SANTORINI >>> MYKONOS 09 / JUN *SAT*



HMちゃんは日本の実家に速達を出すべく郵便局に行くが閉まっている。‘中央郵便局は土日も営業’の日本の感覚は通用しないらしい。
10:30 アパートをチェックアウト。

アパートは全部で十数室あるようで
1〜2ヶ月滞在する人もいるのだろうが
他の宿泊客にはほとんど会わない

1Fのレセプションでは一昨日空港に迎えに来てくれた兄ちゃんがカウンターに肘をついておばさんと喋っている。残金を支払い預けていたパスポートを受け取ると、この先の予定を訊ねられる。
「ハイ・スピード・ボートでミコノスに行くの。」
「何時?」
「1時15分」
「じゃタクシー予約しておくかい?」
タクシーは11時45分に来るらしい。

フィラタウンをそぞろ歩き、やはり宝石店の前で足が止まってしまう。ショーウィンドウを覗き込むこと数軒目、キアヌ・リーブスみたいな背の高いナイス・ガイに捕まる。店内には例の‘石の地球儀’が十数個飾られている。
「蒼い海はラピスラズリだよ。陸の部分には30種類以上の石
が使われてるんだ、大理石、オニキス、クリスタル・・・綺麗だろう?? さ、まぁ座って」。
キアヌ氏はウィンドウに飾っていた地球儀をテーブルに運んできて、電卓で値段をはじき出す。大きさは直径30cmほど、日本まで船便での輸送費込み16万Drs(53000円)。
そりゃ高いぜ。思わずHMちゃんの方に振り返り、
タカっ
と言うと、あろうことかキアヌ氏は‘高い’という日本語を知っていて、「オ〜〜」と笑いながら今度は先程の半分くらいの大きさのを持ってくる。
「これだと6万Drs(2万円)だよ」。
が、さすがに直径15cmもの小ささになると日本がもう日本の形をしていない。
何?この日本の形!

というわけでまたもう少し大きなものを出してもらう
20cm、135000Drs(45000円)
なんとか手荷物として持ち帰れそうな
限界の大きさと重さ

はるか日本まで船便で送るのは心配だし、航空便は高い。キアヌ氏は、
「飛行機にも船にも大丈夫なように、ちゃんとした箱に入れるよ」。
地球儀ごときに4万円と考えるとバカバカしい気もするが、このまま買わずに帰ると絶対後悔するなぁ・・・と悩み迷い、6〜7種類、いろんなサイズの地球儀を目の前に持って来させては相変わらず文句ばかり言って煮え切らない私に、彼はとうとう値を下げはじめる。
「じゃあ94000Drs(31000円)! 
30%オフだ!!
もうこれ以上下げられない、勘弁してよって感じで顔を赤らめて頑張る彼に、
ウン、買った!!
約30分でめでたく商談成立。握手を求められてしまう。そして彼の父親(?)と思われる店の主らしきおじさんが
「新しいのを持ってくるよ。」
とどこか倉庫でもあるのか取りに行く。その間、キアヌ氏は日本のどこから来たのか、サントリーニは初めてか、ジュエリーはどう?などとしっかり他の販売活動もしながら、私がレシートに漢字でサインするのをまじまじと見て感心したりする。そして、
「君達、姉妹なの?」
これにはさすがにHMちゃんもびっくりして、
んなわけないやん!(笑)」
発泡スチロールで厳重に梱包され、予想以上に大きなダンボール箱に入れられた地球儀。HMちゃんは、
「で、でかい・・・」
と、アンタ日本まで持って帰れるの?という顔をする。が、
「あの兄ちゃん、格好よかったなあ」。



ケーキ屋でナッツがトッピングされているシュークリームを買う
クリームはカスタードとホイップで皮はパリパリ、
美味! ★★★★


アパートに戻り、すでに待機していたタクシーに乗る。ミコノス行きの高速艇が出るニュー・ポートまで約15分、3000Drs(1000円)。ドライバーのおっさんは日本に、それも神戸に来たことがあるらしい。
「サントリーニには何日いたんだい? たった2日か。島全体を見てまわるには1週間はいるなぁ。」
狭くてあまり状態のよくない道路を時速110kmも出しながら言う。日本では、大阪人らしく(?)強引な、女にしてはやや乱暴な運転をするHMちゃんもこの時ばかりは助手席で少々固まっていたような・・・。ニュー・ポートも崖の下、車はやがて50m行っては180度折り返す、ガードレールのない坂道を海に向かって下りていく。
「ミコノスへ行くハイ・スピード・ボートは5番ゲートから出るよ」。

港で船を待つ間
飼われてるのか野良だかわからない馬が
食べ物をねだりにやってくる
で、コイツと一緒に写真を撮っていると
そばに座っていた男に大ウケされる

13:15 サントリーニ出航。高速艇はこんな巨大な水中翼船見たことない!という大きさ、車も積める。日本には絶対なさそう。酔い止めを飲んでおくが、下手なフェリーより大きいお陰で揺れはほとんど気にならない。座席は指定制でかなり混んでいる。
サントリーニからナクソス島、パロス島に寄ってシロス島まで3時間。

