朝5時のアラームで起き、顔を洗い布団を上げるもやっぱり空は厚い雲。この状況で朝日を見に行くのは行くだけ無駄でやめ。ハガキを書き、宿に置いてあった粟国村のパンフレットを読む。夜は静かだったが朝は早くから人の歩く音がする。
8時朝食。一般に拷問的ボリューム、体重増加まっしぐらな沖縄離島民宿の食事の常識からすると、ほっと胃をなでおろしたくなるノーマルさ。ガンガン潜るダイバーや男性にはちょっと物足りないかもしれないけど。
◆ BREAKFAST ◆
煮魚 ★★★
ポーク+目玉焼き ★★★
にんじんサラダ ★
ほうれんそうのおひたし ★★
味噌汁 ごはん |
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チェックアウトの前に沖縄海塩研究所に電話して工場見学の了解を得ておく。女性が出て「いつでもいいですよ〜、お待ちしています」。荷物を出して預かってもらい1人5500円を払う。「飛行機3時ですよね? じゃ2時半くらいまでに戻ってきてください、乗せていきますから」。宿には3人の子供がいて、我々が降りていくと食堂にいた奴らは人懐っこく話しかけてくる。今日も伊佐号を借りに出ようとすると、戸口で通せんぼをする。
「どこ行くの〜?!」
「伊佐さんとこ」
「え〜〜!!帰るのぉ〜?」
「また戻ってくるよ!」
「もう戻ってくるな〜!」
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途中まで追いかけてきながらコケてる子 |
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「おはよ〜ございまーす」
どうも沖縄に来ると挨拶だけは大声で妙に元気良くなってしまう。伊佐のおばさんが出てきて今度は青汁キャンディーをくれる。実は昨日もらったおにぎり、まだ食べていないがお礼を言っておく。
「美味しかったですー!ありがとうございました!」
海塩研究所まで、車だとほんの3分で着いてしまう距離だが自転車だと15分くらいはかかり、電話で予告した通り10時頃になる。海からの向かい風がビュービューでキツいが、やっぱり沖縄も冬なのだ。Tシャツに長袖シャツでわりと必死で自転車こいでも汗はかかない。研究所の建物は見た目非常に怪しく、島の北の端の海沿いにぽつんと建っているのが一層怪しく、また途中から未舗装道路を入っていかなければならない。乗ったまま強引に自転車を進めていくと、工場の目の前には我々の乗り入れを阻止するように巨大な枯れ木の枝が陣取っている。
「立入禁止状態やん!」
と自転車を置いてドケようとすると、姉ちゃんが駆けてきてゴメンナサーイと言いながらよけてくれた。
「先ほど電話したものです、見学お願いします」。
今回の旅のメインエベント(?)沖縄の塩ブランドの中でも有名な「粟国の塩」の工場見学。工場と呼ぶにはあまりに控えめでこじんまりしているから‘研究所’なのか、こんな小さなところで生産されてるとは! ‘←事務所 見学受付’の先の事務所もかわいらしいものだが、しかし見学者名簿にはコンスタントにほぼ毎日何名かの見学者が尋ねて来ている。姉ちゃんはすぐ、簡単でわかりやすいがデザインがいまいちなパンフレットと釜炊き塩のサンプルを奥から出してきてくれ、早速簡単に説明もしてくれる。事務所でも塩をはじめミネラル濃縮エキスやらCD(?!)を販売しているが、島内外の商店や空港で買っても値段は同じ。GYちゃんはここで釜炊きと天日干しの2種類の塩を購入。
遠くからは(近づいても)廃墟にしか見えない
謎のコンクリート建造物
(2基ある) |
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内部を見せてもらってびっくり
ン千本?の竹がつるされ
くみ上げた海水を上から流し循環させ
海風にさらして濃縮してた
コンクリに穴が開いているのも
海に面して建てられてるのにも
意味があったんですねー |
手書きのロゴが微笑ましい
こんなちっちゃな建物で
でも釜炊きはちゃんと薪で火をおこして
従業員は24時間交代制 |
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この手間と時間を思えば
500g1200円も全然高くない
(天日干しはさらに倍くらいの値段) |
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天日干しのハウスも見学させてもらうがさすが天日塩は結晶が大きくてきれい。時間がかかるぶん高級だけど、実はミネラルは釜炊きの方が多いんだって。沖縄土産に粟国の塩を買うといつも大好評だし、本土にも発送しているとのことだが、この零細経営ぶりで生産が間に合っているというのが意外。ヨガがきっかけで塩の研究をはじめたという所長はこの時不在で、姉さんは「ぜひ所長に会っていただきたかったんですが・・・」。後から友人TTちゃんに聞いたところによると、粟国の塩、“どっちの料理ショー”に取り上げられ、所長も番組に出演して喋り倒してた?!んだとか。工場の皆さんありがとうございました!
