HOCHIMINH CITY 01 / JAN / 2003 *WED*



9時すぎまでしっかり眠り、起きてすぐランチの予約を入れるべくレストランに電話。しかし何度かけても出る気配はなく、しょうがないので後で直接行ってみることに。さらに別の店にディナーの予約を入れておく。‘Pho Xua’(フォー・スア)というこれまたベトナム料理の有名店、英語も通じて問題なく予約完了。昼にしっかりフレンチを食べることを考えてホテルの朝食は取らず、まずはすぐ向かいにある戦争証跡博物館へ。

入口は博物館とはとても思えない地味さで、知らなければ通り過ぎてしまいそう。が、門のところにはしっかり日本語達者な兄ちゃんが待機して「センソウハクブツカン、コチラデスー」なんて案内していた。朝から日欧米人の団体客で混んでいる。日本人カメラマンによる写真が数多く展示されていて、資料も日本語のものが用意されている。写真は目を疑うほどに生々しく、映画でも知らされることのなかった衝撃的なものばかりで、無数のバイクが行きかう喧騒の街の中にいると、本当に30年ほど前までここでこんなことが行われていたのか?と思ってしまう。結果的には無力だったのかもしれないが、日本を中心に各国で反戦運動、アメリカに対する抗議運動が盛んだったこと、そしてそれに関する親日的な展示が多かったことでほんの少し救われる思いがした。


屋外には戦闘機や戦車、不発弾が
無造作に置かれていて
拷問所が再現されていたりも

今日も統一会堂前をすぎ聖母マリア教会へと歩く。幸い、昨夜ホトホト参ったバイク族の群れ形成は見うけられず、相変わらず走ってはいるものの危険を感じるほどではなく、緊張感も徐々に溶けてくる。

聖母マリア教会自体はどうってことないが
ちょうど結婚式のカップルが記念撮影をしていたので
私も横から盗み撮り
めちゃ美人な新婦に注目!
アオザイがまた可憐!!

教会隣の中央郵便局で切手とカードを買い、Tママと2人、TYちゃんに便りを書きアンコールで摘んだ四つ葉のクローバーとともに投函する。日本までハガキは6000VND(50円)、カードは12000VND(100円)。さらに近くの本屋で絵ハガキを買い、路上の文具屋(?)からアオザイの切り絵のカードを買う。カードは1枚1万VND(80円)、4枚で4万VNDだがそんなにドンを持ってないので$3を出してみたところ、お釣りは5000VNDが返ってきて、とっさの計算など全く不可能。
ボラれてても絶対わかんないよ!(結局それでバッチリ合ってました。即座に暗算するおばちゃんの計算能力、すごい・・・)

朝から何も食べていない我々、雑貨屋徘徊は後回しにして朝電話しても出なかったフレンチレストランに行ってみる。サイゴン川沿いのランドマークタワー最上階、15Fにある‘Le Caprice’(ル・カプリス)。ここも幾度も紀行番組に登場し、ガイドブックにも必ず出ている名店。たった$10ほどで本格フレンチ、しかもボリュームたっぷりのランチがいただけるというので絶対!と狙っていたが、行ってみると入口には
重厚な南京錠がかかっており、前にはゴミまで置いてある。完全空振り。このためにワンピース着るほどの気合の入れようだったのに・・・もう1週間くらいは営業してなさそうな感じである。ランドマークタワーはオフィスビルのようで、エレベーターには元旦からスーツ姿のビジネスマンが大勢乗っていた。

期待が大きかっただけにガッカリ度数も高いが、どうしてもフレンチが食べたい気分で、仕方なくまたもマジェスティック・ホテルへ。最上階のレストラン‘Serenade’(セレナーデ)がガイドブックに「フランス料理」と出ていたからだ。ところが、行ってみると雰囲気からしてやや期待はずれ。

オープンエアーになっているせいで
内でも暑いし
昔のデパートの大衆食堂か
はたまた現在のファミリーレストラン並み
眺めはこんな感じで
サイゴン川が見渡せて良いけれど・・・

客に対して店員も全く足りておらず、席についてもメニューも持ってこないし注文を取りにも来ない。は〜。ボーイに何度も合図を送ってやっと持って来たメニューを見てもサンドイッチやパスタといった軽食だけでさらにがっかり。

◆ LUNCH ◆
パルメザンチーズのフェットチーネ ★★★
スパゲッティ・ミートソース ★★
グレープフルーツジュース   キャロットジュース
2人で189000VND(1500円)


私が頼んだハムとマッシュルーム入りクリームソースのフェットチーネも、ママのミートソースも不味くはないが、特筆すべきほどでもなくまさにファミレスレベル。ま、パスタはアルデンテでもなかったけど、茹で過ぎでくたくたでもなかったから一応合格。喉が乾いていたのでジュースは美味かった!

