



8時前、今日もだだっ広いコンクリ打ちっぱなしのレストランを1人貸切の朝食。昨日の白身魚がシャケに変わっただけのメニューだが完食。朝食も夕食も必ず味噌汁が付いているが、ワカメとネギばっかで豆腐が入っていたことがただの1度もない。
チェックアウトの時間まで日記を書いたら、荷物を預かってもらってサイクリングに。ハマユウ荘のレンタサイクルは1日1000円、1時間200円。貸出帳にサインする際、ほぼ毎日誰かが借りていることに驚いてしまう。だって、ホテルは30室近くあるのに宿泊客は私だけじゃないかと思うほど閑散としてるんだもん・・・。今朝もすでに9時過ぎに男が借りて出て行っている。しかし借りる時、全部で5台しかないのに
壊れているのが3台ありますから、ご自分で選んでいただいて」。
何がどう壊れているのかすら不明で、ロビーに並んでいる自転車のうち、ブレーキやらタイヤやらスタンドを適当に見て1台を選ぶ。幸い壊れているそぶりは見せず、与那国で借りたママチャリより快調。昨日S先生に貰った‘うふあがりクッキー’を買い足しにJAへ。


うっちん(左)とよもぎ(右)の2種類
手作りって感じの素朴さが良いが
ビニール袋は封が甘くて半分開きかけ

北大東は‘うふあがり島’とも呼ばれ(ハマユウ荘も本名を‘ハマユウ荘うふあがり島’といいます)うふ=はるか、あがり=東で‘はるか東にある島’という意味。
沖縄本島から360km東、北大東は南大東よりもさらに少し東寄りに位置していることからそんな名がついたよう。北大東村のHPにも説明があったかな。

空港裏手の海水プール付近には、沖縄最東端の碑ってものもありました。それより、JAの品揃えの薄さにはびっくり。生鮮食料品ってものがない!! 通りで味噌汁にも豆腐が入らないわけだ。

昨日車で案内してもらった西港、北港
そして空港の方まで、島を半周する形で走る
じっとしていると
セーターがほしいくらいの涼しさだが
自転車で走ると暑い!!
数分で汗が出てくる
西港、北港ともに(これでも)
昨日より波は穏やかで
釣り客や子供連れの家族やらが数名いる
が、釣り人は時々波飛沫に濡れながら
昨日より天気がいいせいか
海の色も青くきれいで感動する
昨日は車で走り抜けてしまった
何もない道路で止まり
何気ない風景にレンズを向けながら
3時頃ホテルに戻る

そうこうしている間にも、友人達から携帯に“誕生日おめでとう!”メールがきて、なんだかジンとする。そうなんです!!
本日、わたくしめ三十路の誕生日を迎えたんでありますっ!!! こんな絶海の孤島を1人でフラフラしていて全く実感なく、30歳になったことも意外と何とも思わないが、旅行前、数名の人間に「いよいよ大台・・・」と言われた時には、‘みそじ’より妙に重たくて響きも悪い‘おおだい’って言葉にちょっとばかり抵抗感じたりしたかも・・・。

3時半、S先生たちが迎えに来てくれ、空港へ。空港では、よく観察すると旅行者らしき人たちが4〜5人おり、再び厳しい手荷物検査に苦笑したりしている。あるおっさんはポケットの中の小銭はひっかかるわ、眼鏡に靴の金具までひっかかり、靴を脱いでスリッパに履き替えさせられて3、4度ゲートをくぐらされていた。北大東の歯科診療所は今日も相変わらず改装工事、いったいいつから診察が始まるのか全くもって謎だが、S先生は明日、検診だか衛生指導だか、はたまた何かのイベントなのか、とにかく小学校に行かなければならないということで、我々と一緒に那覇に戻るわけにはいかない。S先生、何だかタイミング悪い時に無理言って押しかけちゃいましたが、ほんといろいろ気を遣っていただき(気遣い過ぎですよ・・・)
お世話になりました!! 感謝です。
「また那覇に行ったら案内してくださいね!」