集落に戻る途中、道端の木にくくりつけられている山羊クンが雑草をむさぼり食っている。空港の入り口にくくられていた爺さん山羊は写真を撮ろうと近づくとプイっとソテツの陰に隠れてしまったが、むさぼり食ってる彼は我々の姿など目にも入らぬ勢いで全く動じず食い続ける。ところが我々がその場を去ろうとしたとたん「メエ〜〜〜」とまるで遠吠えのように何か悲痛な叫びともとれる泣き声をあげ、自転車でかなり行って姿が見えなくなってもまだ泣き続けているのだった。彼もそのうち鍋になるのか・・・。
集落内を散策するが何もない、ナビィの家もどれだかわからず、昨日振られたJAへ。GYちゃんは数少ない粟国の特産品から‘そてつみそ’と、本土の琉球料理屋で食して美味さに目から鱗を落としたフーチャンプルーを作るべく巨大な麩をお買い上げ。麩はもどすと数倍膨張するものと逆に縮むものがあり、こちらは縮むタイプ、1人前で1本使用が目安とか。実はGYちゃん、果敢にもすでに一度フーチャンプルー作りにチャレンジし、水分が多すぎて失敗したそう。もどしたあととにかくよくしぼるのがポイントなんだって。
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麩はこのデカさで198円
軽いがかさばる
他にそばの乾麺やそば用インスタントスープも
そてつみそは風月の姉さん曰く
「パンチのない味、いまいち」
GYちゃんも「ゲロ不味!!」 |
だってこんな気持ち悪いソテツの実
が入ってるのです!!
島に大繁殖してたソテツ
実がつくとは知りませんでした |
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JA前の自販機で110円の紅茶花伝‘ガーデンレモンティー’を買い喉を潤す。島の集落は住所で浜、東、西の3ブロックに分けられるようで、港付近、我々が宿泊していたのは浜地区。坂を上り学校の前を通り過ぎたあたりが東。東の集落の方が大きく、気が向いた晩だけ営業してそうな飲食店や商店もところどころにある。飲食店はどの店も出入り口はすりガラスの引き戸で他に窓がなく、中の様子は全くわからない。壁にでかでかと広東料理と書いてある丸三飯店も入るのに必要な勇気は並大抵でない。

映画にゆかりあるのか?「お食事処 なびぃー」
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怪しい外観度No.1「でいご食堂」
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集落をフラフラしながら島北西の洞寺(てら)公園へ向かったはずが、道を1本間違えてまたも海塩研究所の方に出てしまう。しかしもう砂利道だろうが水たまりがあろうが行き止まりっぽかろうがどこでも平気でママチャリで入っていくようになった我々、そこから引き返さず、島でもらった地図には載っていない近道?に踏み込んだのはさすがに強引すぎた。小石なんて可愛いもんじゃない大石ゴロゴロ、ワダチには水がたまり、舗装されてたとしても立ちコギも厳しいほどの上り坂、乗れやしないどころか押すのも大変!! 自転車はカラカラ音をたて、GYちゃんのお供、前カゴの巨大麩もカゴから飛び出さんばかり、自転車を捨てたくなるすさまじい凸凹道。坂を上っても両脇はすすきとソテツの荒れ地、その向こうには暗くシケた海が広がるばかりで眺めも× それでも意地で自転車を押し続けると不意に立派な舗装道路にぶつかる。
洞寺の怪しさは沖縄離島の中でも最強レベル
赤瓦の新しい門があるだけで
あるはずの鍾乳洞の表示はない |
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しかし崖下の
ジャングルの中へと続く階段を下りていくと
‘洞寺案内図’なる看板があり