16:20 シロス島、船を降りるやいなやホテルの客引き合戦に飲み込まれそうになる。3時間も待ち時間があるが、この島には何があるというわけでもなさそうで『歩き方』にも半ページしか紹介されていない。ここで乗り換えてミコノスまで行く人はさほど多くないようで、かなり乗っていた乗客はみんな島のどこかへ散って行き、客引きが撤収したあと港の待合所に残ったのは我々を含めて数人。
HMちゃんはコンクリートの上に寝そべって分厚いハードカバーの洋書(“A PAINTED HOUSE”というタイトルで、ベストセラーなのかHMちゃんはこれまでに同じ本を持っている人を2、3人見たそう)を読んでいるおじさんを観察して言う。
「あのおじさん、1人で旅行してんのかなぁ? 珍しいよなぁ」。
バッグにはルフトハンザ航空のタグがついている。噂しているとしばらくして彼の方から話しかけてきた。メル・ギブソン似。
「君たち英語わかる?」
アメリカ人、ロスに住んでいるという彼、名前はドーウィー、職業ライター(もの書き)。何を執筆してるのかまでは聞かなかったが、
「ヨーロッパは好きで毎年来てるよ。中でもギリシャは好きだね、サントリーニは一番きれいだよ! ヨーロッパを旅行してるといろんなアイデアをもらうんだ。もの書きはいろんな所へ行って常に新しい発想やインスピレーション感じてないとダメになっちゃうからね」。
ギリシャは1週間の滞在でサントリーニ3泊、ミコノスには4泊するとのこと。
「ギリシャには73年にハネムーンで初めて来てね、
20年前に離婚したけどさ(笑)」
しかしミコノスは今回初めてだと言う。
「32歳の息子がベガスに住んでるんだけど、ロスから車飛ばせばすぐだよ。
彼はプレイボーイだ!(笑)」
となかなか面白いドーウィーだが、私がロスで車を借りてベガスまで走り、更にユタ・アリゾナ辺りをドライブしてまわったことがあると話したり、HMちゃんがこのあとトルコへ行くなんて言えば、
「君たちホントに旅行が好きなんだね! 
旅するのはいいことだよ!!
とますますテンションをあげて褒めてくれる。
「そうそう、ロスに来たら車がないと動けないよ。それにベガスの週末はすごく混んでてホテルが取れないんだ」。

海沿いにはレストランが並んでいるがあまり活気がなく、しっかり食べる気にもなれず、ファーストフードでサンドイッチを買い、港で食べる。


ピタ・バーガー・クラシック ★★★


クラブハウス・サンドイッチ ★★★

両方で2300Drs(750円)


19:20 シロス発。23Qという指定席、横はZ列まであって内部はフェリーと変わらない広さだが、これまた混んでいる。
約1時間で20:25 ミコノス着。きっとエーゲ海で最も有名で、観光客もいちばん多いであろう島。

ちょうど夕暮れ時で
船上から見るミコノス・タウンは
白壁が
薄紫に染まって
美しい

サントリーニから来た我々には感動は薄いが、それでもやはり嬉しくなるしワクワクもする。船は多くの乗客を降ろし、すぐまたどこかの島へと港を出ていった。
港には客引きやホテルの送迎がまたわんさかいるが、私の名を書いた紙を掲げたおばさんをすぐ発見。8人乗りくらいのバンに案内され、乗るとすぐ名刺を渡され、早口で自己紹介される。“Mykonos international tourist & travel agency”の上に
読めないローマ字で自分の名前を書いてある。ドライバーはギリシャのどこにでもいるようなおじさん。
ミコノス・タウンの少しはずれにあるミコノス・ベイ・ホテルまで車で10分。思ったほど不便な場所でもなく、タウンまで歩いて15分ってところ。

ホテルはコテージタイプになっていて
ちゃんとボーイもいる
TV、冷蔵庫、ドレッサーにテラスがあり
白壁のかわいらしい部屋
ビーチまで10秒!!
なのにプールもある

サントリーニの旅行会社で頑固オヤジとあんなにやりあった我々だが、
「こっちの旅行会社で手配してもらったところって全部当たりやったなぁ・・・結局自分らで飛び込んだメテオラのホテルが一番最悪だったやん」。
教訓:ギリシャの現地旅行会社は小さなところでも信用でき、なおかつ使える。

フロント横の掲示板にはミコノスからの様々なクルーズ・ツアーが貼り出されている。明日朝のデロス島行きの船のチケットを買っておく。往復1人1900Drs(650円)。フロントのおやじは、
「大阪からもメニー・メニー・ピープルが来るよ、僕の娘は一橋大学で講師してるんだ」。
何を教えてるのか知らないけどそりゃすごい。

ところで、ここまで移動するだけでもう地球儀がかさばり邪魔でしょうがない。ダンボール箱と発泡スチロールを破棄し、バスタオルにくるんでスーパーの袋に入れて持ち帰ることにするが、ゴミ下げてるみたい・・・。
波の音を聞きながら就寝。


                                     Continue...


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