機内はほぼ満席、私は南大東で降りるが、那覇に戻るK先生と共にRACに乗り込む。もちろん別々に予約していたが、乗ってみると座席は6Cと7Aで斜め前後、ふとK先生は今春3月から大学主催の医療ボランティアで1ヵ月ラオスに行かれるという話に、私はほんの1週間前ラオス隣国のカンボジアに行ったばかりなもんだから、そのへんの話で盛りあがってしまう(K先生、お気をつけて行って来て下さい、体験談ぜひお待ちしています)。

そして今日もたった5分のフライトで、まだ話し足らない間に南大東に着陸。機内には学ラン姿の中学生?が10人ほどおり、彼等は南大東空港に到着するとすぐ空港出口横に一列に整列されられていた。一方、先ほど金属探知機につかまっていたおっさんは、後方の座席で一眼レフカメラを窓にぴったりくっつけ、南北大東の空撮に必死になっていた。
空港ロビーに民宿のおばさんらしき人物をすぐ発見し、挨拶する。
オレンジ色の派手で目立つ民宿金城と書かれたエプロンをつけて迎えに来てくれている。
「今日からお世話になります、おかぽんです」。
常(つね)さんというそのオバァは鹿児島は徳之島の出身で‘常’という苗字も徳之島姓。預け荷物が出てくるまでの間、さっそく昔訪れたという四国松山の道後温泉、香川のこんぴらさんの話になる。派手なエプロンも四国の人が作って送ってくれたんだとか。このまま乗り継いで那覇に戻るK先生とはここでお別れ。
「気をつけてラオス行って来て下さいね!」
で、たった今同じ飛行機で北大東から来た、同じく1人旅のSさんとバンに乗せられ民宿へ。
Sさん  「もしかして今日2時頃、北大東の村役場前辺り自転車で走ってました?」
おかぽん 「ハイ」
Sさん  「その横をバイクで追い越してったの僕ですよ。」
おかぽん 「ああ、そういえば見たような・・・(笑)」
8人乗りくらいのバン、助手席側から乗ろうとしたところ、ドアが思いっきりへこんでいて開閉のあまりの重さにさっそく苦戦させられるが、常さんはそんなことには全く気づかず車を発進させる。空港から民宿のある集落までほんの3kmほどだが、目があまり良くないという常さんは20km/hの超安全低速運転恐るべきマイペースぶりで10分くらいはかかる。

民宿はブルーのペンキで塗られた平屋
建物は古いがよく掃除されていて廊下はピカピカ
「掃除しかすることないから。掃除好きなのヨ」
洗面所と風呂は離れに

「部屋はどこにする? 明るい方がいいでしょ? Sさんはこっちにする? おかぽんさんはこっちでいいかねぇ?」
私は玄関すぐ横の部屋を割り当てられたが、部屋は奥の方までかなりたくさんあって広い。
常さんの話しぶりは穏やかだが、話し出すと止まらない。空港からの車内で我々の出身地を聞き、島のことを語り、自分のことを語り、宿に着いてからも部屋に荷物だけ置かせて、
「コーヒー入れるからど〜ぞ。」
と玄関先のソファに我々を座らせて話は続く。古さは与那国の中たけ荘の方が上だが、雰囲気といい、この話好きオバァのキャラといい、あまりに似ていて笑える。今日からの2泊、
面白くなりそう! にしても改めて私以外に1人旅の旅行者がいるという事実に、自分のことは棚に上げて驚いちゃったりするが、私より少し年上と思われる埼玉出身のSさん、筋金入り離島フリークで旅行経歴たるや半端じゃぁないことが判明。鹿児島から八重山まで南西諸島の島という島はほとんど、東京都だって八丈をはじめ伊豆諸島はもちろん小笠原まで制覇し、もう残りは瀬戸内の島くらいじゃないかと思うほど多くの島に渡っているという旅大好き、中でも異常な島好き男。「それだけ旅して写真も撮りまくってるならぜひHPで公開を!作らなきゃもったいない!」とすすめたところ、以前から準備はされていたようだがほんとにHP立ち上げられたのでしまたびホームページそちらも御覧下さい。さてさて、常さんは濃いコーヒーを入れてくれ、島の観光はもちろん食べ物のこと、出身の徳之島のこと(行ったことがあるというSさんに刺激されてさらに話は盛り上がり、昔の女学校のことやら教育熱心な島だったなんてことまで熱弁していた)に、
「道後温泉また入りたいねぇ〜、良かったサぁ〜、こんぴらさんも上まであがったヨ!!」
とその昔四国を訪れた時の事を懐かしそうに一生懸命話し、このまま喋らせておくと日が暮れそうになり、さっそく日の入りを見に行きたいSさんが、
「そろそろバイク借りに行っても・・・」
と立ちあがりかけてやっと、
「あぁそうだね〜、案内しますよ。」
とSさんを引き連れ隣のレンタバイクショップへと出て行った。