食事を終えたら付近でタクシーを探す。

が、タクシーを探しながらも雑貨屋が気になり
入っては妙な置物を見つけて買ってしまう
ウケ狙いにママが購入したブツ、木製、$5くらい
私も豚の頭の木彫りを買ったりする

流しの台数は多く会社もいろいろだが、緑か黄色のタクシーがよい、とガイドブックで読んだ通り、ちょうど客が降りたあとの緑のタクシーをとっ捕まえ、運転席に回ってドライバーにチョロンのティエンハウ寺(天后廟)のところを開いて確認する。
チョロンは映画「愛人ラマン」の舞台で有名になったホーチミンのチャイナタウン。日本やアメリカの、まるでテーマパークのような不自然なチャイナタウンではなく、あくまで街に溶け込んでいて違和感はない。が、華僑のかもし出す熱気は充分。20分ほどで到着、ちゃんと寺の門のところまで入ってくれる。メーターは49500VNDだったので5万VND(約400円)を渡す。推定40歳・中肉中背のドライバーは最小限の英単語で、
「リターン?」(戻るなら待っていようか?の意)
と言うが、待たせておくのは気分的にせわしないので「ノー」。運転はどの国のタクシー運転手にも漏れずせっかちだったが、タクシー初乗車にしては悪くないガイであった。

チョロンの華僑寺といえば
必ず登場するのがここ
初詣ってわけでもないが
天井からぶら下がるいくつもの
巨大なうずまき線香が見たくて来てみた
1歩境内に踏み入れたとたん
外の喧騒が嘘みたい

線香の匂いにも癒される。お寺ってほっとしますね。

線香の下で
ボーッとつっ立ってると
灰が落ちてくるので注意
線香は買うと
火をつけて吊り下げてくれる

お土産用に
3分の1くらいの大きさ
のものも売られていて
Tママは
夫の母へのお土産?にと
こちら3個セットを購入

我々は2人で1束3000VND(25円)の長い棒状の花火みたいな線香を買ってお参り。建物はそれほど重厚なものではないが、屋根の装飾は細かく手が込んでいて面白い。とにかく、人が多くなくてよろしい。

お参りを終えて境内を出ると、門のところにいたウズラ売りのじいさんが勝手にタクシーを止めてくれ、「乗ってけ!」みたいなことを言う。ホントの親切心だったかもしれないが、じいさんには悪いが何だか信用しきれなくて、拒否してそのまま通りを逃げるように少し行き、自分達でタクシーを拾う。「セントラル・ポスト・オフィス」が通じたかどうか、一応またガイドブックを広げて確認しておく。メーターもちゃんと初乗り12000VNDを表示していてひと安心。帰りは15分ほど、34000VND(270円)でした。

ホーチミンでエステに行きたい、というTママのリクエストに、ドンコイ通りに近い2軒の様子を伺いに行くも、元旦休業でまたも振られてしまい、諦めて雑貨屋巡りに専念する。昨日も覗いた、ドンコイ通り角のとある雑貨屋。両替ついでに再び入ろうとした時、Tママが
あら〜!!

そう、めでたく
KH・YH2人と再会!! このまま出会えないまま帰国するのも何となく気持ち悪いなぁと思ってた矢先、まず昨夜のゴメンナサイを言う。思わず店の中でコーフンして立ち話する我々、昨夜、彼女達とはほんの5分か10分ほどの行き違いだったことが判明する。立ち話の内容。
・彼女等はホテルマンに「かくかくしかじかの日本人2人組が来たらこのメモを渡すように」
 とホテル名とTEL番号、そして部屋番号に簡単なメッセージまで書いたものを託けて帰った。
・我々は11時半から1時間ほど店にいたが、そのメッセージを受け取ることはなかった。
・マンダリンでのディナーはよかった。
・今日昼に行って閉まっていたランドマークタワーのフレンチレストランに彼女等も今日偵察に行っていた。
・ビル1Fの案内嬢に聞くと、そのレストランは明日は開くと言った。
・今日ここまでの行動等々・・・
そして今度こそは一緒に食事を、と例のフレンチレストラン‘ル・カプリス’に明日12時半で4名の予約を入れておくことを約束し、念のため彼女等の宿泊ホテルとTEL番号、部屋番号をメモってもらって別れる。うん、明日こそは! 明日夕方には1日先に帰国する我々、それが最後のチャンス。