草のツル伸び放題の間をかきわけ
さらに行くと・・・ |
無人で24時間開放されている
こーんな鍾乳洞があるのでした
照明は遊歩道に取り付けられたセンサーで
点く仕組み
南大東の星野洞もそうだったけど
1人では怖すぎ |
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しかも案内看板には、200年前島流しにされた僧侶が終生ここで過ごした・・・なんて書いてあるからなお不気味。下手なお化け屋敷より数倍怖いのである。霊感の強い人だと間違いなく「ただならぬ空気が」とか言い出しそうな雰囲気。
ナビィの家を探して東の集落を徘徊するがやはりわからず。島でただ1人のタクシー運転手上原さん(パンフレットに顔写真つきで載ってる)がバンにお客さんを乗せて走ってるのを見かけて
「写真のまんま〜!(笑)」
ちなみに村内一律1人350円ですと。そういえば昨日自転車を借りる際、もし伊佐号も借りられなければ風月さんとこで車を貸し出すが、1回3000円と言ってました。1回って宿に戻ってこなければ1日OKなのかしらん??
「これ、皆が踊りよったトコじゃない?!」
ストーリーが突然歌と踊りで中断される
インド映画か?っつうノリの
どうにも苦しい映画『ナビィの恋』
興味ある方はご覧あれ
最後まで早送りなしで見れたらすごい |
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1時、風月に戻ってちょっと休憩。港には1日1往復のわりと大きいフェリー粟国が泊まっている。子供の数はさらに増殖しており、食堂で「ライオンキング」のビデオを見ていたはずが、我々がおにぎりやお菓子を食べ始めると寄ってたかり、GYちゃんの麩をボコボコ叩いて指でへこませたりする。
風月の姉さん「ナビィ見ました?」
おかぽん 「見ました〜」
風月 「私出ましたよ」
子供 「ここから上だけ〜!」(鼻から上だけの出演?)
風月 「この子も出てますよ、こんなちっちゃい頃ですけどね」(赤ん坊での出演?)
ナビィには島の住民総出でエキストラ参加したのか。私はもう1年位前に見たので実を言うとシーンも内容もあまり脳裏に残っていない。この島を訪ねてからもう一度見ればまた違う目で、かつ興味深く見られるに違いない。小学1年生の女の子がナビィの家について教えてくれようとするが、
「みっちゃん家の隣よ!」
誰やねん!
持っていた地図を開いて見ながら文章になっていない説明でさっぱりわからないが、‘東の給油所’‘白いアパート’‘上にA−Bと書いている’‘43番地’といったところが目印でとにかくその近くにあるらしい。
「畑じゃない方に曲がったらね、白いアパートがあるわけ〜」
とタカビー口調で一生懸命、しかし得意に説明してたかと思えば
「東の給油所で聞けばわかるさ〜」
と最後は投げやりになる。
風月のすぐ前、塗装の剥げ落ちたコンクリートの壁、ガラス戸は趣味の悪いレトロな喫茶店みたくステッカーで埋められたダイビングショップ。昨日は何度覗いても人の気配がなかったが、今日は嫌味くらいに日焼けした茶髪の兄ちゃんがいて、店の奥に無造作に積んであるポストカードを見せてもらう。こんな小さな島のささやかなショップなのに、粟国近海ばかりを撮影して作ったオリジナル、絶対ここでしか買えなさそうなポストカード。13枚1000円を購入したら自転車を置いたまま、歩いて再び東の集落に行く。東の給油所(島にはガソリンスタンドが2つ)の角を曲がっても白いアパートもなければABの表示もない。それでも近辺には前庭の広い、‘らしき’家が数軒。いくつかのHPに“映画の時のような花はもう咲いていないので、言われてやっとわかる”という記載があったが、あとから知ったところでは、今やその家の主だったオバアも亡くなり空き家、荒れ放題になっているらしい。そりゃわかんないよな・・・。歩いてみるとけっこう距離があり、帰りの時間が迫ってきて急いで風月に戻る。昨日行きの機内で見た赤いジャンパーの男以外にはじめて、旅行者らしき2人組の女の子を見かける。子供たちは村のクリスマス会に行ったとかでいつの間にやらいなくなっていた。荷物を車に積み、自転車を返しに行く我々のあとを車でついてきてくれる。伊佐おばさんは留守なのか、何度呼んでも返事も気配もなかったので自転車だけ置いて失礼する。