5時過ぎ、Sさんは原付を借りて宿から1km強の西の海岸、塩屋に夕日撮影に行き、戻ってくるまでのほんの30分ほどの間も常さんの話はとどまることを知らず、私の仕事の話から自分の孫・ひ孫(写真まで出して見せてくれた)、亡くなったご主人のことに及び、Sさんが戻ってくると今度は、
「(夕食は)‘冨士食堂’に行ったらいいサ、500円でバイキング、食べ放題で500円ヨ、何でもあるサ、安いよ〜、でも6時に行かないと美味しいものはなくなるヨ、
早く行った方がいいヨ!
とやたら夕食をせかし始めた。ご主人が亡くなってからこの民宿金城は素泊まりのみにしているとのこと。

あまりに急かす常さんに
押し出される形で6時過ぎ
民宿の向かい、目の前の冨士食堂に
Sさんと共に突撃
長いテーブルが並ぶ殺風景な店内の隅に
大きな鍋が4つ5つ並んでて
客は各自給食風プラスチックの大皿を手に
おかずを盛っている
おばさんは奥でせわしなさそうに調理していて
どうやら後払いらしい
先客は地元の労働者が5〜6人
◆ DINNER ◆

ビーフン ★★★★
切り干し大根 ★★
厚焼き卵 ★★★
骨付きソーキ(?)
    ★★★★
青菜炒め ★★★
スパム ★★★
味噌汁 ★
ごはん

他にお漬物、キムチに納豆等もあり、みんな皿に山盛り取ってはTVも見ず新聞も読まず、わりにもくもくと食べている。我々はそんなに量は食べなかったが美味しく完食、安さとアバウトさが笑える。
Sさんは隣の売店にビールを買いに行き、先に宿に戻ってみると、玄関先に見たことのある顔が座っている。南大東一の有名人(?!)‘大東そば’(伊佐商店)のご主人、伊佐さんだ!
「こんばんわ〜」。
伊佐さんのキャラは2003年版『沖縄・離島情報』で見た、読んだそのまんま。彼もまた穏やかな口調で、
「今日来たの? いつまでいるの? どこから来た?」
と淡々と質問しておき、
「今うちの息子帰ってきてるサ、商工会の金城クンもいるから店に行ってみたらいいよ。」
とちょっとよくわからないことを言い、
「今日大東寿司食べましたか? まだ? じゃ明日うちに来なさい。そばの小と寿司6カンのセットっていうのがあるサ」。
そこにSさんがビール片手に戻ってくる。彼は昨日、那覇でほんの3時間弱?のトランジット待ちの隙にちゃっかり国際通りまで出て
‘大東そば’那覇支店(伊佐さんの息子さんが出してます)に行って食してきていた。いやはや、さすが慣れた島旅人。

そうしていつの間にか伊佐さんは店に帰って行き、しばらくして先ほどの彼の言葉を間に受けて店に行ってみようということになる。とその前に、明日、那覇から週1本の
船「だいとう」がやって来るらしい!!という噂を耳にした我々、向かいの売店に船の時間を聞きに行く。レジに座っていた姉ちゃんが船会社に電話で問い合わせてくれ、明日は北大東先行のため南大東への入港は朝9時半頃だという情報をゲット。どの港かは当日の風向きと波によって変わるが、いつもは西港とのこと。Sさんはこれで明日7時前の日の出も見に行けると喜んでいる。どちらの島に先に入港するかは交互運行で、南大東先行の場合、入港が7時になるので、入港を見るとなると日の出は見に行けなくなるのだ。