ここから怒涛の雑貨屋巡り。Anh(アン)、Shoko(ショウコ)、Em Em(エム・エム)、Theu Theu(テウ・テウ)、Bao Nghi(バオ・ギー)、MAY SAIGON(マイ・サイゴン)、VIET SILK(ベト・シルク)、Kito(キト)、Precious Qui(プレシャス・クイ)、Zakka(ザッカ)、Celadon Green(セラドン・グリーン)・・・ほんの数百m四方にギュッと集まった小さな店たち。かなり密度が高く、他のアジアの都市よりコンパクトで便利。雑誌やガイドブックにある名店はことごとく回るが、品質やセンスは店によってけっこう差あり。個人的に気に入ったのは、水牛の角のカトラリーをはじめ青磁器中心の食器を扱うPrecious Quiと、店内それほど広くはないが気のきいたものがそつなく揃っていた
Kito
。ママもKitoで自分の店に置く商品を大量買い

かさばる籐のバッグだけで
10個くらい買ったママ
持って帰れるの??
と心配になるが
店員とともに
ビニール袋2つに
強引に詰め込んでいる
これも全てTママの戦利品

Kitoでたくさん買い物をしたところ、お茶をサービスするから飲んでいけと、すぐ近くの裏道の別店舗に案内される。そこにもさほど多くはないが色違いや大きさ違いの籐のカゴが置いてあったりして、さらに物色。店の奥の一角のテーブルでジャスミン茶をごちそうになる。暑い中歩き回ったお陰ですっかりノドが渇いていた我々、途中でふと氷が入っていることに「マズイかな・・・?」と言いつつも、ためらわず飲み干してしまう。別に変な味がしたわけでもなく、濁りもなく、見る限り何の問題もなさそうな氷、がっ、しかしこれが後に事件を引き起こすのであった!!!

ノドを潤したら今度は小腹がすいた我々、雑貨屋と同じ経営者がやっているカフェ版Kito、美味いと噂のバイン・フラン(プリン)に狙いを定めて「Kito−m」にも行くが、夕方で売切れたのか「プリンはありません」とまたも振られる。すでに朝から空振り五振くらい。
再びがっかりしながら、そして両手いっぱい買い物袋を抱えながら、懲りずに
Rex Hotel の「Rex Cafe」へ。ここで、Tママ曰く“ホーチミン・危機一髪3大事件”その@発生。
大量の雑貨を下げて歩道を歩いていると、突然地元の若い女の子2人に指をさして
キャアキャア笑われる。その笑い方があまりに露骨で、Tママと2人して
何?!
とびっくりし怪訝になるが、不振に思いつつふと自分たちの姿を見ると、ママの下げていた紙袋、底が破れて中身が出かかっている。その姿が本当におかしくて笑っていたというより、「あんたたち、バッカじゃないの?!」という軽蔑笑いだったような気がしたが、なにはともあれそれが‘キケン警告’になってくれました。

Rex Cafe。カフェとは思えないほど広く立派で重厚なつくりだが、暗すぎるうえにテーブルの数が多すぎ、したがってテーブルとテーブルが近すぎる。そんなのどうでもいいじゃないのってくらい客は少なかったけど。ベトナムスイーツの代表格(?)、念願のバイン・フラン、きめ細かくなめらかでいて濃厚、でも甘さ控えめでかーなり美味でした。ブルーベリーのタルトも!

◆ TEA BREAK ◆

バイン・フラン(プリン) ★★★
 ブルーベリーのタルト ★★★★
アイスレモンティー

62000VND(490円)

食器は全てオリジナル‘REX HOTEL’のロゴ入りで、店内で販売もされています。

7時半、すっかり暗くなった町を再び大量の雑貨を下げて歩く。朝予約したレストラン‘Pho Xua’(フォー・スア)に行くべくタクシーを捜すが、緑のタクシーにこだわっているとなかなか拾えない。付近にいるのは赤のタクシーが多く、緑は走っていても先客あり。試しに赤のタクシーを止めて運転席を覗き込むと、やはりメーターらしきものが見当たらず、止めておいて逃げたりしてしまう。そうこうしているうち、続いて
3大事件そのA
勃発。メーターがあるのを確認して乗り込んだ赤いタクシー、初乗りは高くても12000VNDのはずなのにメーターは30000になっている。すぐ気がつき、ドライバーに
メーター下げてよ!! メーター!!!
と訴えると、怒った奴は数百メートル行かないうちにすぐ車を路肩に寄せ、ベトナム語で
降りろ!!ってなことをわめき出した。一瞬にして腹の虫が煮えくり返った私はもうちょっと口げんかしたいくらいだったが、これにすっかりびびってしまったTママに、「早く降りましょう!!」と引っ張り降ろされる。降りてもなお
タイヤ蹴飛ばしてやりゃよかった!(激怒)
などと言っちゃう私に「怖いわね〜、やめてよ〜(汗)」とTママ。幸い被害はなかったが、しばらく怒り覚めず
・・・ったく!!
お陰でさらに慎重になるタクシー拾い。再びやっと見つけた緑のタクシー、ドライバーにレストランの場所を確認しながらしっかり中を覗き込んで、
「今度は大丈夫そう」。
アジアのタクシードライバーは一般に短気な運転だが、彼も例に漏れず、バイクの洪水の間をよく事故らないもんだと感心しちゃうテクニックで、遠回りをするようなこともなくきっちりレストラン前につけてくれた。その間10分程度、24000VND(190円)、無事ボラれずに到着。‘Pho Xua’も昨夜のマンダリン同様、こんなところにそんな有名店が?!というロケーション。住宅街の中にぽつんとあって、通りには店員が立っているが全く目立たない。