14時半空港。行きと同じく荷物ごとはかりに乗る。乗客7人全員がチェックインを済ませると、体重計算後搭乗券が配られる。今度は3Aと3B。GYちゃん、「窓がないところだ」。
15:10 RAC728便那覇行き。やはり副操縦席は空けられている。しかもいちばん後ろの座席の1人がなぜかパイロットと同じ側に座っているので気持ち飛行機が傾いてる?! 島では雨には降られなかったがずっと曇りで、帰りのフライトでも透き通るような青い海は望めず。行きより揺れて、
「こわーい!!」
那覇空港で自衛隊の航空ショーがあるやらなんやらで2度ほど旋回、怖いし酔いそうで早く降りてー!!と祈る我々、40分くらいかかってやっと着陸。怖さのお陰で機内では少々麻痺していた三半規管が地上に降りてから狂い始め、とたんに2人とも気分悪くなる。
「酔ったね・・・。」(汗)
天気がよければまた国際通りまで出ようと言っていたが無論そんな元気もなし、時間もなく、空港でさらにジャンクフードを買いあさる。丸三書店では沖縄本コーナーの充実ぶりに興奮するあまり、私おすすめの『好きになっちゃった 沖縄の離島』やその名も『ナビィの恋』(ロケ裏話本?沖縄以外ではまず手に入りそうにない)を買うGYちゃんだが、沖縄デビュー前に『沖縄離島情報』からはじまって『沖縄やぎ地獄』『んみゃーち宮古』なんかをセレクトするあたり、読んで密かに南行き熱を高め予習につなげるあたり、そして沖縄行ったことないのに行った人より詳しくなってたかも知れないあたり、いつの間にか沖縄病ウイルス保持者になっていて、それも今や一度発作を起こしてしまうと私以上に重症化・急性化してしまう危険性が高い潜伏期間に突入しているのであった。最後の締めにブルーシール・アイスクリーム白イモ(GYちゃんはプレミアムチョコレート)を買い、1泊旅とは思えない荷物を抱えて出発ゲートへ。
この2日間のおかぽん購入食材
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★★★ イケてたモノ ★★★
ちんすこうショコラホワイト(冬限定)
スッパイマン
S&Bポテトチップスゴーヤ味
×× イケてなかったモノ ××
カール ゴーヤ味
泡盛チョコレート
梅ドラゴン
★ 普通だったモノ ★
オリオンビアナッツ
あぐにようかん
S&Bポテチ ラフテー味
沖縄そばインスタント、乾麺類 |
GYちゃん購入 ゴーヤ発泡酒
300mlくらいで600円とか、とにかく高かった
美味くも不味くもなかったよう
GYちゃん’sダンナによると
「苦味があったような気がするが名前のせいかも」
とよくわからない感想 |
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18:10 ANA462広島行き、脅威の冷凍庫パワーでスプーンも折れそうにカッチカチのアイスクリーム、ゲート前で食べきれず乗ってなお離陸しながら食べてるGYちゃんはいたく満足げで、そんな彼女を頼もしく思う私もまた満足。2時間後、再び5℃の広島空港でダウンジャケットを着こみ、真っ暗な夜道を四国へと急ぐ沖縄病な2人。荷物もだけど、1泊とは思えないほどまた新たな発見も多い週末逃避行でした。今度はどの島に行こう?
End |
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