もう閉店している伊佐商店の引き戸をおそるおそる開け
しかし図々しく上がり込む
民宿から伊佐商店までは50m
と、奥の畳の部屋で商工会の金城さんが
ビールを飲んでいた

この旅に出る直前、‘南大東島’で検索した際かかってきた南大東村商工会のHPで、日本全国からの質問メール、訪問者のお礼メール等にきっちりレスをつけている‘金城さん’という人物に、
やや?マメな人!と密かに感心していた私。

おかぽん「HP拝見しましたよ! すごいですね〜。」
伊佐  「ガッカリした?? こんな男で。ありゃ姿がわからんもんなぁ〜。」
金城 
 「それがイイんスよ(怒?)

こうしてこの夜、見ず知らずの旅人2人組はそば屋の奥座敷(?)に上がり込み、伊佐主人、金城氏、そして伊佐U世氏(那覇支店を経営する息子さん)をまじえてオリオンビール飲みつつ島話。いやぁディープだわ・・・。ところで私はよく「(酒)強そう」とか「飲めそう」と言われる。この時も皆にそんなことを言われましたが、確かに弱くはないかも知れませんが、実はビールはあまり好きじゃなく日本酒は嫌い(ワイン・カクテル等甘いのしかダメ)なので、醜態をさらすほど飲んだことがない、もちろん吐いたこともないというのが実のところ。それにしても、よそ者をここまで気がねなく受け入れてくれる寛大さと世話好きさにはほんとに感心させられるが、悪く言えば
何でもありで全く気を遣わない気軽さもグッド!! 
伊佐U世氏は旅と麺類の勉強を兼ねて?先日、香川にさぬきうどんを食べに来たそうで、実はさぬきうどん好き・高速道路を運転してわざわざ食べに行くこともある私と超マニアック・ローカルな話題に花が咲いてしまう。‘山越’の「かまたま」、‘なかむら’の「ネギ切り、究極のセルフ」、料亭風なのに恐ろしく安い‘山田屋’etc.彼は美味く早く、そしてとにかく安いということに感動して1日10軒くらいハシゴしたとのこと、こんなところでそんな話が出来るなんてと四国人として嬉しくなってしまった。
店には先月号のJTA機内誌『Cordway』が無造作に置いてあり、見ると南大東特集で、ここでも伊佐主人が顔写真入りで出ている。
主人が明日の麺の仕込みを、U世氏が寿司のシャリの仕込み(?)をし、それが終わると遅い夕食の買い出しに行き、金城氏と3人で食べ始めたので、我々はおいとまする。
「お邪魔しました〜、明日食べに来ますね」。

島では現在さとうきび収穫の真っ最中。製糖工場はちょうど1月8日〜3月末までの操業で、期間中は24時間体制で機械が作動しているゆえ、事務所で許可さえもらえればいつでも見学させてもらえるという話を聞き、伊佐商店を出て夜11時前というのにフラフラと歩いて工場方向に行ってみる。煙突からはモウモウと黒煙が排出され、工場敷地内にはさとうきびの山。あいにく事務所には明かりは点いているものの人はおらず、巨大なパワーショベルですくっては機械にぶち込まれるさとうきびの山を遠巻きに見(許可なしに近づくと怒られます)、内部見学は明日ということでようやく宿に戻る。

戻ってみると
玄関先のソファで常さんがTVつけたまま爆睡中
後日Sさんが送ってくれた秘蔵写真公開!!
Sさん、著作権悪用しちゃいました!笑 お許しを

起こさない様に静かに出入りしてシャワーを浴びに行くが、Sさんは部屋に布団がないということで結局起こさざるをえず。
というわけで南大東の第一印象は、「何だか面白い人間の多い島」。そしてなんとも不思議で忘れられない誕生日が過ぎていったのでありました。

                                     
Continue...



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