Pho Xua の売りは、オーナーがかつてアカデミー賞も受賞したハリウッド女優で、店内には川が流れ、彼女が集めたアンティークが並ぶギャラリーのようなムード、なおかつ隠れ家的で、料理はベトナム3地方の純粋なもの+創作ベトナム料理。なるほど1歩踏み入れると喧騒の通りとは別世界で、店内には滝があり鯉が泳ぎ、その川の上を高床のガラス張りにして席を設けていたりする。鳥もいるし古代ビルマの仏像とやらまで寝そべっている。しかしすでにほぼ満席で、我々が通された席はホールを隔てる仕切り戸の前で、さっそく客や店員の出入りがうるさい。トイレの前よりはましだけど。ふと店員が持ってきた菅笠にドリンクメニューが書いてあったりして演出は満点だが、フードメニューもアルコールも種類は多いが詳しい説明がない。店員のすすめと生春巻、豆腐、あわびといったヘルシーで無難そうな?内容に、2人でUS$60のコース‘New Year Special’とグラスワイン。

◆ DINNER ◆
アワビ入りスープ ★★★
ホタテ貝柱のせ豆腐(パクチー入りソースかけ) ★
エビ入り生春巻 ★★★★
ビーフのLotus Reaf 包み ★★
酢豚風イカと玉葱のピリ辛あんかけ ★★★
青菜の炒め物 ★★★
鶏肉のオレンジソースがけ ★
ごはん   グラスワイン赤
2人でUS$78(9000円)


ライス以外に7皿も! ホタテ+豆腐の前菜は、かかっている甘辛ソースにパクチーが入っていたが、さほど臭くはなし。パクチーというだけでどうも箸が進まなかったが・・・。イカと玉葱の酢豚風は馴染みの味で食べやすかったが、酢豚というよりむしろエビチリに近くて辛め。青菜の炒め物も美味しいけれど脂っこく、さすがにチキンが出てきた時にはもうお腹いっぱいでほとんど手がつけられず、したがって味もよく覚えてません。結局いちばん美味しかったのは生春巻。ベトナム料理が中華とフレンチがうまくミックスしたものだという実感はできました。しかしコースに含まれていたデザート(6種のアイスクリームからチョイス)、この時ばかりは別腹もなく「入らない〜!」でキャンセル。
実は私らしからず?この晩の料理の写真がないのは、全般的に味はまあ平均以上だったと思うが、席がよくなかった(出入り口付近で騒々しくかつ隣のテーブルとも近かった)のと、何より店員の態度が悪くて(常に目の前に立っていたかと思えば肝心な時にいなくなる彼ら、お喋りも耳についたし、挙句の果て10時過ぎる頃には食事を急かすような態度までみえ)、なんとなく撮る気になれなかったのです。デザートをやめて店を出たのはそういう理由もあって。Tママが使い捨てカメラで撮ってはいたが、暗かったせいか写っていませんでした。
というわけで、こちらも紀行番組なんかでしょっちゅう取り上げられる有名店だが、残念ながらいい印象は持てず。

店のスタッフにタクシーを拾ってもらってホテルに帰る。
ベッドの上に、今日買った物を並べると並びきらず、すでにフリーマーケットができそうな状況。Tママは自分より荷物の方が大きいくらいなのに、明日さらに買い足す勢いで、
「もうこれ以上は持って帰れないでしょ?!」
ところが、私がシャワーを浴びている間に、几帳面にまとめて驚くほどコンパクトに荷造りしてしまっていてびっくり! さすがの手際良さに感心しちゃいましたョ。一方の私はなかなか片付かずガサゴソやりながらハガキを書くが、そうこうしているうちにママに
異変が。怪しくグルグルと不気味な音をたてはじめたお腹、それはまぎれもなくひどい下痢の前奏曲だったのでした。

                                      
Continue...


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